【奥やんばる路線バスの旅】
第2話)村営バスを乗り尽くせ!!
《沖縄旅行記|やんばる|国頭村|大宜味村|辺土名|安田|名護|》
沖縄本島北部の奥やんばるはコロナ対策として旅するにはうってつけの過疎の地であるが、交通機関が心もとない。ペーパードライバーのオイラにとってレンタカーという選択肢は危険すぎる。しかしこの辺りの公共交通は国頭村の中心・辺土名(へんとな)までは民間バスが通じているものの、そこから先は村営バスしか手段がない。
辺土名(へんとな)から安田(あだ)までは村営バスしかない
オイラは、西海岸側の辺土名から東海岸側の安田(あだ)集落に向かいそこで一泊して戻ろうとしていた。その区間は1日2本村営バスの定期便がある他に、ジョーカーのごとき独特の運行システムがあった。「予約便」と言って予約を入れた時のみ、朝10時及び11時半に運行するバスだ。行きは14:00発の定期便、帰りは翌朝11:30発の予約便が使えればちょうどよい。
だが、その便は村民以外でも予約できるのか? 確認すべく村役場に電話してみた。
「大丈夫です、村民でなくても使えます」
そうか!! それは有難い。オイラは帰り分を「予約便」でブッキングした。
安田(あだ)は小さな漁港がある集落で、また5km程離れた山の中にはあのヤンバルクイナを観察できる「クイナパーク(ヤンバルクイナ生態展示学習施設)」がある。村営バスはそのクイナパーク近くを通るので、行きはその近くで降ろしてもらい、パークに寄ったあとは徒歩で集落に行こうとプランを立てる。
クイナパークは安田(あだ)集落から5km程離れた山の中にある
だが、ここでまた問題が生じた。
たとえ人間は山の中で降ろしてもらったとしても、荷物をどうする? 5km近い山道を大きな荷物を引きずって歩くのはいくら下り坂とはいえしんどい。何かよい方法はないものか?
オイラは安田(あだ)の民宿のおばさんに相談の電話をかけた。すると、
「だったら村営バスの終点にある売店で荷物を預かってもらえば?」
とアドバイスを受けた。なるほどこれは素晴らしい。パークに寄ったあとは自分は徒歩で山を下るが、荷物はそのまま先にバスで集落に運んでもらい、終点の売店で預かってもらう。完璧だ!!
村役場に電話をすると、バスの運転手と確認するとのこと。折り返しで「売店の方でOKなら良いです」と返事をいただき、続いて売店に電話し状況を説明すると快くOKを頂いた。
ヤッター \(^_^)/
村役場、民宿のおばちゃん、売店のおばちゃん、村営バスの運転手、多くの人々の好意のおかげで、オイラの旅のプランは完成したのであった。
こうして初日は辺土名(へんとな)から安田(あだ)まで定期便を利用し、翌日は予約便で辺土名(へんとな)に戻り、そこに泊まった。
辺土名に泊まるその日の夕方は、沖縄本島最北端の辺戸岬(へどみさき)も訪れた。ちょうど夕方岬方面に向かう村営バスがあったのだ。1時間ほど岬に滞在すると、そのバスは折り返しで辺土名に戻ってくる便となり、おあつらえ向きの時刻設定になっていたので利用させてもらった。
↑辺土名(へんとな)から辺戸岬の地図と、沖縄本島最北端の辺戸岬↓
こうして二日間で4回も利用させてもらった村営バスであるが、利用料金はなんと「タダ」。村のホームページにはしっかり料金が記載されてるのになぜだろうと運転手に訪ねてみると、
「コロナの関係で村営バスが無料になったんですよね」
なぜコロナだと村営バスがタダになるのか? その理屈は全く分からないが、オイラにとってはラッキーな話だ。そしてこの4回の乗車中にオイラ以外に乗っていた乗客は、一回だけおばあが二人同乗しただけで、ほぼ貸し切り状態。いわば村営バスを独り占めしていたことになる。
「バスは無料だからそのぶん村にお金落としてってね」
運転手さん、分かりました。お世話になった国頭村の皆さん。ふるさと納税は国頭村に寄付させていただきま~す。
最終更新:2021年01月10日 21:56