本編978~982

『妖怪談(あやかしかいだん)』

作者・ユガミ博士
978

三途の川・六門船***


あの世とこの世の境目を流れる三途の川。そこに浮かぶのは、血祭ドウコク
率いる外道衆の拠点である六門船。そこで酒を飲むドウコクの下へと
やってきた者達がいた。

骨のシタリ「おやぁ?あんたは妖怪大魔王のせがれじゃないかい。
      ・・・そっちは誰だね?」
貴公子ジュニア「久しぶりね。ドウコクの旦那、骨のシタリ。」
天草四郎「ご挨拶に参った。私は風神によって復活した天草四郎と申す。」

やってきたのは、ロッカー風でオネエ口調で話す妖怪大魔王の息子
貴公子ジュニアと風神の配下である天草四郎時貞だった。かねてから
妖怪軍団と外道衆は懇意の中であり、それを外道衆の参謀役である
骨のシタリが出迎える。

ドウコク「・・・何しに来た?」
シタリ「そうだよ、あんたは確か隠流の忍者に封印されていなかったかね。」

酒を飲んでいたドウコクとシタリが貴公子ジュニアに尋ねる。

貴公子ジュニア「ふふ、この天草四郎のおかげで封印が解けたのよ。」
薄皮太夫「こいつが?」

三味線を弾いていたはぐれ外道の薄皮太夫が天草四郎を見て、
聞き返す。

天草四郎「左様、我が妖術でな・・・」

天草四郎は妖怪軍団の封印を解いた時の事を語りだす。

過去・封印の扉***


天草四郎は、風神の命令で日本を手中に納める為には妖怪軍団と
手を結ぶ必要があるとして、妖術使いである天草四郎に封印を解く
べくやってきたのだ。

天草四郎「ここが、妖怪達が封印されているという『封印の扉』か。
   ふむ、ならば我が妖術で・・・。」
???「待てー!」

黒鬼共を引き連れてきた天草四郎が、妖術で封印を解こうとした時に
黒い影が襲う。

979
天草四郎「何者だ!?」
サスケ「隠流の忍者、サスケだ。封印の扉に近づけはさせないぞ!」
サイゾウ「サスケだけじゃないぞ、同じくサイゾウ!」
セイカイ「同じく、セイカイ!」
ジライヤ「ジライヤだ!」
鶴姫「そして、隠流24代目当主鶴姫!」

いつの間にか天草四郎達をサスケ達、五人の
隠流忍者-カクレンジャーが取り囲んでいた。

天草四郎「そうか、貴様達が風神様の言っていた隠流の忍者か。」
サスケ「三神将から、封印を解こうとしている者がいると言われていたが
    本当の事みたいだな。」
セイカイ「覚悟してもらうぞ!」
天草四郎「くっ・・・。」
???「困っているようだな。天草四郎。」
???「我々がこいつらの相手をしよう!」

カクレンジャー達の司令官とも言える三神将から、封印を解こうと
している者がいると言われ、封印の扉へ駆けつけた。だがそこへ、
忍者装束の男と、僧侶の様な大男が現れる。

天草四郎「風魔、青海入道!」
セイカイ「青海!?」
サイゾウ「風魔って、風魔小太郎!?」
風魔小太郎「我ら2人、風神様の命により助太刀に参った。」
青海入道「さっさと、封印を解け!」
天草四郎「任せたぞ、フン!」
サスケ「うわぁ、待て!」

天草四郎はこの場を風魔小太郎と青海入道に任せて、呪術で
サスケを退けさせた隙に封印の扉へと向かう。

風魔小太郎「貴様達の相手は我々だ!」キン
黒鬼「オニ~!」
鶴姫「させない、ここは任せて行ってサスケ!」
サスケ「分かった!」

風魔小太郎はクナイで、サスケに攻撃するが鶴姫がそれを阻み、
黒鬼達と青海入道も残りサイゾウ、セイカイ、ジライヤへ攻撃を始める。

青海入道「貴様、ワシに縁(ゆかり)のある者みたいだが容赦はせんぞ!」
セイカイ「うわぁ、何てパワーだ・・・!」

セイカイは先祖ともいえる青海入道と戦うが、そのパワーに押されそうになる。

ジライヤ「Hey、スリーキック!」
サイゾウ「乱れ蹴り!」
黒鬼A「オニ~」
黒鬼B「オニ~」

サイゾウとジライヤは周りの黒鬼を何体も、蹴り倒して行く。

風魔小太郎「ふん、戦国の世で何人もの武将を始末した私の敵では
     無いな!」
鶴姫「それならば、オン・ツル・ニン白鶴の舞!」

鶴姫と風魔小太郎は空中戦を繰り広げて行く。

980

一方、封印の扉の前に辿り着いた天草四郎はその妖術で封印を解こうと
呪文を唱えて行く。

サスケ「させるか、忍法疾風斬り!」

キン

サスケ「何!」

呪文を唱えている天草四郎に斬りかかるサスケだったが
何者かがそれを阻む。

サスケ「誰だ!?」
カメレオン・ボナパルト「ふふふ、殺させはしませんよ。」

現れたのは、元鬼丸四天王の一体であるカメレオンの怪人
カメレオン・ボナパルトが姿を現した。

天草四郎「ブツブツ・・・ふん、解!」

ドゴォーン

サスケ「しまった!」

そうしている内に封印の解除は成功し、扉はけたたましい爆発と共に
扉が開き、封印されていた多くの妖怪達が、天へと向かって飛び出して
行く。

天草四郎「目的は果たした・・・失礼する!」

天草四郎は妖術で、カメレオン・ボナパルトと共にその場から消える。
鶴姫と戦っていた小太郎達も封印が解かれたのを見届けるとその場から
撤退するのであった。

風雲幻城***


妖怪軍団の復活に、カクレンジャー5人は鶴姫の父である義輝と
三神将に報告する。

義輝「妖怪達の復活か・・・。」
無敵将軍「カクレンジャー達よ、再びこのドロンチェンジャーを手に取り
    妖怪達を封印するのだ。」

カクレンジャー達は封印に使っていたドロンチェンジャーをそれぞれ
手に取り、再び妖怪退治の旅に出るのであった。

現在・三途の川・六門船***


貴公子ジュニア「・・・そしてその後私達は、Gショッカーの傘下に加わった
         わけよ。」
シタリ「なるほどねぇ。」
天草四郎「風神様から、日本を手中に治める為にも外道衆の御力を
    お借りしたく、ここに参った。どうか、御力をお借りしたい。」
ドウコク「・・・まぁいい。俺達は三途の川を現世で溢れさせるのが目的だ。
   その代わり、俺らの頼みも聞けよ。」
天草四郎「勿論、御衣に。」

経緯の説明を終え、天草四郎はドウコクに深々と頼み込む。
ドウコクは杯を捨て、同盟の話を了承するのであった。

981

●血祭ドウコク→妖怪軍団、風神の一味と手を組む。
●骨のシタリ、薄皮太夫→天草四郎達の話を聞く。
●貴公子ジュニア→天草四郎と共に六門船を尋ねる。
●天草四郎→妖怪軍団の封印を解き、外道衆に同盟を頼み込む。
●風魔小太郎→鶴姫と空中戦を繰り広げる。
●三好青海入道→セイカイとパワー勝負を行う。
●カメレオン・ボナパルト→サスケと戦い、天草四郎を守る。
○サスケ→天草四郎を止めようとするが、封印を解かれてしまう。
○鶴姫→風魔小太郎と空中戦を行う。
○サイゾウ、ジライヤ→黒鬼を倒して行く。
○セイカイ→三好青海入道とパワー勝負をする。
○義輝→封印が解かれた報告を受け取る。
○無敵将軍→カクレンジャー達に妖怪封印の任務を与える。


982
【今回の新規登場】
○サスケ=ニンジャレッド(忍者戦隊カクレンジャー)
猿飛佐助の子孫。騙されてサイゾウと共に「封印の扉」を開けて妖怪を
復活させた張本人。スケベだが戦いにおいて冷静な切り込み隊長で、
敵の罠を見破る鋭い勘の持ち主。

○鶴姫=ニンジャホワイト(忍者戦隊カクレンジャー)
鶴姫家の24代目にしてカクレンジャーのリーダー。最年少で男勝りだが、
優しく仲間思いな性格をしている。

○サイゾウ=ニンジャーブルー(忍者戦隊カクレンジャー)
霧隠才蔵の子孫。金に釣られてサスケと共に「封印の扉」を開けてしまった
張本人。少しナルシスト気味で言葉遣いが妙にオカマ臭い時がある。

○セイカイ=ニンジャイエロー(忍者戦隊カクレンジャー)
三好青海入道の子孫。ゲーセン通いな現代っ子で食べる事と女性に目が無い。

○ジライヤ=ニンジャブラック(忍者戦隊カクレンジャー)
児雷也の子孫。アメリカ出身の為、日本語が流暢ではない。
一見寡黙だが、テレビ番組が好き。

○無敵将軍(忍者戦隊カクレンジャー)
2000年前に妖怪と戦った三賢人の一人が転生した三神将の一人。
「体」を司り、5体の獣将が合体して誕生する。当初はカクレンジャーに
操縦を任せていたが、後に自ら行動し、言葉を話すようになった。

●貴公子ジュニア=ガシャドクロ(忍者戦隊カクレンジャー)
妖怪大魔王の息子であるガイコツの妖怪。普段はオネエ口調で
話すロッカー風の男の姿をしている。

●血祭ドウコク(侍戦隊シンケンジャー)
外道衆の長であるアヤカシ。気性が荒く残忍で、酒と薄皮太夫の
三味線でないと気を静める事が出来ない。終盤、薄皮太夫を
取り込んだ事で、水切れという弱点を克服した。

●骨のシタリ(侍戦隊シンケンジャー)
ドウコクと最も古い付き合いのある外道衆の参謀役。持っている錫杖から
電撃を放ち、伸縮自在な触手でシンケンゴールドと互角に渡り合えるほど
戦闘能力が高い。自身の命に強い執着を持ち、外道衆の中で生き残ったが、
時空を超えてやってきたゴーカイジャーによって倒された。

●薄皮太夫(侍戦隊シンケンジャー)
はぐれ外道で元々は「薄雪」という花魁だったが、身請けを約束していた
武士・新左に裏切られた事で、大勢の人を火で焼き殺し外道に堕ちた。
酒以外で唯一ドウコクを抑える事が出来る存在。一人称は「わちき」

●カメレオン・ボナパルト(YAIBA)
鬼丸四天王の一人、鬼丸城の中にある神秘の森に住むカメレオン。
保護色で姿を隠し、変装を得意とする。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2020年11月22日 13:57