悪夢のような世界に
苦難満ちる世界に
射す一筋の光よ そは神聖
待ち望まれた熱狂
世界を正す元凶
救いの聲を上げれば そは吟声
獣でなく 我らは 祈り信じるもの
歩む道も かく照らされよう
この力よ 我らは 祈り支えるもの
願えよ 魂の解放を
――その頚かけられた 軛を外すことこそ
願った筈で猶 その両手は何を捧ぐ
括られた魂 休まることなき心
それでも願うのは 支配からの『脱却』なのか
ああ
心震える律動
そして讃える力動
坐して生まれる空洞
救って 巣食って
その光芒に
“理想”の神影を見やれば
賭けたその起死回生
高く連なる諧声
そして今こそ済世
詠って 謳って
その祈りは何を喚んだのだろうか――。
ただ《道具》としてさえ
いかに振るわるるべきか……
ああ何に喰らわれて糧となるべき
《餌》でありながら選ばらるるものか……
欲の満ちるままに
それは何の《奴隷》としてか……
我らが神よ “理想”の神よ
我らは《素材》なれば
かくあるべしと 命じられたし……
――自らその頚に 軛を負う者たちよ
生まれながらに持つ その自由こそ重たいか
それならその願い 人が真に望むことは
心を手放して 畜生道を逝くことか
さあ
かくは嘗ての霊長
問うは鼎の軽重
己降りさく激情
放って 祝って
崇めた偶像に世界を委ねて
臨む夢幻の光景
眼前に無限の憧憬
これが夢現の造形
昂って 崇って
それは永遠なる庇護の手の中で――。
揺れる支配者の影
代わるものの先駆け
そして祈りを捧げ
䄛れ 綴れ
如何に主の首が変わったとても
いつかその手を翳そう
得らるはずなき空想
遥か浄土の幻想
触れて 振れて
己のうちに支配者の聲を聞いて――。