神の摂理に挑む者達 ◆yy7mpGr1KA
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それでは今日は八尾比丘尼のお話をしましょう。
昔々の大昔、寺のすぐそばまで海が来ていた頃。
あるとき「珍しい魚が取れたぞ」と漁師が村の者に行ったので見に行くと、そこには顔は人の顔で、あとはみな魚と言うおかしな魚があったそうな。
村の皆が気味悪がって「海へ捨てよう」と騒いでいると、どこの者か旅の人がやってきて「これは人魚と言うものだ。荒神様にお供えすれば、良い御利益があるかもしれん」と言った。
それならばとその通りお供えをして荒神様のお祭りをしたが、お祭りを終えてもこの気味の悪いお供えを頂く者はいなかった。
ところがちょうどそこに乳母に連れられた小さな娘がやってきて誰も知らないうちにその肉をちょこっとつまんで食べてしまった。
それから十七年、娘はこの世のものとは思えないほど美しく成長した。
村は誰がこの美しい娘の婿になるのかという話でもちきりになった。だがそれから二年も三年も経つうちに皆が首をかしげるようになった。娘は年を取っていないように見えたのだ。
そして四年、五年も経つと変わらない娘の姿に皆は気味悪がるようになった。
もちろん婿になろうという者など誰もいない。仕方なく遠くの村から婿をとった。婿も最初は若くて美しい嫁さんなので喜んだが、そのうち人の口から話が漏れる。
「お前さん、あんたの嫁後の年を知ってるかね。うちのばあ様と同じ、八十七だぞ」と。
逃げ出す亭主もいれば、気にしない亭主もいた。
だが二百年、三百年と経つ間に亭主に持った男も次々に死んでいく。それでも自分は十七のまま、五百年、六百年と経てばもう海だった場所も干上がって田畑に変わってしまうほど。元の親も、亭主も、知り合いも、もう誰もいない。
目に見える景色も、もうすっかり変わってしまった。
こうなっていてはもう生きている甲斐もない。やがて頭を丸めて尼になり、諸国巡礼の旅に出てしまった。
そうして巡り巡って八百歳になった頃、どう巡ったかは知らないが尼は若狭の国へやってきた。そして尼は誰にも会わないように深い深い洞穴の中に入っていって、そして二度と出てくることはなかったということだ。
☨ ☨ ☨
「……仕方ない」
白野君は僕を殺してくれなかった。死者に導かれ冥府に行くことも叶わなかった。
……僕の自殺は、失敗だ。
ラプンツェル。大切な人を失い、それを取り戻そうとする者が冥府に導かれる物語。
志弦を取り戻せるなんて考えていない僕では導かれないのも当然か。
自嘲。
彼女の下に行きたいとか、神への復讐だとかそんな考えを持つ人もいるのだろう。
でも、魂だとか死後の世界だとか、神が人格を持つなどと言うのはどうしても自分には信じられなかった。
文化や慣習としては敬意を払おう。だが実在するとは思わない。
怪奇現象が実際に存在することも知っている。だがそれは自然現象が偶然、知り合いに似ているだけ。
死んだ人間は生き返らず、もう会うことはできない。死後の世界は存在しない。
そう考える僕では、『死後の世界』なんて導いてくれないのが当然か。つくづくままならない。
最後の希望は白雪姫。この泡禍で妃の役となり、処刑されることを望むしかないか。
「〈喜べ、僕。君の願いは、ようやく叶う〉」
それは彼には意味のない呟き。でもそれは、ある世界では最悪のトラウマ〈断章詩〉。
それを唱える彼の背後では冥界に導かれた〈王子〉が、〈泡禍〉を滅ぼしており。
頭上では血のように赤い月が煌々と輝いていた。
☨ ☨ ☨
長い、長い、長い時が流れた。
10年か、100年か。遥か昔に数えることも考えることもやめた。
時折ふと思い立って試してみることがあった。
手から植物を生やし、進化させ、『方舟』の材料と同質のものにしようとした。
それでも方舟に導かれはせず、また考えることをやめた。
またあるときは生やした木を炭化、変質させ『月』に存在する石と同組成のものにしようとした。
それでも月に至ることはなく、また考えることをやめた。
あれからどれだけの年月が経ったろうか。
何かしようとする気分でもなくまたすぐ思考を停止しようとしたが
……なぜだ?
ここにきて初めて疑問というものを覚えた。
あれは確か大気の成分による光の乱反射とそのときの位置関係によって起こるもののはずだ。
ならばなぜ
‣・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
宇宙空間から見る月が紅く染まって見えるのだ?
☨ ☨ ☨
「聖杯、戦争か」
眼鏡の男が、誰にともなく呟く。
「〈神の悪夢〉ではなく〈神の子の血を受けた杯〉か。僕が求めるものとしては、皮肉が効いてる」
くっくっ、と口の端から笑いを漏らす。愉快気ではない暗鬱な笑い。
「きみはどう思う?セイバー君」
少し離れて、物品を漁る男に声をかける。
ここは東京、池袋。その片隅にある小さな古物商だった。
「おれは、帰還する。このような偽りの地ではなく、真実の地球に再び足をつけるのだ」
男は願いを語った。
かつて神の座へと近づきながら、人間の機転と大自然の力に敗れ、星の外へと追放された今への忸怩たる思いを。
仲間の犠牲は、何をしても無駄にしてはならないと決意を誓った。
「聖杯が何であろうと構わん。おれは何であろうと、何をしようと聖杯を手にしてみせるぞ!」
エシディシ。俺の理想に唯一理解を示してくれた同朋。
ワムウ。俺達と共に生きながらも己を貫いた強き戦士。
二人が命を賭したその結末を、この
カーズが断じて無にするわけにはいかんのだ!
「……聖杯が何か、か。君はこんなものを知っているかい?」
私たちの心の、深く深く、とても深く。
もう『私』というモノすら分からなくなるほどの遥か深くに、神様がいます。
神様は深みの寝所で、ずっと眠り続けています。
神様はずっと、夢を見続けています。
神様はあるとき、悪い夢を見ました。
神様は全知なので、この世にあるすべての恐怖を一度に夢に見てしまいました。
神様は全能なので、自分の見た悪夢を切り取って、寝所の外に捨ててしまいました。
切り取られた悪夢は大きな泡になって、深みの寝所からゆっくりと上がってきました。
大きな泡は上へ上へと上がりながら、二つに、四つに、八つにと分かれていきました。
泡はいくつにも分かれ、やがて数えきれないほどの小さな泡になりました。
そしてたくさんの泡は、はるかな深みから次々と浮かび上がってきます。
私たちの心へ向けて。
神の見た、悪夢の泡が。
「知らんな」
「そう。まあ自費出版のオカルト本だからね、無理もない。この詩は19世紀中頃にイギリスの童話作家であるジョン・デルタによって記された、『マリシャス・テイル』という本の冒頭分さ。
この世に存在するありとあるゆる怪奇現象に対する一つの解釈と考えてもらっていい。真偽はともかくとして、僕らは怪奇現象の類をこれになぞらえて〈泡禍〉と呼んでいる。
この神の悪夢の泡は人間の意識に浮かぶと急速にその人の持っている恐怖や悪意や狂気と混ざり合って、すぐに人間の小さな意識の器では収めきれなくなって現実に溢れ出すと言われている。
そして溢れ出した悪夢は現実を変質させ、悪夢を現実のものとしてしまう。……この聖杯戦争も僕はそれだと考えているよ」
まるで大学の教授のように聞かせるように淀みなく話し続ける神狩屋と、物漁りをやめて生徒のように耳を傾けるカーズ。
「聖杯戦争は魔術儀式と認識していたが?」
「うん。魔術、つまりオカルティズム。オカルトは人の無意識を操作し、無意識のエネルギーを用いるという側面があるらしいんだけど、その実践者は神話や民話を儀式に取り入れたりするんだ。
ルーン魔術の起こりは北欧神話だし、いわゆる礼装の類はそう言ったものを再現しようとしているだろう?
……『集合無意識』、『元型論』というものがある。童話や神話などは地理的、文化的な交流がないにもかかわらず似たようなモチーフのものが語られることが多いんだけど、それは?」
「異類婚姻や神隠し、冥界訪問などか。学説としては知らんが、世界中で似た物語が多いのは知っている」
「話が早くて助かるよ。『元型論』っていうのは‘人類の意識には文化に関係なく共通の原型がある’というものだ。異類婚姻なら『美女と野獣』や、『鶴の恩返し』が有名かな。
昔から伝わる物語というのは古いゆえに元型に近いものらしい。そして神の悪夢というのは『元型』に限りなく近い、もしくは負の『元型』の塊と言われている。
だから浮かんだ〈泡〉があまりに大きいものだと、その人固有の恐怖を希釈して物語の『元型』に近くなるんだ」
例えば、自分が助けられたはずの者が死んでいくことを恐れる人がいた。
その人に大きな〈泡〉が浮かんだ結果、童話『ヘンゼルとグレーテル』に近似した「グレーテルが魔女を殺す」「ヘンゼルのいないグレーテルが魔女となり、新たなグレーテルに殺される」〈泡禍〉となった。
ヘンゼルが目印を残しておけば助けられたのに、家に帰れず魔女と化し、殺されてしまうグレーテルの物語。
例えば、愛するものを失うことを恐れる人がいた。
その人の〈泡禍〉は「町中の人が泡に還ってしまう」人魚姫の物語。
娘が自分と異なる価値観を持ち、泡へと還っていき、他の家族もいずれ泡沫となる人魚の物語。
「『物語』を再現しているんだよ、これは。聖杯…それだけじゃなく願望器を求める物語は古今東西あらゆるところにある。
そしてそれに挑むのは再現された『英霊』。過去の『英雄譚』の登場人物だ。混ざり過ぎて固有の新たな物語と言っても過言じゃないと思うけどね。これは『聖杯戦争』という物語……そして〈泡禍〉だ」
すでに傍らのセイバーに語るでなく、己が学説をまくし立てるだけになりつつある。
「何が言いたい?願いは叶わないとでもいうのか?」
「いや、たぶん願いは叶うよ。例えば僕は不老不死だ。始皇帝しかり、これは権力者ならば求めてやまないものじゃないかな。僕には全く不要なものだけどね。
他にも死者を蘇らせることが出来る人や記憶を奪うことのできる人を知っている。誰かにとって求めてやまないものは、きっと他の誰かにとって見るのも悍ましいものだ。
白雪姫に憧れる人もいれば王子に憧れる人もいるだろう。かぐや姫のようにこの地での思い出をなくすかもしれないし、浦島太郎のように年を取るかもしれないけど故郷に帰る事はできるんじゃないかな」
さらり、と思いやりなど欠片もない一言。
カーズはこの地での思い出など重視しないし、不死身ゆえに時間の経過など気にしないが……それでもこの男が致命的にずれているのは分かった。
「……おまえは何を願うのだ?」
悪夢のような形で願いが叶うと考えるこの男は何を思うのか。
当然の疑問を投げる。
「僕はね、〈白雪姫の妃〉になりたかったんだ」
「……なに?」
「〈妃〉に限らない。処刑された〈狩人〉でもいい。白雪姫に限らず赤ずきんの〈狼〉でもいいし、ラプンツェルの〈王子〉として冥界に導かれてもよかった。
……僕はね、人魚の肉を口にしたゆえに死にたくても死ねない〈八尾比丘尼〉なんだ。だから、この『聖杯戦争』という物語でも死に至る配役になりたいと思っているよ。
ああ、そういえば聞いてなかった。セイバー君、君は僕を殺すことができるかい?」
そう口にした神狩屋には今までにない情動があった。
虚ろで空っぽで死に向かう、絶望にも憧憬にも近似した真っ暗闇の情動が。
「お前を殺せば、その魔力供給で現界しているおれも消える。聖杯を求めるおれには聞けん願いだな」
「ああ、そうか……そうだね。聖杯戦争のマスターという役目はこなさないと義理が立たないか……君に死んでくれというわけにはいかないか、仕方ないね。
それじゃあ、かねてから考えていた仮説を試すことにしよう」
仮初でしかない生の仮初の役割として、マスターという立ち位置を一時的かも知れないが受け入れる。
「お前より使えるマスターが見つかれば殺してやるさ……仮説?」
「うん。発生したばかりの『童話』クラスの〈泡禍〉に飛び込んで自ら『配役』を演じればその『配役』に収まれるんじゃないかってね。
それを実行するには余計な先入観は邪魔だから、この先『物語』の解釈なんかはせず、方針も君に任せるよ。『集合無意識』に拒まれるなんて御免だしね。
参加者を殺せというなら殺そう。同盟を組めというなら組もう。ここが英霊集う地なら〈人魚〉のような不死身の怪物を殺せるものもいるだろう。
端役でも主役でもいいから『聖杯戦争』で必ず息絶える『配役』になれるよう、僕を……死に導いてくれ」
一人の不死者は死出の旅路を願う。
一人の不死者は現世への帰還を願う。
これはきっと、黄泉平坂の穢れたる出会い。
【クラス】
セイバー
【真名】
カーズ@ジョジョの奇妙な冒険
【パラメーター】
筋力A 耐久B 敏捷B+ 魔力D 幸運C- 宝具B+
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
対魔力:A+
現代の魔術はおろか神代の魔術を用いても彼を傷つけるのはほぼ不可能である。
十万年以上の長きにわたり生きつづけ、積み上げたその神秘は破格のランクを誇る。
騎乗:C++
騎乗の才能。大抵の乗り物を人並み以上に乗りこなせる。
なお後述するスキルにより乗機と一体化すれば幻想種とて乗りこなす可能性を秘める。
【保有スキル】
原初の一(偽):D
偽りのアルティメット・ワン、アルティメット・シイングに至る進化の過程。生まれついての吸血種が宝具による肉体改造で変異したたった4人の柱の闇の一族、その一人。
英霊の座においてもその4人しか持ちえないスキルであり、Dランクでも破格のもの。
本来のものとは異なり、星のバックアップを受けることはできないが関節を無視した柔軟な動き、卓越した身体能力、肉体の再生、全身の細胞からの捕食、他の生物との一体化など様々な能力を持つ。
また死徒に対してのみ同ランクのカリスマを内包する。
生前彼はある二つの宝具を用いて最高ランクのこのスキルを取得したのだが、完成したアルティメット・シイングは精霊の域であり、英霊の再現が限度である聖杯では進化する前の彼しか再現できなかった。
九尾の妖狐、ファニーヴァンプといった規格外の存在を再現することが可能な状況であれば、彼はAランク相当のこのスキルを保持し、さらに多様な能力を発揮するであろう。
策謀:C
戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落としたり自身が有利になるよう立ち回る才能。
奇襲や策略の実行、それによる敵へのダメージ等の効果に有利な判定が得られる。
一流の軍人をもってしても対応できない惨虐にして鮮やかな襲撃、影武者や人質を利用しての闘いなどを行った。
手段を問わず目的を達するのが至上であり、最終的な勝利のみを求める。
ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。
ラーニング:A
僅かに会話を耳にしただけで異国言語を習得、一目見ただけで銃を分解、発達した文明にも瞬く間に馴染んで見せるなどを可能とする高度な学習能力と適応力。
見聞きした技能を学び取ることが可能。
彼はこのスキルで宿敵の技法、『波紋法』も習得しているが、太陽の属性を弱点とする今の肉体では使えば自滅を招く。
道具作成:E
魔術的な道具を作成する技能。
生前は被ったものを吸血種やその上位存在に進化させる石仮面、並行世界においては超能力を覚醒させる矢の作成を行った。
セイバークラスとして召喚されたため大きく制限されている。
【宝具】
『輝彩滑刀の流法(モード・オブ・シャイニングブレ―ド)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:0~4 最大捕捉:5人
スキル:原初の一(偽)による卓越した肉体操作により彼らは固有の流法を持ち、カーズのそれは『光』である。
四肢から骨を硬化させたブレードを生やし、そのエッジ部分を微小な刃が走り、それが複雑な反射をすることで輝いているように見える。
チェーンソーのようなそれは硬度や神秘で勝るものをも切断する。
刃を突き立てることによる吸血、刃なしで光を放つことも可能。
『血の運命紡ぐ石仮面(ヴァンパイア・イヴ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
血を浴びせると骨芯が飛び出す石仮面。この仮面を被ってその骨芯が脳を突くことで死徒へと変異する。
対人宝具ではあるが人間だけでなく馬などの動物にも効果を発揮し、またとある宝具と組み合わせることでスキル:原初の一(偽)のランクを大きく向上させることが出来る。
宝具ではあるが魔力消費と道具作成スキルにより生産可能。
【weapon】
宝具およびスキルに依存。
【人物背景】
はるか昔、地球に出現した太陽光に当たると消滅してしまう生き物の一族、その一人。
その一族の多くは穏やかに過ごしていたが、突如生まれた一人の天才がより強い力を求めたため争いが起き、その天才と協力者一人、何も知らぬ赤子二人を残して一族は滅んだ。
その天才がカーズであり、その四人が石仮面をかぶり、原初の一(偽)となった柱の闇の一族である。
柱の闇の一族は多くの動物を殺し喰らわなければ生きられないため当然戦争が起こり、宿敵として波紋使いの一族とは幾度も争った。
戦争を続けながらも石仮面、そしてエイジャの赤石の力で更なる進化を遂げようと画策。
そして十万年以上が過ぎた西暦1939年、波紋使いジョセフ・ジョースターとの闘いにおいて3人の同族を失うも赤石と石仮面によってアルティメット・シイングに進化を遂げる。
その圧倒的な力でジョセフや人類を圧倒したが、ジョセフの機転と地球の力に敗れ宇宙空間に追放され、考えることをやめた……はずだった。
彼は生きながらにしてその規格外の存在からサーヴァントとして参戦した存在である。そのため霊体化や座に依存した知識の獲得などはできない。
【サーヴァントの願い】
地球に帰還する
【マスターとしての願い】
聖杯戦争という〈泡禍〉の登場人物として死に至る。
それができなければ聖杯に死を願う。
【能力・技能】
〈黄泉戸契〉(ヨモツヘグリ)
抱えた悪夢の内容は“自分だけが死なない”。
神狩屋の血液などを摂取する事で、ケースバイケースだがあらゆる肉体の外傷を治癒する事ができる。ただし、瞬時に〈異形〉化するため一般人には使用できず、耐性のある〈断章保持者〉でも摂取し過ぎると〈異形〉化する可能性があるらしいため、治療の際には少しずつ様子見をしながら使用している。
また、神狩屋自身はいかなる外傷を負っても、意思とは関係なく瞬時に〈効果〉が発動するため、決して肉体的な損傷で死ぬ事はできない。
なんらかの異能保持者に用いた場合どうなるかは不明。
……正しくは〈八尾比丘尼〉。人魚の体の一部を口にした者が不死身になるように、神狩屋の肉体の一部を許容量以上に取り込んだものは不死身の人魚になる。
人魚と言っても美しいものではなく、全身から鱗や小魚を生やした醜い不死身の〈異形〉と化す、黄泉の存在。
神狩屋自身はこれ以外に能力は持ちえないが、不死身ゆえに骨折など厭わず肉体の力を発揮できるためおぞましいまでの力を発揮することができ、痛みや自らの負傷も気に懸けず行動が可能。
【人物背景】
泡禍に対処する「断章騎士団」の支部、神狩屋ロッジの世話役。通常は拠点を構える店名の「神狩屋」で呼ばれる。
大学在学中に入院した病院で、後に婚約者となる志弦と知り合い、駆け落ちをした。しかし、志弦は神狩屋に浮かび上がった〈神の悪夢〉による〈泡禍〉の犠牲となり、自殺している。
その後は自殺を試みるも先述の断章ゆえに死ぬことが出来ず、仕方なく生きる理由として「断章騎士団」に所属、団員のために動いていたが……
友人、役目、義務などに拘っているふりをして嘘の生を嘘の生き甲斐で満たしている…その実生きることなどどうでもいいと考え、強烈な自殺願望を抱き続ける生ける屍。
役目自体はそれなりに気を紛らすことはできていたのだが、自分と同じく恋人の死を悪夢として抱えた友人が命を落としたことで糸が切れる。
かねてから目をつけていた自分を殺せる〈断章保持者〉に殺されようと画策した、その最中の参戦である。
原作中では最後に自らの断章により多くの人を異形に変え、その解決のために殺されることになる……彼の望み通りに。
強烈な自殺志願者にして究極の無神論者。
死後の世界や幽霊など一切信じず、死を求めるのも恋人のいない世界に一切の意味を感じていないから。
死後に再会できるとか輪廻だとか、死者の蘇生などどう辿っても考える男ではない。
『愛する人を失う』という恐怖を真摯に抱えた人に対して「死後の世界や霊魂を信じているのになぜそんなことを恐れるのか?」などと言ってのけるほどである。
【方針】
神狩屋は目的のためならば何でもする。誰かの恨みを買って殺されようとするし、誰かに同情されて殺されようとする。
カーズは目的のためならば何でもする。人質も取る、奇襲もする、影武者だって使う。
最終更新:2015年02月08日 21:22