【奥やんばる路線バスの旅】
第7話)幻のハブメインテーマパーク

《沖縄旅行記|やんばる|国頭村|大宜味村|辺土名|安田|名護|》

やんばるの旅情報を収集している際、衝撃的なスポットがあることを発見した。その名も「ハブメインテーマパーク」。文字通り「ハブ」のテーマパークで、訪れた人のレポートによると、施設は名護市郊外の三原地区にあり、携帯の電波も届かないかなりの秘境にあるらしい。

やんばる旅行記|名護市内からハブメインテーマパークへの道
名護市内からハブメインテーマパークへの道

この施設の園長は土販売会社の社長にして地元では知られたハブ捕り名人で、年間400匹近くを捕獲するという。自身の所有する広大な山林に私設テーマパークをオープンさせてしまったというのだから驚きである。見学は完全予約制で、パークの受付建物の写真をみると工事現場の小屋のように見えるのも園長の本業を思えばうなずける。

パークでは様々なハブの写真やパネル、そして生きたハブが見学できるのはもちろん、ハブ酒の試飲だけでなくハブ肉の試食までできてしまうというから恐ろしい!!

こんな素晴らしい(?)観光スポットは他にない。絶対に行きたい!! だが問題はレンタカーを使えないオイラがどうやってたどり着けるかだ。一番手っ取り早いのはスクーターを借りることだが、名護市内にはレンタルバイク屋がなかった。どうしよう?

路線バスを調べてみると市内から三原地区へは早朝と夕方に一便ずつあるのみでまず使えない。次に自転車で行くことを考えたが西海岸側の名護市から東海岸側の三原地区へ行くためには峠を越えねばならず、これは自転車競技の選手でないかぎり無理だ。

むろん往復タクシーなどという高価なオプションは全く眼中にない。

地図を眺めながら「どうにかならないか?」と無い知恵を絞る。 そうだ!! 山越えのキツイところはバスを使って、平坦なところは自転車で行けばよいのではないか!!

名護市から山を越えた対岸の「二見入口」という停留所まではそこそこバスの本数があることが分かった。この区間はバスを使って、そこから先のパークまでで自転車を使えばよい。

僕は名護のレンタサイクル店にコンタクトを取った。

 「輪行袋に入れれば、沖縄のバスは自転車を車内に持ち込めますよ。輪行袋もお貸しできますよ」

と嬉しい返事が返ってきた。ヤッタ!! これでアクセス問題は解決だ。では「ハブメインテーマパーク」に見学予約の電話を入れよう。

 「ああ、パークね。今ちょっと山を崩して改装しているから、休園中なのよ」

衝撃的な答えが返ってきた!! もっとも楽しみ(?)にしていた「ハブメインテーマパーク」は幻に終わってしまったのだ。

やんばる旅行記|ハブサイクル沖縄
自転車をレンタルするはずだったハブサイクル沖縄

仕方なく自転車レンタルもキャンセルする旨をお店に伝えた。ちなみにこの自転車店の名前は「ハブサイクル沖縄」という。パークのハブも自転車のハブも、どちらも無縁となってしまった。

 まさに「I HAVE NO ハブ」じゃん!!

ハブメインテーマパークが再開される日を祈って、オイラのやんばるの旅は幕を閉じた。

(続く)


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最終更新:2021年01月23日 16:46