『ステーション奪回作戦』-2
作者 ユガミ博士
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ヌーベルトキオシティ総合ステーション前***
「普通の人々」による総合ステーションの占拠は瞬く間に各報道機関や警察
機構等に知れ渡り、パトカーやマスコミ、野次馬が総合ステーションの前に
集まった。
シオジ「こちら、ブジTVのシオジです。私は今、新しく建てられたヌーベル
トキオシティ総合ステーションの前に来ております。ステーションでは落成
パーティーが行われており、ステーション内にはパーティーの来賓客が人質
として今も捕まっている模様です。犯行を行ったのは反エスパー団体・普通
の人々で要求は未だに出されておりません。なお、ステーションの周りには
AS(アームスレイブ)やレイバーで取り囲んでおり、警察も手が出せない
模様です。」
ブジTVのリポーターであるシオジがカメラの前に立ち、現場の状況を説明した。
ステーションの入り口などいたる所にASやレイバーが配置されている。
奥東京市・日向家***
そしてこの放送は西澤梅雄の桃華の元にも届いた。丁度その時、桃華は想い人
である日向冬樹の住む日向家に遊びに来ていたのだが、彼女の執事ポールから
知らせてきたのである。
桃華「ああ、お父様・・・。」
冬樹「西澤さん・・・。」
夏美「桃華ちゃん、しっかり。」
ショックを受ける桃華に日向家の姉弟である夏美と冬樹が慰める。
ポール「既に旦那様をお救いする為の準備は整っております。桃華様の
号令があればいつでも出撃出来ますぞ。」
桃華「分かりました。それでは「ちょっと、待ったー!」」
桃華が号令を掛け様としたその時、誰かが言葉を遮った。居間のドアの前に
現れたのは5匹、もとい5人の蛙。地球(ペコポン)を侵略する為にガマ星雲
第58番惑星・ケロン星からやって来た蛙型異星人ケロロ小隊のケロロ軍曹、
ギロロ伍長、タママ二等兵、クルル曹長、ドロロ兵長である。
冬樹「軍曹・・・。」
夏美「ちょっと、ボケガエル!いきなり何なのよ。」
ケロロ「話は全て聞いたであります。及ばずながらこのケロロ小隊一同、
桃華殿のお父上奪還に助太刀するであります。」
ケロロが自分達、ケロロ小隊も手を貸すと言ってきた。このケロロ小隊は
地球へ潜入活動していた早々に日向家に見つかってしまい、以後居候として
生活し、侵略活動もするが時には地球の危機を何度も救っていたりする。
夏美「ボケガエル・・・あんた今度は何を企んでるの?」
ケロロ「企んでいるとは人聞きの悪い。いつもお世話になっている桃華殿の
ためであります。」
タママ「そうです。僕達に任せてください。」
桃華「タマちゃん・・分かりました。お願いします。ポール、私も現場へ向かいます。
出動の準備を・・・。」
ポール「分かりました。」
ケロロ「(上手くいったであります。ここでお父上を助けたとあれば、桃華殿から
たんまり、お礼がもらえるであります。そうなればMGガンダムとかが我輩の物に・・・)
夏美は軍曹がまた何か企んでいるのではないかとジト目で疑うが、桃華はケロロ小隊の協力
を容認した。案の定、夏美の思ったとおりケロロは謝礼を目的としていたが、とにかく一同は
現場へと向かう。
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ヌーベルトキオシティ総合ステーション前***
一方、ステーション前では警察と普通の人々の睨み合いの状態となっていた。
小沢「くそー、ヌーベルトキオシティきっての敏腕警部小沢昭一郎がいるこの
街でステーションの占拠とは断じて許さんぞ。普通の人々が相手ならば、
バベルの特務エスパーの出番の筈だ。特務エスパーはどうしたのだ?」
部下「は、それが大きな落盤事故があったらしく、救助活動の為にこちらへは
遅れるそうです。」
小沢「こんな時に・・・どうした物か。」
総合ステーション占拠と同時期に大きな落盤事故が発生してしまい、ザ・チルドレン
達、特務エスパーはそっちの事件に行ってしまい遅れてくる事態になってしまっていた。
小沢が報告を聞いていると、新幹線やパトカー等の数台の車両、そしてバイクに乗った
ロボットがやって来た。
???「「チェンジ!」」
300系新幹線とパトカーが変形すると勇者特急隊のリーダー・ガインと
ブレイブポリスの勇者刑事デッカードとなった。それに続き、デッカードと共に
出動したマクレーン、パワージョー、ダンプソン、ドリルボーイがロボット形態
となり、バイクに乗っていたガンマックスが降りた。なお、勇者特急隊からは
ガインが来ており、ボンバーズやダイバーズは基地であるマイトステーションで
待機状態となっている。またブレイブポリスと共にいたソルブレインはザ・チルドレン
が出動した落盤事故へと向かっている。さらに遅れて特車2課の車両も到着した。
小沢「おお、勇者特急隊にブレイブポリス、特車2課も来てくれたか。」
ガイン「はい、ヌーベルトキオシティでの悪事は見過ごす訳にはいけませんから
(それに、舞人が捕まっているしな。)」
勇太「初めまして。ブレイブポリスの友永勇太です。」
後藤「警備部特殊車両2課第2小隊長の後藤です。」
小沢「現場の指揮をしている小沢昭一郎です。噂はかねがね。」
小沢は事件解決の為に駆けつけた勇太や後藤と簡単な挨拶をする。
部下「警部、普通の人々から要求が送られてきました!」
小沢「何だと!」
小沢達は驚愕し、送られてきた要求には今まで逮捕された同士の釈放と
公民権法の廃案だった。午後6時までに要求が通らなければ人質の生命
の保証が無いという。
小沢「今は午後1時・・・後5時間しかない。」
勇太「早く助け出さないと、舞人兄ちゃん達が危ないよ。」
小沢「だが、どうやって助け出すか・・・。」
???「我々に任せて欲しい。」
小沢達が思案しているとそこへ助けに来た桃華達がやって来た。桃華は自分が
西澤グループの令嬢で、人質となった父を助けるために私設部隊を連れてきた
事を話した。
小沢「う~む、事情は分かりましたが・・・。」
普段、民間である勇者特急隊の行動を認めている小沢であるが今回ばかりは
流石に桃華達の協力を受けていいものか躊躇った。
後藤「それならば、警察官が同行するという事でどうでしょう。実はこういった
事件に打ってつけの人間を応援に呼んでいるんですよ。」
後藤が呼んだという人物とは誰か。とりあえず次回を待つ。
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○シオジ→事件現場を中継。
○西澤桃華&ポール→人質となった西澤梅雄を救出する為、ケロロ小隊の
協力を容認し、私設部隊と共に現場へと向かう。
○日向夏美&冬樹→桃華を慰める。
○ケロロ小隊→人質救出作戦に参加。
○小沢昭一郎→現場の指揮をとる。
○ガイン→人質の救出をするべく出動する。
○友永勇太&ブレイブポリス→人質の救出をするべく出動する。
○後藤喜一→特車2課第2小隊を引き連れ、出動。助っ人を呼んだ。
【今回の新登場】
○シオジレポーター(YAIBA)
ブジTVのレポーター。鉄刃と鬼丸猛の国会議事堂での戦いを中継した。
○ケロロ軍曹(ケロロ軍曹)
ガマ星雲第58番惑星・宇宙侵攻軍特殊先行部隊(ケロロ小隊)隊長。
日向家に見つかった事から居候している。趣味はガンプラで侵略活動は
しょうもない作戦ばかり立てている。
○タママ二等兵(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の二等兵。普段は素直で可愛いが、一度怒ると手がつけられない。
ケロロに対して憧れ以上の感情を抱いており、アンゴル=モアに対して強い
嫉妬心を抱いている。普段は西澤邸で暮らしている。お菓子が好物。
○ギロロ伍長(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の伍長。小隊の中で一番軍人らしい性格をしている。日向夏美に
好意を抱いている。普段は日向家の庭にテントを張って生活をしている。
実は鉄道マニア。
○クルル曹長(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の曹長。ハッキングや情報解析、侵略兵器等の開発を行っている。
人に嫌われる事を信条とする根暗な性格をしている。異常なまでにカレーが
好物。
○ドロロ兵長(ケロロ軍曹)
ケロロ小隊の兵長。ケロン軍一のアサシン。地球へと来た時に傷ついていた所を
東谷小雪に助けられ、地球の美しさを知った事から侵略活動をやめている。(人
に迷惑をかけず、環境に優しい侵略ならば参加している。)スイッチが入ると、
トラウマ状態によくなる。元々の名前はゼロロ。
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○日向冬樹(ケロロ軍曹)
日向家の長男で夏美の弟。オカルトマニアでオカルトクラブの部長をしている。
ケロロの事を一番の友達と感じている。実は怒らせると一番怖い。
○日向夏美(ケロロ軍曹)
日向家の長女で冬樹の姉。運動神経抜群で、侵略活動を行うケロロ小隊に
制裁を加えている。学校の先輩であるサブローに好意を抱いている。ラジオ
パーソナリティーの623(ムツミ=実はサブロー)のファン。
○西澤桃華(ケロロ軍曹)
西澤グループの令嬢。冬樹に好意を抱いており、多額な予算を使って、様々な
アプローチをかけている。二重人格者で普段はおとなしく敬語を使うが人格が
変わると、活発で男言葉になる。格闘センスは両親譲り。
○ポール森山(ケロロ軍曹)
桃華の執事。桃華の恋に全面的に応援している。かつてストリートファイトを
していた。
○小沢昭一郎警部(勇者特急マイトガイン)
自称「ヌーベルトキオシティきっての敏腕警部」ヌーベルトキオシティでの事件
を担当するがほとんど、勇者特急隊に頼っていたりする。(しかし自分で犯人を
捕まえるという意思はある。)
○後藤喜一警部補(機動警察パトレイバー)
特殊車両警備部2課第2小隊長。かつては「かみそり後藤」のあだ名を持つ
切れ者だったが、今は昼行灯。
最終更新:2020年11月16日 03:19