本編873~875

『帰ってきた美少女戦士 対決!セーラームーンVSキューティーハニー』-3

 作者・ティアラロイド
873

第三埠頭***


スクープハニー「見つけたわよ!」
セーラームーン「――!?」

七変化の1形態、カメラマンの姿のハニーの持つカメラのフラッシュが
執拗にセーラームーンを追い詰める。

スクープハニー「待ちなさい! 逃がさないわよっ!」
セーラームーン「あわわわわ…!!」

全速力で必死に逃げ惑うセーラームーンだが、
今度はナースハニーのドデカい注射器の鋭い針が
セーラームーンを狙う!

セーラームーン「いやああん! お注射やだああ~(泣!!」
ナースハニー「さ、観念して治療を受けましょうね♪」
セーラームーン「ハニーさん、貴女は本当はいったい何者なの!?」

追い詰められたセーラームーンの問いかけに、
ハニーはニヤリと一瞬口元に笑みを浮かべる。

ナースハニー「ある時は看護婦のナースハニー、ある時は女ライダーのハリケーンハニー、
 そしてまたある時はスクープを追うスクープハニー。しかしてその実体は…。
 ――ハニーフラーッシュ!」

掛け声とともに首のチョーカーのハート部分のスイッチを操作し、
赤毛の女戦士へとその姿を変えた!

キューティーハニー「愛の光を持つ乙女、キューティーハニー! あなたの人生、変わるわよ」


十番美術館・正面前広場***


麻布十番街の美術館前広場には、多くの青銅製オブジェが立ち並んでいる。
レイ「うさぎったらどこまで行ったのかしら!」
亜美「目撃者の話だと、こっちの方向で間違いないんだけど…」

その時、どこからか底の部分に針が仕込まれたチェスの駒のようなものが
幾つもレイと亜美のいる方向へと投げつけられた。

亜美「――レイちゃん、危ない!!」
レイ「えっ…!?」

気づいた亜美は咄嗟にレイを庇って地面に身を伏せる。

レイ「…イタタタッ。」
亜美「誰っ! 姿を見せなさい!?」

???「ここよ!」

レイ「――!!」
亜美「――!!」

レイと亜美の二人が声のした方向へと振り向くと、
そこには巫女風ともアラビア風ともとれる装いをした、
長く美しい金髪を結った少女と、
同じく頭にバンダナを巻き、顔の口元をスカーフで隠した
ロングコート姿の少年が立っていた。

亜美「あなたたちは!?」
ジャンヌ「怪盗ジャンヌ、神に遣わされ只今参上!」
シンドバッド「同じく怪盗シンドバッド、参上!」
レイ「…怪盗ジャンヌ!? 怪盗シンドバッド!?」
亜美「確か世間を騒がせていた美術品専門の盗賊!?」
レイ「その泥棒さんたちがアタシたちに何の用よ!」
ジャンヌ「セーラーマーズ、セーラーマーキュリー、
 貴女達二人をここから先に行かせるわけにはいかないわ!」
シンドバッド「通りたければ腕ずくで通るんだな!」
亜美「なんですって!?」
レイ「亜美ちゃん、ここはやるしかないわ」
亜美「ええ…!」

眼前の二人組の怪盗がなぜか自分たちの正体を知っていたことに驚く間もなく、
レイと亜美の二人はクリスタル・チェンジ・ロッドを掲げる。

レイ「―マーズ・クリスタルパワー・メイクアップ!!」
亜美「―マーキュリー・クリスタルパワー・メイクアップ!!」

874

麻布十番アーケード商店街***


まこと「うさぎちゃんが立ち寄りそうな場所といえば、
 もうここだけか…」

懸命に辺り一帯を探すまこと。
一方の美奈子は商店街のショーケースの中に飾られた
ウェディングドレスのマネキンに目をキラキラ輝かせていた。

美奈子「きれいよねぇ……」
まこと「美奈子ちゃん、ウエディングドレスに見とれてる場合じゃないよ!」

美奈子を咎めようとしたまことだが、ガラスケースの向こう側のマネキンが
今微かに動いたことを見逃さなかった!

まこと「美奈子ちゃん、それマネキンじゃない!!」
美奈子「…え?」

すると突然、ウェディングドレス姿のマネキン(!?)たちが
ガラスを突き破って、まことと美奈子に襲い掛かった。

まこと「危ない!!」
美奈子「キャアアッ!!」

まことと美奈子の前に立ちふさがる4体のウェディングドレス姿のマネキン――
否、ウェディングドレス姿の4人の少女たち。

エンジェルサルビア「さすがはセーラージュピター、それにセーラーヴィーナス、
 よく見破ったわね」
まこと「アンタたち、何者だい!?」
エンジェルリリィ「わたくしたちは愛天使ですわ」
美奈子「…愛天使!?」
エンジェルデイジー「悪いけど、アンタたちを月野うさぎのところへ
 行かせるわけにはいかないぜ!」
まこと「…すると、お前たちも如月ハニーの仲間か!?」
エンジェルサルビア「…さあ、どうかしらね」
ウェディングピーチ「いくわよみんな! ウェディングチェンジ・お色直し!」

ピンクのロングヘアで、頭の左右に黄色いリボンをしている
リーダー格と思しき少女の掛け声で、4人は愛のウェーブの力で
ウェディングドレス姿から戦いやすい軽装の戦士姿へと変身した。

ウェディングピーチ「愛天使ウェディングピーチはとってもご機嫌ななめだわ!!」
エンジェルサルビア「セーラー戦士、いざ勝負!!」

まこと「なんだかよくわからないけど、ここはやるしかないみたいだね!
 いくよっ、美奈子ちゃん!」
美奈子「ええ!!」

まことと美奈子の二人はクリスタル・チェンジ・ロッドを掲げる。

まこと「―ジュピター・クリスタルパワー・メイクアップ!!」
美奈子「―ヴィーナス・クリスタルパワー・メイクアップ!!」

875

○キューティーハニー→七変化を駆使してセーラームーンを追い詰める。
○セーラームーン→キューティーハニーから必死に逃げ回る。
○火野レイ→怪盗ジャンヌと怪盗シンドバッドに襲われる。
○水野亜美→怪盗ジャンヌと怪盗シンドバッドに襲われる。
○木野まこと→愛天使に襲われる。
○愛野美奈子→愛天使に襲われる。
○怪盗ジャンヌ→火野レイと水野亜美の前に立ちふさがる。
○怪盗シンドバッド→火野レイと水野亜美の前に立ちふさがる。
○ウェディングピーチ→木野まことと愛野美奈子の前に立ちふさがる。
○エンジェルリリィ→木野まことと愛野美奈子の前に立ちふさがる。
○エンジェルデイジー→木野まことと愛野美奈子の前に立ちふさがる。
○エンジェルサルビア→木野まことと愛野美奈子の前に立ちふさがる。

【今回の新規登場】
○日下部まろん=怪盗ジャンヌ(神風怪盗ジャンヌ)
 準天使フィンに渡されたロザリオで怪盗ジャンヌに変身する、新体操部所属の高校2年生。
 容姿端麗で成績優秀、明るく優しい性格で非の打ち所がないが、
 幼い頃から両親の仕事の関係で一人暮らしをしているため、
 心の奥底には寂しさから来る暗い闇を抱える。
 聖女ジャンヌダルクの生まれ変わり。

○名古屋稚空=怪盗シンドバッド(神風怪盗ジャンヌ)
 日下部まろんのクラスの転校生で、黒天使アクセス・タイムの力を受ける黒いロザリオで
 怪盗シンドバッドに変身する。当初は怪盗ジャンヌの悪魔回収を邪魔をしていた。
 実家は大病院。

○花咲ももこ=ウェディングピーチ(愛天使伝説ウェディングピーチ)
 聖花園学園中等部に通う1年生で、自称「恋する乙女」。新聞部に所属。
 カメラマンである人間の父と天使である母との間に生まれたハーフ(混血)。
 愛の女神の血筋によって選ばれた、愛の時代継承を司る『サムシング・オールド』の守護者。

○谷間ゆり=エンジェルリリィ(愛天使伝説ウェディングピーチ)
 聖花園学園中等部に通う1年生で、花咲ももこの同級生。新聞部に所属。
 祖父がフランス人のクオーター。お淑やかな性格をしたお嬢様タイプ。
 かつて悪魔軍との戦争で命を落とした純天使リリィの生まれ変わり。
 愛の清浄を司る『聖サムシング・ブルー』の守護者。

○珠野ひなぎく=エンジェルデイジー(愛天使伝説ウェディングピーチ)
 聖花園学園中等部に通う1年生で、花咲ももこの同級生で幼馴染。新聞部に所属。
 一人称は「俺」で、男のような言葉遣いで喋る。短気な性格だが、仲間思いの優しい少女。
 かつて悪魔軍との戦争で戦死した純天使デイジーの転生者。
 友愛の絆を司る『聖サムシング・ボロー』の守護者。

○スカーレット小原=エンジェルサルビア(愛天使伝説ウェディングピーチ)
 花咲ももこたちの前に現れた4人目の愛天使。気性の激しい性格で、
 悪魔族に対して一切手加減や容赦はせず、あくまで自身の正義を貫き通す。
 新たなる愛の発生を守護する『聖サムシング・ニュー』の守護者。

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最終更新:2020年11月19日 07:50