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ざわめきの音色
不吉を寿げば
どこからの声か
それを さだか 示すものなく
麗しき夜
ああ鳥が啼いている
夜を告げる鳥を
その声だけ なぜか知っている
暗きより暗き道へと
照らすのは山の端の月
怪奇が嗤う 未知が蠢く
際限なき物語を抱いて
何が?
何を?
何に?
何で?
視たものなど本物か知れない!
そう
"それ"がけして名状しがたいであるならば
けして判らぬ聲を聞いて
心の知れる侭 妄想うがいい
思い出せ
いつか見たその 果てなき夜の暗さを
忘れるな
お前がかつて 抱いた その感情を
伴に誰よりも傍に遭った ことふることば
変わり始めた意味を今なお 振り返ることがあるなら
いつからだったか
夜を追いやったのは
生きることの意味を
問い始めたころだったろうか
語らるる晒し者のみ
今や伝説は骸として
正体不明 覗き暴けば
それで恐怖は終わりであると
何も?
何も?
何も?
何も?
何一つ終わってなどいないというのに!
その姿を知ると嘯くものたちへ
夜を退けて嘲るものたちへ
それでも!
お前の抱いた恐怖は今も尚
形を変えながら変わらずそこにある
そうだ。≪異邦人≫の顔をして──
ああ
"それ"がかくも否定しがたいでありながら
それを封じたつもりでいるなら
未だ知らぬ恐怖の目 芽差すだけ
そう
"それ"がけして名状しがたいであるかぎり
夜に背を向けたその報いを
逃れ得ぬものとして 抱えるだけ
思い出せ
孤独のままに泣き叫ぶ鵺の聲を
忘れるな
お前もいつか独りきりになることを
囀るな
取り返しのつかぬ問いを許すまじく
囁くな
知るべきでないものを知り尽くすまじく
口を噤めよ──
最終更新:2024年04月25日 23:55