『慟哭の王子達』
作者・シャドームーン
1
プロローグ***
過去、人類支配と世界征服を目論んだ幾多の秘密組織、
暗黒組織の数々も、人々から“ヒーロー”と称される戦士たちの
決死の活躍によりその多くは滅び、世界は平和が続いていた。
しかしこの平和は、真の平和なのだろうか?
再び世界を覆い尽くす影は、現れないのだろうか………。
それは、まだ誰にも分からない………。
◇ ◇
11人ライダーとクライシス帝国の決戦から半年後――
南光太郎・仮面ライダーBLACKRXは仲間に別れを告げ、
先輩の10人ライダーに続くように己を鍛える旅を続けていた。
そしてこの日…彼はかつての親友・秋月信彦の墓に参るため、
故郷日本の某所を訪れていた…
光太郎「こ、これは…っ!!」
信彦の遺体を埋葬した墓は、奇妙な掘り起こされ方をしていた。
いや――掘り起こされたのではなく、中から「這い出た」と表現したほうが
いいのだろうか。まるで遺体が息を吹き返したかのように…。
光太郎「まさか…そんなことが! 信彦が…生き返ったのか!?」
???「いや、そのまさかなのだよ――…クックックック…
驚く事でもあるまい。奴も貴様同様に“キングストーン”とやらを持つ、
世紀王の片割れなのだろう…? まったく厄介な存在だな、お前らは…
なあ。南 光 太 郎 …」
光太郎「…その声…お前は!!」
暗がりから現れたのは、高貴な身分が伺える装飾品を身に着けた長身の人物。
顔は赤いU字型のシールドがある、白いフルフェイスマスクにすっぽりと覆われて判別が
つかないが、そのマスクの額部分には不気味な“人面”が笑っている。
地球に怪魔界50億の民を移住させるべく、地球の影と言われる怪魔空間より
派遣されたクライシス四大隊長の一人、ボスガンであった。
ボスガン「ふふふふ…。憶えていてくれたとは光栄だな南光太郎。
いかにも! 怪魔獣人大隊を率いる海兵隊長・ボスガンだ!!
待っていたぞRX…我らの見当通り、ここへ現れるとはな…ククク」
光太郎「ボスガン!! どういう事だ…お前は確かにあの時、俺が倒したはずだ!
いやお前だけじゃない、ジャーク将軍も、ダスマダーも、クライシスは怪魔界と
共に滅んだはず…はっ。 ま、まさか信彦も…!?」
ボスガン「クククク…我らだけではない。今や貴様らの手の及ばぬところで、
ありとあらゆる闇の住人が復活を遂げた…貴様の親友だった男もなフフフッ
私がお仕えするのはもはやクライシス皇帝陛下のみに非ず!!
我らは最強最大規模を誇る無限なる帝国――『ガイストショッカー』の
一員となり、今再びこの地上に舞い戻ったのだ!!」
2
ボスガン「Gショッカーは永遠不滅にして無敵の帝国…怪魔界は滅びぬ!!
ククク光太郎。愚かな地球人類を守る貴様らの頑張りも徒労に終わる。
間も無くこの星は、我らGショッカーの支配下におかれる事になろう。
何者であろうとこれを阻む事はできぬ…仮面ライダーBLACKRX、貴様でもなッ!」
光太郎「!…ショッカー…その名を冠するということは、お前達を復活させ
操っているのは、先輩たちが倒した『大首領』なのかっ!?ふざけるなあッ!!
この平和を守るために…どれだけ多くの人々が犠牲になったと思ってるんだ!!」
ボスガン「ふ…言っただろう、私がお仕えする御方は“一人に非ず”とな…
おっと、これ以上は貴様などにいちいち答える義理などないわ。
さてと…そこに眠っていた男が何処へ消えたのか、教えてもらおうか。
奴と同じキングストーンを持つ貴様ならば“共鳴”とやらで分かるのだろう?
私としてはあんな奴など生きていようがいまいがどうでもいいが、命令でな。
連れて来いとのおおせだ。 さあ、シャドームーンは何処だ?
今何処にいるのだ南光太郎!!」
光太郎「……フッ。はっはっはっは、冗談じゃないぜ!!
こっちがお前らに聞きたい事だらけさ! ボスガン! やはりお前は何度蘇っても、
貴族でもなければ誇り高い戦士でもない、邪悪の塊だな!!
Gショッカーがどんなヤツらだろうと、俺達11人ライダーが必ず打ち砕いてみせる!!」
ボスガン「ぬうっ、ほざくな若僧! Gショッカーは貴様ら虫ケラが束になっても取るに足らぬわ!
よかろうRX。シャドームーンの行方は貴様を地獄へ送ったあとで、腹のキングストーンだけ
抉り出して奴を見つけ出す探知機代わりに使ってやる。…私は怪魔霊界で片時も忘れた
ことはない…貴様のような下衆な輩に倒された屈辱をなあッ!!
今度は貴様が味わう番だ…かかれ者共!!」
光太郎「来い!!」
ボスガンの号令が放たれるや否や、彼の背後から海兵隊長直属のエリート部隊だと分かる、
煌びやかなマントを羽織った兵士チャップの一団が一斉に光太郎を襲撃する。
チャップたちはよく訓練されている選り抜きらしく、見事な連携を組みながら抜刀して上下左右
から断続的な攻撃を仕掛ける。――が、光太郎はこれを難なく受けきり、蹴散らしていた。
すでに10人の先輩ライダーに見劣りしない、歴戦の勇士へと成長していた彼には、
いかに手錬れのチャップ集団といえども敵では無かったのだ。
3 名前
光太郎「クライシス、いやGショッカー!!
地球は貴様らには渡さん!! 変・身…!」
万物を照らす太陽の光。その輝きが光のオーロラとなり、光太郎の全身を駆け巡る。
眩い光のエナジーは、体内にある太陽の石・キングストーンと呼応し黒き勇者を誕生させる――
BLACKRX「俺は太陽の子・仮面ライダー、ブラァック!…R・X!! いくぞボスガン!」
ボスガン「フフ、変身したなRX。今度こそ我が剣で息の根を止めてくれるわ、けええぃっ!!」
鋼も分断する豪剣が放たれ、RXの強固なボディに絶え間無い斬撃を浴びせる。
マクロアイでも看破しきれないその高速の太刀筋は、幾重にも緑のRXフォームに
鮮やかな火花を導火線のように走らせ、切り裂いていった。
BLACKRX「ぐわっ…!! なんという剛剣だ!! 以前とは比較にならない!!」
RXは胸から裂傷による白煙を上げながら、しなやかな脚力のバネを効かせて壁を
二回、三回と蹴り、敵の間合いを翻弄する。そして空中で自らの体に捻りを加え、
ボスガンの側頭部目掛けて反撃のキックを見舞った。
BLACKRX「トワァッ!」
ボスガン「フハハハ、ノロい蹴りだ…こうしてくれる!!」
RXの強烈な蹴りを難なくかわし、さらに鋭さと速度の増した豪剣を振るうボスガン。
何とかこれを避けながらRXもパンチを繰り出すが、手数とリーチに勝る大隊長の
斬撃が幾度もライダーの体に襲いかかり、次第に劣勢となっていく……
ボスガン「フフフどうしたRX。貴様の力はこんなものだったのか!?
我が偉大なる主から頂いたこの力…くっふふ…もはや貴様など
私の敵ではない、その首、貰ったあ!!!」
BLACKRX「ぐぅぅ…このままでは! 強い…捕らえてGショッカーの事を
聞きだすつもりだったが、とても手加減しながら戦える相手じゃない!!
奴の言う通り、Gショッカーとはそれほど強大な力を持っているという事か…。
俺は負けられない…ボスガンのような卑劣な奴には断じて!!トゥアッ!」
間一髪、ボスガンの剣がRXの首を刎ねようとした瞬間――RXはその一撃をかわし、
空中高く飛び上がった。10メートル…30メートル…強靭な脚力が生むRXジャンプは
60メートルにも達していた。そして両足を揃えると、足先にエネルギーを集中させ、
赤い閃光を放ちながら一気に落下・加速する!
BLACKRX「アールエックスキィ――ック!!!」
ボスガン「フハハ愚か者めっ! 貴様のキックの隙などお見通しよ!
電・磁・波・剣!!」
海兵隊長の愛刀から電撃が放たれ、加速中のRXを直撃する。
しかし彼は雷光にその身を焦がされながらも、技の体制を崩さず渾身の力を込め、
RXキックを攻撃直後で構えの解けぬボスガンに炸裂させた!!
ボスガン「ぬがぁッ!! お、おのれぇぇ…RX…!!」
咄嗟に肩に装着した短刀を剣に交差させ防御はしたものの、強烈な衝撃を
食らってボスガンは吹っ飛び、RXキックの威力をもろに受けてしまった両腕からは
火花が散り、濛々と硝煙を上げていた。
よろめきながら、なんとか剣で体を支えている状態である。
4
BLACKRX「リボルケイン!!」
怯んだ大隊長に勝機ありと見たRX。
すかさずベルトから光のスティック、リボルケインを引き抜き、数々の
怪魔戦士を葬って来た必殺の一撃、『リボルクラッシュ』の体勢に入ろうとする。
その時。猛烈な風が両者の間に割って入るように巻き起こり、
その渦巻く風がやんだ時…
―――そこには二又の穂先を持つ槍を持ち、雄雄しい二本の角を備える兜と
重厚な甲冑を身に着け黒馬に跨る“騎士”が立っていた。
かつて怪魔界の砂漠地帯でRXと死闘を展開し、敗れ去った誇り高き武人、
怪魔獣人ガイナギスカンである。
BLACKRX「お前は風の騎士ガイナギスカン! やはりお前達は…」
ガイナギスカン「久しぶりだなRXよ。フッフフ、また会えて嬉しいぞ!」
ボスガン「何用だガイナギスカン! 手出し無用、まだ私は敗れてはおらぬぞーっ!」
ガイナギスカン「ボスガン様、ジャーク将軍の御命令です…ここはお退きくださいませ。
…シャドームーンが見つかったそうにございます…」
BLACKRX「信彦が…!?」
シャドームーンが、秋月信彦が生きている。その言葉がRXには奇妙な
感覚と共に、紛れもない事実としてすぐに認識できた…
二つのキングストーンが呼び合っているからなのか?
それとも――同じ家で育ち、共に泣き、笑い、互いを認め合った親友だから…?
自分はこの目で確かに、「信彦として息絶えた」シャドームーンを看取ったはずなのに。
ボスガン「何だと…!? 誰だっ、奴を発見したのは!」
ガイナギスカン「ジェネラルシャドウとヘビ女の一派との報告ですが…」
ボスガン「チッ…あの“はぐれデルザー”か。あのような者共に遅れをとるとは~!
この上はRXの首だけでも持ち帰らねば、私のプライドが許さぬ!!」
ガイナギスカン「その役目は私めにお任せあれ。ボスガン様は当初の目的が
失われた今、無理にRX如きの相手をする事もありますまい。
ここはどうか、このガイナギスカンにRXとの勝負をお許し頂きたい…!」
ボスガン「チイ…将軍の御命令とあらば致し方あるまい。
だがガイナギスカン、自ら討伐を買って出たからには失敗は許されんぞ!!
必ずやRXを討ち取り我が怪魔獣人大隊の誉れとせよ!!」
ボスガンの顔を覆うマスクの不気味な人面部が、憎々しげにRXを一瞥したあと、
愛刀を鞘に納めると同時に大隊長は姿を消した――
5
ガイナギスカン「ハハッ…! さぁゆくぞRX。怪魔界では不覚をとったが、
今度は俺が勝つ! パワーアップした我が風の威力、味わうがいいッ
ハァッ!風魔・ビームハリケーン!!!」
ガイナギスカンの掌から、虹色の光線のような猛竜巻が放たれた。
風速100メートルを超える風と共に、高エネルギーがRXに襲いかかる!
BLACKRX「うわああっ!!ガイナギスカン、こいつも前より
ずっと手強くなっているのかっ…!」
リボルケインでビームハリケーンを防御し、必死に耐えるRXであったが、
ついに耐え切れず何十メートルも吹き飛ばされてしまう。
風の騎士は間髪入れずに目からもビームを放ち、体勢の整わぬRXを
猛撃して攻め立てていく。バック転とジャンプでこれを回避するRXだが、
距離を取ればビーム、接近すればビームハリケーンと槍の攻撃に翻弄
され攻略の糸口が見えずに防戦一方にさらされていた。
ガイナギスカン「隙ありRX! どりゃっ! でぃやぁぁぁッ そらそらどうした!!」
風の騎士の振るう槍捌きは容赦なくRXの体を切り裂き、貫かんとする。
先ほどのボスガンから受けた剣のダメージもあり、さしもの頑強なRXフォームも
悲鳴を上げるように猛烈な火花を散らし、裂け目が露になっていく…
BLACKRX「ぐふっ……俺は、倒れるわけにはいかないんだっ!!」
劣勢に立たされ、絶対絶命かと思われたその時、RXは一歩も怯まず
ファイティングポーズを取り、目の前の強敵・風の騎士と改めて向かい合う。
そのどっしりとした風格からは追い詰められた者に見られる焦燥感は微塵も
感じられなかった。
BLACKRX「風の騎士ガイナギスカン…お前は強い。卑怯な手を用いずに、
己の技を駆使して正々堂々と戦う戦士――変わらないな……
だが俺もここで敗れることはできない! 俺は太陽の子…お前達のような
暴力から、この平和を…生きとし生ける者の命を守るために戦う戦士!!
仮面ライダーブラック、アールエックスだ!!!」
ガイナギスカン「…フフ…。そのどっしりとした風格と迷い無き佇まい…
それは幾多の死戦を己の力のみで打破して来た者のみに備わる、
真の勇者である証。RXよ、怪魔界で出会った頃より一段と成長を
遂げたようだな。フフフフ、蘇った俺の初陣、相手にとって不足無し!!」
BLACKRX「己の力? 違う…俺が強くなれたのは、俺だけの力じゃないさ…」
ガイナギスカン「…ほう…では何だと?」
BLACKRX「俺は今日までたくさんの人たちに出会い、助けられて来た……
彼らがいたから、俺はどんな強敵が現れても戦い抜けた。
今はもう、会えなくなってしまった人たちも…俺の中にいつまでも生きている。
たくさんの大切な人たちが、俺を支え励ましてくれている。…だから…!!
俺は彼らの生きるこの世界をどんなことがあっても守り抜いてみせる!!」
ガイナギスカン「フッ、見事な覚悟だ。ならば俺も、怪魔霊界より今一度、
貴様との勝負の機会を与えて下さった我が主のために……
RX!貴様の命、貰い受ける。 貴様がその大切な者どもとやらのため
命を賭して戦うことが“正義”ならば、これが俺の正義だ!!ゆくぞ!!」
6
再び開始される激闘。風の騎士は長大な槍を自在に振り回し、RXの
ボディを×字に斬り付けたあと、二又に別れた切っ先でライダーを挟み込み、
後方へ投げ飛ばした。
ガイナギスカン「勝負あったなRX! その深手ではもはやこれを回避できまい!
お前ほどの勇者、俺も最大の技で葬ろう!ビームハリケーンスペシャル!!」
BLACKRX「…うおおおお…っ…ハア!!」
強化されたガイナギスカンの秘技が両の掌から放たれ、炸裂した。
二本の虹色の光線が渦を巻き、RX目掛けて大爆発を起こす。
立ち昇る黒煙、しかしその中から、突如として黄色い閃光が発射され
勝利を確信していた風の騎士の胸に命中した!
ガイナギスカン「ぬおおっ!! な…何だとバカなぁ! き、貴様は…!?」
黒煙と逆巻く炎の中から、鋼の足音と共に真紅の複眼が姿を見せる。
黒と黄の鋼鉄の装甲に見を包み、右手に銀の銃を構えた不落の要塞。
無慈悲にも奪われた命への、限り無き哀しみが生んだ闘士、
その名は――――!
ロボライダー「俺は哀しみと炎の王子…R・Xロボライダー!
クライシスが奪った一人の少女への慟哭が、俺を目覚めさせた!!
二度と目前で愛する者を失わせないために、俺の力はある!!」
ガイナギスカン「くっ…ロボライダー、そうか貴様が…ならばこれはどうだ!?」
ガイナギスカンは体を丸めて体当たりを敢行、そして頭部にある二本の角を伸縮
させロボライダーを刺し貫こうとする。が、ロボライダーは突進して来る風の騎士の
回転を両腕で角を掴み阻止、その強大なパワーを誇る肘鉄で角を叩き折った。
ガイナギスカン「ぐぬぁ…、 ええい、何のこれしきよ! せいやあ!!」
ロボライダー「むん、トオワァ―ッ!!」
風の騎士は角を折られても怯まない。すかさず槍の一撃を袈裟懸けに振るうが、
ロボライダーの強靭なる“ロボフォーム”はその衝撃を微動だにせず受け止める。
そして手刀で槍を切断、次の瞬間には削岩機の如きパンチが、ガイナギスカンの
顔面に炸裂していた。顔から火花を上げ、吹っ飛ぶ風の騎士。
7
ガイナギスカン「ぬがぁ…ッ!!! やるなロボライダー…フフフ、だが俺もナイトの
誇りにかけて敗れるわけにはいかぬ!! 風魔ァ~ビィィームハリケーン!!!」
息も絶え絶えに、ガイナギスカンは全エネルギーを注入して虹色の光線を放つ。
最大級の大渦巻きが地面を抉り砕きながら、ロボライダーに襲い掛かる!!
ロボライダー「ボルティックシューター! …ハードショット!!」
ガイナギスカン「ぬうっ!? ぐ、がああああああっ!!!」
ロボライダーは襲い来る渦の渦中に、空を斬る光弾を続けざまに発射、
その黄色い閃光はビームハリケーンを潜り抜け、風の騎士の肩と腹に
命中して爆発する。しかし誇り高きガイナギスガンは、深手を負って尚、
悠然と眼前の戦士を見据えて地に倒れ伏そうとはしない。
ロボライダーが静かに両手を下ろし、光と共にその姿がRXへと戻る。
そしてRXもまた、眼前の戦士を真っ直ぐ見据え、ボルティックシューターが
変化したリボルケインをゆっくり構えた。
刀身に漲る青白いハイブリット・エネルギーが二人の空間を隔てている
「風」を薙ぐように残像を映しながら輝く。
BLACKRX「……ガイナギスカン」
ガイナギスカン「…フフ…フ…。RX……勝負!!」
先に仕掛けたのはガイナギスカン。残った角を剣のように伸ばし、
RXに最後の体当たりを敢行する。RXジャンプ一閃―――。
ガイナギスカンの突撃をかわし背後に着地、すかさず前転して
接近し、振り向き様の風の騎士を、渾身のリボルケインが貫いた!!
BLACKRX「リボルケイン…―――――ッ トァッ!!」
ガイナギスカン「グギャァァアア――ッ!!」
リボルケインに貫かれた腹部から背中に抜けて、大量に火花を噴出させ
苦しむガイナギスカン…やがて彼は、RXの体を力を振り絞って押し退け、
自らリボルケインを引き抜いた。
ガイナギスカン「グ…フフ…見事也、仮面ライダー……ぬあ!!
他者への哀しみ…守る力…貴様の成長、しかと見せてもらったぞ。
これが…お前達の強さの源か……フ……悪く…無い…
貴様のような男と今一度死合う機会を与えて下さった……
我が偉大なる…闇の支配者…至高…邪神…様に…
御武運あらんことを……フ、さらばだRX……」
ドォォーーォォン
怪魔獣人大隊の誇り高きナイト、ガイナギスカンは大爆発と共に砕け散った。
RXもまた、一度は葬った戦士を再び自分の手で倒したことへの
虚しさと、良き勝負を繰り広げた強敵に敬愛の気持ちを抱いていた。
BLACKRX「俺もまた君と戦えた事を誇りに思うぞガイナギスカン…
今度こそ、ゆっくり眠ってくれ…。しかし、至高邪神…とは一体…。
ボスガンはもはや仕える主はクライシス皇帝だけではないと言った…
話に聞く“大首領”ですら、その一人に過ぎないということか…。
これだけは分かる―――…今度の戦いは、先輩ライダー達と
力を合わせても勝てるかどうか…俺達にも、何かもっと大きな力があれば…」
BLACKRX「…信彦…お前は今どこにいるんだ…? 俺は二度とお前に、
シャドームーンとしてその手を悪に染めて欲しくない…
お前はあの子供達を命がけで救ってくれたじゃないか…
それなのに、それなのにまた…――…俺はお前と戦わなくてはならないのか…?
答えてくれ…信彦ぉぉぉぉぉぉ――ッ!!…」
南光太郎・仮面ライダーBLACKRXは、新たな敵Gショッカーの胎動と…
二度と会えぬはずのかつての友との、再び巡って来るであろう対決の運命を
感じていた。果たして今度彼の前に現れるのは、人間・秋月信彦なのか?
それとも宿命の強敵・世紀王シャドームーンなのか―――――
そして闇の世界から死した戦士たちを操る、至高邪神の正体とは!?
今再び、遥かな時代より繰り返されて来た
『光と闇の果てし無い戦い』、“闘争の系統”に新しい神話が生まれようとしている…………。
○仮面ライダーBLACKRX→ガイナギスカンを倒す。
新組織ガイスト・ショッカーのかつてない脅威に危機感を募らせている…。
●ボスガン→撤退。復活後はさらに切れ味を増した剣術を持って、打倒RXの雪辱に燃えている。●ガイナギスカン→RXに敗れる。
【今回の新規登場】
○南光太郎=仮面ライダーBLACKRX(仮面ライダーBLACK、仮面ライダーBLACKRX)
同じ日蝕の日に生まれた秋月信彦と共に、19歳の誕生日に暗黒結社ゴルゴムによって
次期創世王候補、世紀王に改造された若者。養父の助力で組織より脱出、人類の
守護者仮面ライダーブラックを名乗り、一年間の激闘の末ゴルゴムを壊滅させる。
半年後、怪魔界から襲来した新たな敵クライシス帝国との戦いで、太陽の子RXへ新生を
果たす。アリゾナから駆けつけた1号以下10人ライダーと協力し、ついにクライシスを倒した。
二年に渡る戦いの後、世界各地に散った先輩ライダーと連絡を取りながら自分自身を
鍛えるべく旅をしていた。新組織Gショッカー出現に危機感を募らせる一方、友の姿を
取り戻して息絶えたはずの、シャドームーン=秋月信彦の黄泉帰りに動揺を隠せない……。
●海兵隊長ボスガン(仮面ライダーブラックRX)
Gショッカー正規軍・クライシス帝国の怪魔獣人大隊を束ねる幹部。
純粋なクライシス貴族出身のため、同僚をもれなく軽蔑している節がある。
剣術の達人で愛刀電磁波剣を振るいRXへの雪辱に燃える。
野心家の一面もあり、かつてはジャーク将軍失脚後の最高司令官の座を
無想していた。果たして黄泉帰りし魂で、彼が真に望むのは…。
●怪魔獣人ガイナギスカン(仮面ライダーブラックRX)
怪魔獣人大隊きっての猛者で、ナイトの位を持つ数少ない怪魔戦士の一人。
槍術に長け、風を自在に操る。常に正々堂々と勝負したがる豪傑。
黄泉帰り後は強化改造によりパワーアップしていた。
通称「風の騎士」
最終更新:2020年10月29日 09:49