本編319~323

『龍騎復活』

 作者・ユガミ博士
319

東京都内・某アパート***


???「ここが、行方不明者の現場っすか?令子さん。」
???「ええ、さすがに警察が片付けているわね。」

そのアパートに2人の男女が来ていた。
この2人の名は城戸真司と桃井令子というOREジャーナルという
ネットニュース配信社のジャーナリストと見習いである。
ここ最近、都内各所で謎の連続行方不明事件が起きているのである。
2人はその調査に来たのであった。

真司「やっぱり、Gショッカーとかが誘拐しているんすかね。」
令子「その可能性もあるけど、決め付けるのはいけないわ。」

そう言って、令子は部屋に手掛かりが無いか部屋の奥へと入っていた。
真司も辺りを物色し始めた。そしてその時、何かの視線を感じた。
振り向くと、そこには鏡台しかなかった。

真司「ん?、あれ何か視線を感じたけど、・・・気のせいだよな。」
令子「駄目ね、手掛かりが無いわ。聞き込みに行くわよ。」
真司「わっかりました。」

2人はアパートを出て行った。鏡の中から覗いている者がいた事を知らずに。

東京都内・某公園***


その日の夜、2人の男女が噴水の前に立っていた。

???「君が霧島美穂か。」
???「あなたが手塚海之ね。良く私の居場所が分かったね。」
???「占いで探し出した。俺の占いは当たる。」

この2人の名は手塚海之と霧島美穂。前の歴史では仮面ライダーとなり、
ミラーワールドでライダーバトルに参加した。途中で敗北して死亡したが、
歴史が改変した事により、今も生き続けている。

手塚「間もなく、赤き龍と黒き蝙蝠を従えし、2人の戦士が目覚める。」
霧島「(真司の事?!)」
手塚「だが、目覚めると同時に災いが降りかかるであろうと占いに出ている。」
霧島「・・・。」
手塚「どうする?。」
霧島「行くわ、真司の下へ。」
手塚「そうか・・・。」

そして、2人は公園を去っていった。

320***東京都内***

次の日、真司は休日ということもあり、昼飯を買いにパン屋「パンタジア」
に来た。ちなみにここの支店は分身の技が使えるということから店長1人で
切り盛りしているという変わった店である。

木下陰人「ありがとうございました。(ハァ、いいかげん新人来てくれないかなぁ。)」

真司は店から出て、口にクッキーメロンパン頬張り横に曲がったら・・・

ドン!

人と肩がぶつかってしまった。

真司「すいません!・・あれ?。」

よく見ると、そこには最近よく遭う男性であった。

???「気をつけろ。・・・何だ、お前か。」
真司「すいません。でも、最近よく遭いますね。」

ぶつかった相手の名は秋山蓮。真司とは行きつけの喫茶店「花鶏」で
何度も遭ったりしている。だが、突如、パンタジアのショーウィンドウから
手が現れ、2人を掴んだ。

真司「げ、何だこれ!。」
蓮「!?」

2人は鏡の中に引きずり込まれていった。
ちなみにそこを目撃していた店長の木下陰人はあまりの事態に気絶。
目が覚めた後、警察に連絡したが相手にされず、疲れているのではと
思い、パンタジア本社に新人を入れてもらえるよう打診しに行くのであった。

321

ミラーワールド***


気がつくと、2人はパンタジアの前に立っていた。しかし、先ほどとは
雰囲気が違っていた。そう、景色がさっきと逆になっているのである。
ここは、ミラーワールド。鏡の中の世界である。
そして、真司達の前に1人のロングコートを来た男性が立っていた。

???「久しぶりだな。いや、今は初めましてか。城戸真司、秋山蓮。」
真司「誰だ。あんたは?。」
蓮「何故、俺の名前を知っている。」
???「俺の名前は神崎士郎。お前達を誘いに来た。」
真司「誘いに来たって何の!・・・ぐあぁ。」
蓮「どうした。・・・ぐぅぅ。」

突如、2人は苦しみだした。2人の腕や脚が徐々に消えていくのである。

神崎「この世界では、長く生身は保てない。助かりたければ、これを受け取れ。」

神崎は2人にカードデッキを差し出した。2人は一瞬、躊躇するも手をカードデッキ
へと伸ばした。しかし・・・

???「させないよ。」

何者かが神崎を攻撃した。しかし、神崎は避けたのでダメージを負っていない。
その攻撃した者の姿が虎を模した甲冑を身につけ、斧を持っていた。

神崎「タイガか。」
タイガ「神崎士郎。これ以上、ライダーを増やされたら僕の英雄への道が
  遠のいてしまう。だから、ライダーになる前に・・・。」

タイガは2人の方へと向き、

タイガ「ここで死んでもらう。」

斧を真司の頭上へと振り上げた。真司は眼を閉じた。しかし、痛みがこない。
眼を開けてみると、タイガの腕がムチで動きが封じられていた。そして、
真司達の眼の前に赤紫の戦士と白く美しき戦士が立っていた。

赤紫の戦士「大丈夫か?、城戸、秋山。」
白い戦士「私達が来たからには安心して。」
真司「だ、誰だよ。あんた等。」
白い戦士「それよりも、はい、カードデッキよ。早く手にとって。」
真司「わ、分かった。」
蓮「(何が起きるというんだ。)」

2人はカードデッキに手に取ると、頭の中に見たことの無い映像が流れていった。
それは、前の歴史で自分の記憶である。流れが終わると、2人は立ち上がり、
叫んだ。

真司&蓮「「変身」」

Vバックルが現れ、2人の腰に装着された。そして、カードデッキを差し込むと
ガラスの割れる音共に2人の戦士が立っていた。その姿こそ、赤き龍の戦士
「龍騎」と黒き蝙蝠の戦士「ナイト」であった。

龍騎「思い出したぜ。俺がライダーだった事を。
 サンキューな、手塚、美穂。」

龍騎は赤紫の戦士、手塚の変身した姿「ライア」と白い戦士、霧島が
変身した姿「ファム」に礼を述べた。

ライア「何、気にするな。」
ファム「久しぶり、真司。」
ナイト「東條悟か、お前もライダーに戻っていたのか。」
タイガ「ちぃ、僕の計画が。神崎士郎、僕を助けて。」

だが、神崎士郎はすでにそこからいなくなっていた。

龍騎「(神崎が助けると思わねぇけどな。)」
ライア「形勢逆転だ。」
ファム「覚悟しなさい。」
タイガ「そうはいかない。」

ADVENT!!

タイガは力を振り絞り、白召斧デストバイザーにカードを装填した。
そして、白虎型モンスター・デストワイルダーが現れ、ムチを切断した。

タイガ「今日の所は仕方が無い。だが、この次はかならず倒す。」

そう言って、タイガは逃げていった。

ナイト「悪役の決まり文句だな。」

322

そして、4人はミラーワールドから帰還した後、手塚達からこれまでの
経緯や神崎士郎がGショッカーと手を組み、前の歴史で参加したライダーを
Gショッカーに所属させようとした事などを知った。

蓮「そんな事が起きていたのか。」
真司「じゃぁ、ここ最近の行方不明事件はモンスターの仕業か。」
手塚「おそらくな。どうする城戸、秋山。もう一度ライダーになるか、
  それとも、ライダーである事を放棄するか?。」

2人は考えた。いや、既に答えは決まっている。

蓮「これも、乗りかかった船という奴だ。事態を知ったからには安心が
 できんしな。」
真司「勿論、やるぜ俺は。もう一度、ミラーワールドを閉じて見せる。」
霧島「真司なら言うと思った。」
手塚「なら、決まりだな。」

ここにまた、人々を守るライダーが誕生したのであった。

真司「・・・。」
霧島「どうしたのよ、真司?。」
真司「いやぁ、俺たちチームを組んだじゃん。何か戦隊ヒーローみたいだなぁって。
 あっ、それだと俺と手塚って色が被るなぁ。」
蓮「くだらん。」

他の2人も呆れるのであった。

323

○城戸真司、秋山蓮→手塚と霧島に助けられた後、ライダーに変身する。
○手塚海之、霧島美穂→真司と蓮の未来を予知し、霧島と共に真司、蓮を助ける。
○桃井令子→真司と共に行方不明事件を調査。
○木下陰人→真司、蓮がミラーワールドに連れて行かれるのを目撃するものの気絶。
●神崎士郎→真司、蓮にカードデッキを渡す。
●東條悟→真司、蓮がライダーになるのを邪魔しにきたが、逃走する。

【今回の新登場】
○城戸真司=仮面ライダー龍騎(仮面ライダー龍騎)
OREジャーナルの記者見習い。正義感は強いが、単細胞で底無しの
お人好しのため騙されやすい。
「モンスターから人々を守る、ライダー同士の戦いを止める」ことが
ライダーとしての目的。料理が得意で、中でも餃子が得意。

○秋山蓮=仮面ライダーナイト(仮面ライダー龍騎)
「意識不明の恋人小川恵里を目覚めさせるため」に仮面ライダーになった。
短気で喧嘩っ早い部分が目立つが、根は思いやりのある心優しい性格。
しかし目的のために冷徹に振舞うこともある。大金に弱い面を持つ。

○手塚海之=仮面ライダーライア(仮面ライダー龍騎)
「変えられなかった運命を変える為に」仮面ライダー同士の争いを
止めるため奔走する。このことから真司の共感を得ることになる。
的中率ほぼ100%の占い師で、口癖は「俺の占いは当たる」。

○霧島美穂=仮面ライダーファム(仮面ライダー龍騎)
浅倉に姉を殺されており、遺体の冷凍保存にかかる費用を稼ぐべく
結婚詐欺を働いていた。また、姉の殺害事件の裁判で弁護を行なったのが
北岡であったことから北岡を恨んでいる。「浅倉への復讐・姉の蘇生のため」
ライダーバトルに参戦する。真司に好意を抱いている。
なお、「霧島」は結婚詐欺のための偽名。

○桃井令子(仮面ライダー龍騎)
OREジャーナルのジャーナリスト。真司の先輩であり、危険な仕事でも
逃げないジャーナリズムの持ち主。

○木下陰人(焼きたて!!ジャぱん)
「パンタジア」南東京支店店長。実は日本最大のサーカス・木下大サーカスの
御曹司で、それゆえ他人のパンのコピーをすることが得意。さらに分身の術まで
身につけており、何人にも分身し、仕込み・陳列・応対・会計という南東京支店
の全ての業務を1人だけでやってのけていることができる。ただオリジナルのパン
を作ることに関しては全くダメなため、ほとんど注目はされず影が薄い。

●神崎士郎(仮面ライダー龍騎)
清明院大学・江島研究室に所属していた大学院生。旧名は高見士郎(たかみ しろう)。
神崎優衣の兄。アメリカでは死亡したことになっている。人を仮面ライダーに
変身させる技術を開発し、ライダー同士の戦いを仕組んだ張本人。優衣の事となると
見境が無くなる。

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最終更新:2020年11月08日 15:50