『ヒーロー抹殺計画』
作者・ユガミ博士
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高見沢グループ・総裁室***
高見沢グループとは、高見沢逸郎が総帥を務める巨大企業である。
そこの総裁室では、2人の人物による何やら良からぬ話が進められていた。
???「ヒーローを抹殺ですか?」
???「そうだ。今後、我々の活動はそれで進めていく。 まもなくこの日本へのGショッカーの大攻勢が始まる。 その前に少しでも点数は稼いで起きたいからな。」
ラフな格好をした青年が、目の前の椅子に座っている男性と何やら話している。
その青年の名は芝浦淳。そして芝浦の視線の先にいるのは
高見沢グループ総帥の高見沢逸郎その人である。
この2人は、実はGショッカーに所属するミラーワールドの仮面ライダーで、両名とも世紀王候補として至高邪神から認められていた。
高見沢を次期創世王にする事に協力すれば、芝浦は相当の地位を
得るという約束で2人は密かに手を結んでいる。
高見沢「Gショッカーに参画する組織はかつて、ヒーローと
呼ばれる奴等に壊滅させられた。今後、Gショッカーの
障害となるのは当然、そのヒーロー共だ。
そいつらを抹殺していけば、Gショッカーの地球征服の障害は消え、
俺の世紀王候補としての評価も上がるというものだ。
まさに、一石二鳥だな。」
高見沢は芝浦に説明する。
芝浦「そうなると、どこから抹殺します?
やっぱり、仮面ライダーからいきますか?」
高見沢「いや、そこら辺で騒ぎでも起こせば、俺たち以外のライダーだろうが、
戦隊と呼ばれる奴らだろうが、適当な誰かが勝手にやって来てくれるだろうさ。 わざわざ俺たちに始末されるためにな。」
芝浦「でも、戦力はどうします? 俺たちは契約したモンスターしか
操れませんけど・・・。聞いた話だと、インペラーは契約した
同属のモンスターを操っていたって話しですけどね・・・。」 芝浦は薄ら笑いをしながら高見沢に尋ねる。
高見沢「そうだな。・・・ワームを使うのはどうだ?
あいつら何でも、ネイティブっていうのに遅れをとったらしい。
そのせいで肩身の狭い思いをしているらしいからな。」
芝浦「ならば、協力できたらすぐに行動しますよ。」
高見沢「ああ。俺は会社があるから戦闘指揮は任せる。
・・・裏切るなよ。」
芝浦「はい。俺はこのゲームを楽しめればいいですから。」
芝浦はそう言って、総裁室を出て行った。
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芝浦は総裁室を出て行った後にしばらくして、とある場所へ向かった。
東京都内・某所***
芝浦はある2人に接触していた。
オールバックで髭の生やした男性と喪服を着た女性である。
この2人こそがGショッカーでワームの代表を務める
乃木怜治と間宮麗奈の二人である。
乃木「我々と手を組みたいだと?」
芝浦「そういうこと。悪い話だと思わないけどね。」
乃木「なぜ、我々が下等なお前達人間と手を組まねばならん。」
乃木は芝浦の話を断った。
芝浦「聞いた話だと、ネイティブっていう連中に遅れをとったから
肩身の狭い思いをしているんだってね?
ここで手を組んで手柄を立てればGショッカーの中での
地位を上げることに繋がると思うんだけど。
それに、そのネイティブっていうのも、君達の言う
下等な人間と手を組んで、君達を全滅にしたんだけど違うかい?」
乃木「くっ・・・。」
乃木は芝浦の言葉に言い返せなかった。事実、ワームはネイティブの根岸一派にしてやられた経緯もあり、Gショッカー内部において、彼らに対する周囲の評価は芳しくなく、邪将や世紀王候補を一人も輩出する事すら叶わぬ苦しい状況に立たされていた。しかし、だからと言って易々と芝浦からの提案に乗る事は彼のプライドが許さなかったのである。
麗奈「・・・その話に乗ろう。」
乃木「何っ!」
麗奈は芝浦に答えた。
麗奈「現状の我々の地位は確かに低い。これを打開するためには
奴らと手を結ぶのも良い。」
乃木「・・・良いだろう。」
芝浦「話はついたかい。」
麗奈の言葉に乃木もしぶしぶながら手を結ぶ事を承諾した。
ここにミラーライダーとワームの極秘の同盟が結ばれたのである。
麗奈「で、我々はどうすればいい?」
芝浦「君達のサナギを数体ほど貸してくれればいい。
後はこちらでやるよ。」
麗奈「分かった。約束は守ってもらうぞ。」
そして3人は別れた。果たして、抹殺されるヒーローは如何に?
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●高見沢逸郎→芝浦にヒーローの抹殺とワームと手を組む事を指示。
●芝浦淳→高見沢の指示に従い、ワームと手を組む段取りをつける。
●間宮麗奈→芝浦の申し出を受けるよう乃木に進言。
●乃木怜治→間宮麗奈の進言を聞いて、しぶしぶ芝浦と手を組む。
【今回の新規登場】
●高見沢逸郎=仮面ライダーベルデ(仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS)
高見沢グループ総帥。「超人的な力を得るために」ライダーとなる。
イニシアチブをとるのが上手く、普段は紳士的だが、その本性は過激かつ粗暴で欲深な性格で、
手段を選ばない卑劣漢である。
●芝浦淳=仮面ライダーガイ(仮面ライダー龍騎)
明林大学経済学部2年生に在籍する青年。「ゲーム感覚」でライダーとなる。
ゲームサークル「マトリックス」に所属しており、人間心理を解析・応用し、
ハマった人間は本当に殺し合いを始めてしまうゲームを製作。我侭かつ凶悪な性格。
●乃木怜治=カッシスワーム(仮面ライダーカブト)
黒装束の女を率いるワーム軍団の首領。一度カブトに倒されたが、
カッシスワームグラディウスとして復活。敵の力をエネルギーに還元吸収すると
技をコピーして敵に返すという特殊能力を持っている。
●間宮麗奈=ウカワーム(仮面ライダーカブト)
ワーム軍団の幹部である喪服の女性。人間社会に潜伏して
ワームの益となる情報を集めている。目的達成なら手段を選ばない。
地球に棲むシオマネキに似た能力を持ち、鋼鉄を寸断する右腕の巨大バサミで
敵に襲い掛かる攻撃を得意としている。 パイロット。
最終更新:2020年10月29日 10:45