外宇宙編108~110

『銀河烈風隊、イーバに遭遇ス』-1

作者・ユガミ博士
108

エドン国・エドン星首都***


黄泉還りにより前大戦で戦死した局長ドン・コンドールことディーゴ・近藤を
はじめ、多くの隊員が生き返り、銀河烈風隊に復帰した。
彼らは現在、エドン国にて治安維持部隊として活躍している。

ディーゴ「こうして見ると、平和だな」
シュテッケン「ああ・・・」

エドン星の首都をパトロールするディーゴとシュテッケンは街の人々の
笑顔を見て、ディーゴが思いを口にする。

シュテッケン「だが、この宇宙にはGショッカーなんて悪党共が蔓延っている。
  それに最近じゃあ、宇宙連合の方でもきな臭い噂を聞いているぜ」
ディーゴ「なぁ~に、俺達にかかれば敵う敵はないさ!」
シュテッケン「・・・そうだな、ディーゴ。(だがな、ディーゴ。俺はもう
 お前さんが死ぬ姿なんて見たくねえんだ・・・)」

シュテッケンはディーゴに今の宇宙事情を話す。Gショッカーはゴズマ軍に
宇宙帝国ザンギャックが加わり、大ザンギャックに編制され、宇宙連合の方でも
タカ派の勢力が宇宙の覇権を握るべく独自に地球へと戦力を送ったという噂を聞く。
他にも、宇宙ではあらゆる勢力が動きを見せている事をシュテッケンは情報収集で
手に入れた話を継げた。それに対し、ディーゴは彼らから平和を守ろうと決意する。
その一方で、シュテッケンはディーゴをまた死なせはしないと固く決意するのであった。
そしてシュテッケンの下にスリーJから通信が入る。

スリーJ@通信『シュテッケンさん、大変です!パトロールをしていた
 5番隊のカン・リュウさんが何者かに殺害されました!』
シュテッケン「何だと!?」

スリーJからの報せは、ディーゴのように前大戦中に戦死し、黄泉還ったカン・リュウ
という5番隊に所属している銀河烈風隊の隊員なのだが何者かに殺されたという報せが入る。

殺害現場***


ディーゴ「―これは!」
カン・リュウ「・・・・」

現場には、連絡を報せたスリーJに連絡を受けたビリー、ライラ、佐馬達
隊長各が駆け付けており、ディーゴとシュテッケンは、死体となってしまった
カン・リュウを見る。その顔はまるで恐ろしい物を見たという具合に恐怖で
固まった顔で、全身が何か爪で引き裂かれたかのような傷を負っていた。
またカン・リュウ以外にも隊員が数人、同じく死体となって倒れていた。

シュテッケン「一体・・・誰が殺したぁぁ!」
スリーJ「お、落ち着いて下さい、シュテッケンさん!!」
ディーゴ「落ち着け、取り乱すなんてお前らしくもない!そんなんじゃ
 “諸刃のシュテッケン”の名が泣くぜ!!」
シュテッケン「―!?すまねえ、俺とした事が取り乱しちまった」

仲間の死にシュテッケンは激昂するが、ディーゴによって冷静さを
取り戻した。

士郎「待って下さい・・・近くに何かいます!」

前大戦で目が見えなくなった士郎は視覚を失ったかわりに、他の
感覚が鋭くなっており、ここにいる人間以外の気配を察知した。

ケットシーイーバ「フシュゥゥゥ!」
佐馬之介「何だ!?猫の化け物か!」

現れたのは巨大な猫の様なケットシーイーバだった。カン・リュウ達を
始め、殺害したのは黄泉還りによって生き返った隊員達だったのだ。
ケットシーイーバは同じく、黄泉還り現象で現世に生き返ったディーゴに狙いを定めた。

109
ケットシーイーバ「フシャァァァァ!!」
烈風隊隊員A「ぎゃぁ!」
烈風隊隊員B「ぐわぁ!」

ケットシーイーバは目にも止まらぬスピードで、烈風隊隊員を
その鋭い爪で次々と斬り裂き、血祭に上げていった。

シュテッケン「野郎・・・!」
士郎「ドン・コンドールはやらせはしません」
佐馬「これなら、どうだ!」

佐馬は、ケットシーイーバに向かって銃を放つが、地球にも現れた
他のイーバ同様、小さな時空クレバスを発生させて銃弾を全て回避した。

ライラ「あれは、時空クレバス!」
ディーゴ「何て、奴だ!」
士郎「ディーゴ、下がってください。銃が駄目なら、剣で対抗するまでです」

烈風隊一の剣の天才である士郎はディーゴを下がらせると、研ぎ澄まされた
感覚でケットシーイーバに一太刀浴びせようと斬りかかるが、流石の士郎でも
なかなか捕える事が出来ない。

ケットシーイーバ「フシャァァァ!!」
士郎「ぐぅ!」
シュテッケン「士郎!」

そしてケットシーイーバの長い爪は、士郎を襲う。すんでの所で士郎は
躱したが、肩を負傷してしまう。そして、そのままケットシーイーバは
ディーゴを始末しようと襲い掛かる。

ディーゴ「これまでか!」

ディーゴは最早、ここまでかと覚悟した。しかし、いつまでたっても
攻撃がこない。目を開けると、ディーゴの前に盾があり、バリアーの
ようにケットシーイーバからディーゴを守っていた。

シュテッケン「こいつは一体・・・」

シュテッケン達はディーゴを守る謎の盾の登場に困惑していると、
攻撃が届かずにいるケットシーイーバに斬りかかる2つの影が現れた。

ケットシーイーバ「フシャァァァァ!!!」
???「とりゃぁぁ!!」
???「てやぁ!」

2つの影の一方は鎖鎌を武器とし、前髪が垂れていて、片目だけが
見えている男性で、もう一方は後ろに髪を束ねた強気そうな女性で
ナイフを持っていた。

???「大丈夫か、アンタ!?」
ディーゴ「あ、ああ。君達は一体・・・?」
???「あの化け物は、俺達に任せてくれ。頼むぜ、ギョウ、ノブル!」
ギョウ「応!」
ノブル「任せて、兄さん!」

ディーゴの所に現れた甲冑みたいな衣装を来た大柄な男性は盾を
手にして、ディーゴが無事なのか聞いてきた。そして男性はケットシー
イーバと戦う2人に声を掛ける。どうやら仲間らしい。

ギョウ「うぉぉぉぉ!!」
ノブル「はぁぁぁぁ!!」

ギョウ、ノブルという名前の2人はそれぞれの手にする武器に力を
込めると、ギョウの髪で隠れていた右目が現れる。そこには目玉は
無く、「炎」の文字が書かれた珠があり、光だす。一方、ノブルの方は
ナイフに「鋼」の文字が書かれた珠が光り出した。

ギョウ「せいやぁぁ!!」
ノブル「はぁぁぁぁ!!」
ケットシーイーバ「ギニャァァァァ!!」

先程よりもギョウとノブルの力は増し、鎖鎌やナイフで
ケットシーイーバを傷つける。

ライラ「何て、凄まじい攻撃なのかしら・・・」
シュテッケン「何者なんだ、こいつらは・・・」

戦いを見ていたライラやシュテッケン達は、その凄まじさに
唖然とする。

ギョウ「トドメは任せたぞ、ジンライ!」
ジンライ「応、はぁぁぁぁぁぁ!!」

ジンライという盾を持つ大柄な男性は同じように力を込めると、
盾にはめ込まれた「樹」と書かれた珠が光り出す。

ジンライ「そりゃぁぁぁぁ!!」

ジンライは光り輝くその盾を、円盤投げの如く投げ飛ばす。
その回転はケットシーイーバの体を斬り裂く。

ケットシーイーバ「ぐぅぅぅぅ」

しかし、大きな傷をつけたもののケットシーイーバはまだ健在だったが
流石にダメージは大きく時空クレバスを発生させて、姿を消した。

ジンライ「すまん、トドメを指し切れなかった」
ギョウ「いや、あの怪物はなかなかの強敵だった」
ノブル「お疲れ様、兄さん」
シュテッケン「・・・ディーゴを助けてくれたのは感謝する。
 だが、アンタ等は何者だ?」
ディーゴ「そんな険しい顔をするなよ。士郎の怪我もある。何より、
 隊員達をこのままにしておく訳にはいくまい。詳しい話はバクシンバードで話そう」

ジンライ達を警戒するシュテッケンだが、ディーゴの提案で銀河烈風隊の
移動基地であるバクシンバードで詳しい事情を聞く事にした。

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○ディーゴ・近藤→ケットシーイーバに襲われるが、ジンライ達に助けられる。
○シュテッケン・ラドクリフ→ディーゴを守るべく、ケットシーイーバに立ち向かう。
○真帆羽士郎→ディーゴを守るべく、ケットシーイーバと戦闘する。
○ライラ・峰里→ディーゴを守るべく、ケットシーイーバと戦闘する。
○佐馬之介・ドーディ→ディーゴを守るべく、ケットシーイーバと戦闘する。
○ジャン・ジャック・ジャーニー→シュテッケンに烈風隊隊員が殺された事を報せる。
○ギョウ・エンジョウ→ケットシーイーバと戦闘する。
○ノブル・コンゴウ→ケットシーイーバと戦闘する。
○ジンライ・ハズキ→ディーゴを助けて、ケットシーイーバに大ダメージを与える。
○カン・リュウ→ケットシーイーバに殺される。
●ケットシーイーバ→黄泉還った銀河烈風隊隊員を殺害。ディーゴを狙うが
   ジンライ達に阻まれ、負傷して撤退する。

【今回の新登場】
○ジャン・ジャック・ジャーニー(銀河烈風バクシンガー)
 通称「スリーJ」パンチョ・ポンチョに憧れる闇の武器商人だが、シュテッケンに
 騙されてバクシンガーとその母艦バクシンバードを造り、しかもディーゴに
 丸め込まれてその代金を踏み倒される。そのまま仕方なく彼らと同行するが、
 やがて、その情報網や諜報能力を活かして何度も銀河烈風隊の危機を救う。
 腐れ縁から自ら最終決戦にも参加しようとするが、シュテッケンから「商人には
 商人の戦い方がある」とそれを許さず、彼にバクシンバードを返還、生き延びさせる。

○ギョウ・エンジョウ(神八剣伝)
 機天でエルメ組として活動していた青年。「炎」の珠を持つ。
 鎖鎌付きの警棒が武器で、球は自身の右目にはめ込まれている。
 元は警察官だったが、ギンジ警部の罠で妻であるアヤを失った復讐心から
 エルメ組に入る。自身が家族を失った悲しみを知っているため、父親の
 いない母子家庭や、親のいない子供に優しい。

○ノブル・コンゴウ(神八剣伝)
 鉱天で一揆組として活動していた女性。過去に親を目の前で殺された事から
 軍を憎むようになり、荒っぽく好戦的な性格になった。「鋼」の珠を持ち、
 武器であるナイフにはめ込んでいる。実はジンライと兄妹なのだが、ジンライが
 両親を殺したと思い込み、長らく受け入れられずにいた。

○ジンライ・ハズキ(神八剣伝)
 樹天でゲリラ活動をしていた青年で、「樹」の珠を持つ。産まれて
 間もなく生き別れた両親を探していた。武器であり防具でもある
 盾に球をはめ込んでいる。お人好しで、防御力に優れている。
 ノブルの実の兄。

○カン・リュウ(闘争の系統オリジナル)
 黄泉還りにより生き返った銀河烈風隊の隊員。所属は5番隊。
 モデルは新撰組の武田観柳斎。

●ケットシーイーバ(闘争の系統オリジナル)
 大きな猫の獣人の様な姿をしたイーバ。獰猛で長い爪を武器にしており
 高速移動を得意としている。

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最終更新:2021年01月07日 07:02