クリスマス特別編SS
Gears Of HALO THE LYRICAL ~戦士達の聖夜~
注意!
このSSは基本的に本編とはあまり関係がありません。
また、時間軸等も基本的に無視しています。
頭を空っぽにしてあまり深く考えずに読み、また可能な方は脳内でそれぞれのキャラの声を脳内再生してください。
それではどうぞお楽しみください。
雪が静かに降り積もる夜。今年も残す所あと僅かとなった。
次元世界ミッドチルダの都市クラナガンでは、クリスマスというだけあって非常に賑わっていた。
人々は仕事を早めに片付けたり、豪華な料理を準備したり、プレゼントを買ったりと思い思いに過ごしている。
そして都市から少しだけ離れた場所、『機動六課』でも人々が慌ただしく動いていた。
機動六課の隊舎、その食堂。
いつもは太陽光を取り入れる天窓も、雪によって白一色に染まっている。
その食堂で一人の女性がカウンターの上で仁王立ちし、黄色いメガホンを口に当て、増幅された声で檄を飛ばす。
「はいはいー! みんな急いでやー! 直にパーティーが始まるでー!」
あちこちから『おー!!』と、威勢のいい返事が返ってくる。
機動六課の部隊長『八神はやて』。
手元の紙に視線を落とし、準備の状況を把握する。
「テーブルはこれでよし、直に買出し班が帰ってくるから、そろそろシェフを厨房に待機させて…」
ぶつぶつと呟いていると、巨大な何かを担いだ人影―――エリート族の戦士『アービター』が近付いてきた。
「はやて、これはどこに置けばいいのだ?」
「ん? ああ、それは食堂の中央にお願いしますわ」
了解、と短く返すとアービターは食堂の中央に巨大な何か、全長3mはあろう立派なモミの木を置きに向かう。
重量は間違いなく数百kgはあろうそれを、楽々と担いでいる。
戦車を引っ繰り返すどころか、戦車を素手で破壊できる彼にとって、モミの木を担ぐなど造作もなかった。
食堂の中央、そこだけテーブルが置いておらず、アービターはモミの木をゆっくりと床に置く。
クリスマス等という習慣がないエリート族にとって、モミの木は珍しいものであり。アービターは少しだけモミの木を眺めると別の作業に向かった。
アービターが去ったあと奇妙なヘルメット、具体的に言えば、ヘルメット前面目出し部分が『圭』の字になっている。
そんな珍妙極まりないヘルメットを被った、フルアーマーの技師が、手際よくモミの木に電飾を飾りつけてゆく。
「えーと、あとは…」
「はやて、椅子の数が足りねぇんだ、どうすればいい?」
次にはやてに話しかけたのは、頭にバンダナを巻いた厳つい男、『マーカス・フェニックス』
惑星セラ出身の彼は、というよりもGears Of War出身の面々は、全員が戦場でないのにも関わらずCOGアーマーを装着していた。
「えーと、せや! 物置にまだ椅子があったはずや、それを使ってください」
「わかった、物置だな…。カーマイン1号、2号。行け!」
「ちょっと待て!! 1号、2号って何だよ、せめてA、Bって呼んでくれ! 名前がそうなんだし!」
「てか、何で本編完結してないのに、2から初登場の俺がここにいるんだ?」
マーカスが『カーマイン1号、2号』と呼んだ人物。
カーマイン1号こと『アンソニー・カーマイン』、カーマイン2号こと弟の『ベンジャミン・カーマイン』。
アンソニーは抗議の声を上げるが、マーカスは一向に取り合う様子を見せない。
「いいから行け! 時間が無いんだ!」
「だからせめてA、Bと…」
マーカスのこめかみに青筋が立った。
「うるさいんです。アーニャ、ドーンハンマーを使う!」
「OK、衛星はオンラインよ♪」
すると、どこからともなくドーンハンマーの誘導装置を取り出し、アンソニーに照準を向ける。
お馴染みの電子音がリズムよく鳴り、そして―――
「いくぞ、ドーンh」
「わかったわかった!! 行けばいいんだろ行けば!! 来い、ベンジャミン!!」
「え? ちょ、待ってくれよ兄貴!」
言うや否や、アンソニーはローディーランで廊下の奥に消えていった。その後を慌てて弟のベンジャミンが、同じくローディーランで追う。
二人の姿が廊下の向こう側に消えると、マーカスは再び自分の持ち場に去る。
ふと、はやては出入り口に続く廊下を見た。
「そろそろ買出し部隊が帰ってくるころやな…」
呟くと同時に、廊下の向こう側から騒がしい声が聞こえてくる。
次いで姿を現したのは、買い物袋を幾つも持った集団。はやてがクラナガンに向かわせた『買出し部隊』である。
先頭はデルタ部隊、NO1のお調子者、オーガスタス・コールを始め、コールの親友デーモン・ベアード。ライフボート・プログラムによって徴兵されたディジー・ウォーリン。
更にその後ろには、人類最後の希望こと、スパルタン117 マスターチーフ。人類最強の男こと、エイブリー・ジョンソン。全身黒尽くめの集団、ODSTの隊員達。全員が両手に大量の買い物袋を抱えていた。
「デルタ買出し部隊、損害なくただいま帰還!」
「御苦労さま~、後は厨房にお願いします。まだまだ手伝いは残ってますよ」
「ったく、年末のこんなクソ寒い中、デパートも無茶苦茶混んでて大変だったんたぞ…」
「あはは、ご苦労様です。ベアードさん。」
はやての指示に従い、買い物袋を下げた連中がぞろぞろと厨房に向かう。
はやては知らないだろうが、買出しに向かったメンバーは、それぞれ別々の手段でデパートに向かっていたのだ。
ディジーは御馴染の相棒のリグ、ベティ。マスターチーフとジョンソンは4輪駆動のワートホグ。ここまでは良かった。
ベアードはお気に入りの戦闘車両、ケンタウロス。コールに至ってはローカストの生物兵器であるリーパー。そしてドムはこともあろうにブルマックに乗って、クラナガンのデパートの買い出しに向かったのだ。
更にODST達は、降下ポッドを使ってデパート付近に着陸。幸い負傷者は出なかったのだが、異様な集団の出現によって辺りが大騒ぎになったのは言うまでも無い。
危うく通報されそうになったのは、ここだけの話である。
「さぁ、仕上げやで!!」
「それでは皆さん、メリークリスマス!!」
『メリークリスマス!!』
仮設された壇上に立ち、音頭を取るはやて。彼女の高らかな宣言と共に、会場のいる各々は手に持った飲料を口に運ぶ。
一瞬だけ会場が、飲料を呑み込む喉越しの音だけになった。
「ぷはぁ!! やっぱ働いた後のキンキンに冷えたビールは最高だな!!」
「おいおいコール、飲みすぎんなよ。パーティーはまだ始まったばっかだぞ?」
GOWの面々は手に大ジョッキを持ち、注がれた黄金色のアルコールを次々に飲み干してゆく。
その中で早くも酔いが回ったのか、A・カーマインことアンソニー・カーマインは、近くにいたチーフに絡んでいた。
『フルフェイスのヘルメットを被っているのに、何で飲み食い出来るんだ?』という、野暮な突っ込みは受け付けないのであしからず。
「よぉ、兄弟!! 同じヘルメットキャラとして、これからも360を引っ張って行こうぜ!!」
「…兄弟?」
「そうそう。兄弟、兄弟!! あっはっはっは!!」
「兄貴…、箱時代からの大先輩に物凄く失礼だよ…」
その横で兄の行動を、申し訳なさそうに見つめる弟の姿があった。
「…」
「…」
「なぁ、あの二人何してんだ?」
「さぁな…、パーティーが始まった時からずっとあのままだ…」
ヴィータとドムの視線の先、そこには至近距離でじっと互いを見たまま、微動だにしない人物が二人。
COGの兵士であるマーカス・フェニックスと、UNSCの軍人であるエイブリー・ジョンソン。
ドムの言った通り、二人はパーティーが始まってから何も口にせず、何も喋らず、ひたすら互いの顔を見ている。
しかし、ついにその沈黙が破られた。
「自己紹介が遅れたな。俺の名前はマーカス・フェニックス。COGに所属する兵士、階級は軍曹だ」
「UNSC所属、エイブリー・ジョンソンだ、階級は軍曹…といっても元、だがな。今の階級は上級曹長だ」
互いに簡単な自己紹介を済ませる二人、そのやり取りを見て、ふと、ヴィータがあることに気が付いた。
「あれ…、あの二人…」
「どうしたんだ?」
互いに見詰め合ったまま、マーカスとジョンソンが同時に口を開く。
「それにしても…」
「俺たち…」
『他人とは思えないな』
そして締めにヴィータの発言。
「声が同じだ!!」
会場の面々に程良く飲料とディナーが回り、談笑しながらパーティーを楽しんでいるころ。ベアードは見知った顔が、いつの間にか消えていることに気が付いた。
辺りを見回すが、姿が一向に見えない。とりあえず近くにいた同僚に聞いてみることにした。
「なぁ、コール見なかったか?」
「あ? コールか? そういえばいつの間にかいなくなってるな…」
「トイレにでも行ったんじゃねぇか?」
「いや、それなら俺に一声かけるだろうし…」
マーカスとドムに聞いてみるも、同じく行方は知らないらしい。
ディジーとカーマイン兄弟にも聞いたが返答は同じ。ちなみにカーマイン兄弟に聞いた際に、兄が酔った勢いで生意気な口を利いたため、一発殴った。
悶絶する兄を後に改めて会場を見回すが、やはり姿は無し。一旦会場を出ようかと考えたその時、視界が真っ黒に染まった。会場の明かりが一瞬にして落ちたのだ。
突然の事態に会場はどよめく。そんな中、暗闇を響き渡る声。
「はーい、皆さん。落ち着いてくださーい!! 復旧作業に入りますので、その場を動かないでくださーい!!」
聞こえたのは快活なはやての声。指示通り全員が動きを止め、復旧を待つ。
黒一色の中、青白く光る『縦線』と『圭』が、壁の配電盤に向かって動いていた。
壁と思われる場所で動きを止めると、次に何かが開けられる音が響く。圭の光が何かをしばらく覗き込み。振り返ると光が横に揺れる。
「え、配電盤に異常は無い?」
光は縦に揺れ。再び配電盤の中を覗き込んだ。詳しく調べているらしく、カチャカチャと何かを弄る音が聞こえる。
暗闇の中、はやては突然証明が落ちた理由を考えていた。珍しく顎に手を当て、闇で表情は窺がえないが真剣な顔で考えていた。
その時、
『YO! Baby!!』
暗闇に響く声。
『今年1年、ママの言うことを聞いて良い子にしてたかな?』
会場がざわめきだす。
『今日は待ちに待ったクリスマスだ!! プレゼントを配るのはこの俺、真っ赤な服を着た…』
ざわめきは最高潮に達し、そして、
『ザ・コーーーーーーーール、サンタだ!!!』
突如流れるクリスマスソング。幾つものスポットライトが、食堂の出入り口の一つを集中的に照らす。
両開きの扉が勢いよく開かれ、そこに立っていた人物は、
「おい、なんだよその格好…」
ベアードが指を指しながら腹を抱え、必死に笑いを堪える。一瞬遅れて会場の面々が一斉に笑いだした。
入口に立っていた人物。先ほどの演説の通り真っ赤な服を着ている。腕は黒く、そして丸太のように太い。頭にはお馴染みのサンタの帽子を被っている。
入口には、大きな袋を担いだサンタ服のコールが立っていた。
コールの登場から数十秒経つが、会場の笑いは収まる様子を一向に見せない。
「へ! そうやってサンタを笑うやつには、プレゼントはやらねぇぞ!!」
コールが冗談めかして喋り、更に笑いを誘う。
ふと、腹を抱えて爆笑していたマーカスが、『ソレ』の姿を見て一瞬で笑いが止まる。
隣で同じく爆笑していたドムも親友の異変に気付き、大きく見開かれた目の先を辿って、同じように動きを止めた。その動作は次々と伝播し、やがて会場は沈黙で満たされる。
突然、沈黙した面々をコールは訝しげに見回し、首を捻った。
コールのすぐ隣。その頭には、大樹の枝のような太く立派な、幾つも枝分かれした茶色い角。
全身は触り心地の良さそうな、ふさふさの茶色い体毛。極めつけは鼻の頂点に付いた、真っ赤な丸鼻。
これだけの特徴が揃えば正体は言わずもがな、歌にも出てくるサンタさんの大切なパートナー。真っ赤なお鼻のトナカイさんだろう。
しかし、正確にはコールの隣に立っているのは、トナカイさんではなかった。
具体的に言えば、トナカイの気ぐるみを着たベルセルクが立っていた。
会場の人々がベルセルクの姿を見てから1秒、2秒。そして10秒が経過した。
「おい、みんな。どうしたんだよ?」
コールの声を皮切りに皆が覚醒。最初に声を張り上げたのは、マーカス。
息を大きく吸い込み。肺に空気を満たす。次の叫びに全ての空気を吐き出した。
「ベルセルクだ!!」
マーカスの叫びを合図に、GOWの面々はどこからともなく御馴染、『ランサーアサルトライフル』を取り出す。
コッキングレバーを引いて装填。素早く手近な遮蔽物に飛び込み、身を隠す。
チーフとアービター、ジョンソンにODSTのメンバーも素早く武器を取り出す。
チーフはMA5Cアサルトライフル、アービターはエナジーソード。ジョンソンはスパルタンレーザー。ODST達はM7ケースレス・サブマシンガン。
機動六課勢も一瞬の内にバリアジャケットに着替え、デバイスを構える。10秒足らずで陣形が形成された。
マーカスが耳の通信機に指を当て通信を入れる、何時ものやり取り。
「アーニャ、今すぐドンハンマーをt」
「ダメよ! ドーンハンマーは使えないわ!!」
ベルセルクが現れたのにドーンハンマーが使えない。だとしたら『あの』台詞しかない。
「わかった、じゃあプラn」
「あ? ねぇよんなもん」
言い終える前にドムが発言を遮る。マーカスが凄まじい形相でドムに掴み掛かった。
「ドム! プランBだぞ! わかってるのか!?」
「もういい加減そのネタは飽きたんだよ!! お前一人でやるネタならまだしも、俺まで巻き込むな!!」
「寝惚けたことをほざくな! 俺たち最大の見せ場を潰す気か!」
「もう、うんざりなんだよ!! キャンペーンじゃお荷物だの仕事しろだのニートだの言われるわ、オンラインでもあまり使ってもらえない奴の身にもなれ!!」
ドムの後半の発言を聞いた瞬間、マーカスの形相が更に凄まじいものなった。
「オンラインに関してはこっちの台詞だ!! 俺は主人公だからオンラインじゃ殆ど使われてないんだぞ!!」
「知るかボケ!! ブルマックに喰われちまえ!!」
「何だと!!」
マーカスとドムが低レベルな争いをしている中、他のメンバーは得物を構えてベルセルクの様子を窺がっている。
見かねたコールが声を張り上げた。
「おいおい、落ち着けって! 安心しろ、こいつは安全なベルセルクだ」
『安全なベルセルク?』
コールの言葉に全員が呆けた表情をする。
ベルセルクは視覚が退化し、目が殆ど見えない代わりに、聴覚と嗅覚が異常に発達している。
これだけ大騒ぎになっているのに、当のベルセルクは微動だにしていない。その様子を見て、一先ずコールの言い分を信じる人々。
ドムとの闘争は一先ず待ち、マーカスが詰問。
「コール、このベルセルクはどういうことだ? 説明してもらおうか」
「ああ、わかったわかった。だから落ち着けって」
両手を突き出し、マーカスを宥めるコール。
「このサプライズは前から計画していたんだがな、肝心のトナカイ役が見つからなくってよ。クラナガンでトナカイ役の募集をしたら、こいつが応募してきたって訳だ」
「…お前、面接とかしなかったのか?」
「クリスマスパーティー間近だったからよ、んなもん一々してられっか。それに色々なバイトしながら生活してるらしいから、信頼はできると思ってよ」
コールの言葉を聞いてはやてを睨むマーカス。慌てて弁解するようにはやてが説明を始めた。
「えっと、ミッドチルダは次元世界やし、実際クラナガンにも亜人や獣人みたいな種族は沢山おるで?」
「だからと言ってベルセルクまで生活できるのか?」
「んなこと言われても…、私は入国審査をやっている訳やないし…」
「ああ…、もういい…」
呆れかえり、マーカスは理解することを放棄した。一先ず場が収まり、改めてプレゼント配りを始めるコール。
ベルセルクはコールの倍近くはありそうな、巨大な袋を担ぎ動き出す。向かった先は金髪を左右に小さく結った小さな女の子。ヴィヴィオの元へ。
ヴィヴィオの目の前に着くと、袋の中に手を突っ込み中を探る。袋から出てきた手が握っていた物は、
「うさぎさ~ん!!」
ヴィヴィオの背丈以上の、大きなウサギのヌイグルミ。目を輝かせ抱きつくヴィヴィオ。嬉しそうに頬ずり。
トナカイベルセルクにお礼の言葉を述べると、どういたしまして、と言わんばかりにトナカイは小さく手を振った。
幼い少女の満面の笑みを見て、皆が小さく笑みを零す。
「さぁ、プレゼントが欲しい奴は俺の所に来な!!」
皆がプレゼントを受け取り、深夜に近づく。そろそろ時計の日付が変わりそうな時間になった時。
「ママ!! あれ見て!!」
ヴィヴィオが海に面した食堂の大きな窓を指差す。指を指す方になのはが視線を動かし、その光景を瞳に映した。
白い雪のカーテンがかかった、真っ黒な夜空に咲く色とりどりの大輪の華。一瞬の華やかさを演出しては、闇に散ってゆく。
「おー、そういえばクラナガンでも、クリスマスイベントをやっとったなぁ」
「見事だな」
「はっはっ、今日はめでたい日だ」
皆が思い思いに感想を述べ、花火を見つめる。
今宵はクリスマス。戦いに明け暮れる戦士達に、一時の休息を。
メリークリスマス
オマケ
「ただいま~(CV釘宮理恵さん)」
コンクリート造りのマンションの一室に、可愛らしい声が響く。
しかし、声を発した人物、否、異形は全身が異様に隆起した地底人であった。
「あ、おかえり。ベル子」
部屋の奥からフルフェイスのヘルメットを被り、エプロンを巻いた男が姿を表す。
「遅れてごめんね、量(CVくぎゅ)」
「気にしないよ、それより早く料理を食べよう」
リビングの中央に置かれたテーブルの上、そこには見ただけでも食欲を刺激する。豪華な料理の数々。
「すごーい!! これ全部、量が作ったの?(CVクギミ―)」
「まぁね、さ、食べよう食べよう」
椅子に座り、手を合わせ感謝の言葉を口にする二人。二人っきりの食事が始まった。
「あのさ、ベル子」
「ん? 何かしら?(CVツンデレクィーン)」
ヘルメット男が何やら懐を探っている。何かを掴み、その手を差し出した。
その手に握られていた物は、
「わぁ、ありがとう、量!(CVくぎゅうううううう)」
丁寧にラッピングされ、可愛らしいリボンが巻かれた箱。クリスマスプレゼント。
「なんとかデパートに駆け込んで手に入れたんだ、詰らないものだけど…」
「ううん、気持だけでも嬉しいわ(CVルイズ)」
白く、そして一本一本が異様に太い指が、箱を受け取る。胸で抱き抱え愛おしそうに撫でた。
「メリークリスマス。ベル子」
「メリークリスマス。量(CVナギ)」
今宵はクリスマス。
全ての人々に祝福を。
メリークリスマス!!
最終更新:2009年12月27日 00:44