大統領と愉快な仲間達が星条旗を引き抜かれたことに激怒して月の都に殴りこみをかけたようです
月の都。本来なら結界とそこに住む神々の加護によって幻想郷と同じく隔離された空間にして都市、
平穏で静かであり栄華を誇ったこの都は今―――
「制圧は殆ど終わっているか…」
「我らの出番はないようだな、大統領補佐官」
「フ、彼がいるなら我々の出番はないな、むしろ彼のみで十分なはずだが、そうは思わないか?
アヴァロン自治区統轄官兼国務長官」
「確かにそうだな」
「彼は絶え間なき悪夢の輪廻から私を助け出してくれた…恩は返さなければな」
「私も同じだ、救いの手を差し伸べ同胞達に生きる場所と光を与えてくれた彼にな」
「合衆国と正義を愛する心さえあれば、妖怪だろうとミュータントだろうとモンスターだろうと
神々だろうと彼は受け入れてくれるからな」
「熱烈な歓迎だな!お礼に熱々のローストチキンか穴あきチーズにしてやるぜ!」
「うぎゃぁぁぁ、イナバ部隊が吹き飛んだぁぁぁ」
響く銃声、ミサイルの発射音と爆発、熱風、ソレに伴う絶叫―――
月の都は銃火によって踏みにじられようとしていた、50の星を持つ旗が棚引く自由と正義を愛する国家によって―――
戦場と化している月の都には二人の男性が立っていた、その格好は戦場には相応しくないスーツ姿であった、
だが気にせずに二人は戦場を見ている、時々こちらに飛んでくる銃弾や破片など丸で無視するように、
一人は薄い緑の髪が印象的な絶世の美男子といって差し付けない顔とそれに似合わない筋肉を持つ男、
もう一人は少し老いた顔つきをしているが拳王ラオウとそっくりな巨体と筋肉を誇っている。
二人とも月の都を踏みにじっている国家の重要職を務めている、男は言う。
「おろかなものだな、我らの旗を抜く愚かな真似をしなければ」
青年は言う。
「愚かなものだな、素直に釈明すれば大した事は起きなかったのに…あんな事を言うとはな」
はっきり言えば今都が戦場になっているのは月に住むもの達の自業自得にすぎない、地球を穢れた地を蔑む認識し、
地上の情報を無視したもの達にとって、二人の上司が如何なる存在であり、どのような事をしたのか知りもしない、
例え知っていても地上を見下す彼らにとってそれは大した情報ではないだろう、二人は月の都が滅び行く様を淡々と見ている。
「しかし」
男は青年の左腕を見る、その青年の腕は添え木があり包帯が巻かれている。
「お前ほどの者がそんな怪我を負ったのだ?」
「ふん、懐かしき因縁の地にいったら、幼女と食事に飢えた貧乏探偵に闇討ちを喰らってな」
戦場に似つかわしくない他愛の無い話、そして二人は物音のした方向に視線を向ける、
視線の先にあるのは月に住むもの達の兵隊二人、もはやただ一人の男によって壊滅しつつある軍隊の生き残り
「はぁはぁ・・・地上人如きが…」
尚も捨てれない差別、まぁ4ケタも年月をかけた差別主義はそうあっさりと拭えるものではない、
何せ下等と見下していた存在によって蹂躙されるなんて今でも信じられないだろう
「去れ、私は無駄な殺傷は好まない」
青年は言うが、二人の兵士は刀を持って斬りかかる
「地上人風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!去るのは貴様達の方だぁぁぁぁぁぁ!!」
二人の男はため息を吐くと降りかかる火の粉を払おうとする。
「君は鉄分が少し多い、抜かせてもらう」
男が手を翳すと兵士の体から鉄の球体が突き破って出てくる、そして男が手を動かすとその球体は兵士の体を再び食い破る、
体から鉄分が抜ける激痛より、青年に討たれた兵士はまだましだろう、痛覚も何も感じるまもなく青年の拳で上半身が跡形も
無く吹き飛んだのだから、50メートル級のデウスウキスマキナを殴り飛ばせる青年にとってそれぐらいはお茶の子歳々だろう。
「やれやれ、仕立てたスーツが汚れてしまった」
血がついたスーツを見て青年は顔をしかめる。
「お前なら触れずに消し飛ばす事も出来るはずだが?」
男は青年に手を翳し、青年のスーツに付着した血を抜き取る、そして再び視線を向ける、
刀を杖に息絶え絶えとしている女性、風に棚引くポニーテールとそれを結ぶリボンは硝煙によって汚れており、
衣服ですら所々破れ焦げている、女性は一気に青年に向けて駆け出す、それは正しくベルレフォーンの如き疾風の一撃、
並の人妖では追いつけないだろう、そして振り落とされる刀は青年の頭を捕らえる…がその刃は青年の右腕によって防がれ砕ける、
だがその代償に女性の全身全霊を込めた一撃は青年の右腕から出血を促す。
「ほぅ、私から血を流させるとは…伊達に神を名乗るだけはあるか」
青年は瞬時に刀を砕かれ驚愕の表情を浮かべる女性を取り押さえる。
「が、クトゥルフやルルイエの神々の方がまだ楽しませてくれたな」
「殺せ…」
女性は言う、しかし歓声をが挙がると否や青年は女性を解放する。
「いや、殺さぬ、お前達月の都は我々アメリカ合衆国に全面降伏した・・・これ以上の殺戮は好まん…連れて行け」
青年は近くの兵士に女性を丁重に扱う事を指示し、連れて行かせた。
「15分と言うところか、流石彼だな」
「ああ、そうだな…さてこれからどうなる事か」
「51番目の州になるかそれともニューフロンティアになるか…彼次第だな」
「さてと之から今後についての会議やこの都の連中とのやり取りで忙しくなるな」
「早い所片付けて、マイアミあたりでのんびりとしたいものだマスターテリオン」
「そうだな、補佐官の仕事も中々ハードだが少々刺激が足りん、次の休暇はベガスでも行くかマグニート」
二人の視線の先にあるのは巨大な星条旗を掲げるハクトオオワシのエンブレムをつけた青色の塗装を施したパワードスーツ、
そしてそれを見て歓声を上げる自国の兵士達(ちなみに大して何もやっていない)だった。
「プレジデント!プレジデント!プレジデント!」「マイコォ!マイコォ!マイコォ!」「アメリカイズナンバーワン!」「URYYYYYYYYYYYYYYY!!」
そう月が制圧された事を幻想郷の連中は知らない、無知は愚かなりと言う言葉はそのとおりだった、そして幻想郷を愛した妖怪ですらその報いを受ける
一ヵ月後
「穢れとか何とかいっても意外とやっていけるものね」
「ええ、そうですねお姉さま」
綿月姉妹は舗装された道を歩く、アメリカ軍によって月の都は占領され、当初脅えていた月の住人だが、
その国の長たるマイケル・ウィルソンと呼ばれる男は月に対して目立った報復を行わずむしろ灰燼(ぶっちゃけ彼のせい)
になった月の都修繕に尽力を注いだ、そして今や月の都は従来の和風の建物に高層ビルやアメリカ式建築物が
混合した変な土地となっている。形式上アメリカ合衆国の51番目の州になり監察官こそ置かれているが
州知事は月の住人から選出され殆ど自治区と言っても差し支えない、劇的に変化したのは月の生活だ、
今やアメリカから流入した数多の文化によるカルチャーショックにより色々変化したのだ。
「あ、ハーゲンダッ○のニューフレーバーが販売されている、早速食べに行くわよ依姫ちゃん」
「あのさっき、サーティー○ンアイスクリーム食べたばかりではないのですか、むしろ私はクリス○ードーナツの方が・・・
それ以前にこれ以上食べますと太りますよ」
「そんなこともあったかしら?いーの、後でビリーズ○ートキャンプやれば」
二人ともすっかりアメリカナイズ化されていた。
「は?」
月に降り立った博麗霊夢達の目に飛び込んだ光景、
それは月の都に突き刺さった巨大な星条旗とそして・・・
「やれやれ、幻想郷の連中が何でやってきたんだ…まぁいいやようこそ月へ!
だけどパスポート所持していないから不法侵入の現行犯で逮捕ね」
「何?月が幻想郷の住人に荒らされただと、ならば私はゆかねばならん、何故なら私は
アメリカ合衆国大統領だからだ!」
「無知は罪だな、八雲紫・・・」
マヨイガ…大統領補佐官である青年は八雲の大妖怪に事実を告げる、自分の企みがとっくの昔におじゃんになっていた事を…
「貴様達は少々やりすぎた…制裁は覚悟しておけ」
青年は境目を砕く…驚愕の表情に染まる八雲の妖怪
「たかが、境界を操る程度の能力しか持たぬ妖怪風情が…私に敵うとでも思うのか?すこしは余を楽しませよ…
安心して置け大統領命令にお前と幻想郷の消去は言い渡されていない」
第47代合衆国大統領:アメリカを愛する心で無敵になる程度の能力
最終更新:2009年03月27日 22:41