3年B組のサナエさんはどこにもいる普通の女の子でした。
ところがちょっと内気な彼女は、いつまでも友達を作れずにいました。
折角入れたアプリで、遠くの誰かと仲良くなろうとしましたが誰も見つかりませんでした。
ところが、ある日サナエさんのアカウントに知らない連絡が届いたのです。
それはなぜか名前が空欄の、見覚えのない誰かからのものでした。
カエルとヘビだけのアイコンの誰かは、一言「トモダチ」とだけ書いて送ってきたではありませんか!
はじめてのトモダチが出来ると喜んだサナエさんは
その名前も知らない誰かと"トモダチ"になってしまったのです…
それからのサナエさんを知る人は一人もいないのです。
部屋にはスマホだけが遺されていたという噂です。
だけれど、サナエさんはトモダチのいない女の子なので
そのアプリでサナエさんとトモダチになろうとすると…
…ほら、サナエさんがあなたの後ろに!!!
(三年B組のサナエさんは、どこにでもいる普通の女の子でした。)
(ところが彼女は学校から帰る途中、いつもとは違う電車に乗ってしまいました。)
(そして彼女は、その電車に乗りながら居眠りをしてしまったのです。)
(…ところが、彼女が目覚めたとき、そこはまったく知らない駅でした。)
(カエルの鳴き声とヘビの這う音、そして風の音だけが吹き荒ぶ、真っ暗な駅でした。)
(サナエさんが駅名の看板を読んでみると、そこには「■■■」と書いてあったではありませんか!)
独りきり、いつまでも来ない電車を諦めて、
外の暗闇へサナエさんは、歩いていってしまったのです…
それからのサナエさんを知る人は一人もいないのです。
遠い場所へ行ってしまったのだという噂です。
だけれど、サナエさんはお家が恋しい女の子なので
彼女が乗った行先の電車に乗ろうとすると…
…ほら、サナエさんがあなたの後ろに!!!
―サナエさんを、知っていますか。
―サナエさんを、探してますか。
―それがどういうことになるのか、
ほんとうにわかっていますか?
―サナエさんを、憶えてますか。
―サナエさんは、どこに居ますか。
―もしかしたら、あなたの家のすぐ傍に、
サナエさんは居るのかもしれません。
■■■■■■■■
(どうしても)
■■■■■■■■
(どうしても)
■■■■■■■■■■■■
(あれほどやめろと言ったのに)
■■■■■■■■■■■■■■■■
(もう全部手遅れだからな)
■■■■■■■■■■■■■■■■
(そうだ、次はお前の番だよ)
どれほどのサナエさんが
騙られてしまったのでしょうね?
彼女のことを知ろうとしたその
…すべてのものが。
だけれどほんとうは
サナエさんも嬉しいのでしょう?
たくさんのナカマと
暗闇の底で笑っています
…ほら、
サナエさんがあなたの後ろに。
…ほら、
サナエさんがあなたと一緒に。