1.今作は「事件の解決」を重要視していなかった
山本はシナリオ構築の大前提として次のように答えている
・事件を追いかける過程を描いて物語にするのではなく、キャラクターの心情を繋げて物語にするのが今作のコンセプト
・事件の発生や流れ、解決よりも「そのシーンでこのキャラだったらどう喋るか?」を重視して物語にした
今作で子供が犠牲になるなどバッドエンドのような終わり方のイベントが非常に多いのは、イベントをきちんと解決まで導く事よりも
「このキャラだったらこう喋るはず」と言うキャラ設定を重視した結果であり、イベント内容がキャラの設定に合わせて作られたためと考えられる。
信じられるだろうか?
ある意味「世界の行く末なんか関係ねぇ、俺はキャラに好きなように喋らせるんだ!」というキャラ愛から出た
作り方なのかも知れないが、キャラの性格が意味不明なこともあり、無茶苦茶なシナリオとなってしまった。
馬場プロデューサーのインタビューでも、「アリーシャは勝手に出て行った」等の発言を行っており
製作陣がキャラを操りきれずシナリオがグチャグチャになったことがうかがえる。
結局のところキャラに自由に喋らせているようで、製作者の性格がモロに出ただけではないだろうか。
注釈
キャラクターありきで結果を考えずにシナリオを作るということは漫画でも一般的な手法であり
このこと自体がおかしいわけではない。ただし、彼らにその力はなかったということである。
2.天族や憑魔の設定はシステム上の理由で導入した
天族や憑魔は通常の人間には見えない。この設定の理由を次のように説明している。
・今作はフィールドからシームレスにバトル移行するので、普通の人間パーティだと主人公の周りに急に味方が湧いてしまう
・そこで主人公に憑依する霊的な存在として天族、さらに憑魔の設定が出てきた
しかし、天族という設定を導入した事で戦闘システムは非常に窮屈なものになってしまった。
また、システム側から持ち込まれた設定のためか、天族や憑魔それに深く関わる穢れといった概念の作り込みが甘く
本編ではご都合主義的に人間が天族に転生したり、悪行をしても一切穢れが溜まらない存在がいたりと
プレイヤーを煙にまき、置き去りにする要因となった。
システム上の理由からシナリオ班に無理難題が持ち込まれ、それを元にシナリオ班が作り上げた「天族」という存在が
逆に戦闘システムを窮屈に縛り上げ、シナリオ自体にも作り込み不足を生むなど負のスパイラルに陥っているのが分かる。
3.3000年の歴史を作った割には本編に関わる細部の設定を投げっぱなし
山本は上記以外に以下のような発言をしている。
・3000年分くらいの年表を作った
・北の大陸は火山の爆発などが原因で住民が北方へと去ってしまい、その後は不明
・ザビータの銃はたぶん異大陸から持ち込まれたものじゃない?
・天族は「明確にこういう種族だよ」ということはできない
・呪い、怨念のようなもので非常に強い結界を人間が作れるけど、呪いじゃなくて誓約かも知れない
・スレイ以外の導師はよくわからない、人知れず善行をしたりドラゴンを生んでしまったかも知れない
・天族に転生する導師もいるが明確な手法があるわけじゃなく、心霊的な話
・エンディングのシーンも何年後かよく分からない、数百年くらい?
・ロゼがその後どういう生き方したのかも分からない
もちろん想像の余地を残すためあえて分からないと表現している部分もあるだろうが、
3000年分の年表を作り、年代ごとに違うデザイナーに依頼して様式を作ってもらったと言う割には
本編に直接登場する設定がなおざりになっている事が分かる。
4.その他の意味不明な発言
・お互いを思いやるパーティなので優しさに注目してもらいたい ・悲惨な話が多いけどそのおかげでスレイたちの純粋さが輝いた
ちょっとよく分からないです。