本編365~367

『狼達の戦い』-1

 作者・ユガミ博士
365

日本某県・山奥の村***


ここは日本のどこかにある山奥の村。その村の若い人達は、都会へと行って
しまったため、住民の殆どが老人だった。しかし、その村人の中で珍しい
若い青年が住んでいた。朝、彼は新聞を手に取り、記事の内容を読んだ。

剣総理、公民権法案の提出を発表。国会に波乱起こる。

白河代議士、法案に断固反対!

科学省長官・お茶の水博士からのコメント「剣総理は実に良い法案を
決意してくれました。反対意見もある事は承知ですが、この法案が可決
されれば、良い未来が築かれる事でしょう。私は公民権法案に賛成です。」

青年「公民権法・・・。(バンパイア族も適用されるのか?。いや、人間と
  バンパイア族の確執は大きい。それにバンパイア族の多くが人間に憎悪
  を抱いている。下手をすれば、またバンパイア族の革命が起きるかもし
  れない。)」

彼の名は立花特平(トッペイ)。彼は人間ではない。動物に変身する能力を
持つバンパイア族なのである。一時期、人間の世界にいた彼だが、人間との
間に起きた「革命」に巻き込まれ、平穏な暮らしを求めて、母と弟と共にこ
の小さな村へと移り住んだ。幸い、村の人も少なく、テレビ等も普及してい
なかったため、村人にはバンパイア族であるということ秘密にしている。

???「トッペイ、蒔き割り終わったぜ。」

トッペイに声をかけたのは紫の服を着た男だった。

トッペイ「ありがとうございます。ゴウさん。」
ゴウ「何、泊めてもらった恩返しだ。それにこういうことは体を鍛えるのに
  ちょうどいい運動になる。俺の師匠(マスター)が言っていたが、
  『暮らしの中に修行あり』ってな。」
トッペイ「確か、格闘家でしたね。ゴウさんは。」

この男の名は深見ゴウ。かつてゲキレンジャーの1人、ゲキバイオレット
として臨獣伝や幻獣拳と戦った激獣ウルフ拳を使い手である。彼は修行で
この近くの山へ来たが、帰り道を迷い、相棒のバエともはぐれ、空腹の所
をトッペイに助けてもらい、現在、彼の家にやっかいになっている。

トッペイ「それでは、朝食にしましょう。」
ゴウ「ああ。」

家に入るとトッペイの母と弟のチッペイが朝食の準備をしていた。

チッペイ「兄ちゃん、ゴウさん、お早う。」
母「もうすぐ、出来ますよ。」

しばらくして、朝食が食卓に並び、食事が始まった。食事の間、笑い声もあり
明るく、ゴウもこの雰囲気に心が和んだ。

ゴウ「フフ・・・。」
トッペイ「どうかしましたか?。」
ゴウ「何、俺にも弟がいるからな。懐かしくなっちまったのさ。」
トッペイ「弟さんがいるんですか。今は・・・?。」
ゴウ「俺と同じように獣拳使いをしている。今は、若い獣拳拳士に獣拳を
  教えている。」
トッペイ「そうですか・・・。」

朝食を食べ終わった後、トッペイとゴウは山へと登った。その目的はゴウの
修行で、トッペイは興味を持ち、付いてきたのである。
しばらく歩いていると・・・。

キィン、キィン

トッペイ「な、何の音だ。」
ゴウ「こっちから音がする。」

2人は音のする方を覘いてみると・・・。

ゴウ「あれは・・・。」
トッペイ「狼?」

そこには鬼のような姿をした集団と銀色のスーツを纏った狼が戦っていた。

366

――話は時を少し、遡る。
山の中、1人の男が鬼・・・オルグに追われていた。

オルゲット「オルゲット、オルゲット。」
ヤバイバ「待ちやがれ、ガオシルバー。」
ツエツエ「逃がさなくってよ。ハリガネオルグ。」
ハリガネオルグ「了解。」

針金から生まれたハリガネオルグの手から飛び出た針金によって、男、ガオ
シルバーこと大神月麿は足を引っ掛けてしまい、倒れてしまった。

大神「くっ!?。」
ヤバイバ「おとなしく俺たちと来てもらうぜ。」
ツエツエ「ハリガネオルグ、ガオシルバーの両腕両足を縛っておしまい。」
ハリガネオルグ「了解しました。」

ハリガネオルグは針金を大神の両腕両足に向かって投げつけたが、大神は
咄嗟に回避した。

大神「させるか。ガオアクセス、ハッ!。」

大神はGブレスフォンでガオシルバーへと変身した。

ガオシルバー「ガオハスラーロッド、スナイパーモード!。」

専用武器ガオハスラーロッドをスナイパーモードにして、周りにいる
オルゲットに向かって、放った。

オルゲットA「オルゲットー。」
オルゲットB「オルゲットー。」
ハリガネオルグ「くらえ!。」
ガオシルバー「ガオハスラーロッド、サーベルモード!。」

ギィン、ギィン

ハリガネオルグの針金をガオシルバーはガオハスラーロッドをサーベルモード
に変えて、受け止めた。

ガオシルバー「てやぁ!。」
ハリガネオルグ「ぐぉ!。」

一気に間合いを詰めたガオシルバーはハリガネオルグに斬りつけた。

トッペイ「す・・・すごい。」

音を聞きつけたトッペイとゴウは木と木の間から様子を伺っていた。
そして、もうちょっと良く見ようと体を近づけたトッペイはうっかり、
小枝を踏んでしまった。

ぺキ!!

ヤバイバ「何者だ?!。」

ヤバイバは音のした方にナイフを投げた。

ゴウ「ビースト・オン!。」

咄嗟にゴウはゴングチェンジャーでゲキバイオレットに変身して、ナイフを
受け止めた。

ガオシルバー「(俺と似ている?!。)」
ヤバイバ「な、ナニモンだ、テメェ!。」
ゲキバイオレット「激獣ウルフ拳の使い手、ゲキバイオレットだ。事情は
 知らないが、トッペイを傷つけようとした事は許さねぇ。
 ここはそこの狼さんに助太刀するぜ。」

ゲキバイオレットはすぐにヤバイバへと近づき、猛ラッシュの拳と蹴りを
食らわせた。

ゲキバイオレット「オラオラオラオラ。」
ヤバイバ「グフ、ガフ、アベシ。」
ゲキバイオレット「とどめだ。ゲキワザ・昇昇拳」
ヤバイバ「ナハ~。」

ゲキワザ・昇昇拳の強力なアッパーが決まり、ヤバイバは吹っ飛ばされた。

ゲキバイオレット「さぁ、次はどいつだ。」
ツエツエ「そこまでよ。」

振り向くと、いつの間にかツエツエはトッペイをとり抑えていた。

トッペイ「ゴ、ゴ・・・ウ・・さん。」
ツエツエ「それ以上の攻撃は、この子がどうなるか分からないよ。」
ゲキバイオレット「し、しまった。」
ガオシルバー「卑怯だぞ。ツエツエ。」
ツエツエ「卑怯で結構よ。さぁ、変身を解いてもらうよ。」
ガオシルバー「仕方ない。」
ゲキバイオレット「くっ。まいったぜ。」

2人は変身を解き、元の大神とゴウに戻った。

ヤバイバ「いっててて。よくもやりやがったな。アジトの場所はみせるなって
 言われてるからなぁ。ここでお寝んねしてもらうぜ。」

ヤバイバによって、2人は気絶させられるのであった。

367

○立花特平、深見ゴウ→修行へと行く途中、ガオシルバーとオルグの戦いに遭遇。 オルグに捕まる。
○大神月麿→オルグと戦っていたが、トッペイを助けるために、やむなく、変身を解き、捕まる。
●ツエツエ、ヤバイバ、ハリガネオルグ→大神を追いかけ、捕まえる。

【今回の新登場】
○立花特平(バンパイア)
 純粋で正義感が強く、気の良い性格だが、満月を見たり、感情が高ぶると
 狼に変身した後は野生の本性を表わしたかの如く野獣の様な性格になる。
 バンパイヤと純粋人間との共存の為に戦っていくのだが、自分の呪われた
 身体とロックとの確執やバンパイヤ革命による急進派のバンパイヤ達との
 戦いによる呪われた運命に苦悩する事になる。

○立花チッペイ(バンパイア)
 トッペイの弟で小学1年生の6歳の男の子。月のような丸い物を見ると子狼
 に変身し、兄を助け思わぬ大活躍をする時がある。

○トッペイの母(バンパイア)
 トッペイとチッペイの母親。

○深見ゴウ=ゲキバイオレット(獣拳戦隊ゲキレンジャー)
 ゲキバイオレットに変身する激獣ウルフ拳の使い手。激気ではなく紫激気」
 を身につけている。レツの兄で、臨獣殿の当主、理央とは親友。理央を止め
 るために、「獣獣全身変」を使った事で10年間、狼男となっていたが
 不完全だったため、元に戻る事が出来た。

○大神月麿=ガオシルバー(百獣戦隊ガオレンジャー)
 約1000年前にオルグと戦っていた戦士の一人。年齢は1062歳。昔はシロガネ
 と呼ばれていた。ある事情により仲間の戦士達に封印されていたが、現代に
 復活。封印される原因となった事情が心に影を落とし、またカルチャーショ
 ックでなかなか現代になじめない。ただ、その武器がビリヤードのキュー状
 に変化するものだったためか、プールバーでビリヤードをしている時は心が
 落ち着くらしい。

●ハリガネオルグ(百獣戦隊ガオレンジャー)
 針金から生まれたオルグ。

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最終更新:2020年11月08日 15:53