「1!」
「2!」
「「3!!」」
一瞬のアイコンタクト。機体の武骨な顔面が、互いに頷きあったような気がしていた。
「「ツイン法官ストライーーーーーーーック!!!!!!」」
稲妻の如く互いに左右の拳を突き出して、一気に敵の間を駆け抜ける。
ちゅ、どおおおおおおおおん!!
同時に2機の発掘兵器が、一拍遅れてまるで特撮ものの特殊効果のように爆発を起こす。もうもうと立ち上る煙に、だが、色はついていない。
「悪く思うなよ、実戦では協力プレイも作戦のうち!」
めきいい・・・
水陸両用、整備の際に盛大に吹き飛んだ、akiharu国自慢のI=Dターキッシュバンが、デイダラの巨躯に拳を差し込んでいた。ばち、ばちちっ。
どがーーーん!!!
「都築さーん!!!!!」
軍事で鳴らした人狼領地の摂政・濃紺の乗った発掘兵器・ダークブルーの一撃が残した傷跡はやはり軽くなかった。
ひゅひゅひゅひゅひゅ、斬ッ!!!
デイダラの巨剣が、主なく地に突き立つ。
「さすが主催国、やられてもやられても、参加者数最多は伊達じゃないってか…!」
ぎゅんッ!!
そのターキッシュの胴体がくの字に折れ曲がり吹き飛んだ。脅威の紙製I=Dヴァルカナイズド・F(風紀委員)型が、キランと光る。その後ろに、しゅぱんとフリューゲル、ドランナーベの機影が。
「おいおいおい!」
この間わずか数秒。まさにまたたく間のうちに5機もの発掘兵器が沈んでいった。
「!!」
気がつけば、隣から流星号の姿が消えている。
鋼のヒゲをふよんと揺らし、その手にレールガンを携えた、猫髭号の仕業だった。この機体、先ほどもナイフの一撃で敵を着実に屠っている。
「やーばいッ!!」
咄嗟に機体を退かせる。すまん、鴨瀬さん、一歩間違えればやられていたのは俺だった。しかし逃げた先でも横殴りに攻撃が吹っ飛んでくる。
「!!
これは…超甲機神か!!!!」
芥辺境藩国の歩露の機体である。同国の双海環が乗るワンド・オブ・テンパランスを仕留めたダイアイオーへの敵討ちか、分厚い装甲がそのまま武器に、叩きつけられる。
「…っぶねえええ!!!」
ヂヂヂ、ヂ、ヂ。機体各所からスパークが上がる。超甲機神ゴウケンダー、さすが真っ先にエントリーした機体だけあって、手強い!
一瞬で機体のダメージがレッドアラートゾーンに突入した。ダイアイオー、決して装甲は紙ではないが、しかし機動性を重視しているがゆえに分厚くもない。
愛とは馳せ参じることである。その思想ゆえに選んだ機体だったが、
「これは…まずいか!?」
しかし、眼前のゴウケンダーはそれきり動かない。
「…?」
ぷしゅ、しゅ、しゅ~~~…
燃料切れだ。
「そ、うか…」
先のターンでゴウケンダーが攻撃していた機体は、ちょうどこのターンの冒頭で鴨瀬の流星号と共に打ち倒したものだった。この相手が弱らせていなければ攻撃力の貧弱なダイアイオーでは仕留めきれなかったろうし、といって、倒しきっていたとしたら、燃料を回復され、危うかったろう。
ダークブルーも動きが停止している。巧みに相手を選んだものの、ついに一機もしとめ切ることができなかったのだ。
見れば、ドランナーベは先ほどデイダラの前に騎士型I=Dへと攻撃した、杖を携えた機体に攻撃され、苦戦を強いられていた。
「まったく、さすがにここまで残るとどいつもこいつもシャレにならねえぜ…!」
(文責:城 華一郎)
最終更新:2008年01月29日 00:08