『Gショッカー海底基地大乱戦』-2
作者・深海魚人デズル
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台湾海峡***
緊張関係にある中台両岸の領海境界線を、
潜航深度300~600mの深さで進む潜水艇。
その船体には、大きくB.A.B.E.L.と刻印されてある。
B.A.B.E.L.(バベル)とは、BAse of Backing Esp. Laboratory――
――日本語に訳すと『超能力支援研究局』の略である。
すなわちこの潜水艇は、日本政府の内務省特務機関である
バベルの所有するDSRV=深海救難艇バベル2。
そしてその艦内では、風見志郎=仮面ライダーV3、
結城丈二=ライダーマン、神敬介=仮面ライダーX、
山本大介=仮面ライダーアマゾン、城茂=仮面ライダーストロンガーら
5人の仮面ライダーが搭乗し、間近に迫る出撃に備え待機していた。
皆本「皆さん、まもなく目的地に到達です。
そろそろ準備をお願いします」
眼鏡をかけた長身の青年――バベルの皆本光一二尉が
待機室にいるライダーたちに目的地への到着を伝える。
立花藤兵衛からの急遽連絡を受けたライダーたちは、
囚われのグレートマジンガー&ゲッターチームを救出すべく、
日本政府の手配でこのハベル2に乗り込み、
Gショッカー海底基地へと向かっていたのであった。
V3「こちらの準備はOKだ」
皆本「残念ですが我々がお送りで来るのはここまでです」
ストロンガー「しかしこれからどうするんだ?
まさか潜水艦から出て、ここから泳いで敵さんの基地まで
行けだなんて言うんじゃないだろうな?」
X「深海開発用改造人間である俺一人ならなんとかなるが…」
皆本「いえ、その点はご心配なく。そのサポートは彼女が――」
皆本の紹介で出て来たのは、中学生くらいの年頃の女の子。
バベルの青いベレー帽と制服で身を固め、黒いロングストレートヘア、
そして皆本と同じく眼鏡を着用している。
葵「仮面ライダーのおっちゃんたち、もう少し待っててな。
今、ウチがあっという間に向こうまで送ってあげるさかい♪」
ライダーマン「この女の子が…?」
ストロンガー「こらこらお嬢ちゃん、いい男を5人も捕まえといて
"おっちゃん"はないだろ"おっちゃん"は。せめてお兄さんと
呼んでほしいもんだな」
関西弁を話す眼鏡の少女――野上葵は少しムッとした表情で反論する。
葵「ならおっちゃんもウチの事を"お嬢ちゃん"やのうて
きちんと"レディ"と呼んでくれへんか! ウチは
子供とちゃうんやで!!」
ストロンガー「レディ…ねぇ…」
皆本「こ、こらっ、葵! やめないか!」
皆本が慌てて制止する中、ストロンガー始めライダーたちは皆、
そのやりとりを見てやや苦笑するのであった。
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Gショッカー海底基地***
ここはGショッカー海底基地の警備本部に置かれている
ECMシステム管理センターである。
ECMとは超能力対抗措置(=Esp Counter Measure)の事であり、
ここから基地の周囲に人工的に強力なデジタル電波を発生させ、
超能力を中和し阻害、テレポーターなどの侵入を阻止しているのだ。
戦闘員A「おい、交代の時間だ」
オペレーションルームに交代要員が顔を出す。
戦闘員B「なに? まだ交代には時間が早いはずだが…」
戦闘員A「そうか、休憩に行かないのか。なら仕方がない」
戦闘員B「えっ!? ――ぐおっっ!??」
戦闘員Aはいきなり当身を食らわせ、見張りの戦闘員Bを
失神させた。そして自分のでべそを指先で押すと、
たちまちその戦闘員Aは赤い戦闘服に黄色いマフラーを纏った
禿げた頭の40代前後の中年の男の姿へと変化する。
002「終わったか007?」
オペレーションルームの入り口から、尖った長髪に大きな鼻が特徴の
若い青年が姿を現し、禿げ頭の中年男に話しかける。青年の方も
禿げた中年男と全く同じコスチュームを身につけている。
007「ああ、こっちはオッケーだ。早いトコ仕掛けちまおうぜ!」
バベル2・艦内待機室***
何かが遠くで爆発したような振動を感じ取った。
室内のスピーカーに、操縦室からの緊急連絡が入る。
スピーカーからの声「やりました皆本さん!
敵基地からECMの反応がなくなりました!」
葵「皆本はん!」
皆本は懐から携帯(=リミッター解禁装置)を取り出し構える。
皆本「行くぞ! 特務エスパー! ザ・チルドレン!
野上葵! 解禁っ!!」
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○皆本光一、野上葵→V3、ライダーマン、Xライダー、
アマゾン、ストロンガーの5人の仮面ライダーを
Gショッカー海底基地近くまでバベル2で送り届ける。
○V3、ライダーマン、Xライダー、アマゾン、ストロンガー
→バベル2に乗り込み、Gショッカー海底基地に向かう。
○002、007→一足先にGショッカー海底基地に潜入し、
事前に打ち合わせた手筈どおりにECMシステムを破壊。
【今回の新規登場】
○皆本光一二尉(絶対可憐チルドレン)
日本政府特務機関B.A.B.E.L.の特務エスパーチーム『ザ・チルドレン』の
現場運用主任。幼い頃から知能が高く、小学生の時に特別教育プログラム
へと進んだ天才児。優しく温厚、真面目で誠実だが、融通の利かない
堅物な一面もある。また掃除、炊事、洗濯、子守等の家庭的なスキルも高い。
対エスパー用の熱線銃『ブラスター』を所持している。
○野上葵(絶対可憐チルドレン)
日本政府特務機関B.A.B.E.L.の特務エスパーチーム『ザ・チルドレン』に
所属する、レベル7のテレポーター(瞬間移動能力者)。主に移動や
運搬手段を担うが、転送の応用で様々な間接攻撃も得意とする。
普段は他のチルドレンメンバーと同じく私立六条学院中等部に通学。
京都出身であるため、会話の際は関西弁を使用。近未来において、
『光速の女神(ライトスピード・ゴッデス)』と呼ばれ、人類に
反旗を翻すと予知されている。
○ジェット・リンク=002(サイボーグ009)
18歳のイタリア系アメリカ人。元々はニューヨークの下町ブロンクスに住む
ストリートギャングのリーダーだったが、ブラックゴーストに拉致され
戦闘用サイボーグに改造される。両脚にジェットブースターを内蔵、
マッハ5での飛行能力を持つ他、009のものよりは性能はやや劣るものの
加速装置も装備している。
○グレート・ブリテン=007(サイボーグ009)
英国の元有名舞台俳優で、47歳。酒で身を持ち崩していた所を
ブラックゴーストに目をつけられ、改造手術を施された。
でべそに仕込まれたスイッチを押すことで、
自身の細胞の分子配列を変化させることが出来る。
この機能を生かしてあらゆるものに変化する事が可能。
普段は006=張々湖が経営する「張々湖飯店」の共同オーナーとして
ウェイターをして働いている。
最終更新:2020年11月08日 16:06