「おはようございます。よく眠れましたか?」
うぅ…頭が痛い。これが二日酔いってやつか。
こんなに酒を飲むのは初めてだったからな。昨夜の記憶もすっぽりと抜け落ちている。
昨晩、SOS団の合宿所となったこの別荘で豪華な料理に舌鼓を打ち、森さんにワインを勧められたところまでは覚えているのだが。
「わたしワインなんて飲むの初めてです~」
「そうね、どんな味なのかしら!」
飲んだことのないワインに団員たちは目を輝かせ、バッカバカと酒を煽った。
何しろ初めてだからな。自分の限界も分からないし、制限なんてかけられない。自分が酔っているのかどうかすら分からないのだ。
しばらくすると朝比奈さんは真っ赤な顔をして天使のような寝息をたて、長門は森さんが持ってくる酒類を次々に飲み干していき、
ハルヒは大声で騒ぎまくり皆に絡みまくっていた。迷惑なやつだ。
「いえいえ、貴女も涼宮さんに負けず劣らずの酒乱でしたよ」
な、なんですと!?
古泉が言うには、どうやら俺はハルヒみたく暴れまわり何か醜態を演じていたらしい。
「寝てしまいそうな貴女を部屋まで連れて行ったのまではいいのですが」
「ニヤニヤニヤニヤしやがって、何だよ」
古泉はいつものさわやかスマイルで俺に爆弾を落としてきた。
「いやぁ、いきなり服を脱ぎ始めて抱いて抱いてとせがまれた時は本当に驚きました」
「!!!!」
嘘だ!嘘に決まってる!お前、俺に記憶がないのをいいことにあることないこと言いやがって。
「冗談を言っているように見えます?貴女、本当に『こいずみ、おやすみのちゅーして?してくれないと眠れないよぉ』って言ったんですよ?」
気色悪い声マネするな!俺がそんなこと言うわけないだろう!?お前は嘘つきだからな、俺を騙そうったってそうはいかんぞ。
「そんなに言うなら証拠を見せましょう」
「な、何をだよ…」
ぎくりと肝が冷える。
「僕は貴女の下着の柄を覚えています。赤色のギンガムチェックですよね、とても可愛らしい」
「!!!!!!!!!!!!」
古泉は見事に俺の昨日のブラジャーの柄を当てやがった。
嘘!マジで!?信じられない!本当に俺は『おやすみのちゅーして?』なんて言ったのか!!?
「お、お、お前、俺の身体に何をしたんだくぁwせdrftgyふじこ!!」
「お、落ち着いてください」
「酔って意識が朦朧としている俺にあんなことやこんなこと!!」
「何もしてませんよ!」
「信じられない!!この外道!鬼畜!変態!レイプ魔!!」
混乱して我を忘れて暴れまくる俺に、古泉は笑顔のままで溜息をついた。
心なしか俺の反応を楽しんでいるようにも見えるぞ、このドS人間が。
「冗談ですよ」
「へ!?」
「貴女は昨夜、朝比奈さんと同じようにワインを少し飲んだだけですぐダウンしてしまいました」
固まったままの俺を無視して古泉は話を続ける。
「貴女がまったく覚えていないようだったので、ちょっとからかってみたくなりました」
今までの話は全て嘘です、と付け加えた古泉のニヤケ面に鉄拳を浴びせる。
後ろに倒れた古泉の腹にさらに蹴りを入れてやる。古泉は蹲ってゲホゲホと咳き込んだ。
「ご、ごめんなさい!!殴らないでください!」
「今さら謝りやがって、この嘘つき野郎!!手遅れだ!許さない!!殺す!!!」
俺は涙目で懇願する古泉の顔に、もう一発拳を振り下ろした。
◇◇◇◇
古泉は本当に訓練された嘘つき野郎で、この後の殺人事件まがいの喜劇に俺はまた騙され振り回された。
いい加減に俺も学習しなきゃいけないな。騙されるのは何度目なんだろう。
あのチンカス野郎、二度と口を聞いてやるものか。
「ん…?」
待てよ?変な疑問が湧き上がると同時に、体中に妙な悪寒が駆け巡った。
…何で古泉は俺の下着の柄を知っていたのだろう、と。
それに俺の身体に「何もしていませんよ!」と、そして「今までの話は全て嘘です」と古泉は言った。
…
……
………
うわああぁあぁぁlslsぁっぁぁぁっぁあああああああ!!!!!!!!!11!!!!!
おわり
最終更新:2007年07月15日 02:16