本編853~854

『ゴジラVSギャオス 地対空大決戦』-2

 作者・凱聖クールギン
853

和歌山県・太地町***


熊野灘に突き出た紀伊半島の太地町は、捕鯨の町として知られる。
そんなこの町の浜辺に、捕ったわけでもないのに鯨が次々と打ち上げられてきた。
天変地異の前触れかと町の人々は恐れおののき、
動物愛護運動家らは鯨の無惨な大量死にヒステリックな嘆き声を上げる。
そんな時、沖の方で巨大な水飛沫が上がった。

ゴジラ「ギャァォォ――ン!!」

沖の海面をうねらせて、ゴジラが上半身を水面に出した。
鯨はこのゴジラから逃げようとしてパニックを起こし、浜に乗り上げたのだ。
大戸島上陸以来、太平洋で消息不明となっていたゴジラは、
遂に紀伊半島の南端に姿を現した。

ゴジラ「グォゥゥ――!!」

ゴジラは陸へ向かってゆっくりと迫りつつある。
直ちに町民の避難が開始された。


東京・内閣安全保障室***


土橋「総理! 紀伊半島南岸にゴジラ出現です!」
桃太郎「とうとう来たか…!
 非常事態宣言を発令しろ!」

待機していた自衛隊の各部隊に出動命令が出され、
同時に付近一帯へは避難命令が発令された。


和歌山県・太地町***


ゴジラ「ギャォォ――ン!!」

ゆっくりと陸へ近付いてきたゴジラに自衛隊の攻撃が開始された。
F-15戦闘機が空から攻撃し、
戦艦しらさぎが背後に回って海上から攻撃する。

ゴジラ「ギャォォ――ン!!」

背鰭を発光させ、ゴジラは放射能熱線を吐いて上空の編隊を焼き払う。
すぐさま振り返り、しらさぎにも同じく熱線を見舞って撃沈した。
雄叫びを上げる怪獣王は上陸を諦め、
そのまま潜水してどこかへ泳ぎ去ろうとする。

土橋「奴を見失うな!
 潜水艇を発進させて尾行させろ!」

海上自衛隊の潜水艇がゴジラを追尾する。
ゴジラはゆっくりと紀伊半島を西へ回り、
大阪湾へ入ろうとしていた。

854

大阪・梅田***


ガタック「で、でかい…!」
ミズキ「きっと他の個体より孵化が早かったんだわ。
 かなり成長してる…」

地下2階へ踏み込んだ一同は、
そこにいた三匹目のギャオスの大きさに息を呑んだ。
天井に頭がつかえ、この狭い空間では身動きが取れないほどに大きく成長している。

ドレイク「動けないなら、格好の的ですね。
 隠れたところを探す必要もない」
コバ「一気に殲滅するぞ!」
ガタック「よし…プットオン!」――Put on!!

再度マスクドフォームへ戻るガタックとドレイク。
ガタックバルカン、ドレイクゼクター、ダッシュライザーが同時に撃ち込まれるが、
ギャオスは物ともせず超音波メスを吐いて反撃する。

ガタック「危ない!」

ガタックとドレイクが盾となり、ミズキとコバを守った。
マスクドフォームの厚い装甲も耐え切れず傷だらけになる。

ガタック「キャストオフ!」――Cast off!!

怒ったガタックは再びキャストオフ。
ガタックダブルカリバーを抜いてギャオスに斬りかかり、
右足に一撃を叩き込んだ。

ガタック「ライダーカッティング!!」――Rider cutting!!

ギャオスの右足首が切り落とされて床に転がる。
激痛を受けたギャオスは絶叫して飛び跳ね、
その勢いで天井を突き破るとビルの外へと飛び出してしまった。

ガタック「しまった…!」
ミズキ「市街地で暴れたりしたら、大変なことになるわ」

ガタックは直ちにガタックエクステンダーに跨り、
ギャオスを追跡した。



○加賀美新→ギャオスを負傷させるが逃げられてしまい、追跡。
△ゴジラ→和歌山県太地町の沖合に出現。戦艦しらさぎを撃沈し、大阪方面へ移動。
●ギャオス→ガタックに右脚を切り落とされ、地下駐車場の天井を破って脱出。

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最終更新:2020年11月19日 07:41