アカハライモリ
有尾目 イモリ科 トウヨウイモリ属
アカハライモリ Cynops pyrrhogaster
【生態】
①体 長;♂:80~120mm
♀:80~120mm
②生息地;沼,田んぼなど
③本州・四国・九州・佐渡島・壱岐島・五島列島・大隅諸島
【観察者の説明】
アカハライモリは,再生や発生など様々な研究に利用される事で知られる.耳腺からはフグ毒であるテトロドトキシンを出し,又,イモリの黒焼きは惚れ薬という事でも知られる.アカハライモリは移動性に乏しい為,地域変異が激しく,それは腹部の赤い警戒色によく現れる.雌雄の見分け方は,尾の鰭が広く大きい方が雄で,狭く細い方が雌である.春先に繁殖期になった雄は,全体的に紫色の婚姻色を帯びる.卵包は2mm内外で,楕円形の寒天質に包まれ,水草などに付着する.そして,普段肉食性のアカハライモリは,繁殖期には著しい雑食性となる.飼育時にはよく壁面を登り脱走するので注意を要する.
【既存の図鑑による説明】
体形にも体色にも変異が多く,ある程度まで地域的に変わる上に個体変異の幅も広い.背面は黒色又は黒褐色,希に赤褐色.腹面は赤くて不規則な黒斑を備えているのを原則とするが,黒斑の全く無いものもあり,逆に正中線上の不規則な縦条を残して全体に黒くなったものもある.このような両極端の間には様々な段階が見られるが,一般に,太平洋沿岸地域の個体群では,黒い斑紋や斑点が少ない.掌部,蹠部及び指趾の下面は暗褐色,又は黒褐色.尾の下面正中線上には常に赤色縦条があり,♀では♂よりも鮮明である.尚,繁殖期の♂には,灰青色の婚姻色が現れる。頭部はかなり長く,長さが幅よりも明らかに大きい.最大幅はよく発達した口角の付近にあり,そこから前方へ急激に狭まっているが,吻端は円く終わる.鼻孔は吻端の両側に開き,眼の前端からは遠く離れている.眼は比較的大きくてやや突出し,長径が眼と鼻孔との間隔に等しい.しかし,上瞼の発達は悪く,その幅が左右の上瞼の間隔より遥かに小さい.耳腺はよく隆起し,眼の後端から後方へ延びているが,特に後部は側方へ半楕円形に突出する.鋤口蓋歯列は逆V字形で長く後方に延び,後半部で著しく開いている.胴は長くてほぼ円筒状,顆粒と不規則な横皺とで一面に覆われているが,顆粒の大きさには著しい変異がある.背中線上には,後頭部に始まって胴を後走し,後方で尾の背稜に続く明瞭な隆条があり,♂ではその両側に,耳腺の後方から後走して尾の基部に至る左右各1本の鈍い隆条が認められる.又,腹部の両側にも,♂では鈍い隆条のあるのが普通.四肢はかなり長く,体側に沿って伸長すると指趾端が大幅に行き違う.指趾も長くて扁平.前肢は細く,第3指は特に長いが,第1指は非常に短い.後肢は5趾で,普通は第3趾が最長,第1趾は最短.尾は著しく側扁し,背縁の全部と腹縁の後半部とが鋭い稜になっている.♂の尾は比較的幅が広く,尖った末端の少し前から急に細くなるが,♀では全体に細長く,尖った尾端まで一様に細くなる.
最終更新:2011年10月31日 12:55