外宇宙編93~95

『ギャンブル・ファイト』

作者・ユガミ博士
93

ペンタゴナワールド・J9Ⅲ号***


ギワザ率いるポセイダル軍の軍勢から、人々を脱出させたJ9とJJ9チーム、
ダバ達や「天界」から時空を超えてやってきたコウ、トモカの2人。復讐者である
バラリベンジャーと合流した彼等は、避難民を安全な場所へと運ぶ為、宇宙を
走っていた。J9Ⅲ号の中では、I.Cブルースとトモカがポーカーを行っていた。
2人の周りにはJ9やJJ9等が集まっている。

トモカ「よーし、スペードの4カードだ!」
ブルース「ふふ、ストレートフラッシュ!」
トモカ「くそっ、また負けかよ。」
キッド「ははは、これで5連敗だな。」

トモカはブルースに挑戦して、今回で5連敗となっている。

ロック「あんたも、隅っこにいないでこっちに来たらどうだい?」
バラリベンジャー「・・・。」

ロックは隅の方で、銃の手入れをするバラリベンジャーに声を掛けるが
自分には関係ないと云わんばかりに、黙って手入れを続けた。

???「すいません。少しよろしいですか?」

そこへ避難民らしき男性が声を掛けてきた。その姿からディーラーだと
いう事が分かった。

ディーラー風の男「私、あの星でディーラーをしていたのですが、お2人の
 勝負に興奮しまして。是非、私とも勝負をしていただきたいのですが。」
ブルース「ふむ、私は構わないが・・・トモカ、君はどうする?」
トモカ「構わないぜ。まずは俺と勝負しよう(負けっぱなしだからな。今度こそ
 勝ってやるぜ)」
ディーラー風の男「Good!それではポーカーで勝負しましょう。」
アイザック「(この男・・・どこかで?)」

トモカはその男とポーカーを始めるだった。

94

ディーラー風の男「そうそう、ゲームを始める前に忘れていましたが、お互い
 魂を賭けるというのはどうでしょう?」
トモカ「魂~だ~?どういうこった、それは。」
ディーラー風の男「何、ギャンブラーの魂を賭けるという意味ですよ。」
トモカ「ふ~ん、まぁいいや。それで、いいぜ。」
ディーラー風の男「Good!では、始めましょう。」

トモカは深く考えず了承した後、勝負は始まった。それから、15分後・・・。

トモカ「(よっしゃー、来た!)フルハウスだ。」
ディーラー風の男「ふふふ、ファイブカード!」
トモカ「げぇ、負けちまった!」
コウ「残念だったな、トモカ。」
ディーラー風の男「さて、勝負に負けた事により、あなたから魂を
 いただきましょう。」
トモカ「?」

すると周囲の人間には見えないが、その男から人型の異形の存在が現れ、
トモカの魂をコインに変えるのであった。コインに変えられたトモカの
体は抜け殻となり、まるで人形のように動かなかった。

ボウィー「こいつは・・・!?」
コウ「トモカ!?貴様、トモカに何をした!」

コウは怒りを顕にして、剣を抜いた。

ディーラー風の男「ふっふっふ、その男は私との勝負に負けたので、
 約束通り魂をもらったのだよ。そう、私のスタンド古代エジプトの
 冥界の管理者の暗示をもつ「オシリス神」の能力によってねぇ。」
アイザック「そうか!思い出したぞ、貴様はダービーだな?」

アイザックはその男―ダービーの名前を告げた。

ダバ「知っているのか、あの男の事を。」
アイザック「奴の名はダービー。地球で10数年前、数々の修羅場をくぐり
 抜けたギャンブラー。そして「スタンド使い」だ。」
キャオ「スタンド使い?何だ、そりゃ。」

スタンド使い―生物の生命力、精神力が具現化した超能力「スタンド」の
能力者の事を指す。スタンドは精神の個性であり、1人1人異なる能力を
持っている。またスタンド使い同士でなければその能力を視認する事は出来ない。

アイザック「だが、貴様は10数年前エジプトを最後に勝負に負けて行方不明と
 なったと聞いたが、何故ここに?」

スタンドの説明をアイザックがした後、何故この場所にダービーがいるのか
疑問をぶつけた。

ダービー「私はあの時・・・承太郎達に負け、精神を取り乱した後気がつけば
 あの星にいた。しかも私がいた時代から10数年も経過していたのだ!どうやら
 私は気がつかない内に時空クレバスなるもので時空を超えたらしい。・・・
 私は地球へと戻る為、ギャンブルで金を稼いでいたが、そこで攻撃を受け、ここへ
 避難をしたわけだ。」
バーディ「なら、あなたの目的はこのJ9Ⅲ号を乗っ取って、地球へと帰ることかしら?」

バーディはダービーが勝負をしかけた理由を問いただす。

ダービー「確かにそれもあるが、そこのI.Cブルースと勝負をしたいというのは
 本当だ。私はギャンブラーだ。それゆえに強い人間と戦いたいのだよ。」

ダービーは高らかに理由を喋る。

コウ「お前、すぐにトモカの魂を返せ!」

ジャキン!

ダービー「残念だが、私を殺せば永久に魂は帰らないぞ!魂を戻すには
 ギャンブルで私に勝つしかない。」

コウは剣を突き立てるが、ダービーは冷静に余裕を持って話す。

ダービー「さぁ、次は貴様だI.Cブルース!私と勝負してもらおう。」
ブルース「いいだろう、その勝負に乗った!私は自分の魂を賭ける。」
ダービー「Good!では私はトモカの魂を賭けよう。」

第2戦が始まった。

95

再びポーカーを始めて5分後・・・

勝負は現在五分五分という感じだった。

ダービー「(ふふふ、如何にギャンブルの達人だろうと私のイカサマを
 見破れまい。)私は交換だ。」
ブルース「・・・私も交換だ。」

淡々と続けられるポーカー。周囲にいるメンバーを息を呑んで見守る。

ダービー「(奴の今の手札は、フルハウスが揃っている。ならば私は・・・)
 ファイブカードだ!」

実はダービーにはイカサマをするため、ペンタゴナワールドでスカウトした
部下がいる。ブルースの背後から手札を見て合図を送っていた。

ダービー「(さぁ、私の勝ちだ。)」
ブルース「・・・ロイヤルストレートフラッシュ!」

何と手札はフルハウスだったのに、ロイヤルストレートフラッシュを出した
のだった!

バーディ「やった、ブルースの勝利ね。」
ダービー「ば、ば、馬鹿なぁ~、貴様の手札はフルハウスの筈だ、いつ
 手札を変えた!」

ダービーは激昂する。

ブルース「私は普通にポーカーをしていただけだ。しかしあなたは何故、
 私の手札を確信していたようにフルハウスだと思ったのかね?」
ダービー「うっ!」
バラリベンジャー「・・・妖しい動きをする人間を捕まえておいた。これで
 いいか?I.Cブルース。」
ピート「こっちも捕まえたぜ。」
キッド「こっちもな。」

そう、ダービーがイカサマをしているのはとっくにブルースにばれていた。
そして、密かに仲間達に捕まえるように指示を出していたのだ。

ダービー「「(し、しまった~、はめられた!ま、また負けるのか・・・
 はっ、負けを認めてしまった~!)」

ダービーの顔は汗が滝のように吹き出し、顔面が蒼白になる。そして
心の中で負けを認めてしまい、トランクにあったコインからトモカだけでなく、
他にもコインにした人々の魂が元の体へと戻っていた。

トモカ「ん~?あれ、どうしたんだ皆。」
コウ「トモカ!戻っただな。よかった~。」

トモカも気がつくが、何があったのかよく分かってなかった。

ダービー「・・・・」
ブルース「ダニエル・J・ダービー...あなたのイカサマは大胆不敵で巧妙な技術と駆け引きから
 一流のギャンブラーと聞いていたが、こんな簡単な手口を使うとは正直、残念だ」
ダービー「...確かに。あの時、空条承太郎に敗北した時から、私のイカサマは上手くいかず
 衰えてしまった。地球にいた頃の私なら、別の手を使った事だろう。我ながら情けない」
ブルース「仲間に危害を与えたあなたを銀河連邦警察に引き渡す。だが、罪を償ったらもう一度勝負しないか?今度は本当の実力を持ったあなたと勝負がしたい」
ダービー「...いいだろう。今度こそ私は二度と惨めなダービーには戻らない。ギャンブラーの
 誇りを取り戻すため、その時は戦ってくれ」

勝負に敗北して呆然とするダービーに、ブルースが声を掛けて、銀河連邦警察に引き渡す事を伝えると
勝負の再戦を申し込む。ダービーは銀河連邦警察に引き渡される事を了承し、勝負の再戦を約束するのであった。

○トモカ→ダービーに勝負に負けてコインされる。
○I.Cブルース→ダービーに勝利する。ダービーと勝負の再戦を約束する。
△バラリベンジャー→ダービーの仲間を取り押さえる。
●ダービー→ギャンブル勝負を仕掛けて、トモカをコインにするも、ブルースに敗北。
   銀河連邦警察に引き渡されるが、ブルースと勝負の再戦を約束する。

【今回の新登場】
●ダニエル・J・ダービー(ジョジョの奇妙な冒険 第3部スターダストクルセイダーズ)
DIOに仕えるエジプト9栄神の1人。生粋のギャンブラーでDIOを守るよりも
ギャンブラーとして、承太郎一行に勝負を仕掛ける。イカサマを使用するが、
「気がつかない方が悪い」という信条がある。テレンス・T・ダービーの兄。
スタンド「オシリス神」はギャンブル勝負で負けたと心の中で思った時に、
その魂をコインに変える能力である。

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最終更新:2021年01月07日 06:44