『集まる鬼』-4
作者・ユガミ博士
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阿蘇山付近の平原***
面堂「ああ、僕だ。大至急、阿蘇山に救助ヘリを寄越してくれ。大型で、3基
程頼む。・・・・5分で到着するんだな。なるべく急いでくれ。頼んだぞ。」
合流を果たしたヒビキ達は基地から脱出して、広い平原に出た。そして、面堂
は隠し持っていた通信機で、面堂財閥の私設軍隊に救助に来るように命令し、
通信を切った。
面堂「迎えのヘリは5分で到着するそうです。」
京介「だが、敵さんはどうやら待ってくれないようだぜ。」
京介が指を指すと、基地の入り口から百鬼兵士が現れた。だが、百鬼兵士の
他にも別の生物が一緒にいた。
カッパ「ゲッゲッゲ」
ヒビキ「あれは!?カッパだ!」
京介「そんな馬鹿な!?どうして魔化魍があいつらと一緒にいるんだ。」
猛士に所属するヒビキと京介は魔化魍が百鬼兵士と一緒に現れた事に驚愕した。
ヒドラー元帥『ふははは。我が百鬼帝国の科学力を持ってすれば、魔化魍を操る
事など造作も無いわ。そこいるカッパ共はいわば番犬代わりよ。行け、奴らを
捕らえよ。』
ヒドラー元帥はメカ要塞鬼に乗り込み、スピーカー越しで百鬼兵士達に命令を下した。
鳴介「ゆきめ、眠鬼まだ大丈夫か?」
ゆきめ「すみません先生。体力が限界です。」
眠鬼「ごめんお兄ちゃん。私も限界。」
覇鬼「だ、大丈夫ウガか?眠鬼!」
ゆきめはこの暑さの中で、妖力を全開に使った為、体力が落ちていた。眠鬼も
鬼のパンツを履いていない中での妖力のコントロールは難しく、こちらも体力
が落ちていた。
ビリリリ!!
ラムがカッパに電撃を放つが、カッパには全く効いていなかった。
ラム「何で電撃が効かないだっちゃ!」
京介「無駄だ。魔化魍は清めの音でしか倒せない。」
鳴介「清めの音?」
ヒビキ「あんまり、人には見せちゃあいけないけど、こうなったら仕方が無い。
いくぞ京介。」
京介「はい、ヒビキさん。」
ヒビキ達は懐から鬼の形をした音叉を取り出し、指で鳴らして額に音叉を
かざした。すると、額に鬼の形が現れ2人の体は炎に包まれた。
あたる「ぎょえ~!」
しのぶ「一体、どうなったの!?」
ヒビキ&京介「「はぁぁぁぁ・・・はっ!」」
炎が晴れると、そこには紫色の鬼と銀色の鬼が立っていた。その姿こそ、
魔化魍を倒す為に、体を鍛えて鍛えて鍛えぬいて『鬼』となった響鬼と
京介だった。
面堂「あれは!?」
覇鬼「そうか・・・あの人間、どこか俺達のような感じがしていたが鬼だった
ウガか。」
鳴介「あれがヒビキさんなのか!?」
鳴介達が驚愕する中、響鬼はさらに集中し、その色は深紅に染まった。その姿は
大量発生する「夏の魔化魍」倒す為に変身した響鬼紅である。
響鬼「いくぞ、京介。」
京介「はい!」
響鬼達は音撃棒「烈火」や鬼闘術・鬼爪でカッパに攻撃した。
カッパ「ギェェェ。」
カッパ「グェェ。」
すると電撃が通じなかったカッパがいとも簡単に倒された。
面堂「すごい、ラムさんの電撃で倒れなかったあの化け物が倒された。」
しのぶ「見て、ヘリが来たわ。」
面堂が感心する中、救助のヘリがこちらへとやってきた。その間、鳴介達も
百鬼兵士から人々を守っていた。そして、ヘリが降りて来て人々を次々とヘリ
に収容していった。
響鬼「はぁぁぁ、灼熱真紅の型!」
響鬼は直接魔化魍のボディを叩くことで清めの音を流し込む音撃打、
灼熱真紅の型で次々とカッパを爆散させていった。
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そして、百鬼兵士達も倒され、あっという間に全滅した。
百鬼兵士「ヒドラー元帥、このままでは・・・。」
ヒドラー元帥「くぅぅ~、こうなれば、奴らは生きて返すな!攻撃用意!」
バドドドド!!
ヒドラー元帥はメカ要塞鬼から機関銃で攻撃をしてきた。
眠鬼「キャッ!」
覇鬼「眠鬼!!」
銃弾に当たりそうになり、眠鬼は倒れてしまった。
覇鬼「よ、よくも眠鬼を~!」
鳴介「お、おい!覇鬼。」
覇鬼は眠鬼が倒れた事に怒り、巨大化をした。鳴介は左手が繋がっているため、
巨大化した覇鬼の首の後ろに乗っている。
覇鬼「ウガ~!」
覇鬼は大きく跳躍し、メカ要塞鬼の上に乗った。
覇鬼「こいつは眠鬼の分!」
ドゴッ!!
覇鬼「こいつは眠鬼の分!」
バゴッ!!
覇鬼「そして、眠鬼の分だウガ~!
ドゴォオオン!
覇鬼はメカ要塞鬼に殴る、蹴るで攻撃し、メカ要塞鬼は大ダメージを受けた。
百鬼兵士「ヒドラー元帥、このままではメカ要塞鬼が持ちません。」
ヒドラー元帥「くっ、仕方が無い。基地を破棄し即刻退避する。」
ヒドラー元帥の命令に、基地は自爆。覇鬼を振り落とし、メカ要塞鬼は
撤退した。振り落とされた覇鬼は無事、着地し事なきを得た。
覇鬼「まて~、逃げるなウガ。」
鳴介「だめだ、もう追いつけない。戻るぞ覇鬼。」
その後、鳴介達はゆきめ達と合流し、ヒビキは関東支部に今回の事件の事を
報告する事にした。鳴介達や面堂達はそれぞれの家に帰り事件は一旦の幕を
閉じた。
オマケ***
あたる「ドウシテ、コエガカワッテオルノジャ!」
京介「カッパの粘膜にあたると声が変質してしまうからな。しばらくは
その声で我慢するんだな。」
あたる「ソ、ソンナ~!」
いつの間にかカッパの粘膜を被ってしまったあたるはヘリウムガスを吸った
の如く、声が異常に高くなっていた。
一方、その頃…。
自爆装置の作動により、大爆発を起こす百鬼帝国の秘密基地。
その爆発は阿蘇山の内部まで響いて伝わり、
火口の洞窟で土砂に埋もれて眠っている巨大怪獣の安眠を妨げた。
ラドン「――グゥゥ…… キォォォォン――!!」
マグマの地熱で巨大な体を温めながら、
翼竜プテラノドンが変異した怪獣ラドンは外の騒ぎに反応して咆えると、
またゆっくりと目を閉じ、煮え立つ土砂の上でうとうととまどろんでいる。
成長した全身に飛び立つエネルギーが満ちるまで、あと少しだと感じながら――。
ラム「……?」
京介「ん? どうしたんだよ」
ラム「今、何か変な鳴き声みたいな音が聞こえなかったけ?」
京介「さあ、気のせいだろ」
うごめく怪獣の鼓動を覆い隠しながら、火の国肥後の夜は更けてゆく…。
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○ヒビキ→響鬼/響鬼紅に変身してカッパを倒す。
○桐矢京介→鬼に変身してカッパと戦う。
○諸星あたる→カッパの粘膜を被り、声が変質。
○面堂終太郎→救助を呼ぶ。
○ラム→カッパに攻撃するが、効かない。
○鳴介→百鬼兵士と交戦。
○覇鬼→巨大化し、メカ要塞鬼を撃退。
○ゆきめ/眠鬼→戦闘により体力が著しく低下。
●ヒドラー元帥→基地を破棄し撤退。
●カッパ→百鬼兵士と共に鳴介達を襲う。△ラドン→阿蘇山の火口で休眠中。
【今回の新規登場】
●カッパ(仮面ライダー響鬼)
「夏の魔化魍」の一体。その粘膜を被ると、声が変質する。
△ラドン(空の大怪獣ラドン/ゴジラシリーズ)
中生代に生息していた翼竜プテラノドンが放射能と火山ガスの影響で変異した怪獣。
衝撃波を発生させながら高速で飛行する。初代は阿蘇山の火口から出現したが、
アドノア島やニューヨークでも同種の出現が確認されている。
古代昆虫メガヌロンを好物として捕食。ゴジラとは宇宙怪獣を相手に共闘する事もある。
最終更新:2020年11月12日 13:59