【沖縄・本島南部パワスポ巡り】
第1話)糸満街歩きツアー
《沖縄旅行記|本島南部|糸満|奥武島|斎場御獄|久高島》
緊急事態宣言が解除され、新規コロナ感染者数も落ち着きを取り戻し、1年ぶりに旅に出かけることにした。行き先は沖縄・本島南部。パワースポットとして名高いこの地を短期で回ってみることにした。
まず訪れたのは海人(ウミンチュ=漁師)の街・糸満。イメージでは那覇から車で1時間ぐらいかかると思っていたが、空港から新たに直通路線バスが開通していて、糸満市内までたったの25分で着いてしまった。
だが昼12時台の便にも関わらず乗客は自分たったひとり! このバス路線が末永く存続することを祈るばかりだ。
糸満市場入口前でバスを降り、リニューアルオープンした公設市場で昼飯をとる。その後、糸満市観光協会が主催する街歩きツアーのガイドさんと合流する。
リニューアルオープンした糸満公設市場(上)と街歩きツアーパンフ(下)
話は前後するが、この街歩きツアーはふるさと納税のお礼の品である。某ふるさと納税サイトで「沖縄」「体験」で検索してみたらこちらのユニークな返礼品を見つけたので、糸満市に納税してみたのであった。
「**さん(オイラの本名)ですか?」
観光協会のウィンドブレーカーを着た初老のおじさんが声をかけてきた。ガイドのSさんである。
オイラは荷物を公設市場の管理室で預かってもらい、糸満の街中散策を開始。
「糸満の市街地はもともと浜辺だったところに海人(ウミンチュ)が住み着いて形成されたのです」
今自分たちがいる市場の周りは元々は浜辺だったのだ。
「こんな浜辺にも真水の湧く井戸があります。ここはその井戸です」
何と浜辺だったところのど真ん中に真水の湧く井戸があり、今でもその井戸から水が汲み出せる。さすがに飲料水としては使えないようだが舐めてみたら全然しょっぱくない。
いずれにしても、水がなければ人はそこに住むことはできない。そんな当たり前のことを実感させてくれる井戸だ。
「糸満の名前は井戸に糸を垂らして水を汲み上げたことからその名がついたと言われています。その糸の跡がここに刻まれてます」
先ほどとは別のところにある井戸の縁の石を見てみると、いくつもの溝ができていた。長い年月に渡って水を汲み上げていくうちに刻まれた溝である。何気ない街角に刻まれた歴史は、ガイドさんの説明がなければ絶対に気づかないものだ。
「ところで、糸満にはお菓子屋が多いと思いませんか?」
言われてみると確かにそうだ。金城菓子店、伊久保菓子店、浜元菓子本店、etc あちこち菓子店だらけである。
「糸満は今でも旧暦で多くの行事が行われています。行事が多いとそれだけ配る菓子も多くなるので、菓子店が多いんです」
同じ時代を生きているのに、流れている時間が違うというのは不思議なものだ。
ガイドさんと街中の神社や沖縄独特の大きな墓などを巡る中、糸満の海人(ウミンチュ)の話になる。糸満では男が魚を取ってきて、女房がそれを買い取り売りさばく。その女性の商才が高かったので街は多いに潤ったのだという。
女性は夫から魚を買い取る立場。すなわち夫にとって妻はクライアント様であるので、糸満では男は女性には頭が上がらないそうだ。
男は獲る人、女は売る人、なんて決めつけると、現代ではあっという間にセクハラ・バッシングを受けてしまうが、はるか昔から女性が活躍していたことを思えば、閣僚の中で女性が3人しかいない岸田内閣も参考にすべきところが多いのではないだろうか。
最終更新:2022年01月02日 18:51