『集結侍戦隊』-1
作者・ユガミ博士
983
大江戸市***
刃「おいおい、服買いすぎじゃないか?」
さやか「だって、欲しかったんだもーん!・・・それに、デートしたかったし。」ボソ
刃「何か、言ったか?」
さやか「なんでもないわよ!」
日本一の侍を目指す鉄刃。今日は峰さやかの服の買い物に付き合わされるが
所轄、デートという奴である。だがその2人のデートをこっそりと見ている者達がいた。
トシ「本当に、これが修行なのかよ。」
武蔵「何を言う。この先、より強力な敵と戦う事になるのじゃ。なればこそ、
気配を消す修行が必要となり、こうして気配を消して後を追って身につけるのじゃ。」
ソウシ「いやいや、これは単なる出歯亀・・・」
イサミ「いいなぁー、デート。」
どうやら武蔵が修行とかこつけて、しんせん組の3人と共に、デートの
後をつけているようだった。トシとソウシはこの修行に疑い、イサミは
2人のデートを羨ましがる。
ぐぅ~
刃「う・・・そういや、腹が減っちまったなぁ。何処かで食おうぜ。」
さやか「もう・・・何処がいいかしら。」
???「そこのご両人。よかったら、ウチの寿司を食ってみてくだせぇ。」
さやか「誰!?」
お腹が空いた刃はさやかと共に、食事にしようと辺り見渡す。
そこに誰かが寿司を食べないかと誘われる。よく見ると、そこに
『ゴールド寿司』と描かれた屋台があった。
さやか「ゴールド寿司?」
刃「何でもいいや、ここにしようぜ。」
刃達はゴールド寿司の方へと向かう。
武蔵「む、刃にさやかめ。ワシらに黙って、寿司を食べるとは許さんぞ!」
トシ「俺達も、お昼にしようぜ。」
イサミ「あっ、あそこにクレープ屋さんがある!」
イサミが見つけたクレープ屋は、トラ猫の様なカラーリングの
大きな移動販売車だった。
ゴールド寿司***
刃「お邪魔しまーす!」
???「へい、いらっしゃい!何に致しやしょう。」
一方、イサミ達がクレープ屋へと行っていた頃。刃とさやかは
ゴールド寿司の暖簾をくぐる。屋台には鉢巻をした人の良さそうな
寿司職人の青年が出迎えた。
刃「じゃー、俺はトロ。」
さやか「私はイカをお願いします。」
職人の青年「あいよ!」
刃とさやかが寿司ネタを注文をすると、威勢良く返事をして
あっという間にトロとイカを握っていく。
職人の青年「へい、お待ち!どうぞ、食ってくれ。」
刃&さやか「「いっただきま~す!」」パク
刃とさやかは握られた寿司を口にするが、その顔はだんだん
微妙な顔になっていた。
職人の青年「お客さん、味はどうですかい?」
刃「普通だな・・・」
さやか「不味くは無いけど、美味しいとも言えないわね。」
職人の青年「だぁぁあ、またダメか。」
その「普通」の味がすると感想を述べた刃とさやかに、
職人の青年は肩を落とす。
???「しっかりしてくだせぇ、親分!」
さやか「うわ、提灯が喋った!」
職人の青年「ありがとよ、ダイゴヨウ。そうだな、もっと修行を重ねて
俺のを寿司を旨いと言わせねぇとな。」
いきなり、屋台にかかっていた提灯が喋りだして驚くさやか。
ダイゴヨウというその提灯の言葉に職人の青年は元気を取り戻す。
刃「それは、ロボットか?」
職人の青年「こいつは、俺が作ったダイゴヨウってんだ。おっと、俺の名は
梅盛源太!いつか、このゴールド寿司を三ツ星にするのが夢さ。」
職人の青年-梅盛源太は刃とさやかに提灯のロボットダイゴヨウと
自分を紹介する。
町の市民A「うわぁ~!」
町の市民B「きゃあ~!」
刃「何だ!」
そこに大江戸に住む市民達の悲鳴が上がり、刃達は何事かと
ゴールド寿司を出た。
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黒鬼「オニー」
ナナシ連中「ナナ、ナナ」
悲鳴の上がる場所へと行くと、風神の配下である黒鬼と隙間から
異形の化物が出現して、市民を襲っていた。
刃「こいつら、風神の仲間か!」
武蔵「むむ、こやつらはナナシ連中か!?」
刃「武蔵、それにイサミ達も何でいるんだよ!あと、クリームついてるぞ。」
武蔵「そんな事はどうでもいいわい。あれはナナシ連中といって、三途の川
から隙間を通って、現れるアヤカシじゃ。」
武蔵は騒ぎの現場へと駆けつけて、口元のクリームを拭いた後
隙間から現れたナナシ連中について説明する。
刃「とにかく、こいつらを倒すぞ!」
しんせん組「「「はい!」」」
武蔵「さやかよ、後ろに下がっているのじゃ。」
さやか「はい。・・・あれ、源太さんは?」
刃は鞘からクサナギを引き抜き、しんせん組の3人もバトルコスチュームに
姿を変えて、黒鬼とナナシ連中に向かっていく。さやかは後方へと下がるが、
一緒にいた筈の源太がいない事に気づく。
刃とイサミはその魔剣クサナギと龍の剣で切り倒し、トシは龍の目で
黒鬼やナナシ連中にぶつけ、ソウシは龍の牙を射て戦う。
黒鬼「オニ~!」
ナナシ連中「ナナ~!」
トシ「へへ、だまぁみろ!」
???「・・・面白い連中がいるなぁ~」
刃「誰だ!」
そこへ隙間から現れたのは、下半身がでかい顔になっているアヤカシ
カゲカムロが現れる。
???「イェ~イ!」
刃&しんせん組「「「「うわぁ!」」」」
さらに刃達を攻撃したのは、巨大な殻を被ったカタツムリが現れる。
刃「てめぇは、カタツムリ男!」
カタツムリ男「デンちゃん、再登場イェ~イ!」
かつて鬼丸が召還した八鬼の一体、ナメクジ男改め
カタツムリ男である。
カゲカムロ「行くぞ!」
カタツムリ男「イェイ!」
イサミ「キャァァア!」
トシ「ウワァ!」
ソウシ「うう・・・」
刃「お前ら!」
カゲカムロ達の登場に、苦戦を強いられるイサミ達。絶体絶命のピンチ
だと感じた時、異変が起きる。
ドォーンドォーンドォーン
刃「太鼓?」
カゲカムロ「この音・・・まさか!」
いきなり太鼓の音が流れ、どこからともなく現れた舞台でお馴染みの
黒子が陣幕を張っていく。
武蔵「あの家紋は・・・もしや!」
太鼓が鳴り終わると、陣幕から5人の男女がそこに立っていた。
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???「殿ぉ、やはり外道衆は復活していたようですなぁ!」
???「絶対ェ、倒してやるぜ!そうだろ、姐さん。」
???「その通りよ、千明。」
源太「ひっさしぶり~、丈ちゃん。皆!」
???「源さん!」
さやか「あっ、さっきのお寿司屋さん!」
さっきまでいなかった源太が現れ、5人に合流する。
殿と呼ばれた青年「お前達、無駄話はそこまでだ。行くぞ!」
一同「「「「「応」」」」」
殿と呼ばれた青年の号令の下、現れた5人は筆のような物を取り出し、
それぞれ「火」「水」「天」「木」「土」の文字を空中に書く。
一方、源太はシャリのような物とディスクを取り出し
寿司を握るように合わせ、「光」を書くように手を動かした。
???「一筆奏上!」
源太「一貫献上!」
文字を反転するとそれぞれの体を包み込み、赤、青、桃、緑、黄
金色の戦士に姿を変えた。
武蔵「やはり、志波家の侍か!」
さやか「知っているの、武蔵。」
武蔵「うむ、古来より三途の川から現れるアヤカシの集団-外道衆と
戦ってきた侍の一族じゃ。」
変身した彼らを見て、武蔵はやはりそうだったかと納得し、
さやかが聞き返す。武蔵は志葉家について説明する。
シンケンレッド「シンケンレッド、志波丈瑠」
シンケンブルー「同じくブルー、池波流ノ介」
シンケンピンク「同じくピンク、白石茉子」
シンケングリーン「同じくグリーン、谷千明」
シンケンイエロー「同じくイエロー、花織ことは」
シンケンゴールド「同じくゴールド、梅盛源太」
武蔵の言う志波家の侍達は、それぞれ自分の名を
名乗り上げる。
シンケンレッド「天下御免の侍戦隊!」
シンケンジャー「「「「「「シンケンジャー、参る!」」」」」」
シンケンレッド以外が座り込んだ後、6人は鞘から刀を抜き
名乗り上げる。
シンケンレッド「行くぞ、外道衆!」
シンケンジャー達は戦場へと出陣するのであった。
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○鉄刃→さやかとデート中、外道衆とカタツムリ男と戦う事になる。
○峰さやか→刃とデート中に、戦いに巻き込まれる。
○宮本武蔵→しんせん組と一緒に、刃とさやかのデートを隠れて見る。
○しんせん組→刃とさやかのデートを隠れて見ていたが、外道衆とカタツムリ男と戦う事になる。
○シンケンジャー→外道衆、カタツムリ男の前に現れて変身する。
○梅盛源太→刃とさやかに、寿司を握る。そして、シンケンジャーと共に変身する。
○ダイゴヨウ→源太を慰める。
●カゲカムロ→ナナシ連中を引き連れて、大江戸市の人々を襲う。
●カタツムリ男→刃としんせん組を襲う。
【今回の新規登場】
○志葉丈瑠=シンケンレッド(侍戦隊シンケンジャー)
「火」のモヂカラを受け継いだ志葉家19代目当主。自他共に厳しいながらも
他人を巻き込みたくないという心優しい性格を持つ。元々は外道衆から
18代目当主である薫の存在を隠す為に育てられた影武者だが、
終盤、薫によって(法律上無理だが)養子となり19代目当主となる。
幼少の頃は泣き虫で、今でもお化け屋敷が苦手。
○池波流ノ介=シンケンブルー(侍戦隊シンケンジャー)
「水」のモヂカラを受け継いだ侍。歌舞伎役者の家系だが、
外道衆との戦いに召集された時、舞台を捨て、丈瑠の下へと馳せ参じた。
真面目で忠義に厚いが、融通が利かず天然ボケで暑苦しい所がある。
○白石茉子=シンケンピンク(侍戦隊シンケンジャー)
「天」のモヂカラを受け継いだ女侍。幼稚園のアルバイトをしていたが、
外道衆の戦いに召集され、丈瑠の下へ馳せ参じた。冷静で鋭い観察眼に
優れており、面倒見が良いが落ち込んで弱っている人間を放っておけない
性格をしている。夢は結婚だが、料理が壊滅的にヒドイ。
○谷千明=シンケングリーン(侍戦隊シンケンジャー)
「木」のモヂカラを受け継いだ侍。シンケンジャーに召集される前は
卒業間近の高校生で、一番の現代っ子。侍として最低限の知識しか
教えられていないので、主従関係を受け入れず修行にも不真面目だった。
しかし丈瑠を超える事を目標に、戦士として成長していった。
○花織ことは=シンケンイエロー(侍戦隊シンケンジャー)
「土」のモヂカラを受け継いだ女侍。京都で家業の竹細工作りをしていたが
体の弱い姉に代わり、シンケンジャーとなる。純粋で心優しい性格だが、
度を越えた天然ボケで、良くも悪くも空気の読めない所がある。また、
幼少の頃、いじめられていた事と姉を思う気持ちから強い忍耐力を持つ。
○梅盛源太=シンケンゴールド(侍戦隊シンケンジャー)
丈瑠の幼馴染である「ゴールド寿司」を営む寿司職人。幼少の頃、家族が
夜逃げする時に丈瑠から烏賊折神のディスクを受け取り、丈瑠の力になろうと
独学で剣の修行とモヂカラを解析し、電子モヂカラを開発。反面、寿司の
修行が十分では無かったので、味は普通。「光」のモヂカラを用いて、
海老折神やダイゴヨウ等を開発した。
○秘伝提灯ダイゴヨウ(侍戦隊シンケンジャー)
源太が自分の代わりに戦えるように開発した提灯のサポートメカ。
源太以上に江戸っ子口調で話す。十手を手足として、侍巨人にもなれる。
●カゲカムロ(侍戦隊シンケンジャー)
鎧兜のような、人間を食った巨大な笑い顔のような姿を持つアヤカシ。
下半身が巨大な顔面を模し、大勢の人々に「仇をなすぞ」と常に大口を
叩く自信家。武器は刀身が顔を模した2本の刀「悲喜双顔刀」
妖怪「大かむろ」の伝承のルーツとされている。
●カタツムリ男(YAIBA)
鬼丸が召還した八鬼の一体であるナメクジ男が殻を被り、
パワーアップした姿。「イェイ」が口癖。塩が掛かると消えてしまう。
最終更新:2020年11月22日 13:57