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やっぱりこの坂が平地だったらもう少し楽なのか?
セミの合唱のなかぬるい風に背中を押されながら歩く。あっちい。
スタミナはあるつもりだけどこれだけ長いと俺の足も重く感じる。鉛かコレ?
男子ならラクラクだろうがか弱い女子だぞ女子!ちったあ考えろよ校長。
でも下を見ても肌の色は正常だった。当たり前だけどな、銀色になってたらこええよ。
「おはよう、谷口」
鉛になってないか自分の足を調べていたら国木田が後ろから右肩をたたいてきた。
おー、はよ。

「どうしたの?下向いて」
ああ、ちょっとな。あまりに坂がきついから俺の足は大丈夫なのかと思って、ほら、「鉛になる」とか言うだろ。

「『鉛のように重くなる』だよ、足が鉛じゃ歩けなくなっちゃじゃない。谷口はバカだなあ」
国木田は口を大きめに開けて笑う、ひっでえなあ。
お前は男だからホイホイ上ったり下ったり出来るかもしれないけどな、俺はそうも行かないんだよ。
「どうしてさ、僕だって結構辛いんだよ?」
そんな「今ここまで車で来たんです」みたいなさわやかな笑顔で言われても説得力もクソもねえよ。
だいたいだなー、まずこんなトコに学校作るのがおかしいんだよ。山っつってももっと平地に作るとかよー、もっとあるだろ。
「そうだねえ」
おい話聞いてんのか
「ちゃんと聞いてるからどんどん喋っていいよ、ただ喋った分もっと疲れると思うけどね」
国木田はにっこり笑って俺を見た。

「ほら、手、貸して」

「あんでだよ」

「疲れてるなら引っ張ってあげようと思ったのに」

むっとした顔で早歩きをし、俺を置いてこうとする。

「待て!やっぱ手!」

「ん」

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最終更新:2007年07月25日 20:56