本編1494~1497

『希望の名を持つ海賊』-3

 作者・ユガミ博士
1494

火星・都市船港地区***


ナデシコCが停泊している港地区では、一矢達ダイマスチームに
クラッシャー隊とブルーフィクサー隊が調査を行っていた。

ケンジ「そろそろ、他の皆も戻ってくる頃合いだな」
タケル「ん?隊長、あっちで何か人だかりが出来てますよ!」

タケルが何やら人だかりが出来ているのを見つけ、クラッシャー隊と
ブルーフィクサー隊はそこへ向かった。

海賊A「金は払ったんだから、文句は無えだろう!?」」
???「おいおい、どう見ても代金が足りねえよ。少しぐらいならまけてもいいが、
 あからさまに代金を踏み倒すのは、よく無いぜ」

どうやら、都市船に来た海賊が露店商から買った商品を少ない代金で
踏み倒そうとして、揉めているらしい。その商品というのはこれまでの
戦い等で海に沈んだ機械のパーツをサルベージして修復したものらしい。

海賊B「てめぇ、言わせておけば!」
一矢「いかん、止めないと・・・・」
???「待ちな!!」

見かねた一矢は海賊に立ち向かおうとすると、集まっていた野次馬から
逆立った髪に眼帯、そして大きな碇を持った長身の男――先程、食堂に
いた長曾我部元親が乱入してきた。

元親「おうおうおう、この“西海の鬼”長曾我部元親様の前で
 狼藉は許さねえぜ!」
海賊A「何をぅ?」
海賊B「野郎ども、やっちまえ!」

元親は高らかと名乗り、海賊達は手下を率いて、暴れ始めるが
元親は碇を振り回して蹴散らしていく。

元親の部下A「アニキに続けー!」
元親の部下一同「応~~!!」

控えていた元親の部下達も、この喧嘩に加わる。そんな中、手分けして
調査をしていたJ9やエステバリス隊等が戻ってくる。ケンジはすぐに
状況を戻ってきた一同に説明をした。

お町「あの元親って人、随分強いわね」
キッド「―?海賊共がどんどん集まって来たぞ!」
一矢「俺達も加勢するぞ!」

海賊の手下を蹴散らしていく元親の元に、海賊の手下がどんどん
集まってきたので、一矢達も加勢した。

一矢「はぁ!!」
海賊C「ぐへぇ!」
元親「何処の誰かは分からねえが、兄さん方強えじゃねえか!」
一矢「それは、どうも!てりゃぁ!」
海賊D「ぐはぁ!!」

一矢の空手の一撃で海賊の一人が倒れてしまう。それを見た元親は
一矢達の大立ち回りに賞賛を送る。

海賊A「待て、こいつがどうなっても知らんぞ!」

分が悪いと感じた海賊は、露天商の首にナイフを突きつけて
人質にとった。人質を心配して、攻撃を止めてしまう一矢達だが
元親はあんまり深刻にはならずに余裕の表情をしていた。

元親「グラム、いつまでおとなしくしている!いい加減蹴散らせ!」
海賊A「何!?」
グラム「・・・悪い、元親。迷惑掛けた!」

グラムと呼ばれた露天商の青年はそのフットワークで、海賊の1人に
ストレートパンチを顔面に喰らわせて、倒してしまう。

海賊B「な・・・・」

仲間が1人倒れた事に仲間の海賊は狼狽えていると、背後にチャイナ
ドレスと長いマフラーをした女性が現れ、気絶させられてしまう。

コウ「あの女の人、さっきの・・・・」
元親「助かったぜ、思春」
思春「・・・・全く、騒ぎなんか起こして。グラム、元親、船に戻るぞ。
 ベス達が待っている」
グラム「ああ、そうだな。あんた達も助けてくれてありがとうな」

チャイナドレスの女性――思春は元親同じくグラムと仲間だったらしく、
船に戻るように言う。そしてグラムは共に戦ってくれた一矢達にもお礼を
言う。

海賊A「くっ・・・このままで済むと思うなよ!おい、やれ!」

グラムに殴られた海賊は気がついて、立ち上がると船で待機している
手下に連絡をする。すると、都市船が大きく揺れ動いた。自棄になった
海賊が手下に命令して、都市船を攻撃するように命令を出したのである。

一矢「俺達も戻るぞ!」

1495

海賊の攻撃を止めようと、ナデシコに戻った一矢達はダイモスを
始めとする各々のロボットを出撃させる。海賊達は戦艦から、
ズゴッグやハイゴッグといった水中に特化したMSを出撃させた。

リョーコ「おいおい、何で火星の海賊が水中用MSに乗っているんだよ!」
ルリ「おそらく、闇ルートで仕入れたのでしょう」

火星の海を舞台にエステバリスやダイモス達スーパーロボット軍団は
戦うが、バルディオス以外は水中戦に適応していないので、動きが
鈍り、苦戦を強いられていた。

ガイ「くっそ~、ゲッター3がいればこんな奴ら!」
ハリー「艦長、この戦域に所属不明の戦艦が2隻現れました!」
ルリ「あれは・・・・」

海賊と戦っているナデシコの前に現れたのは、古い戦艦と木造で出来た
戦艦・・・・いや巨大な要塞だった。

トモカ「おいおい、何だよ!?あの馬鹿デカい戦艦は!!」
ビート「すげぇ・・・・・」

その巨大な要塞の出現に一同は驚愕する。

元親の部下「アニキ、姐さん、次の攻撃の準備が出来たぜ!」
元親「応、この海賊要塞・百鬼富嶽の力を見せてやれ!!」
思春「砲門、目標に撃てー!」

その要塞、百鬼富嶽こそ元親が建造した機動要塞。元親と思春は部下達に
攻撃命令を下す。その攻撃に海賊達の使う水中MS達も形無しである。

ベス「貴方達は地球連邦軍ですね。こちらからも援護します」

もう一隻の戦艦の操縦をする女性、先程エステバリス隊が会ったベスは
ナデシコに自分達も加勢すると通信を送る。すると、戦艦から1体のロボットが出撃する。

キッド「MSか?」
アイザック「いや、あれはRB(ラウンドバックラー)という汎銀河大戦に
 投入された機動兵器だ。今はあまり使われていないが・・・・・」

アイザックはRBをMSと思ったキッドにRBの事を説明する。一方、そのRB
には先程の青年、グラム・リバーが搭乗していた。

グラム「さっきの人達は、連邦軍だったのか・・・・ま、助けてもらった礼だ。
 行くぜ、希望号!」

グラムはそのRB―希望号の名を呼んで、海賊に立ち向かうのであった。

1496

海賊A「こうなったら、あの要塞を落とせー!」

海賊達は百鬼富嶽を攻め落とそうと、MSが近づいてくる。

グラム「そうはさせないよ」

グラムの操縦する希望号は高速で動き、近づいてくるズゴックや
ハイゴッグを蹴散らしていく。

ルリ「皆さん、ここは彼らに協力して都市船を守って下さい」
マリン「よし、ショルダーキャノン!!」

ルリからグラム達に協力して、都市船を守るように言われたマリンは
バルディオスの装備の一つであるショルダーキャノンで攻撃をする。
他の機体も動きが鈍いながらも、水中にいるMSを何とか攻撃していく。

海賊B「このままじゃ、ジリ貧ですよ!」
海賊A「ええーい、やぶれかぶれだ!突っ込め~~!!」
海賊B「そんな『夜明けの船』じゃないんだから、無茶ですよ!」

やけを起こした海賊は戦艦で特攻をしようとしていた。だが、その戦艦の
前に一矢の乗るダイモスが現れる。

一矢「このぐらいの距離ならば・・・・ダブルブリザード!!」

ダイモスのダブルブリザードで戦艦は空高く舞い上がる。

一矢「烈風ダァ~イモキィィィック!!」
海賊「うわぁぁぁぁ!!」

ダイモスの必殺技の一つである烈風ダイモキックが決まり、戦艦は沈黙。
海賊達はすぐに自分達の敗北を認め、戦闘は終了。海賊達は逮捕される
事となった。 



1497

○竜崎一矢→元親に加勢。ダイモスに乗り込み、海賊達の戦艦を沈黙させる。
○明神タケル→グラムと海賊とのトラブルを聞きつける。
○マリン・レーガン→バルディオスで海賊の水中MSを攻撃する。
○ホシノ・ルリ→グラム達と協力して海賊と戦闘する。
○マキビ・ハリ→グラムの戦艦と元親の百鬼富嶽が出現した事を報告する。
○トモカ・タイガ→百鬼富嶽の出現に驚愕する。
○長曾我部元親→海賊とトラブルになっているグラムを助ける。百鬼富嶽を動かす。
○甘寧/思春→元親に加勢。百鬼富嶽で指揮を執る。
○グラム・リバー→サルベージした機械等を売っていたが、海賊とトラブルになる。
   元親達に助けられた後、再び希望号に乗って戦う。
○ベステモーナ・ローレン→ルリ達に加勢する事を通信で伝える。

【今回の新登場】
○グラム・リバー(絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク)
元々、都市船アデナのダウンタウンに暮らすフリーターだったが、「夜明けの船」の
アデナ襲撃に巻き込まれた際、現れた希望号に搭乗した事で夜明けの船に
スカウトされる。様々なアルバイトをした経験で、何事もそつなくこなし、特にRBを
含めた搭乗型機械の操縦と料理の腕前は一流。戦闘時以外は食堂で調理を担当。
力は強い方では無いが、以前サーカスにいた経験から身のこなしが軽く、
それなりに強い。その日を精一杯生きる事を信条とし、流れがあれば乗るが
基本的に自分で舵を取るタイプ。現在は「夜明けの船」を離れ、ベス達と
自分の船で旅をしている。

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最終更新:2020年11月26日 10:43