【伊豆諸島:気づいたら自炊の旅】
第1話)破格の「金目鯛煮付け定食」

《伊豆諸島|神津島|式根島|新島》

伊豆諸島・神津島行きのフェリーは、夜10:00に東京の竹芝桟橋を出航した。6階建ての大型船にはレストランやシャワー室もあり、衛星を使ったWIFIで洋上でもネットが使える。乗ったのは一番安い2等室であるが大人一人が横になる十分なスペースは確保され快適だ。

伊豆諸島 旅行記|伊豆諸島フェリー・さるびあ丸
伊豆諸島フェリー・さるびあ丸

今回は一気に神津島まで南下し、式根島、新島、と一泊ずつ泊まって戻って来る短期旅行だ。

フェリーは途中、伊豆大島、利島、新島、式根島と寄港してゆくので、神津島到着は翌朝10:00になった。天候の関係で船は村の中心に近い西側にある前浜港ではなく、東側の三浦港に接岸した。

伊豆諸島 旅行記|神津島に到着
神津島に到着

東側に船が着いた場合、村営の送迎バスが運行され10分ほどで山を越えて島の西側の村の中心地に到着。宿に着くなり目指したのが西側の港にある食堂だ。「よっちゃ〜れセンター」と名付けられた施設は1階が海産物売り場で、2階が食堂になっている。ここのランチが安くてお得なのだ。

伊豆諸島 旅行記|よっちゃ〜れセンター
よっちゃ〜れセンター

手元にある3年前の2022年のガイドブックでは「金目鯛煮付け定食」がたったの¥ 1,000!! 金目鯛丸ごと一匹の豪華な食事がその値段で提供されるのだから11:00の開店前から人が並ぶのもうなづける。モタモタしてると売り切れになると聞いて慌てて食堂に向かったら、案の定行列ができていた。

店員:「リストに名前を書いてお待ちください。順番にお呼びします」

名前が呼ばれるまでの間に、竹芝桟橋の船乗り場でゲットした無料ガイドブックを開いてみる。今年2025年1月に東京都が制作したその本にこの店の「金目鯛の煮付け定食」は¥1,300と表記されていた。まあ昨今の物価高を考慮すれば3年間で¥300の値上げは致し方あるまい。食堂入口にも値上げに対するご理解をいただきたい旨の張り紙が貼ってあったが、広い心で許そうではないか。

店員:「お待たせしました。食券を購入して席でお待ちくださ~い」

ランチには6種類の定食メニューがあったが、ここは迷わず「金目鯛煮付け定食」だ。オイラは予めサイフから出しておいた現金¥1,300を投入しようとして驚いた!!

  あれれ¥1,500に値上がりしてる~!!

3年前¥1,000だった定食は¥1,300を超えて¥1,500に。実に50%もの値上げだ。一瞬もう少し安い他のメニューに変える考えも頭をよぎったが、冷静に考えれば「金目鯛煮付け定食」の¥1,500はそれでも破格だ!! オイラは迷いを断ち切ってオーダーする。

 そしてやってきた美しい赤い身の煮付け。オイラはその美味に歓喜した!!

この旅のハイライトはもうここで終わりと言ったら過言かもしれないが、先ずは目的の「金目鯛」にありつけてほっとした。

伊豆諸島 旅行記|金目鯛煮付け定食
金目鯛煮付け定食

伊豆諸島 旅行記|神津島のハイキングコース
神津島のハイキングコース

食事を終えた後は、山がちな神津島のハイキングコースで眺望を楽しんだのち、再び「よっちゃ〜れセンター」に戻って来た。そして1階の海産物販売所をのぞいていたら

オバちゃん:「このつぼ鯛の干物、身が厚くてふっくらして美味しいわよ」

その声に誘われて手に取ってみると、確かにうまそうな干物であった。神津島で少し気がかりだったのが夕飯である。隣の式根島程では無いものの、ここ神津島も飲食店は多くない。先ほど村の中心を散策してみたが、夜に手頃な値段で食事ができそうな店が見当たらなかった。ならばここで食材を買い込んでゲストハウスのキッチンで自炊というオプションも悪くない。

オバちゃん:「それなら今から常温で水に付けて解凍しておけば夕食にちょうどいいわ」

だったら今日の晩飯はこれにしよう、後はパックご飯とサラダでもコンビニで買ってくるか。

 コンビニ? - その考えが甘かった。

都心では水や空気の様に存在するコンビニだが、そんな便利なものはこの島にはない。何を売っているのかよくわからない小さな雑貨店がいくつかあるものの、調理済みのサラダなどという便利な食材なんて一切ない。またパックご飯も単品売りがなく3個セットでしか売っていない。やっとのことで見つけた1個バラ売りのサトウのご飯は¥260もした。

あとは副菜に野菜が欲しい。サラダ代わりに見つけたのがカイワレ大根。これを添えれば何とか夕食になるだろう。

ゲストハウスのキッチンでは釣り客が本格的に立派な魚をさばいていた。その傍らトースターで干物をチンするだけのお手軽クックはどこか気恥ずかしかったが、なんとかつぼ鯛の干物をメインにしたディナーが完成した。

伊豆諸島 旅行記|つぼ鯛の干物をメインにしたディナー
つぼ鯛の干物をメインにしたディナー

夕飯の後、星空保護区に指定されている神津島の夜空を楽しむべく、星空観察広場に徒歩で向かう。夜道は暗く寂しく、まるで肝試しのようであった。暫く歩いて観察広場に到着したが、今日は月も出ていて漆黒の闇にはほど遠く、期待した観光ポスターのような無数の銀河に出会えなかったのは残念であった。

(続く)


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最終更新:2025年07月12日 15:26