true tears (アニメ) まとめwiki内検索 / 「二人でお買い物」で検索した結果

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  • 二人でお買い物
    ...後、かなぁ 二人でお買い物 その日、朝から比呂美は忙しかった。 「次はこっちをお願いね!」 「はい!」 眞一郎の母による嫁いびり、ではなく、家のお手伝い指示である。眞一郎は 昼食後、自室で絵本を描いている。午前中は何か自分も手伝おうとうろうろ していたが、「「じゃま!」」と息の合った言葉にすごすごと引き下がって、 テレビを見ていたようだ。 嫁いびり、ではなく、様々な指示は少しだけ厳しい、嫌味などは言われない が手を抜くことは当然ながら許されないので、比呂美はそれなりに真剣な表 情でお手伝いをしている。柱を拭いている時に声がかかった。 「ちょっと比呂美さん?、来てくれる?」 「あ、はーい」 比呂美が行くと、戸棚を覗き込んでちょっと困った顔の"おばさま"がいた。 「あら、いつの間に無くなったのかしら"これ&qu...
  • 二人でおつかい
         =3話の海岸沿い道路のシーンを見てから読んでください=         =あの笑顔を300%増(目標値)にします=        ="仲上家の騒々しい正月"の後のお話です= 二人でおつかい 少しどんよりとした雲り空、冬の休日。 二人は海岸沿いの道を並んで歩いていた。父の知人宅に酒の届け物を頼まれた 為である。幸運にも"二人"で、と言い渡されていたことから休日に揃ってのお 出かけとなった。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 「今日は風がちょっと強いな」 「うん」 海から吹き付ける風は耳が痛くなる程ではないが、それなりに冷たい。風上 側に眞一郎がまわって比呂美は道路側を歩いている。 「うおっ」 強めの風に眞一郎が、寒いっ、という感じで身をすく...
  • ふたり
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第26弾 『ふたり』  「今頃みんな着いたかな?」  仲上家の居間、眞一郎の湯飲みに茶を注ぎ足しながら 比呂美が話しかけた。  「そうだな、もう少しかかるだろ」  眞一郎が答える、その声はいつになく少し固い。  「ひ、比呂美は行かなくて良かったのか? 比呂美は従業員さんたちにも可愛がられてるから、行けば楽しか ったかもしれないのに」  取って付けたような眞一郎の言葉。  「それを言うなら坊ちゃんこそ、跡取りとしてのお立場上、行かれなくて宜しかったのですか?」  比呂美がおどけて言い返す。  「その『坊ちゃん』てのは勘弁してくれ、まあ、その、なんだ、比呂美一人だけ残して行ったら、防犯とか、 いろいろ問題だろうし、心配でゆっくり旅行できないし…」  眞一郎がそっぽを向き...
  • 比呂美のダブルデート奮闘記
    =このSSの時系列は仲上家の騒々しい正月の後、二人でお買い物と同じ時期です =愛子は元のお姉ちゃんポジションで、ふった三代吉は"単なるお友達" 比呂美のダブルデート奮闘記 冬の休日、いつものような嫁いびり、ではなく、家のお手伝いで働く比呂美 の姿があった。その日は"おばさま"の機嫌がいいようで厳しいという感じで はない、どちらかというと優しい。比呂美は逆に警戒していた。 (な、何かあるのかな?) ちょっとビクビクしながらお手伝いしていると、玄関に誰かが来たような気 配がした。 「こんにちはーっ」 「こんにちは!眞一郎君いますかぁ?」 愛子と三代吉であった。愛子の服装は"デート仕様"、三代吉は普段どおりで あるが、ちらちらと愛子の方を見ている。 「おおー、愛ちゃん、三代吉ぃ」 眞一郎が早速出迎...
  • こんな嘘だけ吐けたらいいな 比呂美視点ver
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第35弾 『こんな嘘だけ吐けたらいいな 比呂美視点ver』 ◇帰り道 「あれ、比呂美?」 突然、背後から声をかけられた どんなときでも聞き分けられる この声… 信じられないような幸運! 高鳴る鼓動を何とか制し なるべく自然に振り返る 「あ、眞一郎くん」 髪 大丈夫かな? 今日 靴 少し汚れたままなのに… 「今帰りか?」 どうしたんだろう こんな時間に? 「うん。 練習も終わったし、あとはお買い物だけ」 どうしよう 顔が自然にうれしそうになるの 止められない 「買い物?」 おねがい ドキドキしてるの 気付かないでね 「うん、おば様に頼まれて調味料を… 眞一郎くんは?」 ダメ 焦っちゃ 早口になってる 「本屋にちょっと...
  • Amour et trois generation Date(デート)
     日曜日、愛子は外に出ていた。  特に目的があったわけではない。店を開けるまでに時間が空いただけである。 「久しぶりだなあ……」  大体において日曜の日中は三代吉とデートをしているのが常であった。三代吉と少し関 係が微妙になった最近は会っていないのだが、愛子もふさぎ込んで家から出なかったので、 当てもなく外を出歩くのは、だから久しぶりであった。 「確か前は堤防に行ったら眞一郎がいて……」  もう一年近く前の事を想い出しながら堤防に足が向く。あの時愛子は眞一郎が見ていた セーターを買った。今にして思えばあのセーターは比呂美にサイズも色もぴったりだった。 眞一郎の瞳には初めから一人しか映っていなかったのだ。  結局、あのセーターは一度しか着ていない。 「無駄な買い物したよなあ」  似合わないし、大きすぎるし、しかも三代吉には選んだ理由が知られているしでとても 着られた...
  • hiromiss
    ...色気大作戦 12:二人でお買い物 13:比呂美のダブルデート奮闘記 14:比呂美、大喧嘩 15:比呂美スレ的 第1話 改訂版 16:比呂美スレ的 第3話 改訂版 17:ある日の出来事 18:眞一郎の脳内劇場2 19:ゲームと質問 20:セカイノナミダ 最後だけ替え歌 21:愛子の失恋 22:女の戦い 23:お手伝いのお手伝い 24:遊園地デート 25:仲上家の騒々しいひな祭り 26:休日の過ごし方 27:夜店めぐり 28:終業式イベント 29:麦端祭り当日 30:置いてかないで? 31:第5話を最終回にしました。 32:思い出の交換 33:新年度の始まり 34:新年度の始まりの続き 35:新年度の始まり-3 36:新年度の始まり-4 37:新年度の始まり-5 38:新年度の始まり-6 39:新年度の始まり-7 40:新年度の始...
  • お手伝いのお手伝い
    =9話直後くらいのお話、です。 お手伝いのお手伝い 「お願いできるかしら?ちょっと、手が離せなくて…」 「はい、いいですよ。時間、ありますから」 眞一郎の母が、比呂美に買い物を頼んでいる。まだ、二人の間は微妙な関係だ が、以前とは明らかに異なっていた。 比呂美がコートを取りに部屋へ行こうとした時、声がかかった。 「に、荷物持ちくらいなら、一緒に行くけど?」 眞一郎が目を合わさずに、少しぎこちなく言った。 「えっ、う…うん、ありがと…」 「いいよな?母さん…」 母の方を見て、念の為に聞いた。その声はキツイものではなく、むしろ機嫌を 伺っているようにも聞こえる。 「二人とも、足元に気をつけて。いってらっしゃい…」 特に気にした様子もなく母が言い、台所の方へ戻っていった。 「コート、取ってくる」 「うん、玄関で待ってるね…」 二人は家を出て、近く...
  • こんな嘘だけ吐けたらいいな
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第7弾 『こんな嘘だけ吐けたらいいな』 眞一郎 「あれ、比呂美?」 比呂美 「あ、眞一郎くん。」 眞一郎 「今帰りか?」 比呂美 「うん。練習も終わったし、あとはお買い物だけ。」 眞一郎 「買い物?」 比呂美 「うん、おば様に頼まれて調味料を… 眞一郎くんは?」 眞一郎 「本屋にちょっと参考にしたいものがあって。」 比呂美 「参考? あ、ひょっとして絵本とかの?」 眞一郎 「あ、うん。」 比呂美 「ふうん。」 眞一郎 「俺もヒマだし一緒していいか?」 比呂美 「うん、ありがとう。でもいいの? 絵本とか描かなくて?」 眞一郎 「まあ、机に張り付いてるだけじゃあイメージわかないし。」 比呂美 「ありがとう。」 眞一郎 「重いもんなら任しとけ。」 比呂美 「助かります♪」 眞一郎 「途中のスーパーか?」 比呂美 ...
  • ある日の出来事
    =比呂美が仲上家に来るよりも、しばらく前の話です。 ある日の出来事 「あっ、来た来たっ。眞一郎!こっち!」 愛子が手を振って呼んでいる。 「ちょっとさー、何だよ…いきなり呼び出してさ。何の用?」 眞一郎は近づきながら少し不機嫌そうに問い正す。 「どうせヒマなんでしょー?いいじゃん、買い物に付き合ってよ」 「あのねぇ、勝手にヒマって決め付けることないだろ?」 「彼女いないじゃん。休みの日にすることないでしょ?」 「そういう問題じゃなくて。そういう風に言われるのイヤなんだよ」 「はいはい、ごめんなさいね。じゃ、行きましょ?」 「どこ?」 「だから、買い物!はい!こっち!」 「おおっ、と…わかったってばっ…」 愛子は強引に眞一郎を引っ張って、歩き始めた。 (ん?あれは比呂美か?) 少し向うに、寂しそうにしている比呂美が見えた。  ― ― ― ―...
  • true MAMAN ここにいるよ…
     学校が終わり、眞一郎と比呂美は二人で帰路に着いていた。  比呂美はごく自然に腕を眞一郎に絡めている。 「いよう、若夫婦。今日も仲いいねえ」  道往く人の冷やかしも気にならなくなった。慣れというのは凄いものだ。 「ねえ眞一郎くん、このまま夕飯のおかず買いに寄っていい?」 「もちろん、今日は何にするんだ?」 「ううん、と。とりあえず店で安いもの確認してから決める」  二人は市内のスーパーに入る。  カートを取り、カゴを乗せる。  比呂美は、このスーパーで2人でする買い物が大好きだった。  デートのような特別な事はなく、あまりにも日常な行為。それを2人で一緒にできると 言うのが嬉しい。  比呂美と眞一郎は、個人的には不安や悩みを抱えていたものの、それも2人でいる間 は些細な問題に思えた。世界の全てと言ってもいい互いが、自分の隣で夕食の買い物 をしている。その事実の前...
  • アイスを二人で半分こ
    比呂美の部屋にて: 「アイス食べようか?」 食後、眞一郎が聞いた。 「うんっ、でも、たぶん一本しかないよ?」 「ホントだ。じゃあ、半分こな?」 「うんっ!」 アイスを取り出し、比呂美の後ろに座った。 「眞一郎くん?」 「おいで」 「う、うん…」 比呂美は眞一郎の腿に座る。腰を抱かれ、少し頬を染めた。 腕を首に回し、胸を少しだけ突き出し、ちょっとだけ"つん"する。 「どうしたの?」 いつもは服を着たままでこんなことはしない、比呂美はちょっと疑問に思った。 「半分こだろ?」 「うん…」 「ちょっと待って。はむ…ん………ほぉら」 眞一郎は小さめに口の中に含んで、比呂美の顔を見上げた。 「え?」 「ほぁやぁく」 「う、うん。…ちゅ…ん…んく…ん……ちゅ………こくっ…んくっ…ちゅぱっ…」 頬をさら...
  • ママンの黙認
    「おばさん、何か手伝う事ありますか?」 「いえ、こっちは大丈夫よ――そうね、主人の所にお茶を運んでもらえるかしら?」 「はい」  比呂美が後ろでお茶の支度を整え、台所から遠ざかる足音を聞きながら、理恵子は煮物のアクを掬い取った。  今のは自然に言えたわ。  春になり、眞一郎も比呂美も2年に進級し、最近では比呂美から声を掛けてくることが多くなった。  傍から見れば特に感慨もない光景だが、二人にとってはそれは努力の賜物であり、大いなる進歩であった。理恵子などは 今でも、比呂美にものを頼む時高圧的にならないよう、命令口調にならないよう細心の注意を払っていた。今回は自分でも 納得行く言い方が出来たようだ。  それにしても、と理恵子は思う。眞一郎はいつまで、自分達の前で「何もない」ふりをするつもりだろう?  目下、形の上で二人の関係は「黙認」だった...
  • Amour et trois generation Une vraie recherche(真実の探索)
    「愛子、具合はどう?」  ドアの向こうから母親の声が聞こえてきた。 「……よくない」  ベッドで頭まで布団を被ったまま答えた。 「そう……じゃあ、学校には連絡しておくわね」  そう言って、部屋の外から母親の気配は消えた。  愛子は布団を被ったまま寝返りをうった。眠気は全くないのだが、起きる気も食べる気 も起きない。 「どうして…………?」  愛子は昨日のモールで見たものを思い返していた。ルミに誘われて繰り出したモール。 そこで、愛子は三代吉と乃絵が一緒に喫茶店から出てくる姿を目撃したのだ。  あれは何だったのだろう。大きな荷物を持っていた。買い物をしていた、と言うのは間 違いないだろう。なら何故一緒に?学校の用事か?しかし二人はクラスも違う。三代吉は 部活も委員会にも所属していない。どちらが学校の用品を必要したとして、あの二人が連 れ立つ必要も必然もない。 「...
  • Amour et trois generation Le mouvement du presager(伏線の発動)
     麦端高校の修学旅行は大きな事故もなく、帰りの時を迎えていた。誰もがかばんに土産 を詰め込み、住み慣れた我が家に戻る事に寂しさと安堵を同時に感じていた。 「あさみさん、すごいね、その荷物」  新幹線を待つ中で、眞一郎があさみに声をかけた。その言葉通り、あさみは行きの荷物 の他に大きな紙袋をいくつも両手にぶら下げていた。 「お母さんとお兄ちゃんに色々頼まれてさぁ。芥子蓮根でしょ、明太子でしょ、それにご 当地ラーメンあれこれ……」 「それくらいなら俺も買ってるぞ」  横から下平が入ってきた。下平が言うまでもなく、酒蔵の従業員向けの土産も買い込ん だ眞一郎の土産も多いが、――比呂美も同じように買っている――別にかばんからこれほ ど溢れ出してはいない。 「女の子はかばんの中身が元から多いの!」  あさみが反論するが、朋与がニヤリと笑いながら 「あさみの場合はかばんの中身が...
  • 名前とシチュー
    =比呂美と眞一郎が8才の頃… 名前とシチュー 「はい。ここに座って待ってて?」 「うん…」 眞一郎は緊張していた。 放課後「こないだのお礼だから!」と半ば強引に家まで引っ張って連れられて 来たのはいいが、同級生の女の子の部屋は初めてだ。 一人で残されるのは、どうも居心地が悪い。 「早く、早く!」 比呂美は母親の準備を急かしていた。テーブルの縁に手を置き、小さくジャン プしている姿はとても愛らしい。 「そんなに言っても、紅茶は少し時間がかかるのよ?」 今日、ケーキを予め用意させられた理由が分かり、微笑んでいる。 幼い娘が、初めて男の子の友達を家に招いた。一緒に祭りに行って、嬉しいこ とがあったと興奮しながら話したのが、数日前だ。以前から話は聞いていたが、 実際に会うのは親としても楽しみにしていた。 「できたら、すぐに持ってきてね?」 それ...
  • true MAMAN あなたを見ている人がいる~眞一郎の章1~
     眞一郎は大欠伸をしながら階段を降りてきた。もう10時である。  絵本の持込まで日が迫っている。話の骨子は出来上がっているが、絵の構図が決まらずに苦戦し、昨夜もかなり夜更かししてしまった。  まずいな、これは。  眞一郎は少し焦っていた。本来なら、美大受験の対策も始めておかねばならない。これが終わったら、暫らくは受験に専念せざるを得まい。  美大進学は絵本作家としてmustではないが、shouldではある。出版社に対して多少なりとも箔をつける意味でも、美大には現役で受かっておきたかった。  居間に入ると父が一人で新聞を読んでいた。 「あれ?母さんは?」 「買い物に出かけた」 「ふ~ん」  珍しいこともあるものだ。パンでも焼いて食おうと台所に向かった。 「眞一郎、飯食いに行かないか?」 「ん?なに、父さんもまだなの?」 「ああ・・・行くか?」  眞一郎として...
  • true MAMAN あなたを見ている人がいる~比呂美の章1~
     カフェの窓際の席で、理恵子は腕時計に目を落とした。  ――もうそろそろね。  改めて外を見ると、比呂美が歩いてくるのが見えた。比呂美もこちらに気付く。比呂美 が外から会釈し、理恵子は微笑みで応じた。  話は30分前に遡る。 「比呂美ちゃん?私だけど。申し訳ないのだけれど、今から駅まで来れるかしら?眞ちゃ んの服を見立てて欲しいのだけど」  理恵子が比呂美を買い物に誘うのは、これが初めてだった。外出に同道させて、その 帰りに一緒に買い物をした事は何度かあるが、こうして買い物の為だけに呼び出すのは 今までになかった。  店内に入り、理恵子の前に座った比呂美は緊張しているように見えた。  聡明な娘だ、今日の呼び出しの、本来の目的に、あるいは気付いているのかもしれない。 「ごめんなさいね。何か予定があったのではないかしら?」 「いえ、大丈夫です。・・・・・・・あ...
  • 私だって 比呂美たんver
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第9弾 『私だって 比呂美たんver』 ●EDのデフォルメキャラをイメージしてください 眞一郎 「うわっ、鶏のエサが何で家にまで?」 眞一郎 「乃絵のやついつの間に…」 眞一郎 「何処まで続いてんだろ?」 眞一郎 「こ、これは、比呂美の部屋の前まで?」 コンコン 眞一郎 「比呂美? ちょっといいか?」 比呂美 「ハーイ、どうぞ」 スー 眞一郎 「比呂美? 何だか赤い木の実が俺の部屋から比呂美の部屋まで続いて落ちてたんだけど?何か知らない?」 比呂美 「クスッ ホントだったんだ? クスクスッ」 眞一郎 「なんだ? なんだ?」 比呂美 「木の実はね、私が置いといたの。」 眞一郎 「な、なに? なんで?」 比呂美  じーっ 眞一郎 (ドキドキ) 比呂美 「野節くんがね 教えてくれたの。...
  • はじめての外泊-1
    トゥルー・ティアーズ サプリメント・ストーリー  『 は じ め て の 外 泊 』  ―― all night long ―― 《 一 きちゃった……》 「じゃ~留守番、お願い。すぐ戻るから」  比呂美は靴を履きながらそういうと、少し急いだ様子でドアを開けて出て行った。明らかに小 走りになった比呂美の足音がすぐ小さくなって消えた。ひとときの別れ――。とても『別れ』と は言えないほどのちっぽけな『別れ』でも、比呂美の部屋にひとりで取り残されると寂しさが襲 ってくる。比呂美のいない比呂美の部屋――。比呂美は、この部屋で毎朝ひとりで起き、毎晩ひ とりで眠る。その寂しさに比べれば、こんな『別れ』なんか『別れ』のうちに入らないというの に……。眞一郎は自嘲気味に顔をゆがめると、ドアの鍵をかけ、リビングに戻っていった。  眞一郎は後悔していた。 ...
  • ある日の比呂美4
    前:ある日の比呂美3 《あら、お夕食もいらないの?》 「あの……練習試合が近くて……ミーティングが長くなりそうなんです」 比呂美は仲上の家に、夕食を断る電話をしていた。 おばさんに教わった料理の練習もしてみたいし、などと、もっともらしい事も付け加える。 《……わかったわ。もし自分で作る時間が無かったら言いなさい。おかずだけでも持って行ってあげるから》 ちゃんと食べるのよ、と最後に釘を刺し、おばさんは電話を切った。 (…………) 自分が嘘を吐いていることに、おばさんは気がついている。……そう比呂美は思った。 今までどれ程忙しくても、眞一郎の側にいる時間を削ったことのない自分が、 急によそよそしい態度を取れば、おかしいと思わないはずがない…… それでも……おばさんは素知らぬフリをしてくれる…… その心遣いが胸に沁みた。 ………… 今、比...
  • memories1985 親愛と嫉妬
    memories1985 笑顔と素顔  重い手足を懸命に動かして、私は制服に着替え終えた。  もしかしたら、この制服も今日が最後になるかもしれない。  今日は学校に、この前のバイク事故について説明に行かなければならない。  先に警察からの事情聴取は済ませてあり、私は本当のことを話した。  私がこの家に戻るつもりはなかった事、町を出る手段として彼にバイクを出すよう頼ん だ事、彼は最初断ったのに、私が無理強いした事・・・・全て私が原因だ。そのきっかけは家 の中のおばさんとの問題があるにせよ、この事故に関する限り主犯は私の方だった。  既に警察から顛末は学校に伝わっているだろう。それだけで退学になるとは思わない。 でも、それだけだ。おばさんはきっと私を許さない。おじさんも、もう私をかばいきれな いだろう。停学にでもなれば、そのまま私は自主退学する事になるだろう。遠くの全...
  • 32スレ目のドラマCDの妄想
    113 ◆sattoAlWHM sage 2008/04/05(土) 15 48 05 ID kMc/bISk 比呂美ドラマCDの希望ネタをあげてみようか ・海 ・プール ・夏祭り ・学園祭 ・体育祭 ・球技大会 ・花火 まだまだありそうだけど自分が思いついたのはこんなもん 114 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 15 51 50 ID L7pE6oey 113 温泉旅行希望 115 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 15 52 11 ID 0V+gDwaT 113 今の時期なら花見ネタもあったろうけどね ゴールデンウィークは・・・特に思いつかないや・・・   117 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/05(土) 15 53 41 ID Bep5SYXK 113 俺は特別イベント事じゃなく...
  • Amour et trois generation doute(疑念)
    「ねねね、比呂美、比呂美!」  朝、教室に入ると同時に朋与が突進してきた。 「何!?ちょっとどうしたの?」 「実はさっき美紀子から聞いたんだけど、あ、この話、仲上君には内緒にしてね」 「……俺がどうしたって?」 「うゎっ、いた!」  朋与がのけぞった。どうやら本当に気付いていなかったらしい。 「落ち着きなさいよ、朋与。美紀子が何て言ってたの?」  比呂美が苦笑しながら促した。眞一郎に聞かせたくない話題である事は、本人に聞かれ た時点で諦めている。 「あ、ああ、えっとね。昨日美紀子が隣町のモールに出掛けてたら、誰に会ったと思う?」 「誰……って」  比呂美は眞一郎を見た。眞一郎に聞かせたくない名前って誰だ?まさか彼の両親いずれ かと言う事はあるまい。眞一郎も首を振った。 「判らないわ、誰?」 「野伏君がいたのよ」 「…………えっと、それが、何?」  眞一郎が...
  • ある日の比呂美1
    「ある日の朋与」、「乃絵と比呂美のあいだに」を読んでから読むのをお奨めします。 「眞ちゃん!いい加減に起きないと遅刻するわよ!」 仲上家の長い廊下の端から、甲高い声がする。 何度か眞一郎に呼びかけていた『おばさん』だったが、結局諦めて居間に戻ってきた。 「まったく……」 『おばさん』は食卓について『おじさん』に愚痴り始める。 「春から3年だっていうのに……毎晩遅くまで何してるんだか」 「前にも言っただろ。眞一郎は眞一郎。好きにさせるさ」 それじゃ困るんです、と『おばさん』は声を荒らげる。 一年前なら萎縮して身体を震わせるところだが、今はそのようなこともない。 それどころか、比呂美は心の中で『おばさん』に賛同していた。 (そうそう、私の人生設計にも関わります) 内心で茶々を入れた事など欠片も感じさせず、涼しい顔で黙々と食事を続ける比呂美。...
  • ある日の比呂美・番外編2-2
    前:ある日の比呂美・番外編2-1 「二人で入るの、初めてね」 暖色系の明かりに照らされた浴室で、比呂美はタオルで髪をまとめ上げながら呟いた。 「そ…そうだ…な」 すっかり主導権を奪われてしまった眞一郎は、気分を落ち着かせようと深く息を吸い込んでみる。 だが、目の前に広がる夢のような光景に、呼吸器と心臓は暴走を続ける一方だった。 二人で入るには狭すぎる洗い場を、小物を片付けることで少しでも広くしようとしている比呂美の後ろ姿…… タオルに隠された髪の生え際と、柔らかさを増してきた肩から尻にかけての緩いライン…… 確かな照明に彩られた世界が、もう見慣れたはずの比呂美の裸体を、普段よりも美しく、扇情的に魅せる。 (自分で誘ったんだろ。 しっかりしろ、俺!!) 視界を閉じて苦し紛れに入れた気合は、僅かに声になってしまった。 「え? なに??」 何...
  • 39スレ目の比呂美の好きな映画の妄想
    724 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/05/29(木) 00 36 33 ID QEUxblBM じゃあ少し流れ変えようか 昨日投稿したSSで比呂美の好きな映画のジャンルをアクション物にしてしまったけど みんなはどう予想してる? 俺がアクション物が好きと上げた根拠は 9話での4番との会話からなんとなく思ったんだけど 725 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/05/29(木) 00 54 21 ID EdvO9kBi 大人しそうな顔して、 内面は真っ赤に燃え上がっている女だからなぁ、比呂美は 溜め込んじゃうタイプだし、スカッと発散できるものが好きって説には同意する 726 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/05/29(木) 00 58 47 ID e+TbRMcy 意外とコメディが好きだったりする でも眞一郎の前ではラブストーリーと答える ...
  • 思い出の交換
    =比呂美と眞一郎が結ばれた後の話です =妄想が暴走してます、ご注意を 思い出の交換 夏も近づいたある日。眞一郎の部屋で二人が話している。 「そろそろ暑くなってくるかなぁ…」 「うん、そうだねぇ…」 だらけきって、ベッドに寝転んでいた。この日は特にすることもなく、昼食を 食べてからのんびりしている。予定を立てていたのだが、何となくだらけてし まう日というものもあるものだ。 「そう言えば、比呂美の髪って、長いよな?」 「どうかしたの?」 実はこの質問にどきっとしていたが、平静を装っている。眞一郎がいつ聞いて くるか、いつ疑問に思うか、待っていた。 「大変だろ? 洗ったり、乾かしたり。これから暑くなるぞ」 「うん、面倒だよ。トリートメントなんて、無くなるの早いし」 比呂美の心臓はどきどきとしている。バレないか不安になってきた。顔も赤く なっていることが...
  • マグカップネタからの妄想
    【マグカップネタからの妄想】 春休みのある日。 眞一郎の母がよかったら、と知らせてくれた無料の陶芸教室に二人は来ていた。 よくある地域なんちゃらセンター主催の講座で、課題はマグカップ。 まあ地域のイベントに他に若いカップルが参加するはずもなく、自分達以外は近所の人達だ。 「♪~」 初めて使うろくろに戸惑いを感じながらもそれを楽しみ、 持ち前の器用さでスイスイとマグカップを造形していく比呂美。 自分でもなかなか納得のいくものを形作ることができ、一人ほくそ笑む。 となるとやはり気になるのは想い人の反応である。 「眞一郎くん、出来…た………?」 眞一郎くん、私の見たらどう思うかな?上手って褒めてくれるかな? そんなことを思いながら上機嫌で振り向きつつ、目に飛び込んできた彼の作品を見て愕然とした。 「ん~…まあこんなモンかな…ちょっとバ...
  • 4番の受難 その2
    【もう…だめだ…】 B-16 4番の受難 その2 (ここなら大丈夫だろう…)  4番は映画館に避難していた。もちろん、映画を見る事が目的ではない。  このショッピングセンターでの買い物が終わっていないのだが、あの二人を 警戒していては、落ち着いて買い物ができない。用足しに動き回って顔を合わ せたくはないので、二人が去ってくれるまで時間を稼ぐ事にしたのだ。  彼が選んだ映画は、小学校低学年向きのアニメ映画。たまに乃絵と一緒に映 画に来ると、妹が好んで見たタイプのものだ。妹は少し子供っぽい所があり、 それが可愛かった…。  妹との思い出だけが理由では、もちろんない。仮にあの二人が映画を見よう と思ったとして、こんな児童用アニメ映画なんぞをデート中に見るはずがない。 間違っても接触することはありえないだろう。  映画代は少しもったいないが、これで2時間半は時間が稼...
  • ご褒美は温泉旅行 後編
    前編:ご褒美は温泉旅行  第五話「泣いちゃいそう」  比呂美がハッと顔を上げる。眞一郎は、繰り返した。 「一緒に、入らないか」 「…あ…え…」  自然に出た言葉だった。比呂美を抱きたいと、考えた事がないわ けではない。何度も、何度もそう思った事がある。だが今の言葉は、 そういった事とは意味合いが異なっていた。 「あのさ…一緒に入りたいんだ。なんなら、絶対に、指一本比呂美 には触れないって、約束する。目隠ししてもいい。背中合わせでい い。一緒に入りたいんだ」 「眞一郎くん…」  じっと目を見て話す眞一郎から、比呂美は目が離せなかった。そ もそも、比呂美自身も、部屋付きの露天風呂へ、一緒に入る事を考 えなかったわけではない。だがそうすれば、理恵子との、ヒロシと の、なにより眞一郎との約束が、守れなくなるかも知れない。その ...
  • 比呂美のバイト その4
    【かなわないなあ…】 比呂美のバイト その4 「眞ちゃん、あなたは駄目よ」  仲上の母はとっておきの笑顔で言った。  それなりに年齢は出ているものの、元々美しい母である。その笑顔の迫力は 尋常ではない。 「なんでだよ!」  気圧された眞一郎は、反発してみせるのがせいぜいだった。 「成績悪すぎるもの。バイトなんかしたらどうなるか」  声からも表情からも怒りや不快感は全く感じられない。不機嫌さのかけらも ない。  それであるがゆえに、なおさらその言葉は重かった。  事実、眞一郎の成績は悪いのだ。  比呂美の顔がほんのわずかに陰るのを感じ、眞一郎は焦った。 「あなたがこの先どんな進路を選ぶにしてもね。今の成績では学びたい事も学 べないし、行きたい所にも行けないわ。もし好きな女の子が出来たとしても、 責任を示す事もできないでしょう」  母はそこまで言う...
  • みじかくいったら
    584 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/04(金) 16 34 06 ID WlV3xtYR 病院帰りのバスの中から散る桜を見て、 一個SSが出来る気がしたけど、 あくまでも気がしただけでした。 俺は…SS職人にはなれない… 585 ◆sattoAlWHM sage 2008/04/04(金) 16 40 49 ID dBvhBnSC 584 自分は脳内妄想だけで満足してる なかなか文章にするのは難しいんだよね 592 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/04(金) 17 11 05 ID FYjjH+Ud 584 俺が、俺たちが職人だ!! つーわけで頑張ってSS書いてくれ、ずっと待ってる 665 584 sage 2008/04/04(金) 20 17 ...
  • 女子大生2人!?
    「さて、比呂美ちゃん、そろそろ」 「はい、おばさん」  理恵子に促され、比呂美は手にしていたポーチを戻し、店を出た。これから、ひろし、 眞一郎と合流して外で夕食をとる予定である。  実は、四人揃っての外食はこれが初めてだった。  所用で新潟に来たという出版者の担当に、眞一郎は会いに行っていた。ひろしは組合の 集会に出かけ、二人とも帰りは夜になるとの事だった。  そこで、理恵子が「たまには家族で外食を」と提案し、比呂美と二人で事務を一通り片 付けた後、少し早めに街に出かけ、店を覗いて時間潰しをしているところだった。 「でも、いいんですか?私もご一緒して」  比呂美の言葉はそれほど深い意味があったわけではない。それでも理恵子は一瞬驚いた ような、傷ついたような表情を浮かべると、笑いを作って 「当然でしょう?あなたはうちの子なんだから」  と答えた。  比呂美は自分の...
  • ある日の比呂美・台風編7
    次の日、台風一過の朝のこと。 眞一郎と比呂美は、先送りにした《現実》と対決していた。 二人で仲上家に向かう道すがら、眞一郎が情けない声で比呂美に耳打ちをする。 「やっぱり、あの作戦でいこう」 提案されているのは《朝起きたら天気が良くて散歩に……》とかいうアレの事だろうか? 比呂美は眞一郎の往生際の悪さを、鼻で笑って一蹴した。 この人は本当に……《彼女》の息子を何年やっているのだろう? おばさんに、そんな小細工が通用する訳がないではないか。 「正直に謝りましょう。 大丈夫よ。 私たち、夕べは《何もなかった》んだから」 そうだ。 昨晩は何もしていない。 ただ、一緒に寝ただけなのだ。 ………… 「あ、坊ちゃん、比呂美さん、おはようございます」 玄関先に辿り着くと、従業員の彼が満面の笑顔で出迎えてくれた。 いや……出迎える、という表現は語弊がある...
  • 休日の昼下がり 彼と二人きり
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第22弾 『休日の昼下がり 彼と二人きり』 休日の昼下がり、居間の前の廊下を通りかかると彼が一人で居るのが目にはいった 今は家人は他に誰もいない 何をしているんだろうと廊下に隠れて室内を覗き込む 彼は気付いていない 縁側に座って外を向き、あることをしているようだ 彼のその行為は初めてみるものだった 当然といえば当然だが、やっぱりそういうことするんだなと妙な事に感心する その行為は私ももちろん時折行うが、やはり一人で密かに行っていた 今、眼の前で行われている行為は、そういう意味では貴重な光景といえるだろう 愛する人の飾らない素の姿 彼はいつも私の前では少しぎこちない やはり私でも年頃の異性という存在が身近に居ると、意識してくれるのだろうか? もしそうならそれは喜びでもあるのだけれど、それは私だけが特別なのか、それとも違...
  • 東京の空の下で
    「――眞ちゃん、また出版社に行くの?」  理恵子が訊いてきた。 「うん、ちょっと打ち合わせをしたいって言われてさ」  眞一郎が答えた。ひろしが新聞から目を離した。 「打ち合わせなんてするのか」 「うん、雑誌の挿絵の仕事だから、サイズの確認だけじゃなく元の原稿のどこを題材に使 うかも確認しておきたいしね」 「そうか。それなら、土曜から行くのか」 「学校終わったらすぐに出ようかと思ってるけど」 「準備はもうしたのか?」 「あ、行くのはまだ来週なんだ。だからまだ何もしてない」 「……そうか」  ひろしは一度新聞に目を戻した後、暫くしてまた眞一郎に顔を向けた。 「比呂美は連れて行かないのか?」 「え……えぇ!?」  眞一郎の声が裏返った。見る間に顔貌が紅潮していく。 「お前は今までも打ち合わせとかで何度か上京しているが、比呂美はまだ行った事がない だろう。いい機会...
  • 36スレ目のファッションと寝る前の萌え妄想
    621 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/24(木) 23 21 07 ID BDqgeVAQ しかし、眞一郎と比呂美のその後は考えるほど妄想じゃなくて想像が沸くし、 こんなになっいってくれたらいいなぁというのはあれこれある。 623 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/24(木) 23 39 17 ID x+8rF/Th 結婚生活倦怠期 ちゃんと出来なくなった眞一郎はついに…。 625 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/24(木) 23 47 53 ID QYlPyw1+ 地べたに手を出すのか 落ちたな、眞一郎 626 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/04/24(木) 23 50 17 ID x+8rF/Th 乃絵「眞一郎久しぶり、どうしたの? 眞一郎「実は・・ 627 名無しさん@お腹いっぱい。 sage...
  • 遊園地デート
    =9話の少し後くらいのお話です。 ="お手伝いのお手伝い"のちょっと後、です。 遊園地デート ある日の夕食後、比呂美は眞一郎と居間でお茶を飲んでいた。 「…」 「…」 二人の間には会話が多くない。どことなく落ち着かない様子で、比呂美がちら ちらと眞一郎の顔を見ている。 覚悟を決めて比呂美が口を開いた。が、その口調はたどたどしい。 「あ…あの…、眞一郎くんは…今度の休みの日…、時間…あるの?」 「えっ?、日曜?」 「うん…そう…」 「えーと…、特に…何も予定ないなぁ。絵本のアイデアでも考えようかなぁ?」 「…」 「…何?」 「あ、あのね…。それなら…、あのね…」 まだ勇気を振り絞っている最中のようで、なかなか切り出せないでいた。 「うん…」 「あのね…。これ…、貰ってね?…、今度の日曜日…までなの…」 「何?これ?」 ...
  • ・・・・(絶句)
    1.未来予想図 「あの、安藤、愛子、です。お初に、お目に、かかり、ます」  愛子の第一声である。  愛子は今日初めて、三代吉の家に遊びに来たのだった。  勿論、両親は留守にはしていないが、農家に日曜日という概念は意味を成さないので、 実質的には姉とその子供くらいしかいないらしい。  とはいえ、「彼氏の家に初めて訪問」であることは変わりなく、愛子としては心音が周 りに聞こえるのではと思うほど緊張して、挨拶をしているのであった。  幸いにして、三代吉の姉――一枝はさばけた人柄で、そんな愛子を歓迎してくれた。 「そう、あなたがあの今川焼き屋さんの。私には気にせず、ゆっくりして行ってね。どう せお父さんもお母さんも夕方まで戻らないし、私の亭主も接待ゴルフだし。 「ほらミヨ。ぼさっとしてないで部屋に案内しなさい。あんたの彼女でしょ」 「今しようと思ったところだよ。そんな...
  • 3倍返しの愛情
    3つめSSです今回は時期ネタ             3倍返しの愛情  今日は3月14日  巷ではホワイトデーと言われる日  男性が女性にバレンタインデーの3倍返しをしなければいけない日…らしい  湯浅比呂美その人も例外ではなくほのかにお返しを期待していたりする 「比呂美~眞一郎君からお返しはもう貰ったの?」  朋与がニヤケ顔しつつ朝から通算3度目の同じ質問をしてくる (注:1回目は朝練、2回目は昼食時、3回目は部活が始まる前) 「朋与、今日は会う度にその話ね  まだ貰ってないわよ」  私も三度同じ様に答える 「ちょっと、恋人同士なんだからさっさっと貰いに行けばいいのに  いくら一緒の家に住んでるからって受身過ぎない?」  と朋与は少し急かせる様に比呂美に言い放つ 「まあ仕方ないよ、多分乃絵さんにまた振り回されてると思うし  ...
  • マッチ売りの少女
    【 ※比呂美が買春をする内容です。不快に感じる方は読まないようにお願いします 】 放課後の練習が終わると、高岡キャプテンは比呂美を体育館の裏に呼び出した どんな話か大体の見当がついている比呂美の表情は暗い 「合宿の集金なんだけど…」 「すみません。もう少しだけ待って下さい」 「そのことなんだけど、朋与から色々聞いてるわ。もし無理だったら私が…」 「大丈夫です!必ず用意します!キャプテンには迷惑かけられません」 「…わかった。でも困ったことがあったら私たちに相談するのよ!」 「はい。ありがとうございます」 「話っていうのはそれだけだから。お疲れ」 「お疲れ様でした」 高岡キャプテンが去った後、比呂美の携帯がメールの着信を知らせる 「寄り道して帰らない?」 「ごめん。今日は用事があるの」 朋与の誘いを断って比呂美は家とは反...
  • 帰り道
    疲れた人向けの超短編ストーリー2です。先日叩かれましたが懲りずに投下です。 先哲の職人さんと被ってるかもしれないですがご容赦を。 「帰り道」 絵本のことで最近寝不足の俺(眞一郎)には、午後の最後の授業は特に辛く感じられる。 しかも席には西日が差し込み、眠ることを許さない。 そんな億劫な時間もチャイムが全てを解放する。 比呂美と恋人同士となったものの、部活や「照れ」で中々一緒に帰る機会がなかった。 しかしテスト期間が迫り、今日からは部活がない。 つまり今日は比呂美と二人で仲良く下校するチャンスというわけだ。 「比呂美、ちょっといいか?」 声を掛けたとき、比呂美は親友の黒部朋代と談笑していた。 「ああ、旦那がお呼びね♪じゃまた明日」 比呂美は笑顔で朋与を見送る。おい旦那ってとこはスルーか比呂美? 「一緒に帰ろっか、眞一...
  • 38スレ目の母の日の妄想
    278 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/05/11(日) 19 56 37 ID +WCuFiCT そんな事より折角の母の日だというのに、 それに絡めた小ネタの一つもないのは如何なモノか。 279 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/05/11(日) 20 00 24 ID lBRv9SLu 278 一人目SS職人さんがSS投下されたからなぁ あれで癒されてしまった 282 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2008/05/11(日) 20 25 14 ID DyyuZ8lw 278 「眞ちゃん、もうそろそろ母の日だけどわかってるわよね」 「ああ、わかってるよっ母さんプレゼント、何がいい」 「…わかってない…この子ったら。比呂美ちゃんのお母さんのことよっ」 ってな感じでママンが教えてくれると見た 283 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2...
  • 夜店めぐり
    =比呂美が眞一郎と結ばれたアフターストーリーです。 =どうでもいい前置きはすっ飛ばしてもいいですよ。51行目からどうぞ。 夜店めぐり 「しんちゃん! しんちゃん! ちょっと、こっち!」 眞一郎を呼ぶ母の声が響いていた。 近くの神社の祭りの日。大きな祭りではないが、小さな神社に夜店が並び、派 手さはないが近所の人々にとっては夏の楽しみの一つだ。町内会の手伝いとし て、比呂美、眞一郎とその母も参加している。主な担当は迷子などを一時的に 預かる場所の設営だ。三人で仲良く、とはなっていない原因が… 「しんちゃん! しんちゃん! そっち、引っ張って!」 眞一郎を比呂美に取られまいと、必死に指示を飛ばしている母の存在だった。 自分に少しも声を掛けず、独り占めしようとする姿を見て悔しさが募る。 (わ、私が眞一郎くんの恋人なの…) 口には出さず、胸の中で主張している。...
  • 本日の天気は 晴れ 一時 ジェラシー、明日は 晴れ の見込み
    負けるな比呂美たんっ! 応援SS第25弾 『本日の天気は 晴れ 一時 ジェラシー、明日は 晴れ の見込み』 「眞一郎くん、何見てるの?」 ここは仲上家の居間、 眞一郎が一人でテレビの紀行番組を観ていた。 「ああ、なんか妙に気になって」 「あ、この番組、私も好きなんだよ」 「比呂美も?」 「うん、お家に居た頃… あ、昔、よく観てた」 眞一郎は言い直す比呂美の気持ちを思い、 気付かない振りをした。 「これ、昔からやってるの?」 「うん、2、3年くらい前からやってるみたい」 「ふーん、知らなかった」 「毎日、短いのがあって、半年毎くらいに2、3日にわけて総集編があるの」 「ふーん」 「日本国内と、ヨーロッパ、中国も最近あったみたい、 そうそう、国内のは行程を変えてもあったみたい」 「ホントに好きなんだな」 「うん、なんだ...
  • 終業式イベント
    =比呂美が眞一郎と結ばれた後の話です。 終業式イベント 終業式が近づいたある日の朝、比呂美と眞一郎は相変わらず手を繋いで登校し ていた。通り過ぎるクラスメイト達も慣れた風景なので、何も言わなくなった。 一人を除いて… 「おっはよ!」 挨拶をしながら比呂美の肩を、ぽんと叩いた。 「おはよう、朋与。今日は暖かいね?」 肩を叩かれた時から誰かわかっていたので、普通に話している。眞一郎も挨拶 をする。 「お、おはよう」 未だに朋与との会話に慣れていないというより、からかわれることが多いので、 ちょっと警戒気味だ。 「おはよ。そうだねー。雲が少ないから、日が差すからでしょ? でさー…」 眞一郎との挨拶は簡単に、朋与が比呂美と話し始めた。その後、教室までずっ とそのままだった。 今日は平和な一日になりそうだ、眞一郎はそう感じていた。  ― ― ― ...
  • true MAMAN あなたの代わりになれるかな~前編~
    「行ってきます」  学校に行こうとする眞一郎を理恵子が呼び止める。 「あ、眞ちゃん、待って」 「ん?」 「悪いけど、今日は比呂美ちゃんのところでお夕飯食べてもらえるかしら?お母さん、 ちょっと出かける用事があるの」 「あー、それはいいけど、父さんはどうするの?」 「お父さんも、今日は出前か何か頼んでもらえませんか?申し訳ないのですけど」 「・・・・ああ、わかった」  ひろしは一瞬だけ理恵子の方を見て、すぐに食卓に目を戻しながら答えた。 「なんなら比呂美に来てもらおうか?うちなら台所も使い慣れてるし」 「余計な気は遣うな。俺は、適当に食べるから」 「お父さんもこう言ってるし、二人でお食べなさい。お母さんもそんなに遅くはならないから」 「わかった。じゃ、そうするよ。行ってきます」  眞一郎が改めて挨拶をして家を出ると、理恵子は食卓に戻った。 「すいません、急に」 ...
  • あさみさんの平穏な休日
    「ふぁ~、……今何時?」  目を覚ましたあさみが時計に目をやると、正午まで後十分といった所だった。 「もう少し寝てたかったな……」  そう言いながら身体を起こす。  部屋を出て台所に出ると兄が台所に立っていた。 「おはよう」 「早くないぞ。何時だと思ってるんだよ」 「十一時五〇分」 「よろしい」  そう言うとまた下を向いてフライパンでパンを焼き始める。 「あたしにも朝ごはん」 「僕が作ってるのは昼ごはんだ」  そう言いながら生クリームを冷蔵庫から出し、泡立て器で攪拌する。 「待ってな。すぐ絹の分も作ってやるから」 「名前呼ぶの禁止!」  すかさずあさみが兄に指摘する。 「じゃあなんて呼べばいいんだ、妹よ」 「シルクのしーちゃん」 「馬鹿」  焼き上がったフレンチトーストを皿に乗せ、ホイップしたクリームを乗せると、あさみ に差し出した。 「はい、お待...
  • true MAMAN 私がそうしたいだけだから
    「今日は悪かったわね。お休みだったのに」 「いえ、特別することもありませんでしたから」  日曜日である。理恵子と比呂美はショッピングモールを歩いていた。  理恵子は先代からの付き合いのある料亭に所用があり、それに比呂美を同行させた。今はその帰りである。  比呂美を同行させたのはいくつかの付け届けの品を持ってもらうためだが、第一の目的は勿論比呂美を紹介するためで ある。仲上家の娘として、そしてほぼ確実に将来的な嫁として、覚えをめでたくしておくのは早いに越した事はない。  今は帰り道、隣街のショッピングモールに立ち寄っている処だった。 「あの・・・何か買って帰られるんですか?」 「とりあえず夕食のおかずは買っていきましょうか。比呂美ちゃんも今日は家で食べていくといいわ」 「はい、ありがとうございます」  知らない者が二人を見たらどう見えるだろうか。親子でない事はお互いの言葉使いから気付くだろう...
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