【陸路で水路でアンコールを目指せ!!】
第3話)バッタンバンからの船旅はジャングルクルーズ

《カンボジア旅行記|ポイペト|バッタンバン|シェムリアップ|プレアヴィヒア|》

バッタンバンで一泊した後シェムリアップに向けボートで移動する。この区間はバスなら5ドルで行けるが、ボートだと20ドルもする。しかし川沿い住民の生活が見れてなかなか興味深いという話を聞いたので、奮発して船旅を選択してみた。

ボートの出発は朝の7:00。前日に切符を購入した旅行会社のスタッフからは30分前に船着き場に着くようにと言われていたので、早起きをして6:30にボート乗り場に来てみるのだが、おかしい!! 他の乗客が誰もいない。チケット売り場のブースまで閉まっているし、そもそも船着き場にはボートがない。

カンボジア旅行記|ボート乗り場はチケット売り場のブースまで閉まっている
ボート乗り場はチケット売り場のブースまで閉まっている

しばし不安にかられていたが、三々五々旅行者たちが集まってきた。そして、そこに一台のトラックが止まった。

 「シェムリアップ、ボート。カムオン!」

と、荷台に乗るよう促された。要するに今いる所はただの集合地点で、本物のボート乗場は車で10分程川を下った所にあった。

そこに停泊していたそのボートはかなりの年代物だった。果たしてこんな船で大丈夫なのか? ともかく席に付きイザ出発!! 軽やかなエンジン音と共にボートは岸を離れた、んん、否、離れない。船着き場付近は水深が浅すぎていわば座礁している状態だった。そのため船長を始めスタッフが川底に降りて、十分な水深のある位置までボートを押し出すのであった。

カンボジア旅行記|ボートはかなりの年代物
ボートはかなりの年代物。スタッフが川底に降りて十分な深さのある位置までボートを押し出す
カンボジア旅行記|スタッフが川底に降りて十分な深さのある位置までボートを押し出す

一旦進みだすとボートは快調に川を下っていった。コーヒー色に濁った水の細かい飛沫を浴びるのが難点ではあるが、川辺の民の生活が垣間見えるのは楽しい。高床式の住居、水上に浮かぶ小学校、漁民が仕掛けた漁の罠。そして時折水牛の群れが僕らを歓迎してくれる。

カンボジア旅行記|川辺の民の生活が垣間見えるのは楽しい
川辺の民の生活が垣間見えるのは楽しい

途中、右に左に激しく蛇行する区間を通過する。スピードを落としたボートは岸辺の草木をかすめ、時にはぶつかりながら、ゆっくりゆっくりと難所を通過していった。

川の流れはやがて広大なトンレサップ湖に吸い込まれる。僕らの船もこの東南アジア最大の湖の中を進んでいった。

そのうち後方のエンジンが爆音をあげているのに、ちっとも船が進まなくなってしまった。嫌だ!! こんな湖の真ん中で遭難なんてしたくない!! そう悲観していると、船長は船を停め竹竿を持って湖に飛び降りた。何をするんだ、船長!! 気でも狂ったか?

そうではなかった。トンレサップ湖は雨季には乾季の何倍も大きくなるという。今は雨季の始まり、つまり最近まで陸だったところも多く水深は浅い。実際のところこの辺りは船長の膝上程度の浅さしかなかった。こんな状態では遭難することはないが、すぐに座礁してしまうのは仕方がない。

カンボジア旅行記|湖の深みを探りながらボートの進路を探る乗組員
湖の深みを探りながらボートの進路を探る乗組員

乗組員たちは竹竿で湖の深みを探りながらボートを押す。そしてエンジンをかける。が、スクリューからは水しぶきでなく、泥の飛沫が撒き散らされるばかり。

やっとのことで浅瀬を脱出し、シェムリアップ側の船着き場に着いたのは午後3時過ぎだった。行ったり止まったりで時間はかかったが、本物のアドベンチャークルーズがたった20ドルで8時間も楽しめたのだと考えればお買い得だったと言えよう。

(続く)


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最終更新:2019年09月08日 23:57