『ギンガに旅立て、ミト王子』-2
作者・ユガミ博士
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バードランド星・領主の館***
その夜、バルバンのアジトとなっている領主の館では酒盛りが行われていた。
その上座の位置にはバルバンの幹部である銃頭サンバッシュと闇商人ビズネラ
が酒を飲んでいた。
サンバッシュ「もっと、酒だ。酒を持って来いー!。」
ビズネラ「サンバッシュさん、酒の飲みすぎは体の毒ですよ。」
サンバッシュ「うるせー!、今は飲みてー気分なんだよ。」
そう言って、サンバッシュは部下が持ってきた酒を飲んでいった。
サンバッシュ「(Gショッカーだが何だが知れねぇが、俺達がバルバンが
何で、こんな所にいなきゃいけねぇんだ?。船長の命令だから
仕方がねぇが、ギンガマンに借りを返せねぇとはよ・・・。)」
現在、バルバンはGショッカーのエドン国侵攻のためにこのバードランド星を
占領した。だが、サンバッシュは2度も自分達を地獄へと葬ったギンガマンに
復讐が出来ない事に苛立っていた。
ヤートット「ヤートヤートット。」
サンバッシュ「何!?、侵入者だと。」
ビズネラ「早くここに連れて来なさい。」
ヤートット「ヤートット。」
ヤートットは侵入者を連れてきた。その侵入者は背の低い老人とシルクハット
をかぶった背の高い中年の男性の2人組みだった。
背の低い老人「こりゃー、離さんか!。このわしを誰だと思っている、
エドン国家老カミシモノカミ・ゴクロータ・アリフレテルド・
バルジャンじゃぞー!。貴様等ー、エドンの者ではないな。
この星で何をしておるー!。」
ビズネラ「エドン国の家老ですと。」
サンバッシュ「ほう・・・、そいつが本当なら後で利用できそうだな。
こいつらを牢屋にぶちこんどけ。」
バルジャン「何をー!、あっ、離せ。」
ジンナイ「旦那様、落ち着きましょうよ。」
バルジャン「こりゃー、ジンナイ。お前は何故、そういつものんきなんじゃ。」
バルジャンと従者のジンナイは牢屋へと連れて行かれた。
サンバッシュ「全く、やかましい爺さんだったな。おい、この星の女に
酌させろ。」
サンバッシュの命令の後、フードをかぶった女性達が酒盛りをしている
ヤートット達を酌するのであった。
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だが、その女性の1人がかなりの巨体で、顔を見てみるとひどい醜さだった。
おもわずヤートット達も・・・。
ヤートット「ヤート(オエー)。」
吐き気がした。お気づきの方もいるであろう。ここにいる女性はミト王子達
御一行の変装である。王子達がバルバンを引き付けている内に、J9が奴隷
となっているバードランド星の住民を逃がす算段となっている。
ビズネラ「ん・・・。何だか眠気が。」
ヤートットA「ヤ~~ト。」
ヤートットB「zzz。」
酒には睡眠薬が仕込まれており、バルバン達は次々と眠り始めた。そして、
全員眠りについたと確認するとミト王子達はフードを脱いだ。
スケさん「どうやら、全員眠ったようですな。」
ミト王子「うん、後はJ9が住民の皆を開放するだけだね。」
サンバッシュ「何を開放するって?。」
ミト王子御一行「!?」
ミト王子達は驚いた。眠っていたと思っていたサンバッシュが起きていたのである。
サンバッシュ「俺は色んな修羅場を今まで、くぐってきたんだ。眠り薬ぐらい
気づかない程馬鹿じゃあねぇぜ。テメェら、起きやがれー!。」
バン!バン!
サンバッシュは銃を天井に向かって撃ち、その銃声で他のバルバン達は
目を覚ました。
サンバッシュ「侵入者だ。この場で処刑だー!。」
カクさん「王子、これは戦うしかありませんな。」
ミト王子「こうなっては仕方が無い。行くぞ、スケさん、カクさん、
シノブさん。」
スケさん&カクさん&シノブ「「「応!。」」」
ミト王子達は剣を取り出して、バルバンとの戦闘が始まった。
ミト王子「とりゃぁぁぁ。」
ヤートットA「ヤト~~~。」
カクさん「どすこ~い。」
ヤートットB「ヤートット。」
シノブ「ハッ!」
ヤートットC「ヤートット。」
ミト王子達の攻撃にヤートット達は次々と倒されていった。
サンバッシュ「喰らえ!。」
サンバッシュの銃弾がミト王子に向かって放たれた。
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ズキューン
だが、別方向からの銃弾がサンバッシュの銃弾の弾道を外した。
その銃弾が放たれた方向を向くと、そこにはJ9の面々が終結していた。
コルシザー「サンバッシュ様、あいつら脱走者を逃がした一味ですぜ。」
サンバッシュ「貴様らは、何者だー!。」
アイザック「宇宙の始末屋、コズモレンジャーJ9だ。」
お町「奴隷となっているバードランド星の住民はもう開放済みよ。」
キッド「後はあんた等の始末だけさ。」
言うやいなや、J9はそれぞれの武器で、コルシザーを攻撃した。
キッド「これは対エイリアン用の銃弾だ。受け取りな。」
お町「そして、これは対エイリアン用の小型爆弾よ。」
ズキューン! ドカーン!
コルシザー「ぐわぁぁぁ。」
コルシザーは倒れた。
サンバッシュ「コルシザー!、テメェ等よくも・・・。」
ミト王子「さぁ、おとなしく降参しろ。」
サンバッシュ「クッ・・・『サンバッシュさん』ビズネラか。」
いつのまにか消えていたビズネラからサンバッシュに通信が入った。
ビズネラ『例の物の準備が整いました。いつでも出撃できます。』
サンバッシュ「良し。」
そう言うとサンバッシュは隠し通路へと消えていった。一方、コルシザー
の方も再び立ち上がり、懐からボトルを取り出した。
コルシザー「バルバエキス!。」
コルシザーはボトルの蓋を開けて、中に入っているバルバエキスを飲んだ。
バルバエキスはバルバンの魔人達が持つ巨大化ができる液体である。
ただし、服用した者は自らの命を縮めるという副作用があるため、最後の
手段なのである。
コルシザー「効くぜー。」
アイザック「いかん、皆すぐにここを離れるんだ。」
コルシザーは巨大化し、建物は崩れていった。ミト王子達とJ9は
アイザックの指示によって何とか事なきを得た。
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スケさん「王子、あれを。」
ミト王子「ん!?。」
スケさんの指差す方には宇宙戦艦が上空を浮かんでいた。そして、その戦艦
から一体の人型ロボットが現れた。そのロボットの姿は何と、サンバッシュ
そっくりの姿だった。
サンバッシュ「どうだ、ビズネラに特別に作らせた俺専用の戦闘ロボット、
その名もサンバッシュロボだ。本当はギンガマン相手に使う
つもりだったが、試運転に相手させてやるぜ。」
スケさん「王子。」
ミト王子「うん、クロス・ソード。」
アイザック「ボウィー、ブライサンダーを寄越してくれ。」
ボウィー『OK。ちょっと待ってね。」
ミト王子は腰に下げてある剣を上に向けて、宇宙船POUH号に搭載されて
ているエースレッダー、コバルダー、アオイダーを呼び出し、アイザックは
ブライサンダーを呼び出し、J9は中へ乗り込んだ。
スケさん「控え、控え、控えおろー。こちらにおわすお方こそ、
トクガー16世、エドワード・ミト王子なるぞ。」
ビズネラ「何ですと!?。」
サンバッシュ「あの小僧が。ウソならもっとましなウソをつくんだなぁ。」
ミト王子「ならば、しかとその目で見よ。行くぞ、スケさん」
スケさん「応。」
ミト王子「カクさん。」
カクさん「応。」
ミト王子「クロス・トライアングル。」
ミト王子達の乗る3機のロボットはそれぞれ変形を開始した。エースレッダーは
頭部・胸部へ、アオイダーは両腕・腹・腰へ、コバルダーは両足となった。
その3機が縦に合体していき、エドン国が誇る最強のロボット、ダイオージャと
なった。そして、胸のエドン国王家の証であるエンブレムが光輝いた。
コルシザー「ははー。」
サンバッシュ「馬鹿か、エドン国の住民じゃねぇだろー!。」
コルシザー「あ、つい・・・。スイマセン。」
思わずコルシザーは頭を伏せてしまい、サンバッシュに起こられる。
アイザック「我々も行くぞ。ブライシンクロンマキシムだ。」
アイザックの掛け声に、ブライサンダーはシンクロン原理によって巨大化し、
戦闘機ブライスターにさらに変形して、スーパーロボット・ブライガーと
なった。ブライガーはダイオージャの隣へと降り立ち、サンバッシュ達と
睨み合う。この戦いの勝者は如何に。
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○ミト王子御一行→J9と協力して、奴隷となったバードランド星の住民を
開放。ダイオージャに乗り込む。
○コズモレンジャーJ9→ミト王子御一行と協力して、バードランド星の
住民を解放し、ブライガーに乗り込む。
○バルジャン・ジンナイ→バルバンに捕まる。
●銃頭サンバッシュ→専用ロボット・サンバッシュロボに乗り込む。
●闇商人ビズネラ→サンバッシュロボを用意する。
●コルシザー→J9にやられた後、バルバエキスを飲み、巨大化する。
【今回の新登場】
○バルジャン(最強ロボダイオージャ)
エドン国の家老で王子の世話役を勤める元気なご老人。口うるさいのが玉にキズ。
本名は“カミシモノカミ・ゴクロータ・アリフレテルド・バルジャン”。
○ジンナイ(最強ロボダイオージャ)
バルジャン付きの従者。宇宙船の操縦者。
●銃頭サンバッシュ(星獣戦隊ギンガマン)
サンバッシュ魔人団のリーダー。銃とバイクと愛用する。部下共々、ノリと
思いつきで行動する。調子の良い性格をしている。
●闇商人ビズネラ(星獣戦隊ギンガマン)
協力な武器を作って売り歩く武器商人。右腕に光線中を仕組んでいて、バルバ
エキス入りの弾丸を魔人に撃ち込み、巨大化させる為の巨大化銃なるものを
もっている。星獣を鋼星獣に改造した張本人。バットバスとは旧知の仲で
財産が没収された後、彼の作戦参謀となったが終盤に見限られる。
最終更新:2020年12月24日 07:31