わざわざ探すのめんどくさいので張っておく。
6556 名前:隔壁内の名無しさん[sage] 投稿日:2016/07/14(木) 22:36:01.43 ID:up7bK3vF [102/106]
6549
甘粕総力戦論文改
『総力戦に対応する国家改良の理想型(国内経済編)』
●第1章 総力戦の骨子●
■1-1■総力戦の敗北
総力戦とは、国家が国力をぶつけあい、相手が敗北の条件を満たしたときに勝利する、戦争の新形態である。
総力戦において、国家は以下の条件を満たしたときに敗北する。
- 人口の崩壊……国家が人口不足で食料生産と動員兵力、軍需産業を維持できなくなったとき、敗北する。
- 士気の崩壊……国民が総力戦続行の意志を維持できなくなったとき、敗北する。
- 資源の崩壊……国家が兵器生産と輸送のための資源を消費できなくなったとき、敗北する。
■1-2■総力戦の敵
総力戦を敗北に導く敵とは、国家を「人口の崩壊」「士気の崩壊」「資源の崩壊」に導く要素である。
本論文では以下の10項目を【総力戦の敵】として否定する。
- 国民の死亡……人口の崩壊を導くため、国家は国民を無益に死なせてはならない。
- 非効率産業……食料生産と軍需産業維持に必要な人口が増えるため、国家は人口の崩壊を防ぐために産業を効率化しなけれなばらない。
- 排他主義……人口の崩壊と士気の崩壊を招く。自分と異なる意見に対して、批判は必要だが、それが排除につながってはならない。
- 排外主義……資源の崩壊と人口の崩壊を招く。総力戦は1国のみで国防が成り立つとはかぎらない戦争形態であるため、
いたずらに外国人を批判し排除してはならない。
- 同化主義……過剰な同化政策は民族的な反発を生み、士気の崩壊と資源の崩壊につながるため避けなければならない。
- 無政府主義……総力戦の要となる国家を否定する者は、【排他主義の否定】の例外として排除されなければならない。
- 原理的共産主義……原理的な共産主義は指導層の意欲を減じ「士気の崩壊」に導くので、極力避けなければならない。
- ソ連的共産主義……一部指導層が特権階級となる共産主義は、実体が理念と異なることで一般国民を士気崩壊に導くため、極力避けなければならない。
- 倹約主義……平時の倹約主義は資源の生産技術と生産規模を鈍らせ、資源の崩壊を近づけるため避けなければならない。
- 孤立主義……国際関係において孤立することは、人口の崩壊と資源の崩壊を招くため、避けなければならない。
■1-3■幸福とは
幸福とは、人間が現状に満足し、さらなる未来に向けて希望を持てる状態のことである。
「排他主義」「排外主義」「同化主義」「無政府主義」「共産主義」は、
みな国民の幸福が不足したときに、その原因を他者に求めるあまり生まれる思想である。
これらの「総力戦の敵」を排除するため、国家には国民を幸福にしなければならない。
■1-4■平時の幸福と有事の幸福
幸福の内訳は、平時と有事で異なる。
○平時に求められる幸福
- 衣食住の充実 ・安全 ・健康 ・希望ある政治
- 余暇 ・物質的豊かさ ・精神的豊かさ
○有事に求められる幸福
- 衣食住の充実 ・安全 ・健康 ・希望ある戦争指導
- 勝利
衣食住、安全、健康、希望ある指導を【基礎的幸福】
「余暇」「物質的豊かさ」「精神的豊かさ」を【平時の幸福】
「勝利」を【有事の幸福】と定義する。
■1-5■幸福を国防力に転換せよ
【平時の幸福】すなわち「余暇」「物質的豊かさ」「精神的豊かさ」は、有事には必須とされない。
よって有事においては、【平時の幸福】を作り出すために消費していた国力を、国防のために振り分けることが可能になる。
つまり【平時の幸福度】とは、有事にどれだけの比率で国防力を高められるかを示す指標であり、
国民人口×(平時の軍事力+【平時の幸福度】)
が、総力戦において国家が発揮しうる国防力の限界となる。
すなわち【平時の幸福】により多くの国力を裂く国家こそが、
総力戦で大きな国防力を手に入れ、勝利を得るのである。
■1-6■国防力の評価 (※アメリカはすげえぞ!)
他国の軍事力を評価する際は、平時に有している軍事力よりも、
むしろ国家が【平時の幸福】に裂いている国力の総和を見るべきである。
【平時の幸福】に多くの国力を裂く国家との総力戦は、きわめて困難なものとなる。
●第2章 新時代の産業構造●
■2-1■旧来の産業構造の問題点
従来の経済理論では、産業とは、
国民の衣食住をまかない、流通させ、国家を防衛するための諸物資を生産する事業のことを指していた。
旧来の産業構造は、国民が衣食住を十分に満たすことだけを求めて作られているため
人材を国防に引き抜かれるとただちに物資生産が滞り、【基礎的幸福】を満たす物資が不足する。
そのため基本物資不足による「士気の崩壊」と、生産停滞による「人口の崩壊」を、容易に招く。
旧来の産業構造は総力戦に対して脆弱であり、国防のためにはこれを作り替えなければならない。
■2-2■総力戦に対応した、新時代の経済構造
総力戦に強い経済構造とは、人材を国防に引き抜かれても、
【基礎的幸福】を満たす物資を生産し続けることが可能な経済である。
そのためには、産業界は常に余剰生産力を保有し、総力戦による生産力低下に備えなければならない。
ただし、生産力は活用されなければ死に金となるため、何らかの形で活用されるべきである。
ここで、本論1-4で解説した、平時に求められる幸福に立ち戻る。
○平時に求められる幸福
・衣食住の充実 ・安全 ・健康 ・希望ある政治
・余暇 ・物質的豊かさ ・精神的豊かさ
このうち「衣食住」「安全」「健康」「希望~」は、平時にも有事にも求められる【基礎的幸福】である。
そのため総力戦に対応する余剰生産力は、有事には必要とされない【平時の幸福】、
すなわち「余暇」「物質的豊かさ」「精神的豊かさ」を満たすための産業であるべきである。
【平時の幸福】を生み出す産業のことを、本論では【幸福産業】と称する。
■2-3■幸福産業の一例
幸福産業とは、生活のために必要十分量の物資ではなく、
ただの物資よりも【付加価値】がある物資を生産したり、
生活のためには特に必須でない、満足を得るための物資を生産する産業である。
以下に幸福産業の一例をあげるが、これはあくまで一例であって、
幸福産業は今後これ以上に多種多量になる、なるべきであることを特に明記する。
○余暇系の幸福産業
・旅行 ・映画
○物質的幸福産業
・趣味的服飾 ・美食 ・ラジオ ・自動車
○精神的幸福産業
・出版 ・遊戯 ・業務代行(洗濯業、清掃業など)
■2-4■需要の創出
幸福産業を成立させるためには、国民が幸福産業に価値を見出し、代金を支払わなければならない。
そのため労働者は、【基本的幸福】を満たして余りある賃金、すなわち【可処分所得】を受け取れなければならない。
また、労働者には幸福産業を消費する【余暇時間】が与えられなければならない。
よって、幸福産業成立のためには、可処分所得と余暇時間が必要である。
■2-5■最低保証賃金と保護産業
国民が【可処分所得】を獲得し、幸福産業に代金を支払えるように、
国家は法律で【最低賃金】を設定し、幸福産業の保護を行うとともに産業評価の基準とするべきである。
なお、最低賃金の適正値は国家の外交環境、技術、資源状況によって左右されるため、慎重に決定されなければいけない。
ただし最低保証賃金の最低値は、一家が【基本的幸福】を満たせる金額とし、これより下回ってはならない。
一般的に、労働者の賃金を引き上げることは、産業の収益率を低下させ、国際競争力の低下を招くとされる。
これは一面において事実だが、高い水準の賃金は、労働者の離職率を下げ、熟練労働者の誕生による生産の効率化につながることに留意すべきである。
資源環境の不利、技術の未熟などで最低賃金を支払えない企業は、
国民の幸福拡大に寄与しない不良企業であるため、事業を終了し、他事業者に労働力を開放するべきである。
不良事業者を駆逐するための企業間のコスト競争は、労働条件が守られるかぎりにおいて大いに推奨されるべきである。
または本論3-2の相互補完経済理論にもとづき、事業の大半を友邦にゆだねるべきである。
なお、その産業が国家にとって必要不可欠なものである場合、
国は産業の保護政策をとり、労働者に【可処分所得】が発生する賃金水準を維持しなければならない。
■2-6■労働時間
労働者の労働時間は、1日8時間、週40時間を限度とし、これを越えるべきではない。
これを超える労働時間は、1ヶ月につき合計40時間を越えてはならない。
超過労働には追加賃金の支払いを義務づけ、企業が40時間労働を守る意欲とするべきである。
本基準の狙いは【労働効率】と【余暇時間】にある。
○労働効率
労働者の労働時間と作業効率の相関関係は、内外の研究により、1日8時間の労働が最良であるという科学的結論が出ている。
総力戦の準備期間たる平時には、もっとも効率の良い労働を行い、人的資源の余力を温存することで、
有事には労働者の労働期時間を増やして、無理なく生産量を増加させることが可能になる。
○余暇時間
幸福産業の消費のためには、毎日業務終了後の自由時間や、
1週間に2日連続の休日があることが必要である。
業務終了後の余暇時間は娯楽産業の、毎週の連休は旅行産業や自動車産業の発展をうながす。
また、有事には労働者の休日を減らして、無理なく生産量を増加させることが可能になる。
なお、農業従事者に関しては、農業の特殊な事情をかんがみ、これを大幅に緩和した特例基準を設けるべきである。
■2-7■生産の効率化と労働者教育
産業の技術は日々進歩しており、労働力の集約と機械の導入だけが生産性を高めていた時代は終わりを告げつつある。
企業の生産性を向上させるためには、労働者はただ与えられた仕事をこなすだけでなく、
業務がスムーズに進み、生産性と品質が向上するように知恵を絞らなければならない。
また、経営者は、進んだ作業管理、品質管理技術を学び、自社の仕組みを改良し続けなければならない。
そのためには労働者、経営者ともに、現在よりも高い教育を受け、自己の価値を高めなければならない。
よって国民の教育レベルを高めるため、中学校教育の義務教育課を目指すべきである。
この前提は工業、商業だけでなく、農業にもあてはまることを特に記す。
■2-8■幸福産業の敵
幸福産業の敵は、【搾取】と【サボタージュ】である。
経営者による【搾取】は、労働者の【可処分所得】と【余暇】を奪い、
幸福産業の成立と国防力の強化を妨げるため、駆逐されなければならない。
労働者による【サボタージュ】は、企業の経営状態を悪化させ、
財の生産の停止により国民の幸福を妨げる。
ゆえにスト権は、これを認めてはならない。
■2-9■労使協調と業務改善命令
搾取とストを防止し、よりよい企業経営を導くため、
経営者と労働者は、たがいに協力して、企業の業績向上と幸福の向上に取り組まなければならない。
本項ではこの概念を【労使協調】と呼称する。
労使協調の実現のため、『労働組合』を国家の制度として公認し、
労働者の「団結権」と「団体交渉権」を公認するべきである。
なお、「スト権」はこれを認めてはならない。
労使協調が正常に行われているかどうか、企業の経営が健全に行われているかどうかを査察するため、
国家は経営者または労働者の求めに応じて、労働管理についての優れた知識を有する【労務管理委員】を派遣するべきである。
労務管理委員は、労使双方の主張を精査し、操業の実体を把握することで、「業務改善の指導」を行うべきである。
労務管理委員の汚職を防ぐため、査察の結果は労務管理委員会で精査し、
1企業に対して順次複数の委員を派遣して不正の防止をはかるべきである。
■2-10■信用の拡大
国民を年齢層ごとに分けて分析すると、消費意欲が高いのは若年層である。
だが若年層は、結婚資金の積み立て、自宅の建設などの目的で、賃金を貯め込んで使わない傾向がある。
消費は経済を成長させる原動力であり、若年層の消費意欲が消費につながらない現状は改善されるべきである。
よって本項では、企業の給与の銀行振り込みを推奨し、
給与が銀行振り込みで与えられる社員に対して、住宅購入のための「信用」が与えられるべきだと主張する。
これにより資金の流動性が向上して経済が活性化し、国力が高まって、よりよい国防体制を築くことができる。
■2-11■有事の労働条件
上に記した労働条件は、すべて平時の【幸福産業】を成立させるためのものであり、
国家有事となり幸福産業を停止する際には改められるべきものである。
国家は平時の体制で築いた余力を総動員して【基礎的幸福】の充足と【軍需の充足】に力を注ぎ、
人的資源を軍事に投入して総力戦に勝利しなければならない。
●第3章 貧困●
■3-1■貧困の打破
貧困とは、金銭的な理由で幸福が満たされない状況を指す。
貧困は「排他主義」「排外主義」「同化主義」「無政府主義」「共産主義」のうち、
特に「排外主義」「共産主義」の浸透を導くため、打破されなければならない。
■3-2■貧困の要因
貧困を打破するために必要なのは、第一義的には「高い賃金」である。
つまり一般労働者の賃金が高いことは、幸福産業の充実による国防余力の強化のみならず、
「排外主義」「共産主義」を打破するための必須条件である。
ただし、一般労働者の賃金が高くても、以下のような要因によって貧困は発生する。
- 長期の傷病
- 失職、求職
- 世帯主の死亡
- 老衰による失職
- その他のやむを得ない理由による就労不能
国家は制度面で、貧困の発生を防止しなければならない。
なお、以下に挙げる制度は努力目標を含む。
国家が【基礎的幸福】を完全に満たすことが最優先事項であり、
【平時の幸福】に国力を振り分けられるようになってから実現するべき事項であることを特に明記する。
■3-3■国民皆保険
疾病や負傷の治療によって多額の費用がかかることは、貧困の一因となるだけでなく、
治療費不足による死亡が人口の崩壊につながり、疫病の蔓延による生産力の低下と社会不安を招く。
よって、すべての国民が少ない金銭負担で医療行為を受けられるよう、
国家が国民の医療費を一部肩代わりする制度を設けることが望ましい。
本制度は医療従事者の数を増やし、有事における戦場医療の向上に寄与するため
総力戦の遂行能力を高める制度であることを特に明記する。
■3-4■休業手当と失業手当
突発的事態による収入の消失は、継続的貧困の起因となる。
よって、負傷や疾病で業務に従事できない期間、生活を保つための少額の金銭が支払われるべきである。
休業手当は、やむを得ない事情で業務に従事できない者に一時金を与える制度であり、企業と労働者によってまかなわれるべきである。
失業手当は、失業者が次の職を見つけるまで一時金を与える制度であり、国家によってまかなわれるべきである。
■3-5■母子手当
本邦では高額の賃金を得られるのは男性であり、何らかの理由で父親を亡くした母子家庭は、
親族の援助がないかぎり例外なく貧困に陥り、拝外主義者や共産主義者の浸透を招く。
よって、母子家庭の母子が貧困なく暮らせるよう、国家が金銭的保護を行うべきである、
■3-6■国民皆年金
本邦においては医療の急速な発展で平均年齢が高まっている。
就労可能年齢終了後の老人が、収入を失って貧困に陥ると、
短期的な利益で老人票を集める、近視眼的な政治団体が指示を集める恐れがあり、国家の総力戦遂行能力を損ねる。
よって、老人の貧困も避けなければいけない。
よって、現役世代を終えたた老人の生活を金銭的に支援する制度が必要である。
本制度は適用対象となる人数が多いため、実現の方法にはさらなる議論を求める。
■3-7■生活保護
四肢の欠損、視力の喪失などで生活能力を失った者は、収入を得ることができず貧困に陥る。
なんらかの事情で最低限の収入を得ることが出来ない者は、国家がその最低限の生活を保障するべきである。
■3-8■累進的課税
貧困層から税を多く取って社会の反動勢力になることを防ぐため、
所得に対する税は比率的にも「高額所得者から多く取る」べきである。
●総 論●国防とは幸福である
国家を総力戦の勝利に導くのは、国民のたゆまぬ愛国心と、
軍需物資を絶えることなく生み出し続ける国力に他ならない。
戦禍による産業人口の減少に耐え、士気を維持して軍需物資を供給し続けるためには、
「国民に幸福を与えてくれる国家を守る」という、国民の自発的な国防意志が必須の要件となる。
すなわち国家にとって最良の国防兵器は、【国民の意思】であるということを意識しなければならない。
【国民に幸福を与える、陛下の国を守りたい】という意志こそが、国家防衛と勝利を導き出すのである。
よって本邦の指導者は、陛下の統治による恩恵を国民に実感させるために、身命を賭して任務にあたらなければならない。
甘粕総力戦論文改
『総力戦に対応する国家改良の理想型(国際編)』
●第4章 総力戦を前提とした国際関係●
■4-1■【資源の崩壊】を防ぐための多国間関係
1-2で示したとおり、総力戦を敗北に導く三大要因に【資源の崩壊】がある。
これまでの歴史において、列強間の戦争とは、当事国どうしが紛争勃発時点で保有している兵力をぶつけ合う、限定的な戦争であった。
だが先の世界大戦により、新世代の総力戦では、世界の半分が敵に、半分が味方になる可能性が提示された。
このような戦争形態においては、戦争の開始とともに複数の国家との貿易関係が停止される可能性がある。
本邦は、産業の必須資源の多くを列強からの輸入に頼っており、列強との関係悪化が必須資源の喪失に直結する環境にある。
我々はこの現実を真摯に受け止め、国際社会のなかで【資源の崩壊】を防ぐべく動かなければならない。
■4-2■仮想敵の設定と不足資源の事前想定
総力戦を企図するにあたり、どのような勢力がわが国の仮想的勢力になるのかを把握するため、
外交、軍事を含む対外活動に臨む者は、常に国際政治の状況を把握し更新し続けなければならない。
一例をあげると、現在の世界には以上のような主要プレイヤーがいる。このうちどことどこが手を組む可能性があるか、
それによりどの資源が不足し、おぎなうにはどの勢力と敵対できないのかを常に把握する必要がある。
- アメリカブロック
- 大英ブロック
- フランスブロック
- ドイツブロック
- オランダ・ベルギーブロック
- ソ連ブロック
- 支那
- 扶桑
きわめて重要な知見として、アメリカ、英国、フランスは関係が近いため、
この3ブロックは国防において同盟を結ぶ可能性が高い。
この3ブロックを同時に敵に回すことはあってはならず、
いずれかと敵対する際は濃密な外交工作で3ブロックの連合を崩すことが肝要である。
■4-3■自給困難な重要資源の確認
総力戦を遂行するにあたって重要な資源はいくつもあるが、
現在のわが国、すなわち本土、朝鮮、台湾において、必要量の自給が困難とされる資源を以下にあげる。
○産出するが、必要量が過大なもの
・石炭
・鉄鉱石
・石油
・安価な繊維
・タングステン
○わが国に産出しないもの
・天然ゴム
・ニッケル
(・アルミニウムはまだ必須資源化していないので論文には含めない)
特に重要なのは石炭と鉄鉱石、石油である。
■4-4■正貨、財閥、国産
総力戦の遂行は、平時の経済成長と戦時の戦力投射の2段階に分けられる。
平時の経済成長を遂行するうえで重要なのは正貨、すなわち金である。
金鉱山の採掘、あるいは他国から金を獲得することで通貨の増刷が可能になり、
国民の手に渡る通貨が増えて幸福産業が成立することになる。
すなわち、輸出を増やして輸入を減らすことが,国富の蓄積と幸福の増進に直結する。
ゆえにわが国の財閥・企業は、競争力の高い産業を生み出し、輸出の増強と輸入の減少に力を尽くすべきである。
桜会同士は、本論1-2排他主義の否定に留意し、財閥の全否定を控え、
上記の取り組みに励み、かつ志を持つ財閥・企業を同志として取り込み、
そうでない財閥・企業には方針を変えさせるよう働きかけるべきである。
ただし、国内で生産可能な物資・商品を外国から輸入するのは正価の無駄遣いである。
特に、品質が同じであるのに「外国産信仰」にもとづいて外国製品を購入する風潮は打破されるべきである。
品質・性能がいちぢるしく異なるものについてはやむを得ないが、
基本的に国産品の購入を推奨し、国内産業の収益構造を高めつつ外貨を温存できるよう、国民の消費性向を誘導するべきである。
■4-5■外交環境にもとづく、国富増大への制約
本邦よりも狭い国土しか持たない大英帝国が世界の列強たりえるのは、
ポンドが基軸通貨であることに加え、英国が必要な資源を世界中の植民地から得ることができるからである。
4-3のとおり総力戦遂行の必須資源を産出しないわが国としては、国外から必要な資源を獲得する必要がある。
しかし輸入には正貨が必要であり、諸外国も4-4の「正価を増やす」ことを目的に貿易をしていることを忘れてはならない
つまり列強諸国は、自分が輸出により正価を得ている市場を奪われることを許容できないし、
貿易関係にある他国からできるだけ多くの正貨を得ようとする。
わが国が外貨を多く得れば、列強は必須資源の輸出を絞ることでわが国の経済成長を掣肘できる。
つまり通常の手段では正貨を多く獲得することはできないのである。
■4-6■金本位制否定による経済成長
英国人経済学者ジョン・メイナード・ケインズ氏が、金本位制度を「未開社会の遺物」と批判している。
本論文もこの意見に全面的に賛同する。
国富とは、豊富な資源と国民のたゆまぬ努力によって産出するものであり、
金などというただの金属に左右されるものであってはならない。
しかし、現行の金本位制度が国際決済の標準的手法となっており、
安易な金本位制離脱が国際関係を悪化させることがあってはならない。
よって本論では、国際経済の主流が少しでも金本位制度から離れた際、
すみやかにこれに追随して金本位制を離脱し、金ではなく国民による国富の醸成を始めるべきだと主張する。
■4-7■相互補完的友邦の育成
前述したとおり輸出入は外貨の移動をともない、常に激しい競争圧力に晒されるばかりか、
有事に際して貿易が遮断され、必須物資の調達が不可能になるリスクをはらんでいる。
これを緩和するには、有事に際して敵に回る心配がない資源輸入先を築くことが必要不可欠である。
すなわちイギリスにとってのインド、オランダにとっての蘭印である。
これ資源輸入先が植民地であることを意味しない。わが国に不足する資源を産出し、わが国の生産物を購入できるのなら、独立国であってまったく問題ない。
重要なのは、わが国が相手国から価値100の資源を輸入したら、相手国はわが国から価値100の製品を輸入し、
両国の輸入と輸出の均衡が取れていることで、財の循環による経済成長を行えることである。
■4-8■現地人官僚の育成
列強以外に相互補完的な友邦を求める際の問題点は、
相手国が財の収奪ではなく財の循環によて経済を成長させる場合、
その国の政府が効率の良い官僚組織に運営されていなければならない。
そうでない場合、財の流動の過程でその大半が賄賂、横領によって浪費されてしまう。
そのため汚職と腐敗の少ない官僚組織の育成が必要であり、
そのためには列強あるいはわが国の官僚組織からの直接的監督と、国民の教育、自主独立に向けた10年単位の長い教育期間が必要である。
■4-9■自主通貨
相互補完的友邦の通貨政策は、扶桑円を流通させるのではなく、
友邦自身によって発行・管理されることが望ましい。
なぜなら経済規模の異なる2国が完全に同じ通貨を使用すると、
通貨の偏在が起こって有効な経済政策を行うことができなくなるからである。
自主通貨の発行・管理にあたっては、列強または本邦からの指導があるべきである。
通貨政策は扶桑円に対する等価交換制(円ペッグ)が有効である。
扶桑円と友邦通貨を1:1の等価価値を持つ通貨とすることで、
扶桑が資源を輸入するために支払った「不換紙幣である扶桑円」により、
扶桑の産品を輸入して国民を豊かにしたり、産業投資を行って国力を高めることができる。
●第5章 国体の護持●
■5-1■総力戦体制下の敗北
ドイツの敗戦から見てもわかるとおり、総力戦の敗北は、戦争責任の追及を導く。
このとき国家の代表者は処刑、あるいは追放に追い込まれる可能性が高い。
ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の境遇はわが国にとっても現実の脅威として認識されなければならない。
軍事の常として、百戦して百勝することはできない。
天智二年の白村江以降、わが国は外国に敗戦していないが、いつかはかならず負けるときが来る。
いざ敗れたときに、万世一系の皇家に累が及ぶがごとき体制は、断じて認められない。
■5-2■皇家不可侵を守るため、大権の代行者の設置
総力戦の敗北が、神聖不可侵、万世一系の皇家を侵すことはあってはならない。
よって、総軍の司令官たる陛下にかわって、戦争遂行の責任を背負う者が必要である。
戦勝国の追求を避わすため、この者には戦争遂行に関する陛下の全権を代行する権限が必要である。
本論文ではこの、戦争遂行に関する陛下の全権を代行する者を【代行者】と仮称する。
■5-3■敗戦時に死ぬことが代行者の役目である
代行者は有事に任命され、戦争を指導する。
代行者は最高責任者として戦争を指導する都合上、国家を導くに足る優秀な人物でなければならない。
代行者の最大の役目は、敗戦時に、戦勝国に戦争責任者として銃殺されることで陛下の御身をお守り奉ることである。
●第6章 総力戦遂行のための政治体制●
■6-1■総力戦と政治
総力戦体制における平時とは、次の総力戦に向けた準備期間である。
だが、いかなる政策が国民を幸福に導き、国防力を増大させるかは、状況や国際情勢によって異なる。
そのため国家の幸福増大政策として何を選択するかは、
豊富な意見をもとに研究され、活発な議論と実験によって磨き上げられなければならない。
よって本論文は、平時における総力戦準備は、政党政治をもとに行われるべきと主張する。
すなわちそれは、総力戦への問題意識を共有する我々桜会同志が、政党政治に参画することで実現される。
■6-2■経済、政治、外交、軍事の相関関係
政治は経済に従属し、外交は政治に従属する。そして軍事は武力を用いて行う外交の一形態である。
よって、経済と政治と外交と軍事は常に一体の関係にある。
しかるに本邦においては、軍人は兵隊を見ておけばよい、政治家が外交に口を出すななど、
愚劣な縄張り争いが当然のこととして行われている。
欧州の先進国たるドイツでは、「絶対に殴ってくるから」という理由でフランスに宣戦布告した
この国際環境を無視した行為により外交関係が極度に悪化、敗戦につながった。
先の張作霖に至っては、国内の統制のために戦果が必要という政略的理由から
無謀な軍事的冒険を行い、敗戦につながった。
このように、軍事的動機のみ、政略的動機のみで戦略を決めると、
外交内政上の問題を正確に把握できず総力戦は成立しないのである。
本論文はこの風潮に対し、大いに異を唱えるものである。
■6-3■政治家、外交官への軍事教育
国家戦略を預かる政治家と外交官は、国防についての基礎知識を深めるべきである。
国防についての基礎知識を有していなければ、陸海両軍大臣と議論して、
国防を前提とした外交交渉や製作活動を行うことはできないからである。
よって、国会議員と外交官向けに、軍事の基礎知識を学ぶ国防部会を設けるべきである。
同時に陸海両軍は、軍事機密を緩和し、国会議員や外交官が、わが国の国防能力をより正確に理解し、
政策設定や外交の場で誤った判断をしないように予防しなければならない。
軍事情報の過剰な秘匿は、外交官や政治家の誤った判断を招き、
陛下の兵を損なうことを十分に意識して判断すべし。
■6-4■軍人への外交教育
外交の一形態としての軍事を預かる、佐官以上の高級軍人は、
みずからの下す作戦判断が国家外交にどのような結果をもたらすのかを意識しなければならない。
よって、陸軍大学、海軍大学校には、国際政治と外交を学ぶカリキュラムが追加されるべきである。
また、任務中の高級士官が最新の外交情勢を学ぶため、なんらかの機関誌が発行されるべきである。
■6-5■有事体制「翼賛体制」
平時においては、意見対立と相互の批判は推奨されるべきものである。
しかし有事においては、国家はひとつの意識集合体となって動き出すべきである。
国家を構成する要員が、統一された価値基準をもとに中央の統率を受け、
即応を要する事態においては、事前に策定された基準をもとに自己判断して動くのである。
この統一された判断基準を生み出すため、国会は相互批判ではなく、
合議によって国家戦略を定める体制に作り替えられるべきである。
この有事総力戦指導体制を本論文では【翼賛体制】と呼称する。
■6-6■翼賛体制下における国民への公報
翼賛体制下においては、政治に対する国民の声を拾い上げることよりも、
これまでに集められた情報をもとに指導部が最適の判断を下すことが優先される。
このような状況において、政府が自らの行動を国民に伝えないと、
国民は正しい総力戦指導が行われているのか疑心暗鬼になり、【士気の崩壊】が起きやすくなる。
よって戦時下においては、政府自身による直接の情報発信が非常に重要となる。
「既存新聞に政府が作成する紙面を一定ページ掲載する」「毎日ラジオで政府公報を流す」など、
国民が政府が発信する最新の情報に触れうる機会を、これまでの数倍に増やす必要がある。
■6-7■翼賛体制下における戦果報道
【士気の崩壊】を防ぐために、戦果の過大報道、被害の過小報道を行うべきという意見が出ることと思うが、
これは【士気の崩壊】の防止策としてまったく正しくない。
人間の信頼を失わせる最悪の行動は【裏切り】である。
戦果の過小、過大報道はいつかは露見するものであり、真実を知った国民は国家の嘘を知ることで国家への信頼を低下させる。
これは【士気の崩壊】に直結するため、本当に士気回復の土壇場になるまで、極力正確な報道を心得るべきである。
■6-8■翼賛体制下における物資の統制
翼賛体制下においては、戦争の必須資源が適切に供給されるようにするため、
平時よりも物資の流通を統制するべきである。
まずは幸福資源の供給中断からはじめ、段階的に統制的な経済体制に移行する。
■6-9■戦略備蓄の蓄積と回収
陸海両軍は、自軍の兵器生産と戦争遂行に必要な物資を把握しておき、そのうち国産出来ないものを列挙する。
平時から国家に指示してその物資の備蓄を要請し、政府はそれに応えるべきである。
一例として、ニッケルの場合をあげる
装甲版材料としてのニッケル確保のため、国家はニッケルを通貨にしたり、
ニッケル合金を商用資源として有事に回収するなどさまざまな工夫をして国内に必須資源を備蓄するべきである
■6-10■代替資源の開発
化学の発展は、国産が不可能な資源の代替資源開発を可能にする。
代替資源の開発と実用化には、平時から国の補助が行われるべきである。
●第7章 政権獲得の手段●
■7-1■選挙による実権獲得 【※参加者向け:新規政党か既存政党への合流かは各案で判断。ただし論文内容に即した政党であること】
本論文の理解者たる桜会同志を中核とした政党により、衆議院で第一党を獲得し、憲政の常道にもとづいて政権を得る。
桜会同志は、すでにクーデターを起こすのに十分な武力、影響力を持っているのは周知のとおりである。
だがクーデターは本論1-2「排他主義」の典型例であり、以下の2つの理由から総力戦体制構築の手段としては適切でない。
理由の1、クーデターは、排除され殺された側を生み出すため、総力戦の大前提である国民の団結に重大な傷を残す。
理由の2、クーデターは陛下の御心にそぐわない。陛下は立憲君主として、選挙によって選ばれた議会がこの国を運営されることを望まれている。
臣たる我々が陛下の御心を排して独断するがごときは、断じて慎まれるべきである。
■7-2■内閣の防衛
政権を獲得するだけでは総力戦には不十分である。わが国の内閣は基盤が非常に脆弱であり、両軍、司法、枢密院らの妨害によって容易に倒閣されうる。
政権の基盤を揺るがす行為は、我ら桜会同志によって抑止されなければならない。
■7-3■軍組織の掌握
桜会同志が設立した内閣が、軍部大臣現役部完成を盾にとったサボタージュで倒されることがあってはならない。
よって桜会同志は、陸海両軍の上位の意志決定機構に影響力を確保し、
軍が内閣を妨害しないようにしなければならない。
また、国家防衛が総力戦理論にもとづいて実行されるよう、軍部を主導しなければならない。
■7-4■官僚組織の掌握
わが国において、官僚は内閣が替わってもそのままの形で動き続ける組織であり、独自の自治権を不文律的に有している。
よって官僚が政府の方針に積極的に従い、あるいは問題点を提示した積極的な議論を行うよう、
官僚組織を本論文の主旨に賛同させなければいけない。そのため各省の革新的官僚を同志とし、内部から影響力を行使する必要がある。
■7-5■政党組織のあり方
労働法の改正を軸に置き、革新倶楽部に各無産政党を糾合した政党組織を模索する。
無産市民の声を有産市民の支援によって広く届け、支持を拡大する。
最長で31年には行われるであろう衆院選で第一党を目指す。
最長で35年には行われるであろう次期衆院選では単独過半数を目指す。
■7-6■選挙戦略と選挙戦術
全国政党として各地で候補者を立てて選挙戦を戦う。
候補者自身が有権者と直接ふれあうことで、無産市民の組織票からの切り離しをはかるのが最も重要である。
27年総選挙で曹操氏が編み出した選挙戦術を大いに参考にすること。
■7-7■内閣の構成
本論文の経済政策は、国家が積極財政により有効需要を創出する、混合経済による経済発展を前提としている。
そのため我が会の理念は、緊縮財政派の憲政会とは相性が悪く、積極財政派の政友会と相性がよい。
本政党の経験不足を補う意味で、政友会の閣僚経験者を閣内に取り込み、政策実行力の高い政権を目指すべきである。
●第8章 外交の舵取り●
■8-1■植民地の開放
わが国は、アジアの植民地の開放を目標とすべきである。その理由は2つある。
ひとつ、民族自決と搾取の否定は正義だからである。
先の世界大戦において総力戦が大規模化したのは、列強が大義を無視して植民地から大量の兵士を動員し、戦線につぎ込んだことに一因がある。
遠くトルコまで連れてこられたインド兵に、愛国の熱意に燃えて戦った者は何割いたであろうか?
植民地の民衆が愛国心に目覚め、独自の価値判断に基づいて戦争への参加を決めるならば、
列強の侵略に手を貸す国家を減らすことで本論1-1【人口の崩壊】を早め、【世界大戦の拡大を防ぐ】ことができる。
ふたつ、そのほうが【わが国の産業にとって有利】だからである。
本論4-3にもあるとおり、わが国は産業の必須資源に乏しく、その反面アジア最高の教育・技術水準を有している。
よって、わが国の今後の基幹産業は、材料を輸入して製品を輸出する加工産業に求められるべきである。
加工産業を基幹産業とするにあたり、【他国産業との競争がある開かれた市場】が多い方が望ましい。
なぜなら競争は技術を高めて未来の競争力につながり、市場の多さは売り上げの多さにつながるからである。
独占市場は企業を甘やかし、技術革新の速度を遅らせるため望ましくない。
よって、宗主国の都合で関税を自由に操作できる植民地を破壊し、国民の都合で運営される自主市場に作り替えられるべきである。
この目標を達成するにあたり、同胞となりうる列強はアメリカである。
アメリカは他国の圧力によらず自国の判断で奴隷を解放し、
植民地(フィリピン)にも高度な自治権を与え、圧迫搾取的植民地を有さない。
また、工業製品の輸出によって財を成す製品輸出国である。
ソ連も植民地を有さないが、かの国では報道関係者が自由に活動できないため、民衆生活の実態が伝わってこない。
見せないということは後ろ暗いことがあるということであり、その実態がわかるまで連携には慎重にならざるをえない。
■8-2■対米関係
本論文は、米国との連携により欧州列強の植民地を解体し、
環太平洋同盟による二大列強体制の構築を目指す。
すなわち米国が1、扶桑が2、英仏独露が3である。
米国との協力関係構築にあたり留意すべきは、現時点で米国は扶桑を味方とは思っていないし、
将来においてもそう思うことはないことである。
あくまで自由市場の拡大という共通の目的のために、扶米両国は協力することができる。
現在、欧米列強は扶桑に対して複数の懸念を持ち、厳しくその目を光らせている。
わが国が米国の戦略を妨害せず、扶米両国が手を組むことで世界を優位に変えられると米国に信じさせ、
米国を植民地解放の共犯者に巻き込むことが重要である。
【対米友好関係維持のガイドライン】
中国においてわが国の権益を保護するにあたり、他国の権益も尊重しなければならない。
中華民国が自分で国際法に則った治安維持ができるようになるまで、列強と扶桑による教育と監督が必要である。
わが国の領土を拡大しうる動きは慎まれなければならない。
今後扶桑が勢力下に収める市場が、扶桑のみに有利な関税を持つ市場であってはならない。
米国自治領であるフィリピンの安全保障に配慮すること。
陸軍の兵士がフィリピン以南に揚陸艦で進出することは、アメリカの了解を得たうえでないと行ってはならない。
■8-3■満州国との相互補完による経済成長
産業を成長させ国力を増大させるために必要な物資とは、なによりも鉄鉱石と石炭である。
よってわが国は、本論4-7相互補完的友邦の育成理論にもとづき、鉄鉱石と石炭を産する友邦を育成するべきである。
本論では、それはわが国がすでに利権を有する満州であると断言する。
しかし本論8-2により米国から領土的野心を疑われぬよう、開放市場への希求を理解されるよう、
また中国権益独占の足がかりと思われぬよう、満州国は自主独立の体裁で建国されるべきである。
我々は満州国の独立運動を支援し、奉天軍閥を切り崩し、満州国民の力を主とした建国がなされるよう力を尽くすべきである。
建国後は、満州国を本論4-7の相互補完的友邦と位置づけ、扶桑中心で列強と協調教育を行い
段階的に円ペッグ通貨導入による交易強化を進めて満州国を経済成長に導く。
■8-4■欧州列強とのつきあい方
英仏独伊に対しては、深入りしないことが肝要である。
欧州の国際情勢は非常に不安定であり、特定の国と組めば望まぬ戦争に巻き込まれる可能性が飛躍的に上昇する。
欧州列強との関係は貿易や防共等の協定にとどめ、軍事同盟はけっして結んではならない。
■8-5■対中政策
支那大陸の主要勢力は、中華の支配者が世界を主導するという中華思想に汚染されており、
他国との健全な協調関係を結ぶことが出来ない。
まれに結ぶことが出来る指導者があらわれても、その者は「列強に媚びる売国奴」として排除される。
反面、支那大陸はインフラが劣悪であり、国土が広大であるため、
武力制圧によって打倒することには非常な困難が伴う。
この状況を打破するためには、扶米連携による植民地解放が成ったのち、
支那周辺諸国を近代化させ、圧力によって国民意識の改革を目指させるしかないと確信する。
対中包囲網完成までのあいだ、中国との武力衝突が懸念されるが、
中国の国土奥深くに進撃する戦略は決して立ててはならない。
なぜなら、占領地の維持に多大な人的資源を消費することで、
経済の成長が鈍化し、列強諸国に対する経済的な不利を得て、今後の発展が困難に成るからである。
いわば仕掛けて勝利した時点で【人口の崩壊】を導く無間地獄ととらえればよい。
対中安全保障は、「一戦して徹底的に包囲殲滅し、甘い条件で講和」を繰り返すことが重要である。
また、国民に「支那与しやすし」の印象を与えて開戦機運を盛り上げないよう報道工作が必要である。
支那が奪うものもない不毛の大地だというイメージを植え付けることも重要かと附記する。
■8-6■ソ連との融和か対決か
列強のなかでもっとも状況が読めないのがソ連である。
ソ連の報道を鵜呑みにするなら、国民が飢えないという一点において、優れた国家運営をしているように見える。
しかしソ連には報道が入ることが出来ないため、国民生活の実態がまったく見えてこない。
桜会同志は情報網をソ連に浸透させ、一刻も早くソ連の国民経済の実態をつかむべきである。
都市部と農村部で生活がどのように違うのか、【幸福産業】は成立しているのか、
すべてを明らかにしなければならない。
情報があきらかになったとき、
扶桑にとってソ連が手を組むべき相手なのか、
忌むべき敵なのか、敬して競う敵なのかがあきらかになる。
●総 論●理想は現実のなかで育まれる
我々桜会同志は、桜会が目指す理想国家が、厳しい現実世界の中で組み立てられることを覚悟しなければならない。
国民の幸福を基盤にした高度国防国家建設の大儀は、国際社会のなかで大波に晒され続ける。
我々桜会同志は、国民の幸福を基盤にした高度国防国家建設のため、
時に抗い、時に受け流しながら、ただひとつの理想に向けて舵を取り続けなければならないのである。
我らが現実を見る目を失えば、我らは理想の海で溺死する滑稽な道化に成り下がるであろう。
最終更新:2016年07月14日 22:41