『笑激の邂逅!セーラームーンVS月光刑事』-3
作者・ティアラロイド
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マーキュリー「とにかく神風強盗ダルクを追いかけなきゃ!」
マーズ「行くわよ、みんな!」
ムーン「あ、待って! 置いてかないで!」
神風強盗ダルクを追って走り去っていくセーラー戦士。
だがしかし、セーラームーン一人だけが月光刑事に
鞭で片足を絡めとられて地面にすっころぶ。
ムーン「――いたあっ!! ちょっと!なにすんのよ!!」
月光刑事「闇雲に追いかけても、これまでのように逃げられるだけだ」
美茄子刑事「まずは変身だ!」
月光刑事「ムーンライトパワー!」
月光刑事と美茄子刑事は再び着替えを始めた。
そして今度は看護婦の姿に!
月光刑事「ラブリーナース月光刑事!」
美茄子刑事「プリティーナース美茄子刑事! 見参!」
ムーン「………あの~なんでナースなの…?」
月光刑事「しっ!静かに!」
ムーン「…え?」
美茄子刑事は聴診器を取り出し、地面に当てて耳を澄ます。
美茄子刑事「南南西の方向に猛スピードで遠ざかっていく車があります」
月光刑事「犯人の車だ!」
ムーン「すごいじゃない!…てか、それだったら
最初からその格好に着替えなさいよ…(汗」
月光刑事「再び変身だ!」
ムーン「またあ~!? こんなことしてる間に
逃げられちゃうんじゃ…」
月光刑事「ムーンライトパワー!」
再び丸いスポットライトの当たるスクリーンの向こう側で、
中年のオヤジ二人が並んで着替えをするシュールな光景が展開される。
美茄子刑事「やだあ~!パンスト伝線してるぅ~!」
月光刑事「うそぉ~!美茄子チョーかわいそう!」
ムーン「………(なんなのこの人たち)」
ようやく着替えが終わって出てきたその姿は、
SMボンデージスタイルの姿だった!
月光刑事「女王様月光刑事!」
美茄子刑事「女王様美茄子刑事! 見参!」
ムーン「一応聞きますけど……今度はなんでその格好に?」
月光刑事「この姿の方が夜目が利くのだ」
夜間戦闘機・月光へと颯爽乗り込む月光刑事と美茄子刑事。
しかしこの月光は定員が二人乗りだったため、
セーラームーンは急遽、機体の下腹部に取り付けられた
狭いカプセルのような場所に無理やり押し込まれることに…。
ムーン「なによこれぇぇ!! 狭~い!! 息苦し~い!!」
美茄子刑事「少しの間だけ我慢しろ。前回より強度は
アップしてある! 落ちる心配は無い!」
ムーン「…前回!?…落ちる!? いったい何の話よっ!!
やだあああ!!! 出るぅ~!! ここから出してえええ!!!!(泣」
月光刑事「では発進!」
ムーン「ひええええええええ!!!!!!」
こうしてセーラームーンが必死に泣き叫ぶ中、
無情にも月光は夜の大空へと飛び立った。
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ムーン「はあ…はあ…はあ…。ホントに死ぬかと思ったわ…!」
ようやく先行していたマーキュリーやジャンヌたちに追いつき、
東京湾近くで合流したセーラームーンと月光&美茄子の両刑事。
ハードな魔の夜間飛行から解放されたセーラームーンは、
着陸した月光から降ろされた途端、すぐその場にしゃがみこんだ。
そしてセーラーヴィーナスがセーラームーンの背中をさすっている。
ヴィーナス「大丈夫?…セーラームーン」
ムーン「あれがとう。……つーか!ヴィーナスちゃんもみんなも、
よくもアタシ一人だけ置いてけぼりにしてくれたわねえええ~!!」
マーキュリー「ご、誤解よ、セーラームーン…!(汗」
ジュピター「決して変態さんと関わりたくないからって、
セーラームーン一人に押し付けようとしたわけじゃないよ…!(汗」
ムーン「…ホントにぃぃ~??」
マーズ「ホントよホント! あんまり疑り深いと美容に悪いわよ…(汗」
セーラームーンはジト目でマーズたちを見つめるが、
マーズたち4人は必死にそれを誤魔化す。
ジャンヌ「ところでセーラームーン、そちらの方たちは…?」
シンドバッド「もしてして神風強盗ダルクの仲間か!?」
ムーン「あ~言いにくいんだけど、この人たちはね…」
まるで腫れ物に触るような目つきで尋ねるジャンヌに、
セーラームーンは彼ら二人が月光刑事と美茄子刑事だと説明する。
ジャンヌ「えええええっ!!?」
ジュピター「まあ、当然の反応だよな…」
美茄子刑事「月光刑事、あれを見てください!」
双眼鏡で東京湾を監視していた美茄子刑事が叫ぶ。
ゴムボートで逃走中の神風強盗ダルクが、迎えのクルーザーに
乗り移ろうとしているのだ!
月光刑事「おのれ、仲間がいたのか!」
美茄子刑事「セーラームーン、あの湾上に突き出た作業用クレーンから
賊のクルーザーめがけて飛び乗れ!」
ムーン「あんな高いところから!? 冗談言わないでよ!」
月光刑事「特別ボーナス2倍出そう!」
ムーン「そんなもの出ようが無理なものは無理ぃぃ~っ!!」
ジャンヌ「なら私がやるわ!」
ジャンヌはクレーンの頂上めがけてジャンプし、
そこから海上のクルーザーめがけて飛び降りる!
ジャンヌ「たあああああっっ!!!!!」
しかし目標のクルーザーからマシンガンが掃射され、
哀れジャンヌは海上へと落下する。
ジャンヌ「――!? キャアァァー!!」
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シンドバッド「――ジャンヌ!?」
シンドバッドは海へと飛び込み、海上漂うジャンヌを救助する。
シンドバッド「ジャンヌ、大丈夫か!?」
ジャンヌ「ありがとう…少し掠っただけ。
それよりも神風強盗ダルクは!?」
シンドバッド「機関銃で武装しているとは、奴ら只者じゃない。
いったい何者なんだ…」
東京湾上・クルーザー内部***
"ドラゴンの涎"を抱え込んだまま、ゴムボートから
クルーザーの中へと逃げ込んだ神風強盗ダルクを迎え入れたのは、
秘密結社エゴスの戦闘員カットマンたち。
そしてエゴスの教祖サタンエゴスの神子・エゴス怪人の一人である
ゼニゲバ怪人である。
やはり神風強盗ダルクの脱獄の手引きから始まる
一連の事件の黒幕は、今回もGショッカーだったようである。
ゼニゲバ怪人「ご苦労だったな神風強盗ダルク。
それで、例のブツは?」
ダルク「これよ…」
神風強盗ダルクは懐から"ドラゴンの涎"を取り出し、
それをゼニゲバ怪人に渡した。
ゼニゲバ怪人「ククク…さすがはアジア一の輝きを放つと言われる
秘宝"ドラゴンの涎"よ。これでアクセサリーを作れば、
きっとサロメの奴も喜んでくれるだろう」
東京湾岸***
ムーン「どうしよう、このままじゃ神風強盗ダルクに逃げられちゃう!」
マーキュリー「大丈夫よセーラームーン!
――シャボン・スプレー・ブリージング!!」
セーラーマーキュリーはシャボン・スプレーの冷却効果で、
東京湾一面をたちまち凍結させた。
ムーン「さすがマーキュリーちゃん!」
マーズ「追うわよ!」
はたしてセーラームーンたちは神風強盗ダルクを
無事に逮捕することが出来るのか!?
次回へと続く!
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○セーラームーン→神風強盗ダルクを追跡。月光&美茄子両刑事に振り回される。
○セーラーマーキュリー→神風強盗ダルクを追跡。
○セーラーマーズ→神風強盗ダルクを追跡。
○セーラージュピター→神風強盗ダルクを追跡。
○セーラーヴィーナス→神風強盗ダルクを追跡。
○怪盗ジャンヌ→神風強盗ダルクを追跡。
○怪盗シンドバッド→神風強盗ダルクを追跡。
○月光刑事→神風強盗ダルクを追跡。
○美茄子刑事→神風強盗ダルクを追跡。
●神風強盗ダルク→ゼニゲバ怪人と合流。
●ゼニゲバ怪人→神風強盗ダルクと合流。
【今回の新規登場】
●ゼニゲバ怪人(バトルフィーバーJ)
「エゴスの集金人」を自称するエゴス怪人で、国防省が管理する時価500億円の金塊強奪を目論む。
バトルフィーバーが護衛する、金塊輸送車を狙った。 調子のいい性格で、ヘッダーらに内緒で
サロメには自作の金のネックレスをプレゼントしようとした。また、やや間が抜けており、
金持ちであることを強調する癖がある。 武器は「コイン杖」と、体中についている
寛永通宝を模した「ゼニガタ爆弾」。敗退寸前、弟ロボに遺産の相続を命じた。
最終更新:2021年01月07日 07:49