「仗助!いつまでやってんのよッ!いいかげんそのTVゲーム消さないとあたしプッツンするわよッ!」
お袋がモニタを覗き込んで声を張り上げた。
ゲームくらい誰だってやる。
このゲームだって学校で結構流行ってる奴だしよ
別にそれほど恥ずかしいことは無いはずなのに妙に気恥ずかしいのは何故だろうか。
おかげでここまで張り詰めてきた集中が途切れそうになる。
だが俺にはこんなところで終わるわけにはいかない理由がある。
「あと10分・・・・・・・・・お願いだ!あと10分だけやらせてくれッ!
やっと最終面のボスまで来たトコなんだよぉ~~っ!
もしここでこれをやめると俺は一度決めたことをやり遂げられなかった男として一生悔いを遺すことになる!
そんな息子になってもいいのかかあさん!!」
「言い訳すんな見苦しい!」
お袋の蹴りが俺の背中に叩き込まれた。
「うおっ!?」
「ホラホラはやくやめないとドンドン蹴りが強くなるわよぉ~!」
一発一発は手加減されているが、間隙無く降り注ぐストンピングの嵐に俺の手元は乱れた。
いかん、このままではとてもゲームを続けることなんて出来ない。
俺は慌ててESCボタンを押してゲームを中断して叫んだ。
「終わったら皿洗いと洗濯物畳むの手伝うから!」
蹴りが止んだ。
「・・・・・・よし、10分な
それすぎたら容赦なく電源切るからね
あと学校の予習と復習もやりなよ?」
そう言ってお袋はキッチンタイマーで時間を測り冷蔵庫に貼り付けた。
「これ鳴ったらすぐやめるんだよ」
「わかってますよぉお母様ぁ~~~」
「気持ち悪いっての」
痛い犠牲は払ったものの、チャンスは手に入れた。
男東方仗助、このチャンス絶対に物にして見せるぜ。
俺が今やっているゲームは東方妖々夢というゲームだ。
ジャンルはシューティング、ゲーム会社が作った奴ではなくどっかのおっさんが個人で作ったらしい。
友達の広瀬康一って奴に何か面白いゲーム無いかと聞いたら薦めてくるんでやってみたら、ハマった。
まだエンディングは見れていないしキャラクターの会話はとぼけてて正直ついていけないが
BGMは悪くないし幾何学模様みたいな弾幕も見ごたえがある。
そして何よりスペルカードと呼ばれる相手の攻撃の攻略法を見つけて先に進めた時はスッゲーッ爽やかな気分だ。
自分の機体(人だが)を最初に選ぶのだが、俺が使っているのは博麗霊夢、武器は霊符。
借りた時に康一にとりあえず当てやすいし避けやすいし最初はこいつを選んでおけといわれたんで言うとおりにしている。
実は一度もう片方の黒い方も使ってみたのだが、早すぎて敵の弾に突っ込んで以来使っていない。
そして俺は今、最終面である6面の中ボスまで差し掛かっていた。
「出やがったなぁ~おかっぱさんよぉ~~~」
前はここで力尽きたんだったなぁと前回のことを思い出す。
「そんな荒い弾遅くなりゃ余裕っスよぉ~~~~~~ああっ!?」
まさかモノクロ演出がフェイクとはやってくれるものだ。
5面で出た時は全部遅くなったというのにここでそれを利用して引っ掛けてくるとは武士の風上にも置けない奴だぜ。
前回はあれにやられて混乱してしまいそのままやられてしまったのだ。
まあ5面でボコボコにされてほとんどライフも残っていなかったのも痛かった。
だが今回は全く違う。
プラクティスで5面を何度もやって一つ一つスペルカードの攻略方法を考えたおかげで6面にも関わらずライフは残り4つもある。
ボムは一個しかないが、一度撃墜されれば三個まで回復するし問題なし。
復讐の炎を胸に灯す。
最終更新:2009年03月28日 14:44