各種自転車用PMについて、それぞれの利点と欠点を簡単にまとめます。
SRM
自転車用PMでは最も長い歴史と多くの実績を誇る老舗メーカーであり、他のすべてのPMが比較されるPMの基準でもあります。クランクスパイダーに歪センサーを備えてクランクトルクを計測します。一方、回転センサーがクランクの角速度を検出してトルクとの乗算から出力を求めます。
利点は、もっとも入力に近い場所でパワーを計測することとユーザー自身による校正が可能であることによる測定値の正確さと、クランクの回転に同期して平均パワーを計算することにより、後述するPowerTapで見られる見かけ上のパワー変動が見られないこと、また、ホイール選択に制限がないことが挙げられます。多くのプロチームにも採用されています。
一方、欠点は非常に高価なことです。日本での価格は¥294,000~479,000と、一番安価な製品ですら他のどのPMよりも高価であるため、なかなか手が出せません。
PowerTap
SRMに次ぐ歴史と実績を持つのがPowerTapです。リアハブの内部が特殊な構造となっており、2対の歪センサーを備えたトルクチューブと呼ばれる部分が、フリーハブボディからハブフランジに回転力を伝達するときの歪によってハブトルクを測定します。一方、リードスイッチによりハブの回転を検出し、ハブ1回転あたりの平均角速度を求めてこの両者からパワーを算出しています。測定誤差は公称±1.5%以内とされておりSRMをしのぐほどですが、ユーザー自身による校正ができないため、常にその測定誤差が保たれているのかは疑問です。
クランクとチェーンを通過した後のリアハブでパワーを測定するため駆動系のロスを差し引いた値が計測され、正しく校正してあるSRMと同時に使用してパワーを計測するとやや低めの値が記録されます。
欠点は、ホイール選択が限られてしまうことですが、これはZippやBontrager、Mavicなどホイールメーカー側がPowerTapを組み込んだ製品のラインナップを充実させて来ており、徐々に解消の方向に向かっていると思われます。ただし、同一製品の通常版と比較すると200~300g程度重くなる欠点はあります。
また、クランクの回転と同期しておらず、1/60秒ごとの生の計測値を1.26秒ごとに平均してCPUに記録する方式となっており、ケイデンスによって見かけ上のパワー変動が記録されてしまう欠点があります。ただし、事後分析では1秒周期の変動は問題にしないことが多いため、実害はあまりないと思います。
最終更新:2009年05月12日 18:02