涼宮さんが世界を改変してから今日で丁度1年。
世界が改変された日、彼は僕が樹になったことを長門さんから聞いたようで、せめてもの償いなのか、改変された世界でも消えなかった僕への好意なのか、
昼食は必ずここで食べている。
人が木になるなんてよく信じられたなあとは思うけど、
信じられないことが立続けに起こっているのを何度も目の当たりにしていたからで信じざるを得なかったのだろう。
改変3日後に、意を決して「古泉はどうした」と言ったら涼宮さんに「誰よそれ」と言われたらしく、最初の方は樹の僕に文句を垂れていた。
喋れないのを知ってか知らずか。
そういう愚痴でも、日常のなんてことのない話でも、彼が喋るときは笑顔でいるだけでも出来たらと願ったものだ。
・・笑顔の浮かぶ樹は少々気味が悪いかもしれないけれど。
涼宮さんがもう一度謎の転校生を望んでくれたら僕はまたあの部室に入れるのかな。
もしそんなことがあったらその時は女の子にしてもらいたいな。
彼とボードゲームをして、朝比奈さんの淹れる美味しいお茶を飲んで、長門さんともちゃんと喋りたい。
でもその時は僕じゃないかもしれない。
まず転校生を望むかもわからない。
超能力者なんてどうでもいいと思うかもしれない。
毎日そんなことを思うけど、やはり無駄な想像はやめておこう。
一年も変わりはないのだから希望なんか持っていても仕方がない。
授業終了の鐘が鳴って5分もすると、今日も彼は僕の足下でお弁当を広げた。
不謹慎ながらも未だに僕はもう一度、世界改変を祈っている。
最終更新:2007年07月28日 19:46