<王子とカスケの脳内討論会>


フェンネル:メルリースとは、「少女が願った世界」なのか?



カスケ:おお。
今までの問い全ての中で、一番のニアミスじゃな!
しかし、肝心要の部分があさってじゃなあ!(笑)



フェンネル:肝心かなめ、「誰が」願ったのか? という部分か?
ならば言い方を変えよう。
メルリースとは、「メルリース」が願った世界なのか?
なんだか、メルリースとは何か聞いているのに、偉く哲学的な言い回しではあるが。



カスケ:おお!!
遙か彼方へ遠ざかった!!あっぱれじゃ!(大笑)



フェンネル:メルリース、それは「少女の願い」
違うだろうか??



カスケ:ふうむ。
惜しいのう。いろいろと。
しかし。
おぬしは肝心な部分がずれておるのじゃよ。



フェンネル:「少年の願い」
つまりエティックの…。(あっという顔で何かに気づいた)
エルヴィカの描いた「ウェーブの金髪の少女」をカスケにみせて彼女を、そっと示して。)
メルリース。
それは「この」少女の願いだ。
違うか??
そうすれば、エティックはメルリースだ。
彼は最初から、嘘などは云っていなかった。
メルリースを倒そうとするものがいることもうなずける。



カスケ:ふうむ…。
どうやら、王子は、英知の主たる魔術師よりも先に、真実の扉を開きそうじゃのう。
いくらでも問うがいい。
しかし、まだ真実に到達しておらぬ今だから言おうぞ。

もし、『正解』に辿り着いても、儂は、シャノンが扉を開けるまで、詳細の説明はせぬ。
それは英知を鍵に持つ者のすべきことゆえにな。
だから、シャノンが正解に辿り着くまで、奴の努力を無下にせんよう、心の中にしまっておいてくれ。

フェルネリアン
その絵の少女を指し示した行為、見事。
しかし、その答えは、『儂の答えとは違う』。

正直なところ、おぬしの答えのほとんどは、『メルリース』で違いない。
それが正解だという者もこの世にはおろうよ。
しかし、儂にとっての正解でないと、儂は頷くことはできん。
それだ、と告げることはできん。

儂の中の答えは唯一無二、過去から現在、未来においても、決して変わらぬひとつの答えである故にな。



フェンネル:わかっている。
たとえ余が先に「メルリース」とは何かという問いにたどり着いても、
シャノンに「答えを」こっそり耳打ちすることはしまい。
それは、シャノンの役目だから。

では、いくらでも問うがいいといういう答えを受けて、再び問おう。
メルリースとは、
「(絵の少女を引き続き示して)この少女の願った世界」
おそらく、ソニアと出会った場所で見た、
●●と●●を護ってくれるような、幸せな世界……。
あるいは、メルリースとは「この少女の願う「幸せ」な世界。」
そして「少女の願いを叶えるもの」のことではないか?



カスケ:ほっほっほっほ。
どうも、王子は、違った方向に目線が向いていて、しかもそこに囚われ続けていると見える。
全ての真実はな、あっけなくもシンプルなものじゃ。
最初、おぬしがあさっての回答をし続けたのは、シンプルからほど遠かった故よ。



フェンネル:シンプルに…。
(絵の女性を指ししめして)「彼女が」メルリースだ。



カスケ:……。
認めようぞ。
その少女こそがメルリース。
我が答え。

だが。
まだ完全なる答えに達してはおらぬ。

『その少女は何者か?』

ただ「彼女」というのは、エルヴィカが見た記憶に頼っておるだけ。
上記に答えてこそ、真の答えなり。



フェンネル:賢者よ。メルリースはメルリースではないのか?
先ほど卿が、あわれむことなく、虚実にすり替えることなく、たてまつることをするなかれと云ったであろう。
メルリースとは何者か。
答えは、「ただの少女」ではないのか。
それが我々の探し求めていた答えではないのか?



カスケ:フェルネリアン王子よ。

見事!!

一字一句まごうことなき答え。

メルリースとは、『ただの少女』。
なんの力も持たぬ、平凡で、優しい心持つ少女。
ただの人間。

それが真の答えじゃ!!

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最終更新:2017年07月07日 20:53