【突然、南の島!-石垣・竹富いきなり旅行】
第4話)不思議な展望台と島の夜

||沖縄旅行記|石垣島|竹富島||

何もせずボッーとするのが基本の竹富島では、水牛車に乗ることと集落を散策することが二大アクティビティである。これ以外に何があるかといえば、展望台に昇って景観を楽しむというオプションがある。

島最高峰の海抜24mの眺望が楽しめる「なごみの塔」は、その狭くて急な階段が人ひとりの登頂しか許さないこともあって、列をなす人気アトラクションだ。

なごみの塔 なごみの塔
人気の「なごみの塔」

が、島には「なごみの塔」の他にもうひとつの展望台がこっそりとある。「ンブフル」と名づけられたその展望台は、地図上では集落の南にあるはずなのだが、それらしき場所に行っても気配がしない。

やや小高い丘の上に人家を見つけた。それがその「ンブフル展望台」に当たるようなのだが、この門構えはどう見ても観光施設ではないゾ。まあいい。とりあえず門の前まで行って見るか。 あれれ、なんだこれ。 かすかに「展望台」と解読できるへたくそ文字の看板があるゾ。

ンブフル展望台?
これが展望台か?

そっと門扉を開け中庭に侵入すると、家屋の屋上に続く階段脇に「大人100円、子供50円」の張り紙と、お金を入れる空き缶が置いてあった。無論受付は無人だ。要するに農家の無人路地販売と同じく人類みな性善説に立脚した私営の展望台だったのだ。

無論お金を払わず昇ることは可能なのだが、こうまで明けっ広げに無防備だとついついキチンと払ってしまうから人間の心理とは不思議なものだ。

ンブフル展望台集金システム ンブフル展望台集金システム
展望台の集金システム(上)とシュールなその全容(下)
ンブフル展望台全容

民家の屋上の洗濯物干し場にわずか数メートル下駄を履かせただけの「展望台」からの眺めは、「なごみの塔」の眺めと大差があるわけではない。が、シュールさの点では数段上を行く穴場スポットであった。

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素泊まり1500円の安宿が乱立する石垣と違って、竹富には素泊まり宿がほとんどない。一泊二食付きの民宿がこの島のデフォルトであるが、僕は数少ない素泊まりのユースホステルに泊った。日の暮れた夕方7時過ぎ、僕は夕食を食べに宿を離れようとして、直ちにこの島で素泊まり宿が少ない理由を理解した。

 人っ子一人歩いていない!

人っ子一人いない竹富島の夜
人っ子一人いない、竹富島の夜7時!

最終の石垣行きの船が出ると、昼間観光客であれほど賑わっていた集落が、ひっそりと静まりかえる。

夕方7時だぞ! いくら離島とはいえ、21世紀の日本で、まるで電気のない未開の孤島のような暮らしが実存しているなんて信じがたいが、ともかく人が表にいない。

人がいないのだから、食堂も多くが夕方は閉めてしまう。これでは素泊まり宿がほとんどないワケだ。

 「あんた、ハブに気をつけてな」

薄暗い夜道を歩きながら、宿を出るときの旅館のおじさんの言葉を思い出した。寒いと言っても蛇が冬眠するほどではないので、夏場ほどではないが、時々出没するそうだ。

暗闇からあの不気味な姿が飛び出してきたらどうしよう! こんなことなら食事付きの宿に泊るべきだった!

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後に竹富島の民宿に泊った旅行者の話を聞いた。民宿では山羊やら島の魚やら、この島の人たちが普段食べている料理がいただけるとのことであった。山羊などはかなりクセがあって、必ずしも美味しいと感じるものではなかったらしいが、それでも独自の食文化を体験できるのは貴重だ。

この島では「食事付きの宿」に泊るのが正解であった。


(続く)


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