本編722~727

『黄泉がえるW/池袋最強の男』

作者 ユガミ博士
722

ミラーワールド***


仮面ライダー龍騎「おりゃぁぁぁ!」

ドゴォォォン

鏡の中の世界・ミラーワールドで龍騎に変身した城戸信司はモンスターの気配を
感じ、必殺の『ドラゴンライダーキック』でモンスターを倒した。

東京都内***


真司「よっと。とりあえずこれで大丈夫だな・・・って、ヤベ!遅刻するー。」

ミラーワールドから変身を解いて、元の世界に戻った真司だったがOREジャーナル
に遅刻しそうになっている事に気づき、大急ぎでその場を離れた。

OREジャーナル***


大久保「バカヤロー!これで今月5回も遅刻しているんだぞ。いい加減にしろー!」
真司「スイマセン、編集長!」

OREジャーナルの編集長である大久保大介に怒鳴られ、真司は萎縮しながら謝った。

大久保「たく、東都新聞の記事を見たか?『すごい科学で守ります。』かぁー、
   一体何時になったらお前もこんな特ダネを持ってくるやら・・・。」

大久保はやれやれと肩をすくめて言った。『すごい科学で守ります』という記事は
まだ極東基地が三輪防人の指揮下にあった頃に起きたGショッカーとヒーローの戦い
の記事の事である。余談だが、東都新聞は大久保がかつて勤めていた大手新聞会社である。

大久保「はぁ、もういいや。それよりもこいつを調べてみるか?」

大久保はPCを操作して、OREジャーナル宛に送られてきた噂や都市伝説のメールを
真司に見せた。

真司「コイツは・・・!?」
大久保「USBメモリで人が怪物に変身する・・・噂だと風都って街にしか
 流通していなかったらしいが、最近だと東京や大阪、名古屋と主要な都市
 にまで拡がっているらしい。危険かもしれないが、やってみるか?真司。」
真司「ハイ、やらせてください。」

そして真司は都内でも目撃者の多いという池袋へと向かった。

723

池袋***


???「待てや、こらぁぁぁぁぁ!」
中年男性「ひぃ、か、勘弁してくれー!」

一方、池袋の方では金髪でグラサンを掛けたバーテンダー風の男が中年男性を
追いかけていた。この男の名は平和島静雄。池袋最強と呼ばれる借金の取立て屋
である。現在、借金の返済を遅れている中年男性を追いかけている最中である。

真司「さて、池袋に着いたけど“ドーパント”は何処だ?」

その一方で池袋に着いた真司は怪物ドーパントが何処にいるのか探していた。
信司がUSBメモリ―ガイアメモリで変身する怪物がドーパントという名前で
ある事を知っているのか?それはこの世界が一度、ショッカーに支配された時
1号、2号を始めとする他の仮面ライダーと共に戦った時に知ったからである。
ドーパントが風都以外にも現れるというのならば、止めなければならない。
何故なら自分も仮面ライダーの1人だからだ。

静雄「まぁてやぁぁぁぁ!」
真司「おおっと!」

道を歩いていると、真司の目の前で中年男性を追いかける静雄が通り過ぎた。

真司「な、何だ?!」

これは唯事ではないと感じた真司は、その後を追いかけた。

724

池袋・無人の駐車場***


静雄「ハァ、ハァ、・・・さぁ、さっさと借金を返せや!」

息を切らせながら中年男性に凄みを掛ける。

中年男性「こ、ここで捕まるわけには行かないんだー!」

すると男性はポケットから『V』と大きく描かれたUSBメモリのような物
を取り出し、それを首筋につけた。すると体の中にメモリは吸いこまれて、
男性の体はみるみるの内に全身が青く、筋肉が盛り上がったような姿の怪物
“バイオレンス・ドーパント”に変身した。

静雄「・・・何だ?その姿は。」

静雄は眉を上にあげて一瞬、怪訝な顔をするがそれ程、驚きはしなかった。
その理由は自分の知り合いにもいわゆる「化物」の部類にはいる知り合いが
いるからである。

バイオレンス・ドーパント「黙れー!てりゃぁぁぁ。」

ごぉぉぉん

バタッ!

バイオレンス・ドーパントは右腕の鉄球で、静雄の頭上を思いっきりに叩き
つけて静雄は倒れた。

真司「なっ!」

物陰から事態を静観していた信司は男性がドーパントに変身し、静雄が
襲われてしまったので龍騎に変身しようとデッキといつでも変身できる
ように携帯している鏡を取り出そうとした。しかし、目の前で信じられない
事が起きた。

静雄「いてぇなぁ、いてぇなぁ、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、
  いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、いてぇじゃねぇか、
  いてぇじゃねぇぇぇぇか!」

何と、頭から大量に血が流れているにも関わらず静雄は立ち上がったのである。
そして静雄はふらつきながらも駐車場のフェンスを掴んだ。

静雄「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

静雄は掴んだフェンスを思いっきり力を込めて、引き抜いたのである。
そして引き抜いたフェンスをバイオレンス・ドーパントに何度も何度も
叩き付けた。

バイオレンス・ドーパント「ぐわぁぁぁ。」
真司「すげぇぇ。」

真司は瀕死の状態にあるが、奮戦する静雄に感心した。

バイオレンス・ドーパント「こ、こんな奴を相手にしてられっか。」

バイオレンス・ドーパントは鉄球に姿を変え、逃げ出そうとした。しかし・・・

静雄「にがさねぇよ。」

静雄はバイオレンス・ドーパントを掴み、ジャイアント・スィングの要領で
壁に叩きつけた。

バイオンス・ドーパント「ぐわぁぁぁ。」

しかも、相性が悪かったのかバイオレンス・ドーパントから「暴力の記憶」
であるバイオレンス・メモリが体内から出てきたのである。

725

メモリが体内から出てきた事により、元の中年男性へと戻ったが男性は気絶していた。

静雄「あー、頭がいてー。」

静雄は知り合いの病院へと足を進めた。真司も彼を病院へと連れて行こうと、
足へと向けたがその時・・・

キーン

真司「ん!?」

モンスターの気配を感じた真司は、停車している車のミラーにモンスターの
影を見つけ、静雄を襲おうとしているのが分かった。危ないと感じた真司は
すぐにデッキを車のミラーに向けて、ベルトが出現。デッキを挿入し、ガラスが
割れる音と共に龍騎へと変身し、ミラーワールドへと飛び込んだ。

静雄「ん?」

物音がしたので静雄は振り返ったが、そこには誰1人いなかった。そのため
静雄はまた病院へと向かった。しかし、その場を見ていた人物がいた。

???「ふーん、あれがドーパントか。怪物に変身するなんて、なかなか
 面白いじゃないか。俺はやらないけどね。それにしても、静ちゃん相変わらず頑丈だね。・・・
 いいかげん、死んでくれないかな。そして仮面ライダーか・・・ふふふ、
 この街もまた面白くなりそうだ。」

その場を見ていた青年―折原臨也はこれから起こるであろう混乱に期待を
胸にその場を去った。

726

ミラーワールド***


ミラーワールドの中へ入った龍騎はクモ型モンスター・ディスパイダーと
戦っていた。

ディスパイダー「・・・」

ディスパイダーは糸を繰り出して、攻撃する。

龍騎「おおっと。」

龍騎はそれを何とか回避した。次に龍騎はデッキからデッキのエンブレムと
同じ絵の金色の龍のカード・ファイナルベントカードを召還機ドラグバイザー
に装填した。

FINALVENT

音声と共に、ドラグレッダーが出現し、龍騎はドラグレッダーと一緒に空へ
飛び上がると、ドラグレッダーの放つ火球を受けながら敵に必殺のドラゴン
ライダーキックを放ち、ディスパイダーを倒した。そして、ディスパイダー
の中のエネルギーはドラグレッダーに吸収された。

龍騎「あの人は大丈夫かな?・・・それにしてもドーパントか、蓮達にも
 知らせておかないと。」

そう考えながら、ミラーワールドを後にするのであった。

○城戸真司→池袋でドーパントに出現を聞き、調査する。その後、龍騎に変身し、
    ディスパイダーを倒す。
△ドラグレッダー→ファイナルベントの為、出現。ディスパイダーのエネルギーを吸収。
○大久保大介→信司に池袋に出現するドーパントの取材をするように指示を出す。
○平和島静雄→バイオレンスドーパントを倒すが、頭から血を流す。
△折原臨也→静雄とバイオレンスドーパントの戦いを一部始終静観する。
●バイオレンスドーパント→静雄に追いかけられていた中年男性が変身するが、
  静雄に敗北し、気絶中。
●ディスパイダー→龍騎に倒される。

727

【今回の新登場】
○大久保大介(仮面ライダー龍騎)
OREジャーナル社長兼編集長。城戸真司の大学の先輩でもある。大手新聞社を辞めて
会社を設立した。お調子者だが熱いジャーナリズムとタフな精神の持ち主。トラブルを
多く引き起こす真司には手を焼いているが、彼の非凡な行動力と誠実さを誰よりも理解、信頼している、真司にとっては兄のような存在。
<闘争の系統での設定>かつて勤めていた大手新聞社は東都新聞社。

△無双龍ドラグレッダー(仮面ライダー龍騎)
真司と契約しているドラゴン型のモンスター。体長は6mで、時速500kmで空を飛ぶ。当初は真司を餌として狙ったが、彼と契約し龍騎に力を
与える。口からの火球ドラグブレスが主な武器。

○平和島静男(デュラララ!!)
池袋で借金の取立て屋をしているバーテンダー風の男。筋力のリミッターが存在しない特異体質で、自販機や交通標識をぶち抜いて、
投げつけたりする。暴力が嫌いで名前通り「平和で静かな」暮らしがしたいと思っているが、かなりキレやすい性格をしている。
(このため、何度もバイトを変えている。)苦い物が嫌いで甘いスイーツが好物。折原臨也とは高校時代からの天敵同士。

△折原臨也(デュラララ!!)
池袋の腕利きの情報屋。人間に対して歪んだ愛を持ち、人間達も自分を愛すべきだと説く。
池袋のチームであるダラーズ、黄巾賊、罪歌の抗争を焚きつけたりと影で暗躍した。静雄
とは高校時代からの天敵同士。頭脳明晰だけでなく懐にはナイフを常備している。

●バイオレンス・ドーパント(仮面ライダーW)
『暴力の記憶』であるドーパント。常人を超えた怪力と破壊力、鉄球に姿を変える
事でかなり離れた位置まで跳躍する事も出来る。

●ディスパイダー(仮面ライダー龍騎)
クモ型のモンスター。「仮面ライダー龍騎」第1話に登場した。

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最終更新:2020年11月16日 03:22