『絆は種族を超えて…』-5
作者・ユガミ博士
499-1
閻魔庁・閻魔大王の執務室***
閻魔大王「鬼太郎達は、向かったか・・・・・」
先程、鬼太郎に悪魔くんの救出と見えない学校に起きた異変の調査を
命じた閻魔大王は執務室にある椅子に腰かける。鬼太郎に命じた
閻魔大王だが、今回の敵は自身の霊力でも正体が掴めないという謎に
満ちた敵であり、鬼太郎達の事は信頼しているが、万が一に備えて
対策を練った方が良いのではないかと閻魔大王は考える。
コエンマ「ならば、義親父(オヤジ)殿。万が一に備えて鬼太郎に増援を
送るというのはどうだろう。こういった任務ならば、霊界探偵である
幽助が最適と思うのじゃが?」
閻魔大王「うむ。増援を送るというのは良い考えだ。よし、コエンマは
浦飯幽助に任務の要請をせよ。わしは尸魂界(ソウル・ソサエティ)の
死神達に協力を要請してくる・・・・・・今回の件には超人警察隊も
動いている。彼等にも連絡を執り、合流させるとしよう!」
コエンマと話し合い、閻魔大王は鬼太郎達に増援を送る事を決める。
その増援として、閻魔大王とコエンマは霊界探偵の浦飯幽助、尸魂界の
護廷十三隊、超人警察隊に連絡を執りはじめる。
現世・六本木***
閻魔大王とコエンマによる話し合いからしばらくして・・・・・。現世にある
六本木では赤いジャケットを着た青年―日本の特務機関『森羅』の
エージェントである有栖零児が腕を組みながら立っていた。
零児「・・・・・超人警察隊から森羅に要請されたという任務。一体どの様な任務なんだ?」
小牟「な~のじゃ♪な~のじゃ♪・・・・・おう、零児!待ったぁ~?」
零児「遅いぞ、小牟!・・・・・今まで何をしていた?」
小牟「いや~、新作ゲームのレベル上げをしていたら・・・・・ついのぅ」テヘペロッ
零児「はぁ~・・・・後でお仕置きだ」
零児の所属する『森羅』に、超人警察から合同任務の要請がかかり、
その任務に選ばれた零児は、任務に赴くため待ち合わせをしていた。
零児の所に、狐の耳と尻尾が生えた女性、零児のパートナーである
小牟がやって来る。どうやら、ゲームに夢中になっていて遅刻してきた
らしく、零児はため息をつきながら、後で小牟に「お仕置き」をする事を
決める。
????「おっ?零児と小牟か?」
????「相変わらずの仲みたいっすね」
零児「お前達は・・・・・」
小牟「幽助と一護達ではないか?何故、ここにいるのだ」
499-2
零児と小牟の前に現れた少年達は、一度死んで生き返った後、霊界探偵となった
少年、浦飯幽助。オレンジ髪が特徴の死神代行をしている高校生、黒崎一護。
一護の仲間で尸魂界の護廷十三隊に属する死神の女性、朽木ルキア。一護の
クラスメイトである髪の長い美少女、井上織姫と同じくクラスメイトである大柄な青年、
チャドこと茶渡泰虎である。零児達は以前、任務で幽助や一護達と顔を合わせ、
共に事件を解決した事があり、それ以来の付き合いとなっていた。
幽助「俺はコエンマからの指令で、ここに行くように言われたんだ」
一護「俺もルキアから、尸魂界の指令で、ここに向かう様に言われて
井上やチャドと来て、幽助と会った後、零児さん達を見かけたんです」
小牟「ん?一護達といつも一緒にいるメガネ坊主は、今日は居らんのか?」
井上「石田君は生徒会のお仕事が忙しくって、今日は私達だけなんです」
幽助と一護達は、それぞれ来た理由を話す。小牟は一護の仲間である
滅却師(クインシー)の高校生、石田雨竜がいない事に気付き、理由を
尋ねると、石田は現在、空座(からくら)高校の生徒会長である為、
生徒会の仕事により不在である事を井上織姫が話す。
零児「どうやら、俺達の任務はお前達と同じみたいだな」
ニンジャ「各々方、御集まりになった様でござるな」
幽助「誰だ?この忍者は」
井上「すごいよ、黒崎君、チャド君!本物の忍者だよ!」
チャド「落ち着け、井上・・・・・」
集まった零児達の前に超人警察隊のザ・ニンジャが現れる。井上は
本物の忍者であるザ・ニンジャを見て、興奮気味となり、チャドが
落ち着かせる。
ニンジャ「拙者の名はザ・ニンジャ。超人警察隊の手の者でござる。
今回の件はこの世の存亡にも関わる事態であり、あの世でも一大事
という事で、お主達が集められた。今から任務の内容を説明するでござる」
ザ・ニンジャは零児達に今回の任務である悪魔くんの救出や見えない学校の
異変に関する調査、見えない学校を吸収したと思われる“恐怖の将”についてや
自分達が調査に向かった鬼太郎達の増援である事などを説明した。
ルキア「恐怖の将・・・・・その様な輩がいたとは・・・・・」
幽助「とにかく俺達は、調べに行ったその鬼太郎って妖怪を助けに
向かえば良いって訳なんだな?」
ニンジャ「その通りでござる」
一護「でも、そこへはどうやって行けばいいんだ?」
零児「行き方については、こちらにツテがある」
ザ・ニンジャの説明を受けて、各々反応し、一護は行く方法を聞くと
零児がツテがあると話す。
ブォォォォ
小牟「おっ!噂をすれば来たようじゃのう」
零児達の居る場所に大型の車両がやって来る。車両が止まると
中からゴーグルを着けた女性が現れた。
裏嶋「ごめんなさい。停まる場所を探していたら遅れてしまったわ」
幽助「誰だよ、この姉ちゃん?」
零児「俺達と同じく『森羅』に所属する裏嶋千鶴装備課課長だ」
裏嶋「『博士』って呼んで。」
現れた車両―『龍亀一號』から現れたのは森羅に所属する科学者、
裏嶋千鶴。零児によって皆に紹介される。
裏嶋「そちらの忍者さんの協力で悪魔くん・・・・・埋もれ木真吾君の
いる場所へ、この龍亀一號へ転移する事が出来るわ。でも、グズグズ
していたら、その子がどうなるか分からないから移動するわ。すぐにね」
裏嶋から行く方法について説明されると、一同は龍亀一號に乗り込む。
そして龍亀一號は悪魔くんや鬼太郎が居ると思われる場所に向かって
転移するのであった。
名門(なかど)学園屋上***
ザ・ニンジャや零児達が鬼太郎の増援として後を追っていたその頃。
昼休みとなり、不動明は氷村(ヒムラー)に言われた通り、屋上へと
やって来る。屋上には氷村が待ち構えていた。
明「言われた通り、1人で来たぜ。ヒムラー!!」
氷村「フフフ...待ってたぜ、デビルマン」
不敵な笑みを浮かべる氷村に対して、明は殺気を向ける。
氷村「おいおい、そんなに殺気を向けるなよ...ゼノン様は寛大な
御心により、これまで貴様がデーモン族を裏切り、人間に味方した
罪をお許しになって下さるおつもりだ。デビルマン...いや、
デーモン族の勇者、アモン!デーモン族に帰って来い!!」
499-3
氷村は明=デビルマンに、デーモン族に戻ってくるよう魔王ゼノンの
提案を伝える。その際、デビルマンのもう一つの名前を口にした。
明「・・・・・誰が、デーモン族に戻るものか。俺は美樹を守る...
デーモン族だろうと何だろうとなぁ!!」
氷村から伝えられた内容に対して、明ははっきりと拒絶した。
氷村「・・・・そうかい。ならば仕方あるまい。ここで死んでもらうぜ!
出て来い、お前達!!」
????「うおおお、待ちかねたぞぉ!」
明「―!」
明の拒絶の言葉を聞き、こうなる事を予想していた氷村は明を
始末する事を決める。そして氷村に呼ばれ、明の前に2体の
怪人が姿を現す。
明「お前達はフェイラス、ダルミ...貴様達も黄泉還っていたのか!」
フェイラス「久しぶりだな、デビルマン」
ダルミ「我らを倒し、宿り木を手にして、デーモン族の尖兵という栄誉を
得たというのに、愚かな人間に組みするとは、デーモンの恥さらしめがっ!」
現れたのは、かつてデビルマン同様魔王ゼノンによりデーモン族の尖兵に
選ばれ、宿り木となる人間=不動明を巡ってデビルマンに敗北したデーモン族の
フェイラスとダルミだった。彼等もまた氷村同様、黄泉還り現象により再生者となって
復活したのであった。
フェイラス「デビルマンよ。今度は貴様が死ぬ番だ!」
明「冗談じゃねぇ!お前達なんかに負けてたまるかっ!
ディヴィール!!」
デビルマンを抹殺しようと現れたフェイラスとダルミに対し、明は
その姿を本来の姿であるデビルマンに変身する。
デビルマン「さぁ、かかってきやがれ!」
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
美樹「もう、明くんも氷村くんも何処に行ったのかしら?」
一方、屋上でデビルマンとデーモン族の戦いが行われている事など
露知らず、美樹は昼休みになっていなくなってしまった明と氷村を
捜していた。廊下を歩いていると、美樹は大きな鏡の前を通り過ぎる。
美樹「あら?こんな所に鏡なんてあったかしら」
鏡に気が付いた美樹は、鏡の前に立ち、しばらくジッと見つめる。
鏡の中の美樹「・・・・・ニィッ」
美樹「えっ・・・・・・キャアッ!」
しばらく鏡を見つめていると、突然鏡に映った美樹がニンマリと
笑みを浮かべ、何と鏡から手が出て来て美樹の首を掴んだのである。
そして美樹は駒の様にまわり出して、そのまま外へと連れ出されてしまう。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
デビルマン「デビルキィィックゥ!」
フェイラス「ぐわぁ!」
デビルマン「デビルカッタァァ!」
ダルミ「ギャァッ!」
一方屋上での戦いは、フェイラスとダルミがデビルマンに雪辱を
晴らそうと襲い掛かるが、デビルマンの必殺技が繰り出され、
以前と同様、敗北する。
デビルマン「後は貴様だけだ。ヒムラー!」
氷村「・・・・・流石はデビルマン。だが、そいつらは所詮時間稼ぎに過ぎない」
デビルマン「時間稼ぎだとっ?」
???「ぐへへへ。連れて来たぜ...」
氷村「よくやったぞ。ヘンゲ」
デビルマンにフェイラスとダルミが倒されても余裕の表情を見せる氷村。
すると氷村の元に、先程美樹を連れ出した異形の化け物、デーモン族の
中でも変身能力に長けたデーモン族、妖怪ヘンゲだった。
デビルマン「ヘンゲッ!今すぐ美樹を返しやがれぇぇ!!」
氷村「そうはいかん。彼女は大事な人質だからな」
デビルマン「人質だと!」
美樹がヘンゲの手に落ちた事により、怒りの表情を浮かべるデビルマン。
そして氷村の後ろの空間に突如、時空クレバスが開かれる。
氷村「返して欲しければ、追いかけて来い!待っているぞ...ハハハハハッ!」
デビルマン「待てっ!美樹を返せぇぇ!」
ヘンゲ「ふんっ!」
デビルマン「ぐふっ」
時空クレバスの中に入ろうとする氷村から美樹を取り返そうとする
デビルマンだが、ヘンゲは身体を岩に変え、デビルマンにぶつかり
その拍子でデビルマンは倒れてしまう。その隙に氷村とヘンゲは
美樹を連れて時空クレバスの中へと消えた。
デビルマン「や...野郎ッ!待ちやがれぇ!」
起き上がったデビルマンは、氷村達を追おうと背中のデビルウィングを
広げて、時空クレバスの中に入り、そして時空クレバスは消えるのであった。
499-4
◯閻魔大王→鬼太郎に増援を送ろうと尸魂界や超人警察隊に連絡をする。
◯浦飯幽助→コエンマからの指令で、零児や一護と合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯コエンマ→鬼太郎に増援を送ろうと浦飯幽助に指令を送る。
◯有栖零児→鬼太郎の増援に向かう。
◯小牟→鬼太郎の増援に向かう。
◯裏嶋千鶴→零児達を龍亀一號に乗せ、鬼太郎の増援に向かう。
◯黒崎一護→零児や幽助と合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯朽木ルキア→鬼太郎の増援に向かう。
◯井上織姫→鬼太郎の増援に向かう。
◯茶渡泰虎→鬼太郎の増援に向かう。
◯ザ・ニンジャ→零児や幽助、一護らと合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯不動明/デビルマン→屋上でデビルマンに変身して戦うが、美樹を連れ去られ、
時空クレバスに入り、後を追う。
◯牧村美樹→氷村達デーモン族に連れ去られる。
●氷村巌→屋上に来た不動明にフェイラスとダルミを嗾け、牧村美樹を連れ去る。
●フェイラス→デビルマンに倒される。
●ダルミ→デビルマンに倒される。
●ヘンゲ→牧村美樹を連れ去る。
【今回の新登場】
◯浦飯幽助(幽☆遊☆白書)
中学2年の時、霊界の手違いで死亡し、様々な試練を経て生き返らせてもらう
代わりに霊界探偵となって働くようになった少年。喧嘩好きな不良少年だが、
根は真っ直ぐで仲間思い。正義感が強いというよりも、自分が気に入るか
気に入らないかで動くタイプ。ある調査をきっかけに霊光波動拳の後継者となり
幻海に師事する。実は「魔界三大勢力」の一つである闘神雷禅の子孫で、魔族として
覚醒してからは妖気も使用できるようになる。中学を卒業した現在は、進学せず
ラーメン屋台を開店し、裏稼業で人間と妖怪のトラブルを解決する「なんでも屋」をしている。
◯黒崎一護(BLEACH)
霊感が強くオレンジ髪が特徴の高校生で、虚に襲われ朽木ルキアと出会った事から
死神代行となり、以後様々な強敵と戦う。藍染惣右介との戦いで死神の力を無くすが、
XCUTIONとの出会いで、『完現術』を習得し、これを契機に、装いを新たに死神の
力を取り戻す。斬魄刀は「斬月」滅却師との戦いから10年後。井上織姫と結婚し、
息子・一勇を授かる。
◯朽木ルキア(BLEACH)
護廷十三隊十三番隊副隊長。(『千年血戦篇』の後、十三番隊隊長に就任する)
一護に死神の力を与えた人物。南流魂街78地区“戌吊”出身で、阿散井恋次とは幼馴染。
その後、真央霊術院に入学して朽木家に養子に迎えられ、朽木白哉の義妹となる。
男勝りだが非常に仲間思いな性格をしているが割と短気な所がある。
男の様な古風な固い言葉遣いで話し、「たわけ!」が口癖。鬼道に秀でており、
高度技術を使いこなす。『破面編』終了後の1年17か月の間に副隊長に昇格した。
美的センスが様々な意味で高く、ヘタウマ系イラストが得意。ウサギグッズを好んでいる。
斬魄刀は「袖白雪」その後、恋次と結婚し、娘・苺花を授かる。
◯井上織姫(BLEACH)
一護のクラスメイトである花を模ったヘアピンが特徴の巨乳美少女。
一護に思いを寄せている。突飛な言動を繰り出す天然ボケな所があるが
成績は優秀で、運動神経も良く、空手初段程度の実力を持っている。
兄からの贈り物で形見でもあるトレードマークの花型ヘアピンから召喚する
6体の妖精を駆使して、「事象の拒絶」を主軸のシステムとした能力
「盾瞬六花」を操り、主に防御・回復技をメインとしている。
滅却師との戦いから10年後。一護と結婚し、息子・一勇を授かる。
◯茶渡泰虎(BLEACH)
一護のクラスメイトで中学時代からの親友。あだ名は「チャド」
メキシコのクォーターであり体格の良い男。身体が非常に頑丈で
無口だが心優しく、子供や動物に優しい。初めは霊感が全く無かったが
死神化した一護と接触した事で、徐々に強くなっていき、一護の妹
黒崎夏梨と守る事を切欠に固有の能力が開花した。右腕に鎧が
装着され、霊力による打撃を放つ事が出来るようになる。
成人後、プロボクサーとなる。
◯裏嶋千鶴(プロジェクトクロスゾーン2)
特務機関『森羅』の装備課課長。倒置法を多用した喋り方が特徴で、
見た目は20代前半だが、正確な年齢は不明。森羅で使用する武器や
装備の管理を行っており、その開発やメンテナンスを一手に引き受けている。
そういった役割の為か、自分の事を「博士」と呼ぶように言い聞かせている。
キャラバン型局地用特務車両「龍亀一號」のドライバーを務め、自ら現場に
出向く事もある。マイペースで普段は落ち着いているものの、変わり者で
時折頑固な態度もとり、周囲を巻き込んでしまう事もある。
●フェイラス(TV版 デビルマン)
鳥の様な頭部が特徴のデーモン族の1人。魔王ゼノンにデーモン族の
尖兵に選ばれ、宿り木である不動明を巡ってデビルマンと争うが、
敗北した。
●ダルミ(TV版 デビルマン)
醜悪な顔とずんぐりした体型が特徴のデーモン族の1人。魔王ゼノンから
デーモン族の尖兵に選ばれるが、宿り木である不動明を巡って、デビルマンと
争い、敗北した。
最終更新:2020年11月08日 16:13