『救世主と正義のミカタ』
作者・ユガミ博士
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神部界(アースティア)・モンジャ村***
???「・・・タル、・・・ワタル。」
ワタル「う、う~ん。」
???「ワッタル~!」
ボゴッ!
ワタル「ぐはぁ!」
眠っていたワタルの腹に思いっきり誰かが乗った。眼を開けるとそこにいたのは、
小さな女の子だった。その女の子の名前は「忍部ヒミコ」。忍部一族という忍者
一族の頭領で、ワタルと共に創界山、星界山を救った仲間である。
ワタル「痛いなー、ヒミコ。」
ヒミコ「ワタルが起きたのだ。」
???「おお、ワタル。目が覚めたか!」
ワタル「お久しぶりです!シバラク先生。」
そこへ現れたのはカバのような顔をした男・・・ワタルの剣の師匠である
剣部シバラクという剣豪である。
ワタル「話は龍神丸に聞きました。ドアクダーが復活したというのは本当ですか?」
シバラク「うむ、創界山だけでなく海火子の報せで星界山にもその勢力を延ばして
いるそうじゃ。星界山は海火子や父君であるイサリビ殿の尽力でどうにか抵抗して
いるのが現状じゃ。」
???「それだけはござらん。」
ワタル「あなたは・・・月心さん!」
やって来たのは額に三日月のマークがついた大柄の男・・・リューサムライの
使い手であるヒノデ国の侍・月心だった。ワタルは創界山の旅をしている最中、
邪竜族やアブラーム軍と遭遇し、邪竜族達を追っていた戦艦「イオニア」の
メンバーと出会い、そのまま仲間となりドアクダーを倒した後は邪竜族、アブラーム
地球ではジャーク帝国や魔王ゴクアーク、機械化帝国、ドラゴ帝国等と戦っていたの
である。
月心「本来ならばアースティアを守る聖なる結界で邪竜族は入って来れぬのだが、
奴等は何処か別の道から進入してきているのでござる。現在、パフリシア王国を
中心に連合軍を結成しようという動きがあり、此方にいるシバラク殿達のお力を
借りれないかと来た次第でござる。」
月心は此処へ来た目的をワタル達に説明した。
ワタル「そうだ!翔龍子様・・・虎王はどうなったの?」
シバラク「分からぬ。無事なのか、ドアクダーの手に落ちたのか行方が分からぬのじゃ。」
ヒミコ「大丈夫、虎ちゃんは無事なのだ。」
ワタル「・・・そうだね。虎王の事だもの、大丈夫さ。」
???「た、大変じゃー!」
そこへ現れたのはモンジャ村の長老・妖部オババだった。
ワタル「オババ様!どうしたんですか!?」
オババ「おおワタル。この村へ、ドアクダーの手の者が向かって来ておる!」
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屋敷の中にいたワタル達が外へ出ると、ドアクダー軍の魔神・バトルゴリラ2号と
盗賊達が乗るソリッドだった。(※ワタルは既に救世主の衣装に着替えている。)
シュワル・ビネガー「ドアクダー様、クルージング・トム様の命令により、この
村を制圧する。」
盗賊A「へっへっへ、協力すれば報酬はたんまりだぜ。」
盗賊B「ひゃっはー!汚物は消毒だー!」
バトルゴリラ2号に乗るドアクダー軍のシュワル・ビネガーとソリッドに
乗る盗賊達はモンジャ村を襲い始めた。
ワタル「大変だ!」
月心「ワタル殿、奴等から村を守るでござる。」
ワタル「うん!ヒミコ、オババ様と一緒に村の人達を安全な場所まで避難
させるんだ。」
ヒミコ「分かったのだー!」
オババ「頼むぞ、ワタル。」
ヒミコは猛スピードでオババ様と一緒にその場から離れた。
ワタル「よーし、行くぞ!龍神丸ー!」
月心「リューサムライ・疾風丸ー!」
ワタルは剣を天に向かって掲げ、自分の魔神である龍神丸を呼び出し、乗り込んだ。
月心は刀からリューが封印されているミストロットを取り出し、愛機であるリュー
サムライ・疾風丸を呼び出した。
月心「チェストー!」
疾風丸に乗り込み、戦える準備は万全となった。
シバラク「ピポパっと・・・あ!もしもし、戦ちゃん?ワシ、シバラク。
今から来てくれない?出来るだけ早くねー。」
懐から携帯電話を取り出し、自分の愛機である戦神丸を呼び出すが、時間が
かかる為、龍神丸と疾風丸はすぐさま戦闘を開始した。
月心「とりゃぁぁぁぁ!」
ワタル「飛龍拳ー!」
疾風丸の槍が突き、龍神丸の竜爪が飛び次々、ソリッドを倒していく。
シバラク「あいや、しばらくしばらく!これより剣部シバラクと戦神丸が
お相手致すー!野牛シバラク流・×の字斬りー!」
遅れてきたシバラクも参戦し、ますますドアクダー側は劣勢となっていた。
盗賊A「だめだー、こいつら強すぎるー!」
盗賊B「勝ってこねー!」
シュワル・ビネガー「安心しろ、手は打ってある。救世主ワタル!あれを見ろー!」
ワタル「何!?」
ワタルが指差す方を見ると、兵士ゴーキントンによってヒミコ達モンジャ村の人々が
捕まっていた。
ヒミコ「ニャハハハ、捕まっちたのだ。」
月心「おのれー、何と卑怯な。」
シュワル・ビネガー「さぁ、おとなしく武器を捨ててもらおうか?」
ワタル達は村人達を助ける為、武器を捨てようした。しかし・・・。
ぎゅぉぉぉぉぉん
ゴーキントンA「ぎゃ!」
ゴーキントンB「ぐふぇ!」
まるで、F1カーが通ったような音と共にゴーキントンが倒された。
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音が消えると、そこに立っていたのは赤いスーツにコンドルの意匠を持つメットを
被った1人の戦士(ヒーロー)が立っていた。
ワタル「あれは・・・。」
シュワル・ビネガー「貴様、何者だ!?」
ゴーオンレッド「マッハ全開、ゴーオンレッド!人質は助けたぜ。」
ワタル「やっぱりゴーオンレッドだ!」
シバラク「ワタルよ、知っておるのか?」
ワタル「うん、僕の世界でも有名なヒーローの1人だよ。」
ゴーオンジャーは人気ランキングがあるほどの有名なスーパー戦隊である。
ワタルも当然、知っていた。そして、何故ここにゴーオンレッドがいるのか?
それは少し時間を巻き戻す。
モンジャ村の近くの森***
次元の波に飲まれたゴーオンジャー。その中、ゴーオンレッドこと江角走輔と
スピードルはモンジャ村の近くの森に落ちた。気がついた2人はここが何処
なのかを調べる為、森を歩いていた。
走輔「皆、何処いったんだ?。」
スピードル「分からないドル。何処か別の場所に落ちたか。別の世界(ワールド)か
・・・次元の波に飲み込まれたか。」
走輔「そう暗くなるなよ。あいつ等だったら、きっと無事さ。」
スピードル「そうだな。スマン、俺らしくなかったドルドル~。」
デフォルメ化したスピードルが暗い表情を見せたが、走輔の言葉に
元気を取り戻した。
ドドドドッ!
走輔「何の音だ!?」
スピードル「あっちだドルドル~。」
音のする方へ行くと先ほどのワタル達とドアクダー軍の戦いの場面に遭遇した。
そして、ゴーキントン達が村人達を捕まえていた。
スピードル「走輔・・・。」
走輔「ああ、あの人達を助けるぞ。」
走輔は変身ケータイ・ゴーフォンとチェンジソウルを取り出した。
走輔「チェンジソウル・セット!レッツGo―On!」
ゴーフォンにチェンジソウルをセットし、起動させると走輔の体は赤い
バトルスーツに身を包んだ。
走輔「メットオン!」
最後にヘルメットをつけて、走輔はゴーオンレッドへと変身を完了した。
変身を完了したゴーオンレッドはマンタンガンをロッドモードに変形させ、
高速で走り出し、ゴーキントン達を倒したのである。
8
人質が助け出された事で、盗賊達に動揺が走った。
盗賊A「ゲェー、もうダメだー!」
盗賊B「命あってのものダネだー。逃げろー!」
シュワル・ビネガー「ま、待てー、貴様等ー!」
盗賊達はこれ以上は付き合えないと一目散に逃げしていき、残ったのは
アーノルド・ビネガーのみになってしまった。
龍神丸「ワタル、今だ!」
ワタル「うん、登ー龍ー剣!」
龍神丸は登龍剣を振り上げ、バトルゴリラ2号を一刀両断し、爆発した。
シュワル・ビネガー「また、負けたぁ~~~!」
爆発によってシュワル・ビネガーは天高く飛ばされたのであった。
戦いが終わり、龍神丸から降りたワタルは変身を解いた走輔の元へと行った。
あのロボット(=龍神丸)に乗っていたのが小さい少年だった事に驚く走輔
とスピードルだったが、事情を知り、自分達の事をワタル達に話した。
???「お~い、ワタルー!」
シバラク「あれは、クラマか!」
ヒミコ「お~い、トリさ~ん。」
そこへ来たのは眼帯を着けた鳥・・・ワタルの仲間である渡部クラマ。元々、
人間だったが、とある事情により現在は鳥の姿になっている。クラマはヒミコ
の父・忍部幻龍斎と共にドアクダー軍の情報を収集していたのであった。
クラマ「久しぶりだな、ワタル。いい情報を持ってきたぜ。」
ワタル「どんな情報なんだい、クラマ?」
クラマが持ってきた情報というのは、創界山を開放する為のアイテムが
ドアクダーの手によってアースティア中に隠されたという情報だった。
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その話を聞いて、ワタル達はまずは何処へ行けばいいのかという事になった。
そこで月心が「パフリシア王国を目指してみては?」と提案する。今、連合軍
を結成する為、多くの人が集まっている。その為情報が集まりやすいというわけだ。
走輔「話はだいたい、分かった。俺も一緒に行っていいか?」
ワタル「え?良いんですか。」
走輔「ああ、一緒に旅をしていれば、仲間も見つかるかもしれないからな。」
ワタル「走輔さんが仲間になってくれれば、心強いや。」
走輔とスピードルはワタル一行に加わる。
クラマ「俺はもうちょっと、情報を集めていくぜ。
何か分かったら教えるからよ。」
クラマはそう言って、情報収集の為飛び去った。
月心「拙者はしばらくこの村にいよう。また村が襲われるかもしれないで
ござるからな。いずれ、時が来れば合流致そう。」
月心は防衛の為、モンジャ村に残る事とした。そして、ワタル、シバラク、
ヒミコ、走輔&スピードルは一同、パフリシア王国へと目指す。果たして、
ワタルは創界山を救う事が出来るのか?走輔は仲間と合流できるのか?
それは神も知らない事である。
○戦部ワタル→龍神丸に乗り込み、ドアクダー軍と戦う。
○忍部ヒミコ→モンジャ村の人を避難させるがゴーキントンに捕まるが、
ゴーオンレッドに助けられる。
○剣部シバラク→戦神丸に乗り込み、ドアクダー軍と戦う。
○妖部オババ→ゴーキントンに捕まるがゴーオンレッドに助けられる。
○渡部クラマ→ドアクダー軍の情報収集を行い、情報をワタル達に教える。
○江角走輔&スピードル→ゴーオンレッドとなり、モンジャ村の人達を助ける。
そして、旅に同行する。
○月心→疾風丸に乗り込み、ドアクダー軍と戦う。しばらく、モンジャ村の護衛を
する事になる。
●シュワル・ビネガー→モンジャ村を襲うが、ワタルに負ける。
●ゴーキントン→モンジャ村の人達を人質に取るが、ゴーオンレッドに倒される。
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【今回の新登場】
○忍部ヒミコ(魔神英雄伝ワタルシリーズ)
忍部一族13代目頭領である女の子。天真爛漫で、怖い物知らずで能天気な性格
をしている。未完成な忍術が多いが、歴代頭領1の破壊力を持っている。
○剣部シバラク(魔神英雄伝ワタルシリーズ)
ミヤモト村出身の剣豪。野牛シバラク流の使い手。カバそっくりの顔で単純な所
がある。電話で戦神丸を呼び出して戦う。星界山では一時的にドワルダー軍の
将軍にいたが、ワタルと新生戦神丸によって魔界から解放された。
○妖部オババ(魔神英雄伝ワタルシリーズ)
モンジャ村在住の預言者。祭事を取り仕切り、救世主ワタル召還の儀式を行った。
○渡部クラマ(魔神英雄伝ワタルシリーズ)
当初、ドアクダーの呪いで鳥の姿にされた事からワタル一行のスパイとなっていたが、
ワタル達によって心が救われ仲間となる。その後、人間の姿に戻ったが、星界山の
第4星界にてDr・モロQにより再び鳥の姿になった。キザで皮肉屋だが面倒見は良い。
○月心(覇王体系リューナイト)
ヒノデ国出身の侍でリューサムライ・疾風丸の使い手。今まで旅をしてきた
ギャロップを涙し手厚く葬る優しい性格で真面目だがギャンブル好き。
●シュワル・ビネガー(魔神英雄伝ワタル)
某州知事になった映画俳優に良く似た筋肉バカ。「すごい奴がやってきた!」
が口癖。本来の姿は現場監督。
●ゴーキントン(魔神英雄伝ワタル2)
ドワルダー軍の兵士。ブリキントンのゴージャス版。
最終更新:2020年12月10日 11:10