本編682~686

『ステーション奪回作戦』-1

作者 ユガミ博士
682

高見沢グループ・社長室***


芝浦「パーティーですか?」
高見沢「ああ、旋風寺コンツェルンと破嵐財閥が共同で新しくできた総合ステーションの
 落成パーティーをやるんだが、どうも噂だと、ヒーロー共の一大連合組織を作るらしく、
 その協力者を募るらしい。」
芝浦「そのパーティーを探るんですね?」
高見沢「ああ、それとパーティーには財界でも大物の人物が多く出席するらしい。そいつ等と
 コネを作れば、俺の会社の利益に繋がる。・・・いつまでも、大宮や桐原、スマートブレイン
 の連中にデカイ顔をさせておくわけにはいかねぇからな。」

高見沢は内部情報を探るためとコネを作るためにパーティーに出席する事を
芝浦に話した。

芝浦「でも、その噂が本当なら城戸が参加していたらアウトじゃないんですか?
 城戸の性格上、その連合に参加しますよ。」
高見沢「確かにな。だが情報によると、城戸にそんな動きは無いそうだ。ま、
 例え参加していたとしても、それに対しての考えはある。だが、今はスルーだ。」

芝浦はライダーとして復活した城戸が参加している事を危惧するが、高見沢は
今はスルーする事を告げた。その後、パーティーへ行く時間となったので、
高見沢は1人、パーティー会場へ向かった。

683

ヌーベルトキオシティー総合ステーション・パーティー会場***


舞人「本日はこの新しく建設されたヌーベルトキオシティー総合ステーションの
 落成式にご参加していただき、ありがとうございます。」
万丈「この総合ステーションは、駅の役割だけでなくショッピング、ホテル等も
 兼ねており、このヌーベルトキオシティの新たなランドマークとして素晴しい
 場所となるでしょう。」
舞人「それではパーティーの方を楽しんでください。では、乾杯!」

壇上の上でパーティーの主催者である旋風寺舞人と破嵐万丈が、挨拶の口上を
述べ、乾杯の音頭をとった。その後、パーティーの来客達は各々談笑したり、
食事を採ったりした。そして来客の中には高見沢がいて、他の客を見ていた。

高見沢「(こいつは予想以上の客達だな。あらゆる分野のトップに立つ中川
 グループに、世界経済の半分を握っていると言われる西沢グループ、私設
 部隊を有する面堂財閥・・・他にも見た事がある顔ばかりだな・・・。)」

高見沢の見ている先には中川グループの御曹司、中川圭一や西沢グループの総帥
である西沢梅雄。面堂財閥の御曹司、面堂終太郎がいた。

高見沢「(こいつは何としてもコネを作らねぇといけねぇな。こいつ等がヒーロー共に
  協力するという事になったらとんでもねぇ事になるぞ。いや、そうなったら邪魔な
  他の世紀王候補の始末をしてもらうか?)」

高見沢は色々と思案しながら、営業スマイルで他の客に近づきコネ作りを
するのであった。さて、一方で万丈に近づく老人がいた。

西園寺「久しぶりだね、万丈君。この前の活躍は聞いているよ。」
万丈「これは西園寺先生、お久しぶりです。」
西園寺「・・・所で例の件はどうなのかね?」
万丈「はい、事前に協力している方には話を通してあります。パーティーの
 後に別室でその方々を集め、最終確認を取る手筈となっています。」

このパーティーの真の目的を知っている西園寺は万丈にこの後の予定を告げるのであった。

684

万丈が西園寺と話をしている一方、パーティーの出席者である面堂終太郎の
所へ舞人が女性を連れてやってきた。

舞人「パーティーに来てくれてありがとう。面堂君。」

舞人が終太郎に声を掛ける。パーティーや会社を通じて舞人と終太郎は
友人関係にあり、親友と言ってもいい間柄である。

終太郎「久しぶりだなぁ舞人。ん?そちらの女性はもしかして・・・?」
舞人「ああ、紹介するよ。僕の妻、サリーだ。」
サリー「旋風寺サリーです、よろしくお願いします。」
終太郎「うらやましいな、こんな美しい女性と結婚するなんて。」

舞人が連れている女性―旋風寺サリーが終太郎に挨拶をした。終太郎は
舞人の事を羨ましがった。そして終太郎は舞人に小さな声で話しかけた。

終太郎「舞人、この後の件だが僕は協力するよ。」
舞人「本当かい?面堂君。」
終太郎「実は友人達と九州へ行った時に、Gショッカーの連中に捕まってしまってね。
  だがそこを鬼のようなヒーローに助けてもらった事があるんだ。」

終太郎はこの前、九州で百鬼帝国に捕まってしまったが、響鬼に助けられた事を舞人
に話した。

終太郎「だからこそ、その時の恩を返す事が出来るのなら僕は何だって協力するさ。」
舞人「ありがとう、面堂君。」

舞人は終太郎に感謝の言葉を送った。

685

さてその一方で・・・

パーティー客「おーい、そこのボーイ君。ワインをくれないか?」
ボーイ「はい、かしこまりました。」

場面は変わり、1人のパーティーの客がボーイからワインを注文し、
ボーイはワインを渡した。

パーティー客「ごくごく、う~んウマイ・・・ゴフ!」
パーティーの女性客「キャァァァァァ!」

ワインを飲んだ客は飲んだ直後に血を吐いて倒れてしまった。倒れる所を
見ていた女性客の悲鳴にパーティー会場にいた人達は一斉に注目した。

中川「どうしましたか!?」
パーティーの女性客「ワインを飲んだら、急に倒れてしまったんです!!」

普段は警察官をしている中川圭一はいち早く駆けつけ、倒れた客を診た。

中川「死んでいる!」

ざわ・・・ざわ・・・

人が死んでいる事で会場は騒然となった。

万丈「なぜ、こんな事に?」
ボーイ(?)「おとなしくしてもらおう。」

突如として、ワインを渡したボーイが懐から銃を突きつけた。それを合図に
他の会場スタッフも銃を取り出したり、会場のドアから武装した人間が何人
も現れた。

舞人「貴様達は一体・・・!?」
ボーイ(?)「カチャ・・・我々はどこにでもいる。」
万丈「!・・・そのサングラスにフレーズは“普通の人々”か。」
普通の人々(リーダー)「このパーティーの本当の目的を我々は知っているぞ!
 ヒーローの連合組織・・・化物エスパーも仲間に入れるような真似を我々が
 許さん。よって、このステーションは我々が占拠した。おい、一箇所に集めて
 携帯を没収させておけ!」
普通の人々(部下)「はっ!」

普通の人々のリーダー格が部下に命令を下し、パーティー客を壁際に集めて、
携帯電話を没収した。また、舞人や万丈は勇者特急隊やダイターン3を呼び出す
通信機を没収されてしまうのであった。

梅雄「(私だけならば相手に出来るが、他の人達があぶない。どうしたのものか)」
高見沢「(く、俺をこんな目に遭わせやがって。変身できればすぐに始末できるが、
  人目がまずい。何とか隙をつかなければ・・・)」
普通の人々(リーダー)「このお嬢さんは我々と来てもらおう!」
サリー「きゃっ!」
舞人「サリー!」
終太郎「サリーさん!貴様等・・・(怒)」

別室へと連れて行かれたサリー。何とかしたいが、今はどうする事も
出来ない舞人達の運命は如何に?

686

●高見沢逸郎→旋風寺コンツェルンと破嵐財閥のパーティーに出席。内部情報を
 探るためと企業とのコネを作る為に参加するがテロ事件に巻き込まれる。
●芝浦淳→高見沢からパーティーの事を聞かされる。
○旋風寺舞人→破嵐万丈と共にパーティーを開くが、その裏で協力者を募ろうとする。
○旋風寺サリー→普通の人々に連れ去れる。
○破嵐万丈→舞人と共にパーティーを開くがその裏で協力者を募ろうとする。
○西園寺実→パーティーに参加。計画の事を知っている。
○面堂終太郎→パーティーに参加。舞人に計画の参加を話す。
○中川圭一→パーティーに参加。死体を診る。
○西沢梅雄→パーティーに参加。テロ事件に巻き込まれる。

【今回の新登場】
○旋風寺(吉永)サリー(勇者特急マイトガイン)
旋風寺舞人の妻。旧姓は吉永。負傷した父親に代わり、様々なアルバイトを
行った女子高生。事件に毎回のように巻き込まれおり、舞人に助けれる事も
多く、惹かれあった後に結婚した。

○中川圭一(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
葛飾区亀有公園前派出所に所属する警察官。実家は中川グループという大財閥で
自身も会社経営を行っている。趣味はスポーツカー集め。ワインに対しての知識
が深い。

○西沢梅雄(ケロロ軍曹)
西沢グループの総帥にして、西沢桃華の父親。仕事のため滅多に家へと帰らないが
娘の運動会に弁当を作ってくる等、親バカな所がある。かつてはストリートファイト
を行っており、ポールや妻である桜華ともストリートファイトを通じて知り合った。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2020年11月16日 03:18