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『真時空伝説 戦士は神獣と共に』-5

作者・ティアラロイド
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ヘブンズティア宮殿を襲って来た無人機動兵器「X-ATM092」を迎え撃つ、
仮面ライダークウガ(小野寺ユウスケ)と仮面ライダーキバーラ(光夏海)。
「X-ATM092」は六本の肢を身構えて踏ん張る体勢を取ると、
地面めがけて高出力の光線「レイ・ボム」を放つ。

クウガ「超変身!!」

紫のクウガ=タイタンフォームへと二段変身したユウスケは、
パワーと防御力に優れた強固な生体鎧でレイ・ボムの直撃を耐え凌ぐ。
そこに金剛煌とグレイファスたちも駆けつけて来た。

戦士煌「ごめんなさい! 遅くなりました!」
キバーラ(夏海)「桃矢くんのエターナルストーンは!?」
ビークウッド「心配いりません。エターナルストーンは無事に
 桃矢の元に戻りました!」

クウガ、キバーラ、煌、グレイファス、ビークウッド、
ガリエル、テディアムは一斉に「X-ATM092」に対して攻撃を開始する。
しかし強固な装甲な上に、見かけの割に俊敏に動く「X-ATM092」に対して
なかなか有効なダメージを与えられない。

グレイファス「ぐわあああっ!!」
戦士煌「グレイファス!?」

グレイファスが「X-ATM092」のクラッシュアームに捕えられてしまった。
「X-ATM092」の前肢のハサミでぐいぐいと締め上げられるグレイファスは、
思い切り地面に叩きつけられそうになるが、そのピンチを救ったのは、
どこからか撃たれた光の刃だった。落下して解放されるグレイファス。

戦士桃矢「ボケッとしてんじゃねェ!
 グレイファス! ビークウッド! ガリエル!」
グレイファス「桃矢!?」
ガリエル「俺たちに力を!」

桃矢の剣「大地」の三つの宝珠が光り、
グレイファス、ビークウッド、ガリエルは
三体の機甲神獣へと変化した。

グレイファス・キバ「桃矢、見事目覚めの儀式を乗り越えたのだな!」
ガリエル・キバ「さすが俺たちの大将だぜ!」
ビークウッド・キバ「ミレイア様はご無事ですか?」

桃矢は果敢に飛びかかって剣を振り下ろし、
「X-ATM092」の左前肢を叩き斬りながら、
ミレイアの安否を問うビークウッドたちに答える。

戦士桃矢「心配いらねェよ! 本当に強い王女様だぜ!
 俺をこんなに強くしてくれたんだからな!」

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戦士桃矢「煌……」
戦士煌「桃矢くん……」

見つめ合う二人の少年。
もはや互いの意思を通じ合うのに
余計な言葉は必要なかった。

戦士桃矢「おかえり、煌」
戦士煌「ただいま、桃矢くん」

その時、先程の桃矢の攻撃で転倒していた「X-ATM092」が起き上り、
自己修復機能により修理を完了して復活した。

ガリエル・キバ「なんて奴だ…!」
ビークウッド・キバ「自己修復機能を備えているのですね!」

「X-ATM092」の横に立つ、ノスフェルティアの軍服らしき白いハイカラーの服に、
黒い外套を羽織った一人の男。その頭には角を模した青水晶の冠。
氷に似た冷たい切れ長の瞳に、桃矢たちは見覚えがあった。

戦士桃矢「…レム!」
レム「久しぶりだな、神城桃矢」

ダークノイドの指揮官、ドーラ・レム。
戦士ラディアスの魂を宿し、ガルキーバとなる資格を持つ
神城桃矢を生涯の敵として付け狙う男だ。
警戒感を強める桃矢たちだったが、レムの方は無表情のままだった。
感慨も何もないようである。

レム「更なる力を得て戻ったか、神城桃矢。
 貴様から強いエナジーを感じる」
戦士桃矢「……」
レム「だが、まだ真の戦士としては程遠い。
 相変わらず甘い男というわけか…」
戦士桃矢「なんだとォ!」
レム「失望したぞ…」

士「そいつは違うな!」

レム「…!」

士「確かにコイツは戦士ラディアスという存在を失った。
 だが桃矢は共に闘う仲間がいるからこそ、これまで
 お前たちダークノイドと戦ってこれたんだ。
 それが"友達"というやつらしい」
戦士桃矢「………」
戦士煌「………」
士「"友達"がいるからこそ身も心も成長した神城桃矢に、
 もう戦士ラディアスの魂なんか必要ない! コイツは
 いずれ自分の力で、真の戦士ガルキーバに目覚める!」

ドーラ・レムは門矢士に問う。

レム「貴様、何者だ…?」
士「通りすがりの仮面ライダーだ! 覚えておけ!!
 ――変身ッ!!」

DECADE!!

変身ベルト・ディケイドライバーを装着した門矢士は、
仮面ライダーディケイドへと変身するのだ!

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テディアム「煌、俺に力をッ!」
戦士煌「うん、任せてッ!!」

テディアムの言葉に煌が頷き斧を構える。
次の瞬間、テディアムは斧から溢れた虹色の光を浴び、
全身を震わせ低いうなり声を上げながら
みるみる巨大化していく。
ここに四体の機甲神獣が勢ぞろいした。

戦士桃矢「行くぜみんな!!」

桃矢と煌は軽々と跳躍し、それぞれグレイファス・キバと
テディアム・キバの背へと飛び乗る。
そして桃矢の号令の下、一斉に「X-ATM092」への攻撃が開始された。
ディケイド、クウガ、キバーラもそれに加勢する
歓喜を謳うように地が唸り、天が吠える。

ビークウッド・キバ「ダメです桃矢! 敵はダメージを与えても
 自動修復機能ですぐに回復してしまいます!」
ディケイド「チッ…!」
戦士桃矢「くそっ、いったいどうすれば!?」

「X-ATM092」に決定打となるダメージを与えられず、
攻めあぐねる桃矢とディケイドたち。
その時、「X-ATM092」の背後部分に数発の銃弾が
連射の形で打ち込まれた。

戦士桃矢「てめェは!?」
ディケイド「海東、どういう風の吹きまわしだ?」

ディエンド「……」

「X-ATM092」と戦うディケイドたちを援護したのは、
海東大樹が変身したディエンドだった。

ディエンド「真のガルキーバの力とやらを見てみたくなったのさ。
 この僕が手を貸してやるんだ。光栄に思いたまえ!」

ディエンドはさらに「X-ATM092」に向けて銃弾を容赦なく撃ち込む。
「X-ATM092」の注意がディエンドの方に向いたため、一瞬の隙が出来た。

ディケイド「ちょっとくすぐったいぞ!」

グレイファス・キバ「――!?」
ビークウッド・キバ「これは!?」
ガリエル・キバ「おい、ちょっと!?」

ディケイドは、次々と機甲神獣たちの背中に回って
両腕で開くような動作をする。

FINAL FORM RIDE!!

ディエンド「痛みは一瞬だ!」
テディアム・キバ「…て、てめえ、いったい何しやがる!?」

FINAL FORM RIDE!!

ディエンドはディエンドライバーにカードを読み込ませた後、
テディアム・キバを背中から撃ちぬく。

62

戦士煌「何なの…これって!」
戦士桃矢「すげェ~~!!」

苦悶と戸惑いの声を上げながら「超絶変身」した四体の機甲神獣は、
奇跡の合体を果たし、全長数十メートルの合体機甲神獣なった。

合体機甲神獣「うおおおおおォッッ!!!!」

雷鳴の如く轟く雄叫びを上げる合体機甲神獣。
最初は驚いていた桃矢と煌だったが、一度顔を見合わせると
強く頷き、己の心に気を込めた。
桃矢と煌の戦士の炎が燃え上がる!

FINAL ATTACK RIDE!!

桃矢と煌を両肩に乗せた合体機甲神獣による突撃、
そしてディケイドのディメンションキックと
ディエンドのディメンションブラストが同時に炸裂。
ついに「X-ATM092」は自動回復が間に合わず、
木っ端微塵に爆発したのであった。

レム「なるほど。確かにあのディケイドとやらの
 言うとおりかもしれんな…」

一部始終を観察していたドーラ・レム。

レム「フフフッ…追って来い、神城桃矢。
 いずれお前が己自身の力で真のガルキーバに
 目覚めるその日を楽しみに待っているぞ…」

ドーラ・レムはそっと姿を消した。
そして遠く崖の上では、ゲマたちも全ての様子を見ていた。

ゴンズ「ゲマ様…」
ゲマ「無念ですが、こうなっては我ら魔界同盟は
 エターナリアから手を引くしかありませんねぇ…」
ジャミ「ぐぬぬ…」
ゲマ「仮面ライダーディケイド、その名、覚えておきましょう…」

ゲマたちも揃って姿を消した。

63

鳴滝「おのれディケイド!!」
ディケイド「鳴滝!?」

戦いが終わったところに、いきなり前触れなしで現れた
チューリップハットにコート、眼鏡をかけた男――
――謎の預言者・鳴滝。

戦士桃矢「お前かッ!? 裏で煌を唆してやがったのは!」
鳴滝「ディケイド、お前のせいで『獣戦士ガルキーバ』の世界も
 破壊されてしまった!!」

元の姿に戻ったグレイファスたちは、
鳴滝の言葉に困惑する。

ガリエル「なに言ってやがるんだ、コイツ…」
グレイファス「ディケイドのおかげでエターナリアは
 危機から救われたのではないのか…?」
戦士煌「鳴滝さん、これはお返しします」

煌は、借りていた「魔神の斧」を鳴滝に向けて放り投げて返そうとするが、
間に割り込んだディエンドがキャッチして横取りする。

戦士煌「えっ…!?」
ディエンド「要らないなら、これは僕が頂いておくよ。
 ぶ厚い刃から繰り出される会心の一撃は、相手を鎧ごと
 真っ二つにすると言われる魔神の斧。まさに僕に相応しいお宝だ!」
鳴滝「好きにしたまえ。もう私には必要のない代物だ」

ATTACKRIDE INVISIBLE!!

ディエンドは透明になり、トンズラするように去って行った。

ディケイド「海東の奴、ちゃっかりしてやがる」

ディケイドは、やや皮肉交じりに苦笑する。

鳴滝「ディケイド、次なる世界こそお前の旅も最後となる!
 待っているぞ! フハハハハハッ!!!」

鳴滝は不気味な笑いを浮かべ、光のカーテンの中へと消えて行った。


ヘブンズティア宮殿・正門***


桃矢「アンタたちには随分と世話になったな」
夏海「それで、その後ミレイア様のお具合はどうなんですか?」
ビークウッド「おかげさまで姫様のご容態もすっかりよくなられました。
 明日にはご公務にも復帰なされるでしょう」
夏海「それはよかったです」

旅立ちの時である。門矢士たちは宮殿の正門前で
神城桃矢たちから見送りを受ける。

士「あとここから先はお前たち自身の物語だ」
煌「どうもありがとうございました」

煌はペコリとお辞儀をする。

ユウスケ「みんなも元気で!」
グレイファス「君たちもな!」
ビークウッド「ディケイド、エターナリアの伝説に新たに刻まれた
 戦士の名を、我々は決して忘れないでしょう」

64

光写真館***


栄次郎「ほぉー、よく撮れてるじゃないか。
 また一段と腕を上げたね、士くん」

栄次郎の手にある一枚の写真には、ミレイア姫の寝室で撮影された、
神城桃矢、金剛煌、その従者であるグレイファスら四体のアニマノイド戦士、
そしてベットの上のミレイア姫が集合した、全員晴れやかな笑顔の写真である。

キバーラ「栄ちゃん栄ちゃん!これ読んで~!!」

どこから引っ張り出して来たのか、
キバーラは桃太郎と金太郎の絵本を
栄次郎に読み聞かせてくれとせがむ。

栄次郎「え~っ!? 今忙しいから後でね…」
キバーラ「やだやだやだ! 今じゃなきゃヤだぁ~!!」

必死にせがむキバーラと栄次郎がもみ合っているうちに
またいつものように垂れ幕が下がり、次なる世界の絵が映し出される。

ユウスケ「――!!」
夏海「これは…」

垂れ幕には、赤い炎の獅子、青い水の竜、緑の風の巨大鳥の、
三体の魔神(マシン)が描かれていた。

士「異世界セフィーロ…。『魔法騎士レイアース』の世界か」

65

○神城桃矢→金剛煌と再会。ディケイドと協力して「X-ATM092」を撃破。
○金剛煌→神城桃矢と再会。ディケイドと協力して「X-ATM092」を撃破。
○グレイファス→ディケイドのFFR能力によって合体機甲神獣となって、「X-ATM092」を撃破。
○ビークウッド→ディケイドのFFR能力によって合体機甲神獣となって、「X-ATM092」を撃破。
○ガリエル→ディケイドのFFR能力によって合体機甲神獣となって、「X-ATM092」を撃破。
○テディアム→ディエンドのFFR能力によって合体機甲神獣となって、「X-ATM092」を撃破。
○門矢士/仮面ライダーディケイド→神城桃矢たちと協力して「X-ATM092」を撃破。
○小野寺ユウスケ/仮面ライダークウガ→神城桃矢たちと協力して「X-ATM092」を撃破。
○光夏海/仮面ライダーキバーラ→神城桃矢たちと協力して「X-ATM092」を撃破。
○キバーラ→光栄次郎に桃太郎と金太郎の絵本を読んでくれとせがんでいるうちに、次の世界の垂れ幕を下ろす。
○光栄次郎→キバーラに桃太郎と金太郎の絵本を読んでほしいとせがまれているうちに、次の世界の垂れ幕を下ろす。
●ドーラ・レム→神城桃矢が「X-ATM092」を撃破したことを見届ける。
●ゲマ→「X-ATM092」がディケイドと神城桃矢たちに敗れたため、エターナリアからの撤退を余儀なくされる。
●ジャミ→「X-ATM092」がディケイドと神城桃矢たちに敗れたため、エターナリアからの撤退を余儀なくされる。
●ゴンズ→「X-ATM092」がディケイドと神城桃矢たちに敗れたため、エターナリアからの撤退を余儀なくされる。
●X-ATM092→ディケイドと神城桃矢たちの連携攻撃の前に敗れる。
△仮面ライダーディエンド→神城桃矢たちに加勢する。戦いの後、お宝として魔神の斧をゲット。
△鳴滝→ディケイドを次なる世界で待ち受ける。

【今回の新規登場】
●X-ATM092(ファイナルファンタジーⅧ)
 ガルバディア軍の誇るクモ型の無人機動兵器。通称「ブラック・ウィドウ」。
 ドール実地試験中に、スコール達を倒すべくビッグスが差し向けた。
 自己修復機能を備えており、例え破壊されても、ある程度までは復活して
 しつこく襲ってくる。

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最終更新:2020年12月10日 11:21