本編153~154

『秘密招集...』

 作者・大魔女グランディーヌ

153

警視庁・総監室奥の秘密会議室***


夜──病院に副総監を見舞った後、帰庁した警視総監・加賀美陸は、
直ちに(秘密裏に)信頼出来る各セクションの責任者たちを集めた。

特命刑事機関=ASの通称「暗闇指令」と
ICPOより帰還した新田警部、0課装甲警察部隊=ZACの織田キャップ、
特別科学捜査室の「オヤジさん」こと芝室長、
未確認生命体対策班=SAULの尾室管理官、
メタルプロジェクト計画=機甲警察の責任者である醍醐正尚、
勇者警察=ブレイブポリス隊長(ボス)の友永警部、
対妖魔特殊警察=AMP(ATTACKED-MYSTIFICATION-POLICE-DEPARTMENT)の
ラリー・シャイアン署長、そして東副総監に次ぐ存在である
レスキューポリス3チームを統括する正木・桂木の両本部長らである……。

友永勇太「東副総監が襲われたって本当なんですか!?」
陸「ああ……運転手は殺害され、副総監自身も
 かなりの重症を負ったが、とどめを刺される前に
 ヒーローの誰かが助けに入ってくれたらしい。犯人2名は現在も逃走中だ……
 目撃者によると、副総監の車のウインドウに飛び込み、そのまま
 消えたらしい……明らかに人間ではない姿をしていたそうだ」
織田「何らかのトリックでしょうか? あるいは次元侵略者……」
陸「目撃者の一人が、携帯電話のカメラでその姿を写していた。
 これがその映像だ」

照明を落とした部屋の壁に、画像が映し出される。ぶれていてハッキリとは
しないが、巨大なハサミを持った黄色い異形の姿が2つ……。

陸「東副総監の意識が回復すれば、もっとハッキリしたことが分かるだろうが……」
正木「総監、各方面に聞き込みをかけてみましょう。どこかの組織の怪人ならば
 戦ったことのあるヒーローがいるかも知れません」
陸「ああ……だが」
新田「……どうされました?」
陸「捜査は秘密裏に行ってもらいたい……そのために諸君等の協力が
 必要不可欠だ」
暗闇指令「……獅子心中の虫が庁内にいる、と?」
尾室「それってもしかして、かつての三島さんのような…」
醍醐「尾室君!」
尾室「――! す、すみません…」

陸「………」

醍醐に失言を制せられ、恐縮する尾室。
息を飲む一同。

三島正人――加賀美陸のかつてのZECTにおける片腕と呼ばれた男だった。
しかし最後には己の野心から陸を裏切り、ネイティブの根岸一派へと寝返って
グラリスワームへと変貌。最期はカブトとガタックによって倒されたのであった。

陸「気にしなくてもいい尾室君。 三島正人の人物を見抜けずに重用したのは私の責任だ。
 それについて今更弁解するつもりはない」
桂木「しかし…その三島正人と同じような裏切り者が、
 まだ警視庁の中にもいると?」
ラリー「ここにいる私たち以外……」
芝「一体誰が……?」
陸「新宿西警察署の野上署長や東条広域捜査官が既に動いてくれているが……
 私も、出来ることなら部下を信用したい……だが、ここ数ヶ月の
 情報流出や一連の不祥事……何かがこの庁内で行われている気配を
 感じるのだよ」
一同「……」

その場の誰もが口には出さないが、ある教団の名を思い出していた。

陸「ICPOの金田長官も、全面協力を惜しまないとおっしゃって
 下さっている。我々としても、このまま手をこまねいているわけにはいかん。
 ……諸君、この加賀美に命を預けてくれるか!?」

出席者の全員、立ち上がる。その場に、言葉はいらなかった。

154
○加賀美陸→信頼できる警視庁各セクションの責任者達を秘密召集。
 各セクションが協力して東副総監襲撃事件解決を目指すことに。

【今回の新規登場】
○暗闇指令(スケバン刑事シリーズ)
 内閣機密調査室所属。階級は警視。超法規システムとして、
 警察機構が介入不能な事件の捜査のため、学生による特命刑事“スケバン刑事”を 配下に持つ。

○新田大五郎警部(電人ザボーガー)
 かつて大門勇博士との交友があった警視庁の警部で、大門豊の後見人。
 大門や中野刑事の良き上司で「勉強が足らんよ」が口癖である。

○織田久義(電脳警察サイバーコップ)
 ZAC(ZERO-SECTION ARMED CONSTABLE 通称サイバーコップ)の鬼隊長。
 時に厳しく時に優しく若い隊員達を包み込み、的確な指示を与える。
 その人柄か隊員達の信頼も厚い。時々、寒いダジャレを言う。

○芝大造(ロボット刑事)
 勘と足で捜査を進める、刑事生活25年のベテラン刑事。
 当初は特別科学捜査室に配属された事を不満に思っており、
 機械を毛嫌いしていたことから、ロボット刑事Kに対しても
 冷たく当たっていたが、何度もKに助けられ、人間に勝るとも劣らぬ
 その優しさと正義感に触れる内に、頑なだった心が徐々に氷解していった。
 奈美と由美という二人の娘がいる。

○醍醐正尚(機甲警察メタルジャック)
 機甲警察司令。警視庁メタルプロジェクト計画の中心人物。

○尾室隆弘(仮面ライダーアギト)
 西ロンドン大学へと去った小沢澄子の後任として、
 警視庁未確認生命体対策班の管理官に着任。G5システム訓練生達の教官を務めている。

○友永勇太警部(勇者警察ジェイデッカー)
 明るく元気で正義感が人一倍強い小学生。
 ふとした事で開発中のロボット刑事・デッカードと知り合い、
 その超AIに心を芽生えさせた事を注目され、
 史上初の少年警察官に就任。ロボット刑事課ブレイブポリスのボスとして
 ハイテク凶悪犯罪に立ち向かう。

○ラリー・シャイアン(サイレントメビウス)
 A・M・P署長。人間と妖魔の混血という過酷な運命を背負うが、人類を守るため、 
 その能力を発揮。

○正木俊介警視監(レスキューポリス全シリーズ)
 殉職した親友・小山正信捜査官の遺志を継ぎ、特別救急警察隊を創設した人物。
 レスキューポリスの生みの親である。

○桂木重吉警視監(特捜エクシードラフト)
 ソルブレイン本部解散の後を受けて創設された特別救急捜査隊=エクシードラフトの本部長。

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最終更新:2020年10月29日 10:44