『ダカールの日』-9
作者 鳴滝
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日本・宇宙警察地球署デカベース***
スワン「ドギー、ダカール市内が戦闘状態に突入したそうよ」
ドギー「………」
ニュース報道での緊急速報の内容を、
署長のドギー・クルーガーに伝える白鳥スワン。
ドギーはそれを聞いても、ただじっと署長室から
窓の外を無言のまま見つめている。
ホージー「ボス、我々もダカールに応援に行きましょう!」
いてもたってもいられなくなったホージーが口を開くと、
ドギーは強い口調でこれを押し留める。
ドギー「馬鹿なことを言うな。宇宙警察が地球の内政に
介入する訳にはいかない」
スワン「ホージー、普段冷静な貴方らしくないわ」
ホージー「しかしこのままでは、ギャバン先輩達の努力も
無駄になってしまうかもしれません!」
確かにホージーの言うとおり、もしこの政変でティターンズ派が
勝利すれば、これまで宇宙警察が仲介の労をとって計画を進めてきた、
地球と宇宙とのヒーロー統合組織の設立はご破算となる。
それだけでなく、下手をすれば地球自体がGショッカーと同様
宇宙の敵になりかねないのだ。
ドギー「お前たちの気持ちは解る。だがここで我々が下手に動けば、
それこそ今ダカールにいる剣総理たちが不利な立場に置かれる。
今は剣総理たちを信じるんだ」
ドギー・クルーガーが剣桃太郎を信頼しているのには理由がある。まだ地球署が設立される前の頃、アリエナイザーや宇宙犯罪組織による異星人犯罪の脅威から地球を守るため、
宇宙警察が地球にも宇宙警察署を設置する必要性を懸命に説いても、
地球側の政治家達がなかなか重い腰を挙げない中、地球署の設立に尽力してくれたのが、
ICPO長官・金田正太郎、そして当時、日本政府の国家公安委員長であった剣桃太郎であったのだ。
またドギー自身も、これまで地球と宇宙のヒーロー統合部隊設立計画において、
地球人の中でも信頼のおける良識派要人たちと事前に非公式な接触を何度か持ち、
米国大統領マイケル・ウィルソンやプラント最高評議会議長ラクス・クラインとも顔を合わせており、彼らの人となりもよく知っている。
彼ら各国首脳を信頼して任せれば大丈夫――というドギーなりの確信があった。
ダカール・地球連邦議会議事堂***
議事堂内はすでに銃撃戦の場と化していた。
議場のあちらこちらで銃弾が飛び交う中、
パタリロはゴキブリ走法と根来流忍術を駆使して、まるで敵を
おちょくるようにティターンズ兵たちを翻弄している。
キラ@Sフリーダム「ラクス、こっちだ!」
ラクス「キラ!」
銃撃を避け、議場より外へ退避したラクスの前に、
輝く白い四肢とグレイに青のツートンカラーの機体が舞い降りる。
宇宙港に停泊していた戦艦エターナルから駆けつけた
キラ・ヤマトの愛機ZGMF-X20Aストライクフリーダムガンダムだ。
ラクスはコクピット席から手を差し伸べるキラの手を受け取って
機体の中に飛び乗る。
シャイン@フェアリオン「ラクス様!」
ラクス@Sフリーダム「シャイン王女!」
シャイン@フェアリオン「カガリ様はこちらでアークエンジェルまで
無事にお送り致します。ご安心を!」
ラクス@Sフリーダム「よろしくお願い致します!」
両機は敵機の攻撃を掻い潜りつつ、それぞれ
エターナルとアークエンジェルの元まで急ぐ。
日本・四ツ葉町 クローバータウンストリート***
一方、こちらは日本の四ツ葉町にある商店街の家電専門店前。
美希「大変な事になっちゃったわね…」
ラブ「うん…」
下校途中のそれぞれ着ている制服が違う女子中学生3人が
ショーケースに並べられたテレビの前に立ち止まり、
心配そうな面差しで、ダカールでの銃撃戦を伝えるニュース映像を見つめている。その時、 青い制服を着た、腰まであるロングヘアの少女が何かに気づき、驚いた表情で画面に向けて指を指した。
美希「――ちょ、ちょっとあれを見て!!」
ラブ「…え?」
少女が指を指した先には、なんと3人がよく知っている人物が、
銃を構えた敵兵を相手に縦横無尽の大立ち回りをしていたのだ。
カオルちゃん@テレビ画面の中『オラオラオラァァァァッ!!!!!!!!』
ラブ「――カ、カオルちゃん!? なんでそんなところに!!」
祈里「うそ…(汗」
美希「カオルちゃんって、本当に一体何者…??」
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ダカール・地球連邦議会議事堂***
愛刀を構えた剣桃太郎と、パワードスーツ『メタルウルフ』へと
身を包んだマイケル・ウィルソンが、マイラやクラリスたちを
敵の銃弾から守りながら、迫り来るティターンズ兵たちを
バッタバッタとなぎ倒していく!
ジョディ「…大統領、結局パワードスーツを持ってきちゃってたんですね」
マイケル@メタルウルフ「――ん? 何か言ったかねジョディ?」
辺り一面に容赦なくマシンガンを唸らせ、グレネードの雨を
撒き散らしながら、マイケルは声のしたジョディの方向を振り返る。
ジョディ「いえ、別に」
桃太郎「ミス・クロフォード、貴女はマイラ大使やクラリス王女たちを
安全な場所まで誘導を!」
ジョディ「了解しました。お任せください」
同市内郊外・地球連邦大統領別邸***
警備兵A「ぐわああっ!!」
警備兵B「ぬおおおっ!!」
頭部や腹部を殴打され、その場に倒れこむ
ティターンズ派の警備兵達。
サタン「何の騒ぎだ?」
地球国王とロゼ・アプロヴァール、ミスターサタンの3人を
軟禁していた部屋のドアが開くと、外から3人の少年たちが
中へと入ってきた。一人は華奢ながら強靭な肉体を覗かせる少年、二人目は長髪を三つ編で束ね、三人目はベストを着用し、どこか良家の子息風の雰囲気が漂っている。
国王「君たちは?」
カトル「国王陛下に大統領閣下ですね?
僕たちはプリベンターです。救出に参りました」
サタン「おおー、やっと助けが来たか!」
アプロヴァール「随分と遅かったじゃないか。
今まで何をやっていたんだい?」
デュオ「お小言でしたら後でゆっくり
レディ・アンから聞きますよ」
ヒイロ「邸内はすでに俺たちが制圧した。
敵の新手が来ないうちに急げ」
同市内宇宙港・停泊中のアークエンジェル***
カガリ「ラミアス艦長、今戻った!」
マリュー「カガリさん!」
シャインのフェアリオンに同乗させてもらう形で
送り届けてもらったカガリが、アークエンジェルの艦橋に辿り着く。
カガリ「直ちにアークエンジェルを発進させてくれ!
友軍を援護に向かう!」
マリュー「了解! 総員第一戦闘配備! "アークエンジェル"発進!!」
宇宙港を飛び立ち議事堂の方向へと向かうアークエンジェル。
エターナルもそれに続く。
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○ドギー・クルーガー→ダカールが戦闘状態に突入したとの報に接する。
○白鳥スワン→ダカールが戦闘状態に突入したとの報に接する。
○戸増宝児→ダカールが戦闘状態に突入したとの報に接する。
○キラ・ヤマト→ラクスを連れて、一旦エターナルへ。
○ラクス・クライン→キラに連れられ、一旦エターナルへ。
○シャイン・ハウゼン→カガリをアークエンジェルまで送り届ける。
○桃園ラブ→下校途中にニュース映像で、ダカールで戦闘中のカオルちゃんを目撃。
○蒼乃美希→下校途中にニュース映像で、ダカールで戦闘中のカオルちゃんを目撃。
○山吹祈里→下校途中にニュース映像で、ダカールで戦闘中のカオルちゃんを目撃。
○カオルちゃん→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○パタリロ・ド・マリネール8世→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○剣桃太郎→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○マイケル・ウィルソン→ダカールの地球連邦議会議事堂でティターンズ兵を相手に戦闘中。
○ジョディ・クロフォード→マイラやクラリスたちを安全な場所まで避難させる。
○地球国王→プリベンターに救出される。
○ロゼ・アプロヴァール→プリベンターに救出される。
○ミスターサタン→プリベンターに救出される。
○ヒイロ・ユイ→軟禁されていた連邦大統領たちを救出する。
○デュオ・マックスウェル→軟禁されていた連邦大統領たちを救出する。
○カトル・ラバーバ・ウィナー→軟禁されていた連邦大統領たちを救出する。
○カガリ・ユラ・アスハ→シャインにアークエンジェルまで送り届けてもらう。
○マリュー・ラミアス→アークエンジェルを発進させる。
【今回の新規登場】
○白鳥スワン=デカスワン(特捜戦隊デカレンジャー)
宇宙警察地球署のメカニック担当であるチーニョ星人。
システムやロボットの整備・開発が専門だが、科学捜査に
まつわる知識にも造詣が深く、あらゆる証拠物の分析、
復顔術やプロファイリングもこなす。捜査官ではないが、
白とオレンジのツートーンのデカスーツを装着し
デカスワンに変身することが出来る。本人曰く4年に一度しか
変身しない主義らしい。魔法戦隊マジレンジャー=小津5兄弟の
母である小津深雪=マジマザーとは親友の関係。
○桃園ラブ=キュアピーチ(フレッシュプリキュア!)
公立四つ葉中学校の2年生。友人の失恋に大泣きするなど、
自分のことよりも他人のことで熱くなれる、人懐っこく
天真爛漫で元気いっぱいな女の子。ダンスユニット『トリニティ』の
大ファンであり、特にリーダーであるミユキには強い憧れを抱いている。
戦闘では率先して前に出ることが多く、パンチ力に長けている。
口癖は「幸せゲットだよ!」。
○蒼乃美希=キュアベリー(フレッシュプリキュア!)
ラブと祈里の幼なじみ。芸能学校である私立鳥越学園中等部の2年生。
ラブからは普段「美希たん」と呼ばれている。実家はヘア&ネイル
サロンを経営。両親は離婚しているため母親との2人暮らしだが、
弟の和希とは別居してからも仲が良い。キック力に長けており、
戦闘ではしなやかな蹴り技を主体に戦う。
○山吹祈里=キュアパイン(フレッシュプリキュア!)
ラブと美希の幼なじみ。ミッションスクールである私立白詰草女子学院
中等部の2年生。ラブ達からは「ブッキー」と呼ばれている。
おっとりとした性格ののんびり屋。戦闘では持久力に長けている。
○ヒイロ・ユイ(機動戦士ガンダムW Endless Waltz)
XXXG-00W0ウィングガンダムゼロのパイロット。地球圏統一連合及び
OZに対するコロニー側の反抗作戦『オペレーション・メテオ』を遂行する
ため、L1コロニー群から乗機・ウイングガンダムと共に地球に送り込まれ
たエージェント。細身ながらも鍛え抜かれた身体と、破壊工作に関しては
ずば抜けた能力を持つ。戦後は表舞台で活躍するリリーナを影から
サポートする役目に回っている。「お前を殺す」という台詞で有名。
○カトル・ラバーバ・ウィナー(機動戦士ガンダムW Endless Waltz)
XXXG-01SR2ガンダムサンドロック改のパイロット。アラブ系の大富豪・ウィナー家の嫡男。
マグアナック隊という、40人のモビルスーツ乗りを部下に持ち、部下全員から慕われている。
最終更新:2020年11月16日 03:16