ここではPrimBakerの使用時のポイントとなる部分について解説します。

並行投影での焼付け



「Bake Types」パラメータの「Cylinder」と「Sphere」は並行投影としてプリミティブに焼き付けるモードです。この2つのモードについての基本を説明します。

こういう四角いテクスチャを円錐、または球の側面から見てこのままの形で見えるように貼り付ける場合について説明します。

「Bake Types」パラメータの「Cylinder」にてテンプレートのチェックをオンにした状態の結果です。「Taper ratio」は今回の対象が円錐なので100に設定されています。「Subdivide」設定は1のままで分割は行いません。このパラメータの示す所は円錐の側面の半分にテクスチャを貼るという事になります。

円錐に出来るだけ大きく貼るために四角い模様は縦長にしています。

今度は球体で同様のパラメータを施したものです。これも先程と同じで球体の側面の半分にテクスチャを貼るという事です。

円錐用のテクスチャの変換結果です。円錐側面に貼り付ける画像が収束に対して幅を広げています。

球体用のテクスチャの変換結果です。球体は上下に収束点があるので上下ともに幅を広げています。

縦方向については上下の極に近づくほど面に対する角度が浅くなるために極付近は縦が延びます。その為に画像全体としては縦方向は収縮します。

円錐に貼り付けた結果です。この用に正面から見た場合に正しく見える結果になります。

ただ、収束点に近づく程、表示システムによってはポリゴン等の形状の為に若干歪みが発生するので完全な直線にならない場合があります。この例でも若干線がジグザグに歪んでいます。

球体に貼り付けた結果です。円錐の場合と同様に正面から見た場合に正しく見える結果になります。

貼り付けた球体を斜めから見た結果です。この様に横側から見ると歪みます。並行投影で正しく貼り付けされている事が分かります。

これはよくあるグラフィックエディタ用の3Dオブジェクト貼り付け機能で表示したものです、球体用のテクスチャの確認ならばこのようにグラフィックエディタ上で確認が出来るので実際のレンダリングを行わなくても確認が出来て便利です。


「Subdivide(分割)」パラメーターについて



「Processing modes」パラメータの「Subdivide」は円周を分割して複数ブロックに切り分けて処理するパラメータです。ここでは円周を分割する場合の注意点について説明します。

まず、縦横が2:1のこのような図を用意してみました。この画像は分かりやすいようにテンプレート出力にしたものです。PrimBakerは横幅を変形させるので文字は90度回転しています。

これを球体の側面の4分の1に平行投影ではなく、極の軸に対してそのまま貼り付ける「Globe」モードで加工する事にします。

加工したものがこれです。これは、「Bake Types」を「Globe」として「Subdivide」は1としています。この画像では加工後の画像に貼り付け時に境界が分かるように横に黒い同じサイズの部分を追加しています。横と縦の比率はこれで1:1となったのでこれを円周の半分に貼れれば文字も正しいアスペクト比で貼り付けられる事になります。


上記の結果を貼り付けました。文字の高さは揃っていて正しく四角い領域に表示されています。

実はこれは多少問題があります。これでも使えなくは無いのですが、計算上は分割数が1の場合は球体の半分の面に対応した曲率なので2:1の比率の画像を加工して4分の1に対応させると多少横幅が小さく表示されてしまいます。

円周の半分を2分割する方法で試してみます。この様に全体の横と縦の比率を1:1としています。

加工した画像です。前にこの半分を分割数1で加工した物との違いが分かると思います。

上記の結果を円周の半分へ対応させて球へ2回の繰り返しで貼り付けました。前回の物より幅が大きくなっていることが分かると思います。この様に加工に精度を求める場合は画像の「縦横比」と「分割数」についての関係に気を付ける必要があります。

※上下が極付近が若干水平方向に圧縮されたように見えますが、これはこの3D表示でのパースの効果が掛かっている為で、本来のテクスチャを球体に貼った為の収束とは別の歪みです。



[2009/03/28] 修正
  • 分割パラメーターの説明において、分割数を4にする記述で説明していましたが、加工の精度を高く保ちたい場合に対して不適切でしたので修正致しました。正しいアスペクト比を維持する為の分割数は4ではなく2となります。間違った記載であった事をお詫び致します。


 










 









最終更新:2009年05月14日 19:42