本編704~709

『サムライと轟く鬼』-2

作者 ユガミ博士
704

父島行きのフェリー***


武蔵が手に入れた父島ツアーで父島に行く事になった鉄刃一行。父島へ行く
メンバーは鉄刃、峰さやか、宮本武蔵、カゲトラ、庄之助、ゲロ左衛門、
ナマコ男、花丘イサミ、月影トシ、雪見ソウシである。因みにクモ男は留守番、
佐々木小次郎は撮影がある為欠席となっている。

武蔵「さて、刃よ。父島へ行くまで時間がある。その間、修行じゃ。」
刃「え~、船の中だぜ。」
さやか「恥ずかしいじゃない。」
ソウジ「さすがに船の中まで修行とかする人はいないじゃないかなぁ。」
武蔵「何を言っている、あそこに居るではないか。」
武蔵以外の全員「「「「「「「え!?」」」」」」」

武蔵が指差す方を見ていると、船の手すりで懸垂をしている男―ヒビキがいた。

武蔵「あの者のように、例え船の中であろうと出来る事はある。さ、修行じゃ。」
刃「ちぇ~。」

ヒビキの姿を見て、しぶしぶ船の中で修行する事になった。一方のヒビキは
というと・・・

京介「ヒビキさん、何やっているんすか?」
ヒビキ「お、京介。何って、体を鍛えているのさ。お前もどうだ?」
京介「・・・俺は遠慮しておきます。」

鉄刃とヒビキ、彼等が本格的に絡むのはまだ先である。そしてフェリーは
目的地父島へと到着した。

705

父島***


父島へ着いた鉄刃一行。そして、ヒビキと京介。刃達はツアー1日目は海で
泳ぐ事となった。一方、ヒビキと京介はトドロキが泊まっているという民宿
へ行く事になった。

???「マイペンライ。サンダルはいらんかね。」

ヒビキ達の前に現れた初老の男性―船長がサンダルを売りつけてきた。
だが、サンダルの用意はしてきているので断る。そしてトドロキの
泊まっている民宿が何処か聞いてみると、知っているという事で連れて行って
もらった。一方、海へ泳ぎに行った刃達は各々楽しんでいた。

ナマコ男「気持ちいいズラ~!」

元々海の生物であるナマコ男は久しぶりの海に気持ちよさそうである。

イサミ「トシ、右よ!」
ソウジ「ああ、行き過ぎだよ。左、左。」
トシ「よ~し、ここだな!てりゃぁぁぁ!」

ドゴッ!

ゲロ左衛門「痛ー!俺はスイカじゃないゲロ~!」

イサミ達はスイカ割りで楽しんでいたが、目隠ししたトシは間違えて
ゲロ左衛門を叩いてしまった。

さやか「刃~!」

さやかに呼ばれて刃が振り向くと、水着を着たさやかがいた。

さやか「ど、どうかな?」
刃「いいんじゃねぇか?・・・似合っているぜ。」
武蔵「(若さとは良いのぅ。)」

刃は照れくさそうに水着の感想を言った。その場を見ていた武蔵は微笑ましく
見ていた。

706

民宿***


一方、ヒビキと京介は船長の案内によってトドロキの泊まっている民宿へと
訪れた。民宿の玄関が閉まっているので、呼び出してみた。

ヒビキ「ごめんください・・・出かけているのかな?」
???「おじさん達、誰?」

ヒビキが呼びかけていると、庭の方から1人の少女―民宿の娘である
千寿が現れた。

ヒビキ「ここの娘かい?トドロキって人がここに泊まっている筈何だけど
  知らないかい?」
千寿「トドロキ兄ちゃんの事?もうすぐ帰ってくる筈何だけど・・・。」
???「あれー!?ヒビキさんに京介じゃないすか!」

そこへ現れたのは好青年の印象を持つ男性―トドロキであった。

京介「お久しぶりです。おやっさんからの要請でやってきました。」
トドロキ「それじゃあ、詳しい話をするので俺の部屋へ。千寿ちゃん、
   この2人は俺の友達だから俺の泊まっている部屋へ上がらせてもらうね。」
千寿「うん、分かった。」

トドロキはヒビキ達を自分の泊まっている部屋へ上げた。そして自分が調べた
事を2人に報告した。

ヒビキ「え?バケガニじゃないかもしれないだって。」
トドロキ「はい、よくよく調べてみるとバケガニどころか魔化魍ですら
   妖しいみたい何すよ。」
京介「どういう事ですか?」
トドロキ「目撃した人の話を聞いてみると、カニというよりもエビだった
    とか、巨大な刃物が見えたとからしい何すよ。」
ヒビキ「う~ん、それは妙だな。とにかく今後も調べてみよう。」

ヒビキ達はどこを調査するのか話し合っていると・・・

千寿「た、大変、海に怪獣がでたー!」

ヒビキ&京介&トドロキ「「「!?」」」

707

父島・浜辺***


時間は少し遡る。泳ぎに来た観光客で賑わっていた浜辺。しかしその海に
不穏な影が近づいてた。

都「あら、何かしら?アレ。」
大迫「どうかしたのか?綾子。」

最初に気づいたのは父島唯一の医者であり校医である都綾子と教師を
している大迫太平だった。

ザパァァァン!

海の中から現れたのはカニ?エビ?いやどちらでもない。カニやエビのような
甲殻類の如き、その姿は古代甲殻類型デジモン・アノマロカリモンだった。

アノマロカリモン「ギャァァァオオオ!!」
観光客A「た、助けてくれー!」
観光客B「キャァァァァ!!」

アノマロカリモンの登場に浜辺は大混乱になった。

さやか「な、何よあれ!?」
イサミ「この前の蛇の仲間!?」
武蔵「いや、あんな化け物、鬼丸軍団の中にはおらなんだぞ。」
刃「けっ、何であれ黙って見ている訳にはいかねぇ。皆!行くぞ。」
刃以外の全員「「「「「「「「「「応!(ガウ!)(ピギャ!)」」」」」」」」」

刃はすぐ様クサナギを構え、イサミ達も新撰組の衣装へと変身した。刃や
イサミはクサナギや竜の牙でアノマロカリモンに斬りつけるがとても硬く
傷をつける事が出来なかった。他の面々も攻撃を加えるが結果は同様である。
さて、千寿から話を聞きつけたヒビキ達も浜辺へとやって来た。

トドロキ「何々すか、あの化け物!?」
京介「まさか、新種の魔化魍?」
ヒビキ「分からないが、おそらく父島に現れたバケガニというのはあいつの
  事だろう。・・・?あそこに少年や少女が戦っているぞ!」

ヒビキはそこでアノマロカリモンと戦っている刃や新撰組を見つけた。

ヒビキ「とにかく、このままじゃ彼等が危ない。行くぞ!京介、トドロキ。」
京介&トドロキ「「ハイ!」」

ヒビキと京介は変身音叉・音角を取り出し、トドロキは手首に着けた変身鬼弦・音錠
の鎖を引いた。

キィィィィン

ジャラァァァァン

それぞれ音角と音錠を鳴らし、額へと向けた。ヒビキと京介の体が炎に包まれ、
トドロキには雷が落ちた。

ヒビキ「はぁぁぁぁぁ、はぁ!」

炎が晴れ、雷が収まるとそこにいたのは鬼の姿となった響鬼、京介、轟鬼だった。
そして彼等は音撃棒・烈火、音撃弦・烈雷等を構えて刃達の元へと向かった。

708

響鬼「はぁぁぁ!!」
アノマロカリモン「ぎゃぁぁぁ!」
轟鬼「それぇぇぇ!」

響鬼は音撃棒・烈火でアノマロカリモンの体に大きく叩きつけた。アノマロカリモン
はダメージを受ける。轟鬼も音撃弦・烈雷で斬りつけた。

武蔵「(あの者達・・・もしや!)」
京介「大丈夫か、あんたら?」
刃「鬼・・・お前等、風神の手先か!」
京介「風神?何の事だ。」
武蔵「待て、刃!その者達は風神の手先等ではない。」

鬼の姿をしている京介達を見て、風神の手先かと警戒する刃だったが、武蔵
はそれを止めた。

武蔵「お前さん達は『猛士』の者じゃな。」
刃「武蔵、こいつ等を知っているのか!?」
武蔵「詳しい話は後じゃ。今はこの化け物をなんとかせねばあるまい。」

さて、響鬼達を加えてアノマロカリモンを攻撃するが以前にビクともしない。

アノマロカリモン「テイルブレード!」

アノマロカリモンも刃達に攻撃をしていく。

トシ「くそー、どうすりゃいいんだよ。」
ソウジ「せめて、弱点さえ分かれば・・・。」
イサミ「ん?あれは・・・。」

イサミは良く見るとアノマロカリモンの腕?の部分に黒いコードが絡まっている
のを発見した。その時イサミはもしかしたら、このコードが弱点なのかもしれない。
そう感じた。イサミは龍の牙で立ち向かうが、どうにも近づけない。その時、
アノマロカリモンの腕がイサミに向かって襲い掛かった。

轟鬼「危ない!」

轟鬼はイサミをかばった。それによってイサミは事無きを得る。

轟鬼「大丈夫すか?」
イサミ「ありがとうございます。あの黒いコードに攻撃に出来ますか?」
轟鬼「コード?」
イサミ「はい、私も良く分からないけど、あのコードを攻撃した方がいいと
   思うんです。」
轟鬼「・・・分かった。任せるっす!」

イサミの言葉に轟鬼はこの娘なら信じられると感じた。轟鬼は烈雷を持ち、
アノマロカリモンの間接部分に突き刺した。

轟鬼「おりゃぁぁぁぁぁ!」

轟鬼はそのままアノマロカリモンを持ち上げ、ひっくり返した。そして
腕に巻きついている黒いコードを切った。

アノマロカリモン「・・・ん!あれ、ここは何処だ?」
京介「様子が変わった?」

あれから暴れるのをやめたアノマロカリモンから事情を聞いてみると、
デジタルワールドから来たデジモンで、普通に暮らしていたが、いつの
まにか黒いコードに絡まれ、リアルワールド(人間界)に来ていたという。
とにかくこのままにしておくのは出来ないという事で忍風館に事後処理を
頼む事にした。

709

民宿***


あの後、変身を解いたヒビキ達は落ち着いて話をするため、トドロキの泊まっている
民宿へとやってきた。そしてそこで、武蔵はかつて剣の修行中に諸国を旅していた頃
に人知れず魔化魍と戦う『猛士』の鬼の存在を知ったという。ヒビキ達もあの剣豪、
宮本武蔵が未だに生きている事に驚いた。

イサミ「さっきは助けてくれてありがとうございました。」
トドロキ「とんでもないっす。当然の事をしたまでですから。」

イサミはお礼の言葉をトドロキに送る。そして、ヒビキ達に刃達は風神という
邪悪な軍団と戦っている事を明かした。人に害を与える鬼の存在に憤りを感じ
ながらもヒビキはこの件を『猛士』に報告し、可能ならば刃達に協力する事を
約束し、彼等は父島を後にする。・・・余談だが、刃達のツアーはこの騒ぎで
急遽、中止となってしまった事を記す。

○鉄刃→アノマロカリモンと戦う。
○宮本武蔵→猛士の存在を刃達に話す。
○花丘イサミ→トシ、ソウジと共に新撰組に変身し、アノマロカリモンと戦う。
       黒いコードが絡まっている事を発見する。
○ヒビキ→仮面ライダー響鬼に変身し、アノマロカリモンと戦う。
○桐矢京介→変身し、アノマロカリモンと戦う。
○トドロキ→仮面ライダー轟鬼に変身し、アノマロカリモンと戦い、黒いコードを切る。
○船長→ヒビキと京介を民宿に案内する。
○千寿→浜辺にアノマロカリモンが出現した事を知らせる。
○都綾子&大迫太平→アノマロカリモンの影を見つける。
△アノマロカリモン→黒いコードで暴走し、父島の海に現れる。

【今回の新登場】
○トドロキ=仮面ライダー轟鬼(仮面ライダー響鬼)
本名は戸田山 登巳蔵(とだやま とみぞう)。持田ひとみの従兄。ザンキの弟子
として2年間師事してきたが、ザンキの引退と同時に正式に鬼として認知され、
コードネームのトドロキで呼ばれるようになった。元は警察官だった。詳細は不明
だがある事件をきっかけに魔化魍と鬼の存在を知り、ザンキに弟子入りした。
真面目一直線の性格のために時折気合いが空回りしてしまい、周囲にからかわれる
ことも多い。日菜佳に惚れられている。誰に対しても「○○っす」と低姿勢で話す。
団子好きらしい。

○船長(ガンパレードオーケストラ青の章)
商店も経営していて、永野英太郎にいろいろ物を売り付ける。みずほの父から
命の大切さを教わり、自暴自棄な発言をしたみずほを叱る。かつては父島と
内地を結ぶフェリーの船長だったが、妻と娘を事故で亡くし、世界一周の旅に出る。
その先でトレジャーハンターになる。

○千寿(ガンパレードオーケストラ青の章)
民宿の娘。父親は内地で行方不明となり、母親と二人暮らし。永野英太郎を
食べ物で釣り、民宿へおびき寄せている。永野英太郎をおっさん呼ばわり
してからかうのが好き。

○都綾子(ガンパレードオーケストラ青の章)
29歳の校医で島唯一の医者。佐久間や大迫を軽くあしらっていたが、
大迫の熱意に負け付き合う。

○大迫太平(ガンパレードオーケストラ青の章)
30歳。体育会系だが、唯一の教師のため全ての教科を担当する。綾子に惚れている。
体育会系である割にはノミの心臓で3年前に赴任してきた綾子への恋文を渡せずにいた。
現在、綾子と付き合っている。

△アノマロカリモン(デジモンシリーズ)
属性はデータ。世代は完全型。種族は古代甲殻類型。
古代生物研究所のデータバンクにウィルスが感染して生まれたアノマロカリス
をモデルにしたデジモン。食欲旺盛で、エサをよく溜め込む性質を持つ。
必殺技は「スティンガーニードル」

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最終更新:2020年11月16日 03:21