『勇気と友情の必殺パンチ』-1
作者・ユガミ博士
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高見沢グループ本社・社長室***
ここ、高見沢グループ本社の社長室では社長の高見沢逸郎が椅子に腰を
掛けて、ヒーロー抹殺計画について少し、考えていた。計画を実行した
ものの失敗続きで、その辺で騒ぎを起こしていればヒーローが駆けつけて
くると思い、芝浦と東條に街中でワームを使って暴れさせたが、ヒーローは
現れなかった。
高見沢「(やはり、ピンポイントでヒーローを狙っていくしかないか・・・。)」
高見沢をそんな事を考えながら、ふと気分を変えようと何気なくテレビを
つけた。テレビをつけるとニュース番組が放送されていた。
ニュースキャスター『続いてスポーツの話題です。ボクシングチャンピオン
の小津翼選手のタイトル防衛戦が残り一週間となりました。対戦相手は
現在、人気急上昇中の将児選手で、注目の話題となっております。』
ニュースに2人の選手の顔が出ると、高見沢は思い出した。
高見沢「この2人、ゴーマとインフェルシアの連中が言っていた『マジ
レンジャー』と『ダイレンジャー』じゃねぇか。」
そこで高見沢は閃いた。
高見沢「そうだ、次のターゲットはこいつらだ!。・・・芝浦か?、
高見沢だ。すぐにゴーマとインフェルシアの連中に連絡は取れるか?。」
高見沢はそう決めると、電話で芝浦淳にゴーマとインフェルシアに連絡を
取るよう命令した。
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高見沢グループ本社・社長室***
それから2日後、高見沢の目の前にはゴーマの3幹部、シャダム、ガラ、
ザイドスとインフェルシアの冥府神の1人、ダゴンと魔導神官メーミィがいた。
詳しく言うと、シャダムとダゴンが椅子に座り、その後ろにガラ、ザイドス、
メーミィが後ろに控え、高見沢の方は高見沢が椅子に座り、その後ろに芝浦が
後ろに控えているという構図である。
ダゴン「我々を呼んだ雌雄を聞かせてもらおう。」
最初に口を開いたのはダゴンだった。
高見沢「単刀直入に言おう。貴方方に協力を要請する。」
シャダム「協力・・・?。」
高見沢「この新聞を読んでくれ。」
高見沢が渡した新聞には小津翼と将児の試合の記事が掲載されていた。
メーミィ「こ、こいつはマジイエロー!。」
ザイドス「テンマレンジャーもいるぞ!!。」
記事を覗き込んだメーミィとザイドスが驚きの声を上げた。
高見沢「この2人はそれぞれ貴方方にとって、復讐をしたい奴等だ。
Gショッカーの力を世間に見せ付ける意味を含めてここは協力して
倒そうじゃありませんか?。」
高見沢は柔らかい物言いで提案した。
シャダム「せっかくの提案だが、協力は無しだ。」
ダゴン「私もだ。貴様と我が主である絶対神ン・マ、そしてこちらのシャダム
は世紀王候補。何れは、創生王の座をかけて争う敵同士だ。何故、手を組ま
なければならない。」
ザイドス「そうだ、こんな2人なんぞ、我々ゴーマだけで十分だ。」
メーミィ「それはこちらの台詞よ。インフェルシアの力を持ってすれば造作も
ない事よ。」
それぞれ、高見沢の提案に否定的な意見を出した。そして、高見沢はリモコン
で社長室のカーテンを閉めた。
高見沢「さっきから聞いてれば、何を言っているんだ?。」
ドン!
急に口調が変わり、テーブルに足を踏みつけてシャダム達を睨み付けた。
その様はまるでヤクザのようであった。
高見沢「自分達だけで十分?、自分達だけでやっていたら奴等に負けたん
じゃないのかい。」
メーミィ「そ、それは・・・(何なのコイツ!?、只の人間の癖に何という
迫力なの。)」
ダゴン「(本当に人間か?。)」
その豹変ぶりと迫力に少々、驚いた。
高見沢「確かに俺達は何れ、争う運命だ。だが、ヒーローという邪魔者が
いたんじゃぁ、バトルファイトも円滑に進める事ができねぇ。
せっかくGショッカーていう、色んな組織が連合を組んでいるんだ。
まずは協力してヒーローを潰していった方が利口じゃないのかい?。」
高見沢の熱弁にシャダムやダゴンをしばらく考えた。
ガラ「どうするシャダム?。」
シャダム「・・・よく分かった。貴様の提案を受け入れよう。」
ダゴン「私も、貴様の提案を受け入れよう。だが、バトルファイトでは
必ず貴様を倒す。」
高見沢「ニッ。」
2人の提案の受け入れに対して、高見沢は笑みを浮かべてカーテンを開けた。
高見沢「それでは交渉成立ですな。」
高見沢は柔らかい物腰に変わり、ゴーマとインフェルシアと手を組むのであった。
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○小津翼→将児と1週間後にボクシングの試合をする。
○将児→小津翼と1週間後にボクシングの試合をする。
●高見沢→ゴーマ、インフェルシアに共同作戦を提案して、協力を得る。
●シャダム、ガラ、ザイドス→高見沢に協力を承諾する。
●ダゴン、メーミィ→高見沢に協力を承諾する。
【今回の新登場】
○小津翼=マジイエロー(魔法戦隊マジレンジャー)
マジイエローに変身する小津家の次男。冷静沈着で、現実的に物事を見るタイプ。
魔法薬の調合ややアイテムを作り出す作成を得意としている。
雷のエレメントの力を使って戦う。インフェルシアとの戦いの後はボクサーとなり、
ボクシングチャンピオンとなる。
○天重星将児=テンマレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
テンマレンジャーに変身するダイレンジャーの1人。天馬拳の使い手。
元暴走族だが、ボクシングと出会った事で更生。プロのボクサーを目指している。
一本気な性格の持ち主。
●シャダム中佐=ゴーマ16世(五星戦隊ダイレンジャー)
ゴーマ3幹部のリーダー格である冷血な人物。吼新星コウと阿古丸の父親。
だが、親子としての情は全くない。野心家で導師・嘉挧と皇帝の座を争い、
ゴーマ16世となる。本人も知らなかったが、実は土人形である。
●ガラ中佐(五星戦隊ダイレンジャー)
ゴーマ3幹部の一人。元々はダイ族でクジャクの幼なじみだったが、ある事故
の際クジャクをかばって自らの顔が傷付く。その後、クジャクはガラの傷を
治すために孔雀明王の元へ修行に行ったが、突然姿を消したために、ガラは
クジャクに見捨てられたと誤解、頬の傷を消してもらえるならと自らゴーマへ魂を売った。
高慢さはシャダムに負けず劣らずだが、クジャクへの復讐に拘っているため、野心はあまり無い。
実は土人形。
●ザイドス少佐(五星戦隊ダイレンジャー)
ゴーマ3幹部の1人。頭部は頭巾で隠しているが、火山を持っている。パワー系の
武闘派で、性格は非常だが、やや間抜けな所がある。出世欲が強く、時々、
スタンドプレーにはしることがある。実は土人形。
●ダゴン(魔法戦隊マジレンジャー)
冥府十神の内、三賢神の1柱で実質的なリーダー格。魚の頭部をしている
のが特徴。厳格な性格で、その強さは地上界をこの世で起こりうる様々な
恐怖を生み出すことが出来ると言われる。策士としても優れている。
武器は粛清の矛。
●魔導神官メーミィ(魔法戦隊マジレンジャー)
インフェルシアの幹部の1人。その正体は天空聖者ライジェルで、かつては
ブレイジェルの弟子の1人。その高い魔力で冥獣人の封印を解くことが出来る。
15年前、サンジェルとの戦いでミイラとなって封印されていた。頭脳派で策士。
なぜかオカマ口調で話す。
最終更新:2020年11月08日 16:03