『日本一のサムライ』-2
作者 ユガミ博士
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大江戸市・峰さやかの家***
???「ゴクゴク、はぁー美味いお茶じゃ。おかわりもらえんかのう?」
???「他人の家でおかわりを要求とは、ずうずうしい爺さんだねぇ。」
???「何じゃ、年寄りは大事にせんか。」
???「あんたはいい加減にくたばんな。」
ここは鉄刃のパートナー峰さやかの実家である剣道道場。そこで、お茶を啜る
白い眉毛と長い髭をした2頭身の老人、あの巌流島で佐々木小次郎と対決した
宮本武蔵本人と峰さやかの祖母(本名不明)がいた。今日この日、火星へと
旅立った鉄刃と峰さやかが帰ってくるのであり、現在待っているところである。
「「ただいま~。」」
武蔵「お、帰ってきたようじゃな。」
所変わり、玄関では刃とさやかが家の中へと入った。そこへ・・・。
「ガオォォォ。」
「ピエェェェ。」
虎とハゲタカが2人に襲い掛かった。しかし・・・。
刃「久しぶりだな、カゲトラ、庄之助。」
カゲトラ「ガオー。」
庄之助「ピエー。」
虎とハゲタカ―カゲトラと庄之助は襲い掛かったのでは無く、久しぶりに
帰ってきた刃達にじゃれてきたのである。そこへ武蔵とさやかの祖母が
やってきた。
武蔵「久しぶりじゃな、刃、さやか殿。」
刃「お!武蔵。」
さやか「おばあちゃん、ただいま。」
さやかの祖母「そんな所にいつまでも、さっさとあがりな。」
625居間へと移動するとさっそく、火星での事を聞いた。現在の火星での情勢は
黄泉がえったバームのオルバン大元帥率いる好戦派とエリカ女王率いる和平
派による内乱が続き、メガノイドを中心としたGショッカーが暗躍していた。
火星軍はそれらの勢力に対し、防衛の為の人員をつぎ込んだ結果、火星の
治安は低下。よって、火星の海を荒らす海賊の横行はますます酷くなっていた。
さやか「もぉー、刃ったらバームとか、海賊とかの争いに突っ込んでいくですもの。」
刃「見過ごせなかったからな。ま、俺に掛かれば朝飯前だぜ。なははは。」
武蔵「相変わらず、調子のいい奴じゃな。じゃが、どうやら強くなっているようじゃな。」
火星の事を聞いているその時・・・。
ぼぉぉん
刃「な、何だ!?」
さやか「庭の方よ。」
突然の大きな音が庭で起こり、刃達はそこへ向かった。
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庭へと行ってみると、煙が立ち込めていた。そして、煙の中に3つの影
があった。
???「げほげほ、ゲロ~。」
???「ズラ~。」
???「どないなったんでっか?」
煙が晴れると、そこには大きな蛙と蜘蛛、そして普通サイズのナマコがいた。
刃「げ、ゲロ左衛門、ナマコ男、クモ男!」
ゲロ左衛門「あ!刃だゲロ。」
ナマコ男「さやかさんだズラ~。」
クモ男「あれ?何でわて等、八鬼の姿になっているんでっか?」
彼等はかつて、風神剣によって鬼となった鬼丸猛が雷神剣を奪うために
呼び出した八鬼である。鬼丸が倒された事で元の蛙、ナマコ、蜘蛛になって
いた。
武蔵「もしや、風神が復活したのやも知れぬ。」
さやか「まさか、そんな・・・。」
武蔵「いや、ありえる話じゃ。今の世の中には、黄泉がえりという現象が
起こっているからのう。復活してもおかしくは無い。元々、風神がいた
からゲロ左衛門達は八鬼となっておったのじゃ。復活したからこそ、
再び八鬼となったのじゃろう。」
刃「へっ、復活したのなら、また倒せばいいだけの話じゃねぇか。俺を
襲ってくるっていうのなら、返り討ちにしてやるぜ。」
武蔵「その意気じゃ、刃よ。」
さやか「所で、小次郎や十兵衛は今どうしているの?」
武蔵「十兵衛は今も、修行の旅に出ておる。小次郎の奴は―」
さやかの祖母「あ!いかん、そろそろ時間じゃ。」
武蔵が佐々木小次郎の事を言おうとした時、さやかの祖母が言葉を遮った。
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さやかの祖母はテレビをつけ始めた。つけた番組は特撮のようだった。
???『は~はっはっは、この日本は私が支配する。』
刃「こ、小次郎!?」
武蔵「奴は今、役者としてこの番組に出演しておる。」
そこに映っていたのは今、話に出てきた佐々木小次郎であった。佐々木小次郎
は鬼丸によって死から甦った武蔵のライバルである。現在、役者として活動している。
???『待て、その野望は俺がさせない!』
さやかの祖母「お!来よった、来よった。」
さやか「ウソ、A・N・G・E・Lの鳥飼銀牙君じゃない。」
刃「誰だ?そいつ。」
小次郎の前に人気アイドルグループA・N・G・E・Lの1人、鳥飼銀牙が
現れた事で、さやかの祖母は興奮し、さやかは驚いた。しかし、刃は銀牙の
事は知らなかった。
さやか「知らないの?人気アイドルグループのメンバーの1人でね、メンバーに
なる前は時代劇の殺陣師をしていたんだって。銀牙君以外に、アメリカ人
とハーフのエース羽田君、ムードメーカーの鷹城雷光君、コンビを組んで
いる鷲崎飛翔君、ゲーム会社の社長もしている大鳥疾風君なの。」
刃「ふ~ん。」
小次郎『く、今日の所は引き上げてやる。覚えてろ~!』
さやかは説明するが、刃はあまり興味が無いようだった。そんな会話をしている内に
テレビの方は終わりを迎えた。
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さやかの祖母「ああ、銀牙様・・・。」
さやかの祖母はうっとりとしていた。
武蔵「そういえば、今日隣町の公園でこの番組の収録があると聞いたのぅ。」
さやかの祖母「何!何故、早くそれを言わん。さやか、公園に行くぞ。
そして、サインをゲットするのじゃ。」
さやかの祖母は立ち上がったが、しかしその時―
ズキッ!
さやかの祖母「イタタタタタ!」
急に立ち上がった事で、ギックリ腰になってしまった。
―30分後
さやか「本当に大丈夫?おばあちゃん。」
さやかの祖母「心配するな。それよりも早くサインを貰ってくるのじゃ。」
クモ男「わてが看病しときますんで、安心して行ってくんなはれ。」
刃達はさやかの祖母の看病をクモ男に任せて、撮影の行われている公園へと
向かった。
○鉄刃&峰さやか→火星から地球へと帰る。
○宮本武蔵→帰ってきた刃とさやかを迎える。
○さやかの祖母→ギックリ腰になり、鳥飼銀牙のサインをもらってくるようにさやかに頼む。
○カゲトラ&庄之助→帰ってきた刃とさやかを迎える。
○ゲロ左衛門&ナマコ男&クモ男→風神の復活した影響で、八鬼に戻る。
○佐々木小次郎→悪役として、特撮番組に出演。
○鳥飼銀牙→主役として、特撮番組に出演。
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【今回の新登場】
○鉄刃(YAIBA)
サムライを目指し、父と共にジャングルで修行していたが、ひょんな事から
日本の峰家に転がり込む事に。伝説のサムライにしか抜けないという、雷神剣
を抜いたことにより、数多の冒険に挑むこととなった。やんちゃでお調子者の
うえ、助平で大喰らい。強い相手と手合わせすることが大好き。さやかとは
同い年だが、背はかなり小柄である。スサノオの血を引いている。本来は鉄
グループと言う超の付く大金持ちの跡取り息子だが、終盤までその事実を知らなかった。
○峰さやか(YAIBA)
ごく普通の女子中学生だが、刃達と共に無理矢理冒険に出させられることになる、
一行のツッコミ役。刃のことが好きなようだが、なかなか素直になれない。家が
剣道道場であることから剣道を嗜んでいる。乙姫の血を引く龍の巫女のため、
その身を月の女帝・かぐやに狙われることとなる。
○宮本武蔵(YAIBA)
400歳。雷神の剣を引き抜いた刃を師として導くこととなった。六十戦無敗の
腕はいまだ衰えず、この年齢にして信じられないほどの動きを見せるが、
ここぞというところでぎっくり腰に襲われるのが玉に瑕。刃並に食い意地が張り、
スケベでもある。 実は織田信長御前試合第一回目の優勝者。しかし、優勝した
ことで多くの藩や裏の勢力から恨みを買い、追手を差し向けられるなど相当な苦労
をしたため、二度と参加しなかった。 回想では八頭身の美形だったが、現在では
二頭身で昔の面影は無い。
○さやかの祖母(YAIBA)
峰さやかの祖母。俗称がご隠居。
○カゲトラ(YAIBA)
ジャングルで刃を食べようと飛び掛ったトラ。ことごとく失敗するうち
刃と共に箱詰めにされて日本に護送され、以後は相方的存在となる。
○庄之助(YAIBA)
ジャングルで刃と仲の良かったハゲタカ。ジャングルに残っていたが、
どういうわけか日本へやってきた。カゲトラ同様刃の相方的存在で、
主に空中の移動手段として活躍。世界中をノンストップで翔け巡る
最強のスタミナの持ち主。
○ゲロ田ゲロ左衛門(YAIBA)
鬼丸の部下、八鬼の1人目の刺客として刃らを襲ったが、「雷神」と化した
刃を武蔵らと協力して止めたことがきっかけで仲間になる。語尾に「ゲロ」
をつける。博打運が強い。
○ナマコ男(YAIBA)
八鬼の一人。伊豆出身でふるさとに帰ろうとして迷っていたところ、
刃たちに拾われ以後行動をともにするようになる。よく、さやかの
肩の上にのっている。ほとんど戦闘の役にはたたないが、体の小ささ
を利用し、敵に気づかれずに行動したりできる。語尾に「ズラ」をつける。
○クモ男(YAIBA)
刃への刺客の3人目で八鬼の一人。騒音が弱点。
なぜ鬼丸がクモ男に頼るのかは不明。関西弁で喋る。
○佐々木小次郎(YAIBA)
鬼丸の命でクモ男が魔法の薬で復活させた。どこまでも伸びる
妖刀「物干し竿」は、武器としてのみならず、様々な場面で一行
を助けた。やる時はやるハンサム侍だが、女性に弱い。現在、
役者として活躍している。
○鳥飼銀牙=ライディーンアウル(超者ライディーン)
父正義、母、22・20・18になる姉3人との6人家族。姉の影響で女性には弱い。
父が映画の殺陣師であったため、既に殺陣師として芸能界で活躍しており、
飛翔らと会う前からライディーンとしても覚醒していた。団体行動を嫌い、
飛翔達の仲間になる事を拒んでいた。しかし、後に父である正義の助言もあり
仲間入りする。超魔エキドナに好かれており、「銀ちゃん」と呼ばれている。
天然理心流の免許皆伝の持ち主。
最終更新:2020年11月16日 03:14